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2013年09月03日の記事は以下のとおりです。

ゴミは甦るのか

  • 2013/09/03 14:40
  • カテゴリー:make:

 粗大ゴミを3万円で買った私は,嫁さんにその事を正直に話しました。「いくらしたの」「3万円」「それは痛いねえ」という彼女の目は,ざまあみろと笑っています。

 嫁さんがその後,堰を切ったように数万円の買い物に嬉々としていることを,私は見逃しませんでした。しかし,今の私にそれを咎める資格もなければ,そんな強い心も持っていません。

 自分の身に起こった残念な話はおもろいネタとして活用するのが関西人ですが,今回の失敗はネタに出来る喜びを,ほんの僅かな自尊心が上回り,私にしては珍しく黒歴史として封印されることになりそうでした。

 VP-7722Aは修理を試みる人間を返り討ちにするような複雑さです。回路図はおろか,マニュアルもない中で,手の出しようがないというのが最初の状況です。

 VP-7722Aは,マザーボードに多ピンのコネクタが並んでおり,ここに様々な機能を持つカードを差し込んで行くような仕組みです。VP-7723Aのように,1枚の基板にいろいろな回路を入れ込んだ構造ではありません。

 しかし,カードの枚数が多いのです。アナログ部が6枚,デジタル部が6枚で構成されていて,それぞれの基板には部品がぎっしりです。コネクタの接触不良もあるかと思い,とりあえず一度外して,差し直しをします。

 ・・・全然駄目でした。

 もう少し考えて見ましょう。

 表示が出ないわけですね。発振器は動いていますし,操作も出来ますね。ということは,メインのCPUは動いています。しかし,歪率に関係のないレベル計に切り替えても表示が出ません。

 まず疑うのは,デジタル部です。しかし基板に書かれた「名称」くらいしかヒントがなく,仮にこのうちどれかが壊れていても,それを私が見つけて修理するのは,回路図もないのに難しいでしょう。

 とりあえず,バックアップ用のNi-Cd電池をCR2032に交換です。

 当たり前ですが,全然変化し。

 付着したホコリが湿って導電性を持ち,ショートしている可能性もあるなと思って,とにかく掃除機とブラシで徹底的にホコリを取りました。

 それでも全然変化無し。

 これで数日経過しました。まさに膠着状態です。

 一方で,とにかく回路図を手に入れねばと探し回りますが見つかりません。仕方がないので,手持ちのVP-7720Aの回路図を見ます。全然違う機種ですが,回路構成や部品などは共通の所もあるでしょう。何もないより,少しは訳に立つはずです。

 そうこうしているうちに,ふとヒューズに目が行きました。ガラス管のミゼットヒューズですが,ホコリまみれで中が良く見えません。

 テスターで念のため当たってみると,いくつかあるヒューズのうち,2本が切れていることがわかりました。おお,ヒューズが切れているということは,どっかで電源がショートしているという事ですね。一歩前進です。

 もう一度基板を見直します。

 アナログ系の基板は,シールドの為に鉄の板が被さっていますが,面倒くさがらずこれを外して見てみます。

 そうすると,ANALYZER BOARDと書かれた基板が,なにやら丸焦げです・・・

 すごいです。抵抗は煤になっていますし,ダイオードはカラーバンドが真っ白になってガラス管が曇っています。基板も黒く焦げていて,燃えた部分は凹んでいます。これは強烈です。

 よく見るとシールド板にも焦げがありますし,ケースの裏側にも焦げた跡があります。この規模から考えると,周辺の部品も道連れにしているかも知れません。

 VP-7722Aは2CH同時測定可能な高級機ですから,ANALYZER BOARDは2系統存在します。燃えているのはどうもCH1入力のもののようで,CH2の入力を受けるもう1枚のANALYZER BOARDは,ぱっと見ると無傷です。

 そこで,焦げたボードを抜き取り,ヒューズを交換して見ました。

 電源をドキドキしながら入れると,おおおー,表示が出ました。

 発振器の出力をCH2に入れると,周波数とレベルが表示されています。歪み測定のスイッチを押せば,なにやらそれらしい数字も出ています。0.00043%くらいですね。もしこれが本当なら,なかなか素晴らしいです。

 周波数を可変すれば,測定した周波数も変化します。歪率はほぼ一定で,レベルも他の電圧計の指示とそんなに変わりません。

 この段階で,VP-7722Aは歪率計として機能している可能性が高まりました。2CH同時測定は出来なくても,歪率計としては使えるかも知れません。ああ,粗大ゴミではなくなったのです。

 しかし,出来る事なら修理を行って,VP-7722Aの本来の機能を復活させたいものです。2CH同時測定が出来ると,例えばセパレーションの測定も出来るし,左右同時に負荷をかけたときの歪率を見ることも出来ます。

 ということで,焦げた基板(というかもはや燃えた基板という方が正しい)の修理を試みるのですが,これがまた茨の道でした。次回に続きます。

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