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2016年03月28日の記事は以下のとおりです。

見せてもらおうか高級炊飯器の実力というものを

  • 2016/03/28 14:29
  • カテゴリー:散財

 これまで少しずつ家電品を入れ替えてきましたが,最後に残った家電品が,炊飯器でした。

 いやはや,電気炊飯器は今や白物家電を代表する調理家電となって久しく,日本人のこだわりが詰まった日本人のために作られたものとしてきちんと成立している,数少ない製品です。作る側も買う側も「日本人」のことしか考えていない時代が長く,もはやそれは,作る側と買う側の真剣勝負といっていいかも知れません。

 近年,そのこだわりから生み出されるご飯があまりにおいしいため,特にアジア圏の人達からも高い評価を受けているそうですが,これもただただ美味しいだけではなく,日本人が日本人のためだけに,たかがご飯を炊くという行為のために本気を出しているという職人芸が,心に響くからではないかと思います。

 私もご飯は美味しく食べたいし,せっかくのお米ですから大事に使いたい,日本のエンジニアが日々試食を重ねて練り上げた炊飯の自動化の恩恵をぜひ私も享受したいと,そんな風に思っていたわけですが,しかしここ数年炊飯器を使う事はありませんでした。そう,鍋で炊くのです。

 まことに日本人らしいと思うのですが,目的のために邁進し,他の面倒な事には目を瞑るというバランスを欠いたこだわりが,美味しい代わりにいろいろなものを犠牲にしているように思えるのです。

 それは大きさだったり価格だったり消費電力だったりするのですが,私が結局鍋で炊くことになってしまった決定的な理由は,後片付けの面倒さでした。

 嫁さんが15年ほど前に購入した高級炊飯器を結婚当初は使っていたのですが,方だけがとても大変で,使わなくなってしまったのです。

 作る時は楽です。米を洗って水を入れて,スイッチを押すだけです。これで1時間後にはご飯が出来上がっています。しかし,食べた後の片付けが大変で,釜は大きく重く洗いにくいし,内蓋は小さな部品も隙間も大きく,デコボコしていて綺麗に洗えません。

 しかも小さな部品を一々取り外して洗う必要があり,なくしたらもうおしまいです。

 そんなある時,ふと鍋でご飯を炊いたところ,実に美味しく,作る時の手間もそれほど変わらず,しかも後片付けが普通の鍋を洗うくらいの手間しかかからずとても簡単ということがわかり,以後ずっと鍋です。

 30分の吸水をし,5分ほど強火で加熱し,沸騰したら軽くかき混ぜ,15分弱火で加熱。あとは15分ほど蒸らして完成です。これでもう十分,粒の立った美味しいご飯が炊けます。保温機能などいりません。1時間くらいなら美味しく食べられますし,その後は急速冷凍で保存しますので。

 唯一の問題は,3合までだったことです。これも飽くなき挑戦により,4合,4.5合,そしてとうとう5合と,混ぜ方や時間と火力の調整によって,十分対応可能になりました。もう炊飯器は買わない,そう宣言したのは,この技術の完成をみてです。

 一方で,10万円を超える高級炊飯器が売れています。炭から削り出した内釜やら,内釜の周囲に飛び出た耳が美味しいご飯の秘密だったとか,もうよく分からない事になっています。

 ダブル踊り炊きなんて,作る方も買う方もダブルで踊らされてるだけやん,と私は冷ややかでした。

 そして我が家では,私が完成させたた鍋でご飯を炊く技術が嫁さんにも伝授され,安定した美味しいご飯が食べられるようになったのでした。

 しかし,嫁さんはあまり口に出しませんが,どうも炊飯器が欲しいようです。鍋で炊けるようになったとはいえ,付きっ切りで番をしないといけませんし,保温もなければ予約もない。それに銘柄や精米時期,季節や気温によって水の量を調整せねばならず,炊きあがったご飯の味にも属人的なムラがあって,今ひとつ納得出来ない様子でした。

 私も鬼ではありません。そんなに言うなら(言ってませんが),炊飯器を買わないわけでもないわけではありません。

 ということで,1年くらい前から炊飯器をチェックしていました。メーカーと新製品の情報はもとより,新製品投入時期と新旧入れ替え時期,価格の変動,人気と評判,新製品で搭載されたものと搭載されなかったものを,気にするようにしていました。

