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2014年08月11日の記事は以下のとおりです。

2SC1815のパチモン

  • 2014/08/11 15:41

 実は,先日買いだめしてあった2SC1815を眺めてみると,どうもマーキングが雑なんですね。

 レーザーマーキングになった東芝製と比べて見ると,書体の違い,レーザーの掘りの深さ,そして刻印の精密さが悪いなど,見た目に随分違うのです。

 その上パッケージの形も大きさもちょっと違うし,バリも大きく出ています。加工精度の悪さが一目瞭然で,ピンも東芝製とはちょっと違う感じしたので,もしかして他社互換品かも,と疑惑を持ったのです。

 おかしいなあ,互換品を選んだつもりはなかったんだけどなあと思いつつ,まあ無指定で安い2SC1815を買ったら互換品だったんだろうと,やり過ごしていました。

 ですが,艦長日誌のメンテをした際に,2SC1815で検索をかけると,この買いだめをいつ行ったのかがさっとわかりました。そこからメールを調べると,2011年の5月に,イーエレというところから200個600円で購入したことが判明しました。

 問題はここから先で,艦長日誌には「東芝製を選べるんですねえ」と,東芝製を指定できる事実がちらっと書かれています。購入時の明細を調べると,私はちゃんと東芝製と指定してありました。

 イーエレのサイトに行くと,すでに売り切れていますが,商品写真は間違いなく東芝製です。ここではっきりしているのは,少なくとも写真と違うものが私には送られていたという事実です。

 さて,ここで,写真とは違うが東芝製であるというイーエレと信じるか,ウソをつかれた,騙されたと思うかです。私は後者と思っています。思っていますが,もう時間もかなり経過したし,使えないわけではないから,もうあきらめることにしました。

 それにまあ,1つ3円で東芝純正が売られているわけがないかと,まあその,騙された私が悪かったと,そういうことでしょうね。

 ちなみに,イーエレには互換品も同時期に売られていましたが,どこで作られたかわかりませんと,誠にいい加減な書き方です。しかも商品写真はわざとか偶然か,ぼやけた写真で詳細が見えません。値段も東芝製よりさらに安いのですが,これが東芝製を指定してその価格で購入した客に送られているのだとしたら,これは悪質だなあと思います。

 一応2SC1815の互換品ということで売られているので,一般用の小信号トランジスタとして使うことは問題ないでしょう。しかし,2SC1815は一般用としてはもったいないくらいの超高性能トランジスタであり,それがこの値段で買えると言うことに大きな価値があるのです。

 東芝のデータブックを見ていると「PCT方式」という記述がやたら多いことに気が付くと思います。このPCTと言う方法は,東芝がシリコントランジスタで編み出した製造方法で,結晶の構造をうまくコントロールし,雑音を減らしトランジスタの高性能化を低コストで実現するものらしいです。

 我々はもうレガシーなトランジスタを,どこも同じようなものと考えてしまいがちですが,その昔トランジスタが主力商品であった頃には,多くの技術者や学者がその高性能化と低コスト化に取り組んで,特に生産技術面において各社競い合って,全体の性能向上が図られた事実があります。

 一部のオーディオマニアがトランジスタのメーカーや品番の違いによる,音質の違いを云々しますが,あれはあながち間違ってるとは言えず,同等品として知られていてもメーカーによって違いがあるのは当たり前だし,同じ品番でも製造時期によって違うのは,良し悪しは別にして当然の事と思っています。

 東芝はPCT方式によって,それまでなら高級オーディオ用として使われるほどの高性能な小信号トランジスタを,一般用として販売することが出来る程のコストと大量生産に成功したわけですね。大は小を兼ねます。2SC1815でカバー出来る領域が大きく拡大したことで,次第にトランジスタの淘汰が進んだというわけです。

 東芝は2SC1815を一般用として売りました。一般用ですから,一般用に使えるかどうかを判断するスペックが重要であり,耐圧やhFEなどが同じなら,2SC1815互換と自称しても,問題は起きません。しかし,オーディオ用として音質やノイズなどを見た場合,あるいは素子間のバラツキなどを見た場合に,そこが2SC1815と同じであるかどうか,我々は知る術がありません。

 もっというと,東芝独自であるPCT方式を他社が使っているかどうかわからず,PCT方式に相当する別方式があるとしてもそれで同じ特性を得られるかどうかもわかりません。大事な事は,2SC1815を名乗っていいのは,東芝製の2SC1815か,東芝製と同じ作り方をしている2SC1815だけということです。

 互換という言葉は,何を持って互換とすべきかが明確になっていないと行けません。違いがあるから互換なのであり,違いがないなら同一なのです。

 互換品がいけないと入っているのではありません。LEDのドライブ,リレーのドライブ,ラジオやロジックレベルの変換などに使うなら,互換品は全く問題なく2SC1815として動いてくれるでしょう。

 でもこれは,2SC1815を一般用としてつかうからであり,別に2SC1815でなくても構いません。私は,かつての高級なローノイズ品と同じ性能を実現した2SC1815を使いこなした回路に,互換品を投入する勇気はありません。

 そんなわけで,本当に市場から消えてしまう前に,東芝製の2SC1815を買う必要に迫られました。200個近くある疑惑の2SC1815の処遇は気の毒ですが,ここは使い分けでいこうと言う判断で,早速秋月で2SC1815-Yを100個と,2SC1815(L)-Yを50個調達しました。(ついでに2SC2458も100個買いました)

 やっぱ,東芝純正品はパッケージのモールドも綺麗ですし,ピンもしっかりしています。マーキングも深く綺麗で,フォントも東芝伝統のフォント(数字の5に特徴があります)です。イーエレで買ったものは,パチモン確定です。

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