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2016年02月15日の記事は以下のとおりです。

電子負荷キットを作る[発動編]

  • 2016/02/15 14:26
  • カテゴリー:make:

 前回は,電子負荷キットRe:Load2を作って動作の確認まで行いました。最大で18W位を吸い込む事が出来,外部電源モードでは0Vから動作してくれます。

 ただ,12Vで1.5Aも吸い込むと,数分でサーマルシャットダウンが動作して,電流を吸い込まなくなります。

 こういう保護回路が入っているのが,BTS117の素晴らしいところで,もしなにも入っていない普通のFETだと,壊れるまでそのまま突き進んでしまいます。かといって保護回路を別途用意するのはなかなか面倒なので,これは本当にありがたいです。

 で,安定して吸い込めるのは,やっぱり12W程度な感じです。少し大きめの放熱器を,アルミのケースにがちっと取り付けているので12Wくらいはなんとかなっている感じですが,それでも非接触型の温度計でFETの表面温度を測ると100℃を越えています。

 放熱器の表面温度は60℃ほどですが,ここも出来れば45℃くらいに押さえたいところです。

 ということで,自然空冷ではこの程度ですから,強制空冷を検討します。

 まず,手持ちのファンを探してみます。探してみると,40mmのファンが3つ出てきました。いずれも20年近く前のものです。電圧は12Vですから,5Vで回すとかなりゆっくりでしょう。ここまで電圧が低いと,そもそも回るのかさえ怪しくなります。

 回してみるとゴリゴリと嫌な音がします。軸受が駄目になっていますね。ちょっと油を差してやると,ぐぐーんと回転数があがります。5Vまで電圧を下げると,ゆっくりですが,回ってくれています。

 風量は少ないのですが,これを放熱器にセロテープで貼り付けてみます。早速実験です。結果は,20Wまでならなんとか大丈夫,25Wになるとダメでした。まあ,気休めに近いです。

 次に,秋月で一緒に買ったファンです。25mmという小型のものですが,電圧は5Vです。回してみると,小さいのにしっかり回っています。

 同じようにセロテープで取り付けますが,さすがに20mmでは放熱器のフィンの全部に風は当たりませんので,部分的に冷えるだけという感じです。

 結果は,先程とあまり変わりません。25Wだとだめです。FETの表面温度も100℃を越えています。

 ならばと,この小型ファンを2つ並べてみました。並べると50mmですので,54mmの幅のあるこの放熱器にはぴったりサイズです。

 回してみると,さすがにうるさいです。2つのファンが微妙に違う周波数を出しますので,変なうなりが出ています。不快です。

 ですが,効き目はさすがにあります。20Wなら全然余裕,25Wでも大丈夫です。FETの表面温度も100℃を越えません。しかし30Wはダメです。5分くらいなら大丈夫ですが,それではこわくて実験に使えません。

 ならばと,先程の40mmのファンを12Vで動かしてみます。かなりの風量ですから,期待出来そうです。結果は,30Wもなんとか大丈夫でした。FETの表面温度も100℃までに入りますし,温度上昇も緩やかでした。本当は,どこかで熱的に平衡する温度まで測定したかったのですが,時間切れでした。

 ということで,今回の結論としては,放熱器全体に風を当てること,風量は出来るだけ増やすことです。頑張れば30W動作は可能です。

 しかし手持ちのファンでは12V駆動せざるを得ず,そうすると嫁さんからパクったACアダプタが使えないという悔しい事態になりますので,この際5V駆動のファンを買うことにしましょう。なんか,本末転倒な気がしますが,それはおそらく気のせいです。

 早速探してみると,50mmで5V駆動というファンがamazonで見つかりました。そんなに安いわけではありませんが,500円弱です。50mmあれば,放熱器のほぼ全体に風を当てることができますし,5V動く物ですので,今のACアダプタをそのまま使っても十分な風量を確保できるでしょう。

 マーケットプレイスなので時間がかかることは覚悟していましたが,発送済みのメールを見ていると,なにやら見慣れない中国語っぽい運送会社が2週間以上かけて運んでくれるんだそうです。

 どうも中国から発送されるものらしく,未だにトラッキングができません。なんとなくなのですが,このまま無事に届かないんじゃないかという気がしてきました。

 ちょっと他を探してみようとgoogle先生に聞いてみたら,なんとまあこの電子負荷を買ったSHOP-Uさんで取り扱いがあるじゃありませんか。しかもお値段は400円弱。メール便でお願いすれば400円台で買えます。

 もうね,届くかどうかわからないものを3月上旬まで待つなんて,バカバカしくってできません。1000円でファンを買ったと思って,SHOP-Uに注文。この土曜日に届いてしまいました・・・

 ねじ穴の位置の関係で,放熱器にネジを切って取り付ける方法が採れないとわかり,どうした物かと考える事10分,3.5mmというちょっと太めのビスで,フィンに直接ねじ込んでみます。

