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2017年03月02日の記事は以下のとおりです。

ルンバが壊れた~調査編

  • 2017/03/02 12:45
  • カテゴリー:make:

 ルンバ770が2013年5月に我が家にやってきて,もうすぐ4年になります。消耗品の交換は何度かやりましたし,ハンドルは折れてしまったので部品を交換しましたが,が,月水金の自動運転と土曜日の別の部屋の掃除というスケジュールを規則的にこなし,すっかり日々の生活に溶け込んだ感があります。

 でたらめに動いているように見えますし,相変わらずおかしなものを巻き込んで止まっていたり,ホットカーペットのコントローラ部に乗り上げて立ち往生していたりと,なかなか充電ステーションに帰ることが出来ずにウロウロしていたりと,相変わらず鈍くさいわけですが,それでもダストビンにゴミが入っているのを見ると,頑張ってるんだなあと,褒めてあげたくなります。

 ゴミ捨ての前日の夜にルンバのゴミを取るわけですが,ダストビンのゴミが多いときには「おお,元気だなあ」とうれしくなりますし,逆に少ないと「どうしたのかなあ,なにかあったのかなあ」と,まるで飼い猫がご飯を残した時のように,心配になったりします。

 ルンバに名前を付けるような感情移入はありませんが,4年も一緒にいると,やっぱり一緒に生活する家族のような感覚が芽生えるものだと思いました。

 で,そんなルンバですが,3ヶ月ほど前から食が細くなりがちで,ダストビンにゴミがあまり入ってきません。ひどいときは1週間でほとんど入っていないこともあります。

 フィルターにゴミが付いているので,吸い込んでいないわけではなく,まあ何かに乗り上げて掃除が出来なかったんだろう,そのうちまたたくさん吸い込むようになるさ,くらいに考えて,放置していました。
 
 しかし,いつまで経っても回復しません。これはいよいよ,おかしいです。

 そこで,ダストビンを点検してみました。モーターが回っているかどうかは,なにせルンバが動き回るのでよくわかりません。そこでダストビンを外して,端子に電源器を繋いで回してみます。

 ブーンと音を立てて回転するので,これは問題なし。しかし,せっかくですので分解してホコリを取り除き,気休めですがモーターに模型用のオイル(KATOのユニクリーンオイル)を少しだけさしておきました。

 その後毎回,ゴミの量を気にしていたのですが,回復しないどころかますます減っています。そしていよいよフィルターにもゴミが付かなくなってしまいました。

 これは本当におかしいです。

 そこで,正確に現状を確認することにします。

 まず,動作中にダストビンのファンが回っているかどうかを確認しないといけません。そこで,ルンバを私の上着でくるんで両手で持ち上げ,左右の車輪を押し下げて,ルンバを接地していると勘違いさせます。

 ここでスタートボタンを押して,裏側を覗き込みます。うーん,やっぱりファンが回っていません。

 この世代のルンバは,ブラシでかき込んだゴミを,ダストビンのファンで作った負圧で吸い込む仕組みになっています。ファンが吸い込まなければゴミをかき混ぜて終わりです。

 モーターは先日回転を確かめていますから,これはもうモーター制御部分の問題でしょう。面倒な事になりましたが,私は一応プロの電気設計者。これくらいの修理が出来なくては存在理由も問われます。

 まず現状の把握です。ダストビンを外して端子の電圧を測定します。ダストビンが外れているので動作しませんが,端子には13.5Vが出ています。なるほど。

 次に,ダストビンの端子にミノムシクリップ付きのコードを繋ぎ,反対側をルンバ側の端子に繋ぎます。これでダストビンを外しても動作状態にできます。

 電圧を測定すると,動作開始で13.5Vから0Vに落ちます。これでは動くはずがありません。やっぱりドライバの不良ですかね。

 とまあ,ここまで推測して,分解です。操作部をあけると,中から2枚の基板が出てきます。上の基板は操作系,下の基板はメイン基板で充電やらモーター駆動,そして肝心要の掃除アルゴリズムを担当しています。

 モーター側の配線から逆に追いかけて,回路を見ていきます。どうも単純なNPNトランジスタによるスイッチだけのようです。S8050という電力用のトランジスタですが,仮に1Aの電流をON/OFFするのに,hFEが100なら10mAもベース電流を流さねばなりませんから,マイコン直結はないでしょう。するともう1段トランジスタがいました。

