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2014年07月28日の記事は以下のとおりです。

テスターを新調しました

  • 2014/07/28 13:49
  • カテゴリー:散財

 テスターを新調しました。

 今回買ったのは,フルークの101というやつです。

 フルークって,この仕事をしていると,なんやかんやで一流品ですから,ものよりも持っている人のこだわりのようなものに興味がいきます。

 テスターは価格も安いものもありますし,一般の人にも手軽に買える測定器です。その割に測定出来る事が多くて,初めてハンダゴテを握る子供からこの道30年のプロまで,使って意味のある測定器です。

 ですが,その中でフルークは今ひとつアマチュアへの露出が少なく,また価格も高いので今ひとつな感じがありますが,経験とが上がるごとにフルークを知り,やがて欲しいと思うようになるわけです。

 とはいえ,所詮はテスターですし,高額なものは別にして,3万円くらいまでのものなら,基本性能や精度を見ても他社のものと比べてそんなに変わるものもなく,私などはむしろブランド志向でフルークを選ぶくらいなら,ちゃんと吟味したサンワが一番いいと思っています。

 そういえば,高校生の時に師匠と仰いだバイト先の店長さんに,テスター買ったと話をしたら,すかさず「どこの?」と聞いてきたので,サンワですと答えたら,ニコニコしながら「サンワならええね」と返してくれたことを思い出しました。

 いくら安くて高性能とはいえ,秋月オリジナルのポケットテスターで測定を平気な顔をして行っている人には,いくら仕事が出来ても首をかしげたくなるわけですし,その結果を求めている相手を安心させたり,信用してもらったりという,エンジニアとしての最低限の心遣いが出来ない人というのは,申し訳ないけど一緒に仕事をしたくないものです。

 先日,偶然計測器ランドのWEBサイトを見ていたら,フルークの廉価版が登場とあります。なになに,と見てみると,一番安い101というモデルで6000円弱じゃありませんか。

 106と107という上位機種もありましたが,それでも1万円までで,なかなか安いです。調べてみると低価格路線に打って出た戦略モデルなんだそうですけども,私の目には,一目でフルークと分かるあのデザインがポケットに入る超小型であることに,もうクラクラしました。

 ちょうどamazonのタイムセールをやっていたのでちょっとお安く買えたこともあり,101を注文しました。アンチフルークといっても良かった私が,まさかフルークを買うことになるとは・・・

 実は101と106,そして107の三機種は微妙に難しい差があるシリーズです。101が一番安く,106から107と値段が上がるのは分かるとして,106は101よりも上位なのに周波数もダイオードテストもデューティも測定出来ないとか,実は106は101よりも大きいとか,価格が上がるごとに機能が追加されるわけではないので,油断は禁物です。

 とりあえず107を買っておけば全部入りなので憂い無しというところなのですが,バックライトも必要なければ,本体よりも大きなストラップも必要ありません。なにより超小型のフルークというところにしびれた私は,電流が測定出来るからと大きくなってしまうことをどうしても許せなかったのです。

 かくして手元に届いた101ですが,軽くインプレッションを。

(1)大きさ

 手にすっぽりおさまるサイズのフルークはおそらく初めてであろうと思いますが,投影面積もさることながら,厚みも手頃で邪魔になりません。中央部がほんの少しだけくびれているのですが,ここが手にも馴染むので,使いやすいです。

 あらためて大きさを確認しましたが,やはり106や107ではやや大きいと思います。この101のサイズは絶妙なところなんでしょうね。


(2)使い勝手

 まず端子がパネル面ではなく,下側にありますので,リードが下から出てきます。これは結構面倒かなと思っていたのですが,全然大丈夫です。

 ロータリースイッチはさすがフルーク,とても良い感触です。ただ,OFFから1つ動かしたところがAC電圧なので,DC電圧を測定するときに「あれ」と思うことがありました。

 これはフルークのテスターに共通する仕様なのですが,電気工事士が使うことを想定して1つ目にAC電圧を置いているのかも知れません。国産を含め,多くのテスターがDC電圧を1つ目に置いていることを考えると,意地というかこだわりというか,そういうものを感じますが,私はあまり合理的だとは思いません。

 ディスプレイは大きすぎず小さすぎず,また表示内容も良く整理されており,視認性に優れています。ただし,あまり良質なLCDではないようで,見る角度がちょっと悪いと,急にコントラストが下がって見にくくなってしまいます。

 私がテスターで気にするポイントは2つあり,1つはディスプレイの更新周期と,導通を知らせるブザーが鳴るまでのタイムラグです。

 前者は,古いテスターは1秒に1回だったりするのですが,これくらい遅いともう変化を読み取ることは出来ないので,使い方は限られます。せめて1秒に2回くらいは欲しいところですが,この101は1秒間に3回です。

 あまり頻繁に更新されるとかえって測定が難しくなりますから,このくらいが一番適当じゃないかと思います。

 後者についてですが,これは十分速くて,問題なしです。実測で30ms程度とのことですが,使い勝手を悪くするレベルではないと思います。

 中には0.5秒くらいのタイムラグがあるテスターもあり,これはもう論外です。例えば50ピンのコネクタの接続チェックを行う時に,すべての端子を調べるのにかかる時間はタイムラグだけでトータル25秒も余計に待たされるわけですよ。テンポが大事な測定に,これはもう致命的です。

。ただ,導通の判定をいい加減にやっているから反応速度が速いテスターというのもあるはずで,これはこれで使う意味がありません。電気抵抗を測定するなり,流れる電流を調べるなり,電圧をみるなりで,きちんとした判定は不可欠です。

