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2013年09月13日の記事は以下のとおりです。

番外編 アッテネータをつくってみたのと,VP-7722Aのダイオード交換

  • 2013/09/13 08:37
  • カテゴリー:make:

 オーディオ用のステップ式アッテネータは,ちょっとした小道具ですが,あると便利,ないと困るものです。0.1dB単位である必要はなくて,3dBくらいでも十分です。

 1つ作るかなと思っていたところへ,知人が75Ωのステップ式アッテネータをくれました。テレビのアンテナの検討に使うものだったらしく,しっかりしたケースに6つほどスイッチが付いていて,ケースの両端には75ΩのBNCコネクタが付いています。

 私は高周波はやりませんし,まして75Ωですから,これは使い道がありません。そこで,600Ωのアッテネータに作り直すことにしました。

 T型アッテネータの式に当てはめ,3,6,9,10,20dBの定数を求めます。ぴったりの値はありませんので,市販されている金属被膜抵抗を組み合わせて出来るだけ近い値になるようにしていきます。

 また,出力側に接続した機器のインピーダンスが高いときのために,600Ωで終端出来るよう,ターミネータも取り付けて,スイッチでON/OFF出来るようにしておきます。

 計算間違いとハンダ付け間違いさえしなければ,まず確実に動作するものですの,あいた時間の気晴らし程度でさっさと組み立てます。

 うまい具合に,ちゃんと動作も確認して,めでたくステップ式アッテネータが完成しました。

 自作の歪率計に内蔵した発振器は,出力振幅によって歪率が大きく変わります。一番歪率が小さくなるようにした上で,このアッテネータで調整が出来れば,良い測定結果が得られるはずです。

 しかし,VP-7722Aを手に入れて運用している今,もう必要がなくなってしまいました。

 とはいえ,なにかと便利に使えるし,これを持っていれば「おお,わかっとるなこいつ」と思ってもらえるので,見栄を張るのにも好都合。買えば結構な値段がしますし,気になっていた事が片付いて,良かったです。

 次にVP-7722Aのダイオード交換のお話です。

 VP-7722Aのアナライザ基板には,被測定対象を接続するオーディオ入力がつながります。ここに保護ダイオードが入っていて,燃えた基板はこのダイオードが壊れてショートしていたことを,以前書きました。

 同じ物と交換すべきですが,ちょっと変わったダイオードなので1N4148Aというごく普通のシリコンダイオードを代用したところ,小さいレベルの時と周波数の高いときで,歪率が悪化する傾向がありました。

 これが気になっていたので,出来れば同じダイオードに交換したいなと思っていたところ,比較的安価に手に入ることがわかりました。
 
 先日はさらっと書いたのですが,ガラス管に入ったダイオードには部品の名称もメーカーも記載がなく,回路図も手に入らない状況で,どうやって部品を特定したかが結構大事な話です。

 これは,海外の部品屋さんに,パーツリストが掲載されていたことで,解決しました。PDFになっているわけではなく,WEBに直接書かれていたんですが,もともとサービスマニュアルから引っ張ってきたもののようで,修理に際して大変参考になりました。

 VP-7720Aの回路図を手もとに置き,これとVP-7722Aのパーツリストと見比べて,VP-7722Aの回路を推測していきます。パーツリストにあるダイオードを調べると,ちょっと見慣れない1SS101というのが目に付きます。

 それで,1SS101ってどんなやつ?とgoogle先生に聞いてみると,簡単な仕様が出てきました。ここにある外形図とカラーバンドを確認すると,どうやら今回壊れた入力保護ダイオードがこれに該当することが判明しました。

 回路図を入手していたVP-7720Aでは,入力保護にMA150という普通のシリコンダイオードが使われていたんですが,面白いですね。これはやはり,高級機であるVP-7722Aならでは,なんだと思います。

 ところが,1SS101って,その用途にUHFのミキサ用とあるショットキーダイオードなんですね。HFくらいまでなら,ゲルマニウムダイオードの代わりに検波やミキサに使われたものでもあるらしく,アマチュア無線機にも使われた実績があるようです。

 高耐圧,高速,低歪みを特徴としている,なかなか個性的なショットキーダイオードです。本来,1SS101そのものが製造中止になっても,これに代わるものがありそうなものですが,その個性故かなかなかありません。

 スペックを見ると,逆耐圧70V,順方向電圧0.41V,順方向電流は15mA,端子間容量は2pFです。耐圧が高いわりには,容量が小さいというダイオードで,なかなか個性が強いやつです。海外製をぱっと探すと,1N5711とかいうのが該当しそうです。

 これが1N4148Aなんかだと,耐圧は75Vですが端子間容量は4pFと倍もあります。信者すらいると言われるベストセラーの1S1588だと耐圧30V,端子間容量は3pFと,実に凡庸です。またVP-7720Aに使われていたMA150ならどうかというと,耐圧は35V,端子間容量は2pFです。

 つまりあれです,VP-7722AはVP-7720Aなんかと同じ性能を維持しながら,入力保護の耐圧を高める必要があって,1SS101と採用したということですね。

 MA150をとりあえず使えば良かったように思いますが,またこれも同じ物は手に入りにくくて,困ります。ということで,1SS101が70円ちょっとで手に入るようですので,早速注文します。

 届いてみれば,もう1枚のアナライザ基板で見慣れた,大きさ,形,カラーバンドです。

 早速VP-7722Aを分解し,ダイオードを交換します。気持ちがいいものです。

 そして測定です。レベルは左右でほぼ一致です。周波数やレベルによる差はほとんどありません。歪率は,1kHzの2Vrmsで0.00001%前後の差が出ることがありますが,ほとんどなしです。2Vrmsなら,80kHzくらいまで差はほとんどありません。レベルを小さくした場合でも,以前ほど大きな差にはなっていません。

 これで修理完了です。同じ部品に交換したんですから,当たり前といえば当たり前です。しかし,1SS101という部品の特定が出来なかったら駄目ですし,特定出来ても手に入らないとアウトです。外し品を使うことも,部品に名称が書かれていないのでは難しいものがありますから,新品が手に入って本当に良かったと思います。

 たかだかダイオードでこれだけ結果が違ってくるんですね。しかもショットキーダイオードという,非常にプリミティブな半導体でです。奥が深いなあと思います。

 しかし,こういうダイオードが製造中止って,なんとかならんもんでしょうか。

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