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2016年04月21日の記事は以下のとおりです。

料理のベースとしての調味料

  • 2016/04/21 12:57
  • カテゴリー:料理

 毎日の夕食を作って家族に供するようになったのが2014年の8月からですので,あと3ヶ月ほどで2年になります。

 それまで,気が向いた時にちょこっとやる程度だった料理を毎日,必ず責任を持ってやらねばならなくなったことで,料理を作る事の意味合いや向き合い方が大きく変わりました。

 一番大きいのは毎日作るという点で,飽きないようにすること,偏らないようにすること,安いこと,1週間まとめ買いの食材で作る事が出来ること,調理時間が短いこと,片付けが楽であること,をバランスさせねばなりません。

 手の込んだ料理や,下ごしらえが必要だったり,つけ込む時間が長くかかるような料理というのは帰宅後には厳しいです。

 しかし,これまでを振り返り,不思議と総菜やレトルトなどの調理済みの食品を使ったことがほとんどないことに気が付きました。

 別にそうしたポリシーを持って頑張ったわけでもなく,気が付いてみたら,食卓に出る物は私が切って火を通した物に限られていた,ということです。

 これは,要するに帰りに買い物をする時間がなく,総菜を買うなどとんでもない,という事情がありますし,レトルトについてはどうも私自身があまり「おいしい」と思わないようで,自分が食べたいものだけ食卓に出すという,調理する人間の特権を行使し続けているからに過ぎない気もします。

 確かに品数は少なく,主菜に副菜が1つ,あとはご飯を味噌汁ですし,その副菜だって野菜のおひたしかバター炒めですので,大人はいいとしても,子供にはどうなんだろうと思うことはあります。

 ただ,品数と言うよりもどんな食材を食べたのかが重要かなと思うところもあり,私としては主菜でしっかりタンパク質を摂り,副菜と味噌汁で野菜を食べるというスタンスでいいんじゃないかなあと,思っています。


 最初の1年は,とにかく食べられるものを確実に作る事が大切でした。火が通っていない,焦げ付いている,傷んでいる,という食べられない状態がないことだけを望んでいました。

 それが落ち着いてきたころから,同じ食材が調理方法で別の食べ物に変化する面白さに気付き,週末に1週間分の主菜の材料をまとめ買いするときには,鶏肉と豚肉と旬の魚をとりあえず買って,家に帰ってから何を作るか考えるようになってきました。

 そうなるとレパートリーが重要です。そして調味料もいろいろなものを使いこなさねばなりませんし,在庫を持たなければなりません。失敗する場合も多く,そうやって淘汰されてきたのが,現在の状態です。

 これまで,私があちこちから集め,自分なりの工夫をして記録したレシピを,公開していませんでした。夕食を作る事が苦にならなくなった現在においても,大したレシピではないので公開しても誰も見ないと思っていましたから,自分のローカルのPCに入っているだけの状態でした。

 ですが,嫁さんから「見たい」という要望が出てきて,確かに私が動けない時に困るわなあと,公開することにしました。嫁さんにしてみれば「ああ,こないだ食べたあれね」と思い出しながらレシピを見ることになるでしょう。

 その上で,塩分が高いなと思うレシピは減塩されるでしょうし,食材も工夫が成されるでしょう。オープン化することで改良がなされていくのは,とてもよいことだと思います。

 で,今回はこのシリーズの初回という事で,私がやっている料理に共通する話を書いておこうと思います。これがベースになって,個々のレシピがあります。

 私がやってみて分かった事に,分量と時間を守っても同じ物は作れないということがあります。食材が均一ではないこと,時間も分量もばらつくことを考えれば当たり前ですが,加えて基本的な考え方やクセも,結構影響するなと思いました。

 その点で,プロの料理人というのは,食材や体調のばらつきが結果に影響しないようにするんですから,さすがだなあと感心しますが,そこは家庭料理です。ばらつきも毎回違った味が楽しめると前向きにとらえて,失敗しないように作るための,方向付けに大きなヒントになるように,書いておこうと思います。