 どっちかが壊れているんだろうと目処を付け,外してチェッカーで調べて見ましたが問題なし。念のため交換しましたが,改善せず。

 さらに調べると,そもそもベースに信号が来ていません。

 もっと奥に入り込んで調べる必要がありますが,突如LM339というコンパレータに信号が入り込んでしまいました。こうなるともう,簡単には解析できません。

 そこで,本体が掃除を始めたらHighになる信号を見つけて,ここでダストビンのモーターを制御する回路を新規に作ってみようかと考えたのですが,故障箇所をそのままにすることになりますし,そこが悪さをして火でも噴いたら,無人運転をする機械だけに,シャレになりません。

 この計画は断念です。

 ここから先は簡単にはいかないだろうと,もうあきらめて,基板の入手を考えました。しかし,あいにくというか,当然というか,基板だけ手に入るなんてことはありません。

 基板とセンサとシャシーで修理部品になっているようで,これはamazonに出ていました。しかし売り切れ。

 ならばとヤフオクですが,これもいいものが見つかりません。丸ごと中古品を1万円とか2万円とか,そういう価格で買ってしまうのも手でしょうが,それならあまり面白くないですよね。それに,やっぱり飼い猫のような気分ですから,簡単に捨てていいという割り切った気持ちにもなりません。

 結局,基板とセンサとシャシーだけのジャンク品を買いました。ルンバ780ですので上位機種ですが,まあいいでしょう。

 届いてから,駆動部を移植し動作確認です。問題なく動作します。

 ダストビンは,最初回転しなかったのですが,もう一度やると元気に回転をします。これも壊れてないようです。よかったよかった。

 で,気になったので,古いルンバにもダストビンを取り付けてみました。アレ,回転している・・・

 また新しいルンバにダストビンを戻します。アレ,今度は回転しない・・・

 どうも,ダストビンのファンが回転しない問題は,本体に原因があったわけではなく,ダストビンそのものに問題があったようです。あちゃー。

 焦ってダストビンを安定化電源器に繋いで回してみると,止まったり回ったりです。回転が安定せず,しまいには2Aの電流が流れて,煙がモクモクでる始末。

 うーん,モーターの故障が原因だったようです。

 さすがにモーターを分解して修理するのも,一度煙が出ていますから気が引けます。かといって同じモーターが手に入ることも考えにくく,ダストビン丸ごとの交換になるかもなあと・・・これなら1万円でルンバ丸ごとを買えば良かったと,後悔しました。

 確かに,電子部品よりは機構もののモーターの方が壊れやすいです。トランジスタは結構簡単に壊れるという経験則と,得意分野にしか目が行かないという転落的発想から,モーターを真面目に調べなかったことが仇になりましたが,とにかく原因が分かったことは一歩前進です。

 ルンバが偉いなあと思ったのは,こうしてモーターが故障した場合,電源をカットして事故を防ぐ仕組みが厳格だという事です。モーターが繋がっていない場合は最初から動作せず,モーターが繋がっていても過大な電流が流れるようなら電源を切り離してしまうことで,電圧が出てこないようになっていたのです。

 モーターが起動しにくくなって,電流が流れてしまうと電源を切ってしまうので,そこから先はモーターが回りません。だから運良く起動に成功するとモーター回り続けてくれるので,ゴミも集まるし,フィルターも汚れます。

 徐々にゴミが集まらなくなったいったのは,こういう事だったのですね。モーターが少しずつ劣化していったのに,事故に至らずに済んだのはルンバの良く出来た設計のおかげだと思います。さすがです。


 ということで,うちには壊れていない本体が2つ,1つは駆動系が全然ないルンバが転がっています。1つはバラバラになっていて,まるでカニを食べた後のような悲惨さです。

 さて,ここから考えられるのは2つ。

 同じモーターをなんとしても手に入れる,似たようなモーターでしのぐ,あきらめるです。幸い,取り付け場所には空間の余裕があるので,少々大きさが違っていても大丈夫です。

 電流が大きいと保護回路のせいで止まってしまうでしょうから,電流も大事です。でも直結のファンを回すだけですので,回転数やトルクは,そんなに厳密に考えなくてもよいでしょう。

 長くなったので,続きは後日に。

 果たしてルンバは直るのか?

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