 分かった事は,買うなら最上位機種だということです。最上位機種が下位機種よりも味で劣っていることは,まずないでしょう。それこそ採算度外視でおいしくなっていないといけないはずです。これ以上美味しいものはない,という状態でなければ,あのクソ面倒な後片付けの壁を乗り越えられません。

 しかし,最上位機種は10万円を超えます。そんなに投資をして大丈夫か?心配性の私は常に自らに問いかけます。

 いつなら安いのか・・・そう,今です。

 先日パナから新製品が登場しました。これをうけ,昨年のモデルは急激に値下がりし,最も安い物だと6万円くらいになっています。例年の価格変動からみると,だいたいこの時期に底値になるらしく,ここを過ぎて4月になると新製品に入れ替わって価格が戻るようです。

 そんなおり,ある家電店から,極秘連絡を受けました。

 「いいのがでてますぜ,だんな」

 それは,最上位機種SR-SPX105の,街の電気屋さん向けバージョンであるSR-WSX105です。炊飯機能は同等で,一部の機能を省き,「ごはんからおかゆ」モードを追加したものだそうです。

 なるほど,そういえばうちのプラズマテレビWoooも,日立ショップ向けのバージョンでした。最後に特価で出てくるのは,案外こういう商品なのかも知れません。

 で,このSR-WSX105,お値段は6万円です。スマホ連階機能がなくなり,音声ガイドがつきました。また前述のように「ごはんからおかゆ」モードが搭載され,内釜の水位ゲージが見やすくなっているそうです。

 スマホ連携など私には無関係です。炊飯器くらい,スタンドアロンで使いたいものです。音声ガイドもいりませんが,ご飯からおかゆは,実は決め手になった機能でした。食べたい時があるんですよ,おいしいおかゆを。

 なんでも,パナソニックの炊飯器は,買収した三洋の技術を取り込んでいるとのこと。Wおどり炊きというのは,パナと三洋それぞれが編み出したおどり炊きを併用するからだそうです。私は三洋が大好きでした。

 なになに?加圧と減圧を繰り返すことと,IHの電流を細かく切り替えて米を踊らせるのがWおどり炊きですか。

 220度に加熱した水蒸気でふっくら,保温もしっとりですか。

 内蓋にもIHを装備し,6面全面加熱。

 感心して笑ってしまったのは圧力解放の方式で,従来はここにソレノイドとボールを使っていたのですが,パナはこの機種でモーター駆動の圧力弁を開発して搭載したそうです。なにが笑ったって,このモータ-,ステッピングモーターなんですって。

 これにより減圧時間が短縮され,しかも減圧時のソレノイド動作音がなくなって,とても静かになったそうです。

 ・・・炊飯器ですよ,これ。

 色は赤にしました。白がなかったからですが,私はある時期から,手に入る色が自分に縁のある色と考えるようになり,自分の好き嫌いで色を選ぶことがなくなりました。自分では選ばない色が縁あって手元にくれば,それは楽しい事だと思いませんか?

 極秘の家電店ですのでカードは使えず,銀行振り込みで支払い,翌営業日には出荷されて,スムーズにパナソニックの高級炊飯器が,我が家にやってきました。

 ・・・さて,届いた炊飯器は,案外大きく,スクエアな感じです。内釜は軽く持ちやすく,これで大丈夫なんかいな,と少々不安です。

 ん?見慣れない金属製のカップが内釜の横にはまっています。

 嫁さんに「これなによ」と聞かれ,まともに答える気がなかった私は実に適当に「湯気を水にしてためるものだ」と言い切ったわけですが,5分後に「ここに水をいれるんだってさ」としっかり訂正されました。そうなのか!