・調味料について

 男の料理の特徴に,やたらと調味料や出汁にこだわるというのがあります。世界中の珍しい香辛料や,何種類もある出汁を使い分けるとか,豚の骨を二晩煮込むとか,そういうこだわりを否定はしませんが,そんなこと毎日やってられません。そんなことより,確実に美味しく食べることです。

 私は化学調味料肯定派の人間ですし,出汁や調味料に時間をかけるほどゆとりがありませんので,積極的にその効果がわかりやすい調味料を使うようにしています。私が特に大事だと思う調味料を列挙します。


(1)醤油

 醤油は日本人なら外せない基本調味料です。以前は丸大豆の高級品を使っていましたが,最近は普通のグレードの物を美味しく使えるようになったので,特価の時に買うようにしています。

 醤油は,濃口と淡口の2種類を常備しています。この2つは全然味が違いますので,醤油として括るのではなく,別の調味料として扱います。メーカーは,いろいろ試しましたが,いずれもキッコーマンが一番楽に,良い味が出ます。

 淡口はヒガシマルと言いたいところですが,これはいい味を出すのに本当に微妙な加減が必要で,量も火の通し方も,かなり厳密なものを要求されますし,食材の良し悪しが強く出ますので,ここは初心者にやさしいキッコーマンをおすすめします。

 で,濃口はかけ醤油としてつかえるほど,完成された味になっていますので,積極的にアミノ酸に熱を加えて,うまみを作るのに使います。一方の淡口は色だけではなく味も淡泊で塩味がきついですから,塩の代わりに使うという感じです。

 例えば,コンソメスープを作るとき,甘みのある玉葱のせいでもうちょっとパンチのある味にまとめたいと思う時があります。こういう時,濃口では味が変わってしまうので,淡口をほんのちょっとだけ入れます。醤油をいれたことが,まずばれません。

 濃口醤油は,熱を加える前後で大幅に味が変わってしまう調味料です。熱を加えると味が丸くなり,複雑さが増します。わかりやすいのはお餅です。濃口醤油をつけただけのものと,焼いたものとでは,全く別の食べ物になっています。


(2)お酒

 料理酒は,私は本当に魔法の調味料だなと思います。入れすぎるとまずくなってしまう調味料がほとんどであるのに,このお酒だけは,余程入れすぎない限り,どんどん美味しくなるのです。

 ぶり大根など,水を一切加えず,お酒だけで煮詰める料理のなんと美味しいこと。お酒は臭みを消すために使うものと,すぐに考えてしまいますがとんでもない。味噌汁に入れても,冷や奴の出汁に入れても,炊き込みご飯に入れても,大変美味しくなります。

 これがなかった時代の料理は,どれほど美味しくなかっただろうと思います。そう,江戸時代の中頃くらいまで,特別な場合を除いて使われなかったんじゃなかったでしたっけ?

 だからといって使いすぎには弊害があります。お酒はアルコールですので,子供が食べる料理にはあまり使えません。加熱すればアルコールは飛ぶように思いますが,アルコールの沸点は78度ですから,グラグラと沸騰させてしばらくしないと,飛んでいないと考える必要があります。

 で,グラグラと沸騰させる調理方法がいいかといえば,これは香りが飛びますし,アミノ酸もタンパク質も大幅に変成するので,味が変わります。ということで,お酒は程ほどにしないといけないのです。

 かつて,本物の日本酒で料理をしたこともありましたが,結局今は料理酒として売られている物を使っています。料理酒は単独で飲んでみれば分かりますが,とてもまずくて飲めません。では,そのまずさはどっから来るかといえば,大量に入った塩分と化学調味料からです。