 穴を開けることもせず,ちょっと不安ではありますが,かなりがっちり固定できているのでこれで良いことにします。いやー,アマチュア精神炸裂です。

 そしてケースの背面に小さい穴を開けて,ここから配線を通し,5Vに繋ぎます。

 ちょっと回転数が低めで,風量も少ないなと言う印象があるのと,それと回転数が結構不安定で,ムラがあります。向きを変えても回転数が変わりますし,まあ中華クオリティってこんなものかも知れません。しかし,空冷のファンが死んだら,装置そのものも死んでしまう場合が多いと思うんですが・・・

 さて,これで実験です。まず30W。15Vで2Aを吸い込んでみましたが,ファンなしだと数分でアウトだったのに対し,1時間以上の連続動作もOKでした。FETの表面温度を測定すると106度でほぼ均衡しています。熱的に安定しているので安心です。

 ここで欲を出し,16Vで2A,32Wを吸い込んで見ましたが,これも大丈夫。17Aで2Aだと数分でシャットダウンするので,実力として32Wまではなんとか大丈夫,安定動作は30Wまでというのが,この電子負荷の仕様となります。

 ところで,30Wを吸い込んでいるときにスイッチを切り替え,セルフパワーにしてみました。すぐにシャットダウンすると思ったのですが,ファンが突然強烈に回り出してしまいました。びっくりしてすぐに電源を切断したのですが,冷静に考えたら当たり前です。

 外部電源モードでは,電子負荷本体とパネルメーター,そしてファンにも5Vが供給されています。これはいいですよね。

 これがセルフパワーモードになると,入力された電源が,電子負荷本体とパネルメーターにも供給されるようになります。セルフパワーモードでの入力電圧の制限(最大30Vまで)というのは,この電子負荷とパネルメーターの最大定格から来る物です。

 で,ファンの電源をこれらと並列に取っているのですから,セルフパワーモードでは入力された電源の電圧がそのままファンにかかるわけです。15Vを入れればファンも15Vでブン回るんですね・・・こりゃいかん。

 シリーズレギュレータで5Vに落とす事も考えましたが,そうすると外部電源モードで5Vを得るために,ACアダプタは8V近い電圧のものが必要になります。しかも,セルフパワーモードの動作下限である4Vが,ファンを回すために8V付近まで上がることになります。こりゃだめです。

 では,セルフパワーモードではファンを回さないようにすればいいんじゃないかと思いました。セルフパワーモードではファンの電源ラインを切断すればいいのです。

 しかし,そうは問屋が卸しません。

 今回使った切り替えスイッチは1回路2接点の3Pのものです。前回の検討で,一度はリレーを使ってパネルメーターの接続を切り替える作戦を立てて配線をしたところ,結局切り替えの必要がなくなって,リレーを外した経緯がありました。

 しかし,ファンを止めるには2回路必要です。ダイオードを使ったりしてなんとか1回路で出来ないか考えてみたのですが,やはり無理。かといって2階路のスイッチは手元にありませんので,ここは再び,リレーを使う事にしました。

 なんだか鈍くさい話なんですが,実はリレーを使う事のメリットがないわけではありません。

 リレーは,ACアダプタの5Vで動作します。したがってACアダプタが外されて外部電源が切れてしまえばリレーも動作しなくなり,スイッチの位置に関係なく自動的にセルフパワーモードになってくれます。

 リレーでなく,2回路のスイッチを使うと,ACアダプタが外れてしまっても外部電源モードの配線のままなので,全く動作しないという状態が起こってしまうのです。

 ということで,リレーを使うことでより完璧になりそうです。こらそこ,笑わない。

 いいじゃないですか,リレーも1つ100円もしないんですから。2回路のスイッチって結構高いですよ。300円とか400円とかしますし。安いしいいんですよ,これで。

 さっさと配線を変更して,外部電源モードもセルフパワーモードもちゃんと動作することを確認し,これで電子負荷は完成です。

ファイル 794-1.jpg

 なかなかコンパクトにまとまりました。ACアダプタの試験とか,電源回路の試験とか,いろいろ面白く使えそうです。

 以下は背面の様子です。放熱の奥行きが小さく,ファンも薄型ですので,最終的に飛び出す量がそんなにおおきくありません。
 
ファイル 794-2.jpg

 何だかんだで30Wを吸い込む物ですからね,長期試験とかいって繋ぎっぱなしにすると,それがそのまま電気代として見えちゃうので要注意です。それに,不用意に放熱器に触るとやけどします。ファンを回さないと60℃くらいになったりしますので,びっくりします。ファンを回せば冷えますが,ファンがむき出しなのでちょっと怖いです。

 ま,そういうのをそのままにしておくのも,アマチュアの特権ですね。

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