 第一印象はこんな感じですが,取説を見て,私は失敗フラグがスパッと立った音を聞きました。

 洗い物が相変わらず面倒くさいのです。炊飯器の中だけではなく,外側の部品も外して分解し毎回洗う必要がありますし,内蓋もデコボコして隙間だらけで洗いにくいです。

 その上で悲しかったのが,食洗機禁止です。しゃもじでさえも禁止ですって。

 あのな,君とこは食洗機も作ってるんとちゃうのか?自分とこの製品を「使うな」て,よーそんな話が通るもんやな。

 最上位機種で,しかも最新の炊飯器で,食洗機禁止なんて・・・私の期待は裏切られました。

 ただ,唯一いいなと思ったのは,内釜で米をといでもいいと書いてあったことです。昔は禁止でしたからね。

 しかも,内釜だけは3年保証。よほどコーディングに自信があるようです。ちなみに先日発表になった後継機種は5年保証になったそうです。

 炊飯時間は,銀シャリモードで約50分。吸水時間も含んでいますので,鍋で炊くのとあまり変わりません。

 しかしまあ,文句ばっかり言っていても仕方がありません。

 何はともあれ,ご飯を炊いてみることにします。お米は,唯一4歳の娘が自らの手で食べようとする福井県産のコシヒカリです。

 失敗するといやなので,とりあえず3合です。取説を見ながら銀シャリモードで,銘柄指定をコシヒカリにします。硬さを選べるそうですが,まずは「ふつう」で炊いてみます。

 最初ですので部品を外し洗って,また組み立てます。なんか拳銃を分解して組み立てる作業をしている気がしてきましたよ。

 釜にお米を入れてざぶざぶ研ぎます。さっと釜の外側の水を拭いて蓋を閉めて,炊飯スイッチをONします。

 吸水時間込みで48分と出ていますが,想像していたよりもずっと早くに沸騰し,蒸気が出てきました。Wおどり炊きは蒸気を抜いて加圧と減圧を繰り返して沸点を短時間で変えることで,お米をかき回すわけですが,減圧の際に大量の蒸気が出ます。

 出る出るとは聞いてましたが,なんと天井に届くほどの勢いです。思わず「おおっ」と声を出してしまいました。

 このあと数回,1m程の高さの蒸気が噴き出し,静かになりました。そして炊きあがりです。

 炊きあがったらかき混ぜておきます。これが美味しいご飯の秘訣です。

 さて,食べてみます。

 ・・・鍋の勝ち。

 米粒が立っていませんし,色がくすんでいる(これは圧力をかけるので避けられません),米の周りにネバネバした物が過剰にくっついていて気持ち悪いです。

 甘みもあるし,もちもちしていますが,ちょっと甘すぎるような気がしますし,もう少し水気が飛んでいる方が美味しいように思います。

 決してまずいわけではないし,十分美味しいですが,びっくりするほど美味しいとか,皆が言うように絶賛という程ではなく,公平に見て鍋の方が美味しいと思いました。

 食べ終わったあとの片付けのモチベーションが低かったことは言うまでもありません。

 おーっと,炊飯器側から勝負のやり直しが申し入れられました。

 なになに,3合では炊飯器は不利だ,5合で勝負したい?

 ということで,5合で勝負です。おーっと,もう炊けました。

 ・・・炊飯器の勝ち。

 見た目も艶やかで,硬さも適度で,水分もちょうどよくネバネバも気になりません。かみ応えもあるし,甘みも上品です。初回に感じたおかしな臭いもなくて,とてもおいしいです。

 鍋は3合がベストで,5合炊くと味が落ちることは分かっていました。ですからこの結果は想像していたことではありますが,炊飯器で5合炊くとこんなにおいしいとは思わなかったです。やはり炊飯器は少量炊くのは苦手なようです。

 3合と5合で,準備も片付けも変わりません。なら,これからは5合炊くことにしましょう。

 ところで後片付けですが,3度ほど洗ってみたところ,案外慣れてしまう物だと感じました。蒸気からうまみ成分を回収する箱のようなものが不衛生で,綺麗に洗えないしイライラさせられますが,内蓋もそんなにデコボコしておらず,水の拭き取りも楽ちんでした。


 てなわけで,私個人の感想としては,

・鍋は3合までならいい勝負が出来る
・5合になると炊飯器にはかなわない
・片付けの手間は慣れてくる
・量や季節に関係なく50分で食べられる
・誰がやっても失敗しない,味にさえムラがない
・でもこれに10万円を越えるお金は出せないなあ

 という感じです。耐久性とか,お米の銘柄による違いとか,炊き込みご飯や赤飯などの仕上がりや,密かに楽しみにしているおかゆなど,これから確かめていく必要があるとは思います。

 特に5合炊くときの炊きあがりには満足でしたが,一方で3合以下を炊くことはしないと思います。3合以下でも5合並みにおいしく炊けるようになるには,まだまだ技術開発が必要だということなのでしょうね。

 さて,これで何年,ご飯を炊くことになりますか。頑張ってもらいましょう。

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