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2016年04月12日の記事は以下のとおりです。

おいしい大阪のお好み焼きの作り方

  • 2016/04/12 08:29
  • カテゴリー:料理

 私は大阪の生まれで,お好み焼きは非常に身近な食べ物でした。街を歩けばお好み焼き屋にぶつかり,屋台が並べば必ずお好み焼きがありました。どんなスーパーにもソフトクリーム屋さんと並んでお好み焼き屋さんがありましたし,駅ごとにお好み焼き屋が店を開いていました。

 昼ご飯の定食メニューには必ずどこにでも「お好み焼き定食」があり,晩ご飯にお好み焼きが家庭料理として食卓に上ります。

 どこにでもある食べ物で,当たり外れが少なく,満足感もあって安価な「温かい食べ物」として,私はたこ焼きなんかよりもずっと好きな食べ物です。

 大阪では,脱サラすると必ず「お好み焼き屋をするわ」とウソでも言う文化があり,それくらい,食べる方も作る方も身近な物だったんだと思います。

 翻って今住んでいるところで,お好み焼きを食べるというのはなかなか難しいです。なんだかんだで大阪に本店があるチェーン店で食べるのが一番確実だったりします。

 ついでにいうと,私の母親は料理が下手で,元々大阪の出身ではないこともあってか,お好み焼きなど,実に下手くそでした。自分で外でお好み焼きを食べるようになって,今まで家で「お好み焼き」とされていたものが全然別物であった事を知るのです。

 従って,母親からレシピを習うという事は全く期待出来ず,おいしいものを作って食べるには自分でなんとかするしかなかったのですが,お好み焼きもたこ焼きも,散々食べたのにあの味を再現出来ず,苦手意識を持っていたのです。

 しかし,娘も4歳になって,時々流ちょうな関西弁アクセントを操るのを目を細めて見るに至り,大阪の,それも南河内に生まれ育った私が,ここで本当に美味しいお好み焼きを作って出さなければその存在意義を問われると,強い危機感を抱いたのです。

 そこで,おかしなプライドを捨て,謙虚に大阪のお好み焼きを学んでみようと思いました。そして先日,とうとう納得のお好み焼きを作る事に成功しました。

 このおいしさと手軽さをぜひ知って頂いて,大阪のお好み焼きが主菜として夕食に供されることを期待し,ここにそのレシピを公開する物です。

 ・・・といいますか,これもともと,大阪でお好み焼き屋をやっている人が公開したレシピなんですが,オリジナルの記事は全編大阪弁で書かれており,私のようなネイティブでもさっと読めないほどであったこと,また文章の構造が複雑で(大阪弁にはよくあることです),時系列で並んでいないとか,条件分岐で振り出しに戻ったりと,ギャグとしてはありなんですが,料理をしながら読むには誠に不適切な物だったので,多少のアレンジや解釈を加えて,自分の為に書いておこうと思ったのです。

 いつものように長い前置きはこのくらいにして,「大阪のお好み焼き」の作り方です。シンプルに豚玉でいきます。

・材料(1枚分)

 薄力粉 40g
 キャベツ 100g
 卵 1個
 豚バラ薄切り 適量(だいたい3枚くらい)
 砂糖 小さじ1/2
 塩 小さじ1/4
 ベーキングパウダー 小さじ1/4
 昆布と鰹のだし汁 60cc
 山芋のすりおろし 30g
 はなかつお 山盛り
 青のり(あおさ) たくさん
 ソース(お気に入りを見つけて下さい)


・作り方

 まず最初に,お好み焼きはダシが重要。ダシで手を抜くと確実に味が落ちます。
 そして面倒でも1枚ごとに器を分けて,混ぜて下さい。

(1)お好み焼きはダシが重要。手間をかけて昆布と鰹から取ると抜群にうまい。
 カップ2杯に昆布1枚を2時間水につけ,その後火にかけて沸騰直前に引き上げる。
 カップ3杯にあごだしパックをつけて火にかけ,3分ほど沸騰させて引き上げる。
 この2つを混ぜて冷やす。冷やさないとダメ。
 時間がないとか面倒な時は,ほんだしと味の素でうまくまとめる。

(2)出汁60ccに薄力粉を40g投入し,ダマがなくなるまで混ぜる。
 粉に少しずつダシを入れるとうまくいく。
 でも多少のダマは気にしなくてよい。

(3)次に砂糖と塩,ベーキングパウダーを入れて混ぜる。

(4)山芋をすり下ろし,30g入れてよく混ぜる。

(5)ここでしばらく寝かせるとうまい。
 この間に,キャベツを1cmくらいのみじん切りにしておく。
 実はお好み焼きには,あまり春キャベツはむいていない。

(6)ホットプレートを用意する。220度で予熱し,うっすら油をひいておく。
 ここは絶対ホットプレート。フライパンは絶対ダメ。なかったら今すぐ買いに行くかお隣から借りてこよう。