 101がこうした基準で導通を判定しているかどうかは,結局分からずなのですが,あまりいい加減な事はやっていないはずと,信じて使う事にします。


(3)分解能と精度

 6000カウントのテスターは今どきのエントリーモデルです。かつては4000カウントとか2000カウントのテスターもありましたが,それらを一通り使って見た経験から言うと,6000カウントは欲しいところですが,一方で6000カウントあれば十分という気もします。

 というのは,例えば4000カウントと6000カウントを比べて見ると,5Vを測定するとき,6000カウントだと5.000Vと表示されるのに,4000カウントだと5.00Vとなってしまうからです。

 どっちも1%とか2%の誤差を持つわけだし,最終的に大差ないように見えますが,デジタルテスターの場合,いわゆる測定誤差に加えて,一番下の桁が2から3くらいずれることを認めています。分解能が小さく,表示桁数が大きいとここが有利なのです。

 だから,仮にどちらのテスターも1%の誤差を持つもので,0.05Vの測定誤差を含んでいるとしても,そこから2カウントの誤差を考慮すると,4000カウントだと4.93V~5.07Vまでの中に真の値が,6000カウントだと4.948V~5.052Vの中に真の値があることになるわけで,その範囲がまさに桁違いなんですね。

 私などは古いタイプの人間ですので,アナログのメーターは読みやすくて好きです。最小目盛りの間の,どの当たりに針が来ているかをどんぶり勘定で判断し,それをサクサクと記録するだけです。最小目盛りを信用出来るようにするには,そのヒトケタ下を読まないといけないのですが,そんなもの,そもそも正確に読めるはずがありません。

 下の目盛りをちょっと越えているのか,真ん中よりもちょっと低いのか,真ん中をちょっと越えているのか,それとも上の目盛りにもうちょっとで届くのかという4つの程度を見て,それぞれ0.2,0.4,0.6,0.8とおけば,もうそれで十分ですから。

 話を戻しましょう。精度については101も106も107も同じで,DC電圧では0.5%+3カウントです。これはこの価格のテスターとしてはまずまずよい精度です。実用上も問題はありません。

 正しい方法ではありませんが,安定化電源にいくつかのテスターを並列に繋いで電圧を見てみましたが,HPの34401Aと比べても,小さい電圧から高い電圧までほぼ全域において0.01くらいの差しかありませんでした。

 ちなみに秋月のP-10は長く使い込んでいるせいもあって,値はもうボロボロでした。レンジによってはもちろん,測定電圧によって全然値がずれるので,もうリニアリティが破綻しているんだと思います。6000カウントのP-16ですが,これは思った以上によいもので,101とほぼ同じ値を示していて,リニアリティも問題ありませんし,更新周期も速くて,この値段なら実によいテスターと言えるでしょうが,残念なのはオートパワーオフの時間が短く,頻繁に電源が切れてしまうことです。解除の方法もあるのですが,私のP-16はこれが有効になりません。

 あと,うちで最古のデジタルテスターであるサンワのRD-500ですが,これもリニアリティが悪く,値があまり信用出来ません。もう30年近く前のものですし,今どき2000カウントで更新周期は0.5秒ですので,もう全然使い道がないのですが,実は導通ブザーの反応が速くて,とても重宝します。


(4)その他

 CAT3・600V対応とか,付属のテストリードが単品で買うと4000円を超えるよいものがついているとか,電池の交換をするのに裏蓋を全部外すのではなく,ロック付きのちゃんとした電池ブタがついているとか,安いとは言え,こういうところで手を抜かないところはさすがにフルークです。

 電流の測定が出来ないことを問題にする人は106か107を買えば良いと思いますが,振り返ってみると電流を測定する機会ってそんなにありません。その割には測定に危険が伴うものですから,「ないよりはあったほうがいい」という程度で電流測定機能を求めるのは,ちょっともったいないかなと思います。

 もちろん,電流の測定はとても大事な事です。ですから,そこはいい加減なものではなく,安全で精度の良い,しっかりしたテスターを1つ選んで,これに電流測定機能を求めるべきと思います。

 この101や106,107には,電流クランプが用意されています。5000円という値段でクランプメーターになるのですから,これはよいですね。私も先日クランプメーターを買わなかったら,きっとこれも一緒に買っていただろうと思います。

 価格が安いので交流電流しか測定出来ませんが,危険な電流測定がクランプで出来るのであれば,最初から電流測定機能などなくてもよいんじゃないかと思います。


(5)まとめ

 101,106,107の3つのうちどれを買うかですが,おすすめはやっぱり101です。小さい安いし精度は上位機種と変わりません。なくて困るのは電流測定機能くらいですが,電流の測定はそんなにするものではないし,電圧と抵抗をこの信頼性と安全性で測定出来るなら,この価格はとてもありがたいと思います。

 確かに,秋月をはじめとする安価で高性能なテスターはいくらでも見つかりますが,精度も怪しいし,そもそも本当に安全なのかという疑問があります。高いと入っても1万円までの測定器なら,思い切って良いものを買って欲しいなと,私は思います。

 さて,101が思った以上によいテスターだったので,P-10には引退してもらうことにしましょう。10年以上にわたってお世話になりましたが,もう電池も何度も液漏れして,精度もガタガタ。満身創痍で可愛そうなくらいですが・・・あ,乾電池のチェッカーがあるのはこのP-10だけでした。バッテリーチェッカーとして,もうちょっと頑張って頂くことにしましょうか。

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