 もともと,日本酒には多くのアミノ酸が含まれているので調味料として機能するわけですが,これを工業的に作った料理酒は,さらに調味料としての能力を高めてあります。

 ただし,時々目にする「料理酒風味の調味料」というのは避けて下さい。酒税がかかるので料理酒は高いのですが,税金を払ってでも使う価値があるほど,味の差は歴然です。

 メーカーはどこでもいいんですが,個人的には盛田酒造がお気に入りです。安くて美味しく,ミツカンとは違った個性が楽しめます。


(3)みりん

 和食の黒い三連星は醤油,酒,みりんです。この3つが織り成すジェットストリームアタックには,何人もあらがえません。

 そのみりんですが,もともと酒の代用品という側面があったそうです。醤油も元々は関西の調味料ですが,これが関東の千葉あたりで作られるようになり,それが独自に味を極め濃口醤油に発展したのが江戸時代の中盤以降で,同じ頃に関東で使われるようになったみりんによって,現在の日本料理を根底から支える味が完成しました。

 みりんは酒の仲間ですが,糖分が多く含まれており,アミノ酸も豊富です。糖分が多いという事は,加熱すると粘度が増し,表面がつやつやとしてきます。照り焼きというのは,まさにみりんの特性を生かした調理法と言えますね。

 とはいえ,みりんは酒とは違って,入れる分量がちょっと多いと,味をぶちこわしてしまう難しさがあります。また,糖分が持つ甘みと増粘という役割を,砂糖が担うこともあるので,みりんは使い分けのなかなか難しい調味料です。

 基本的には,酒とみりんはワンセットで使い,醤油2に対し酒とみりんを1ずつ入れると,それなりにまとまります。分量に対する味の変化はみりんの方が大きいので,みりんは控えめにするのがよいと思います。

 みりんも,元々高級なアルコール飲料として登場している関係で,本物は酒税がかかります。これも,出来れば税金を払って本物を使った方がいいんですが,酒ほど味の差がないということもあるので,みりん風味調味料でもいいと思います。


(4)出汁

 料理の基本は出汁です。我々は出汁で食べていると言っても過言ではありません。そしてこれは世の東西を問いません。

 和食は,昆布だしと鰹だしです。歴史的背景から考えると,北海道の特産品である昆布が集まったのが江戸時代の大阪だったので,関西では昆布だしがよく使われるようになり,関東では鰹や鰯などの動物性の出汁が一般化したのですが,九州ではトビウオの出汁を使いますし,鯖やホタテを使うケースもありますので,現在の日本人としてはあまりこだわらず,すべてを混ぜて使うくらいの気持ちでいいんじゃないかと思います。

 昆布は2時間ほど水につけた後に火にかけ,沸騰する直前で昆布を取り出すと美味しい昆布だしがとれますが,これだけではパンチがないので,魚の出汁を併用します。

 鰹節からとってもいいんですが,時間も手間もかかって大変なので,もう「ほんだし」を使って下さい。安い物ではないのですが,その価値は十分にあります。

 味の素の「ほんだし」は。鰹だしの代用品としてはまさに他を寄せ付けない完成度で,他のメーカーのものなど,試す価値さえありません。ただし,塩分が強いので,味噌や醤油を減らして使わないと体に悪いです。

 昆布だしについては,味の素が代用品です。昆布だしは主にグルタミン酸がうまみを演出しますので,面倒な場合は味の素で十分です。ただ,味の素はほぼ純粋なグルタミン酸ですので,ちょっと入れただけで味が大きく変わります。入れすぎると激しくまずくなりますので,本当にひとつまみだけ入れるようにしてください。

 私が本気で出汁を取るときは,昆布から摂った出汁と,あご出汁のティーバッグタイプのものを使います。あご出汁のティーバッグタイプは使いやすく,水から煮だして3分ほど沸騰させるだけで,強烈にうまい出汁が取れます。

 これを1:1で混合して十分に冷まして使えば,もうどんな料理もこれだけで生まれ変わります。

 長くなってきましたので,残りは後日に。

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