(7)焼き始める直前に,キャベツを100g生地に入れる。
 入れたらすぐに混ぜ合わせる。数を数えながら混ぜて,30秒経ったらすぐやめる。

(8)卵を入れる。黄身を潰してから数を数えながら混ぜる。15秒でやめる。

(9)ホットプレートに生地を一気に落とす。厚さ2cmくらいになるように広げる。

(10)すぐにバラ肉をのせる。

(11)5分焼く。ここから先,焼いている間は絶対にお好み焼きには触らない。

(12)ひっくり返して4分焼く。おそらく綺麗にひっくり返せるはず。

(13)さらにひっくり返して3分焼く。

(14)焼き上がったらお皿にとって,ソース,マヨネーズ,鰹節,青のりを振りかけて頂く。大阪では鉄板の上で食べない。焼いたらお皿にのせて食べる。


 これに従えば,必ず,表はサクサク中はふわふわ,ダシの香りとカリカリのバラ肉が絶品の,とてもおいしい大阪のお好み焼きが「間違いなく」完成します。


・やってはいけないこと

(1)ダシで手を抜く
 ダシで手を抜くと美味しくありません。手を抜くと言っても,ほんだしや味の素を使うなと言うことではなく,適当にやったり,冷まさなかったりしたらダメという話です。

(2)フライパンで焼く
 経験上,フライパンではうまく焼けません。焦げる,ムラが出来る,ひっくり返すときに崩れる,中まで火が通らないなど,失敗の原因はほぼこれでしょう。ぜひホットプレートを使って下さい。

(3)混ぜすぎる
 混ぜすぎるとキャベツと絡んだ空気が抜けてしまい,べちょべちょになります。きっかり30秒です。

(4)ソースについて
 関西人はここで「オリバーソースやで」とか「いやいやイカリソースやろ」とかいうんですが,オリバーソースやイカリソースは塩味も辛みも強いので,使いこなしが難しいという印象を持っています。まろやかさも少し足りない気がするので,私はあまりおすすめしません。

 一方で定番のオタフクソースでもいいんですが,これは甘さが強すぎて,口の中がベトベトしてさっぱりとせず,せっかくのサクサクの食感を損ないますし,今ひとつ味に深みがありません。味のキレも悪く,知らないうちに大量にかけてしまい,バランスを崩すことが多いので,私は嫌いで使いません。

 非常に良かったのが意外や意外,ブルドックソースの中濃でした。塩味も辛さも適当,甘さも品が良く,コクもあり,味に深みもあります。穏やかな味ゆえに使う量で味をうまく調整出来る便利さもあり,どんな人でも美味しく食べられると思います。全国どこでも簡単に手に入る入手性の良さは特筆すべきですが,唯一の難点は色が薄く,お好み焼きらしさが出ないことです。

(5)具材について
 今回は豚玉にしましたが,イカを生地に入れてイカ玉もおすすめです。いかとエビの両方が入ったミックス,焼きそばをのせるモダン焼きもいいんですが,モダン焼きは手間もかかるし上級者向けです。私はシンプルに豚玉が一番いいと思います。
 ところで今回は,揚げ玉と紅ショウガを使いませんでした。揚げ玉は油っぽくなることが嫌だったのと,紅ショウガは味が強いのでやめたのですが,それこそお好みで入れてもらっていいと思います。

(6)よく言われるように
 大阪のお好み焼きは,キャベツを焼いて食べるものであり,小麦粉はただのつなぎです。そのために,上記の分量と時間を守って下さい。

(7)たくさん作る
 お好み焼きは最初の手間が結構面倒です。作り始めると簡単なので,たくさん作るのもおすすめです。冷えたお好み焼きもまた格別なうまさ。そしてこれを弁当につめて持っていけば,きっとあなたはお昼の話題の中心です。

 という感じです。

 お好み焼きは,調理がエンタテインメントでもあります。完成してから家族を呼んで「いただきます」と食べるのもいいんですが,みんなで作りながら食べるのもよし,待っている間におしゃべりするのもよしで,作ると食べるの境界がはっきりしないのが,いいところです。

 これから,ビールも美味しい季節です。ぜひ全身に油の臭いを纏い,ジリジリと熱にあぶられながら,乾いた喉をビールで潤しつつ,熱々のお好み焼きを食べて,おしゃべりに花を咲かせて下さい。

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