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2017年09月04日の記事は以下のとおりです。

最近のレンズはモバイル家電だと考えていい

 D850を本気で買う予定でいる私ですが,その価格がすでに私にとっては分不相応なものであり,私の収入ではそうそう手の出せないものであることを,自覚しています。

 今ここで現金で持ち出せるのを,多くても25万円,出来る事なら20万円に押さえたいと考えた時,私が予約したお店はおよそ36万円ですので,機材の処分で15万円を作る事を考えました。

 思えば,ジャンク品からまともな新品まで,いろいろなレンズが手元にあります。買うときにはそれなりの判断をして買ったものですから,簡単に売ってしまうと言うのは難しいわけですが,そこはしきい値を調整し,処分できそうなものを並べてみました。
 予約したお店は東京中野の有名店で,ここで下取りまでお願いするつもりでいたわけですが,値段が下がってしまうのも惜しいので,さっさと宅配買い取りをお願いしました。

 売るのは,D800とバッテリーグリップ,そしてAF-S DX Zoom-Nikkor18-200mmF3.5-4.5G ED VR,AiAF35mmF2D,AiAF24mmF2.8,DP1s,TC-16A,Tamron SP AF 28-75mm F/2.8 XRです。

 事前の試算では,いろいろ難癖を付けられていいところ12万円かなあと思っていたわけですが,査定が出るとびっくりで,10万円でした。D800だけでも10万円近くで買い取ってくれる店があるなかで,これだけ用意しても10万円とは,かなり厳しいと思ったわけです。特にD800については,目立った傷もなく,箱も付属品もすべて揃っていますので,まさか7万円を割るとは思いませんでした。要するに,買い換えで玉があふれているんでしょうね。

 これだけならまあ辛抱したんですが,私が具体的なアクションを起こすきっかけになったのは,AF-S18-200の査定が,わずか2000円だったことです。新品で購入,箱も付属品もあり,傷も目立ったものはないという良品だと思っていたのですが,電話で訳を聞いてみると,どうもフォーカスリングに引っかかりがあるので,修理が必要になるという話でした。

 出たり出なかったりだと言う話でしたので,一度でも問題が出たものを「気のせいだ」と考えて高く買い取るわけにはいかないでしょうから,その辺の事情は理解するとして,それにしても2000円はちょっと残念です。

 また,AiAF35mmF2Dは,絞り羽根にグリスが回っているということで,これも3000円でした。この2つで2万円近く査定額が下がってしまったことは,純正レンズとはいえども,売れる時に売ってしまわないといかんという教訓を私に残しました。

 それなら返して下さいとお願いすると,気持ちよく返却してくれました。

 返してもらったのは,D800にバッテリグリップ,AF-S18-200mm,AiAF35mmF2Dでしたが,D800は指摘された傷もなく,私にはとても問題があるとは思えませんでした。

 AiAF35mmF2Dは,指摘通り絞り羽根にグリスがべっとりで,絞りの開閉に支障が出ています。これは指摘通りです。残念。

 問題はAF-S18-200mmです。今日はこれが本題です。

 フォーカスリングに引っかかりがあるという指摘があったわけですが,先日偶然,引っかかりを解消するには,ギアの部分を分解して指で少し回してやれば治るというWEBの記事を見て,試してみたくなりました。

 実物が戻ってきたので確かめてみると,確かにフォーカスリングに引っかかりがあります。なにか,フィルムのようなものが引っかかっている様な感じです。ズームをしても,やっぱり引っかかりがあり,一瞬ですが鏡筒内にテープのようなものがちらっと見えたことがありました。無理に回すとブチブチという音がしたりしましたので,どうもギアだけの問題ではなさそうです。

 実際にボディに取り付けてみたところ,一応AFは問題なく動作し,写りも問題ありません。ただし,VRが動作していないことに気が付きました。これは嫌な予感。

 どうせ2000円の価値しかないし,修理を15000円かけて行っても出番はなし,かといって売っても15000円程ですので,まともな修理は赤字になるので,もう捨てるしかないレンズと割り切り,分解を始めます。

 フレキを慎重に分解していき,ビスを場所を覚えながら分解していくのですが,まだ引っかかりの原因が見つかりません。ギアを手で回すこともやってみましたが,原因はこれではないようで,改善しません。

 分解を進めていくと,恐ろしいものが見えてきました。フレキがフォーカスのカムに巻き込まれて,くしゃくしゃになっています。

 しかも,そのフレキの先端が抜けてブラブラしています。どうやらこれがVRユニットにいくフレキなんじゃないかと思います。

 さらにここでズームを行うと,ズームのカムの溝にフレキの先端が入り込み,ギロチンのようにフレキが挟み込まれて,今にも切れてしまいそうです。これはもうダメだ。

 さらに分解を進めていきます。

 もう組み立て直すことは半ばあきらめていて,とうとう鏡筒から光学系が抜けた時に分かったのは,フレキが切れてしまっていて,修理不可能になっていた事でした。

 そして,その原因を仮組みしながら考えてみました。

(1)まずフレキを固定していた両面テープが経年変化で剥がれてしまった。

(2)フレキが浮き上がったところに,フォーカスのカムが引っかかった。査定中の状態はこれ。

(3)何度か繰り返しているうちに,フレキが引っ張られてVRユニット基板のコネクタからフレキが抜けてしまう。

(4)抜けたフレキの先端がズームのカムの溝に入り込んでしまった。鏡筒内に見えていたテープのようなものが見えたのは,おそらくこれ。

(5)ここでズームを行ったので,フレキがカムに巻き込まれて切れてしまった。


 フレキの剥がれ具合を見ていると,ほぼ間違いないと思います。

 長く使わずに放置していたので,この間にフレキが剥がれたものと思いますし,フレキを巻き込んで切ってしまった直接の原因は,査定中の操作にあると言えるわけですが,根本の原因は経年変化にあり,誰が操作を行っても同じ結果になったのではないかと思います。

 さてさて,組み立てをどうしましょうか・・・VRのフレキが切れているのでVRはもう修理出来ませんが,このフレキを剥がしてしまえば引っかかりもなくなりますし,普通の高倍率ズームとしては使えるでしょう。

 しかし,ほぼ完全にフルサイズに移行している状態で,DX専用の画質も今ひとつな凡庸な高倍率ズームを,VRもなしで使うなんて,さすがにないと思います。そもそもそうした私のレンズの選び方に変化があったことから,このレンズを売ってしまおうと思ったわけですし。

 てなわけで,おもむろに絞りをユニットごと取り出した私は,娘に「こんなんいるか?」と声をかけ,絞り羽根を開けたり閉じたりして見せました。大人でもなかなか目にすることのない絞り羽根が,シュルシュルと開閉する様が面白いらしく,娘は即座に「欲しい」といって,自分で開閉して遊んでいました。

 次にレンズをいくつか取り出してみました。凸レンズなら虫眼鏡になると思っていたのですが,案外どれも曲率が小さいらしく,あまり大きく拡大出来ません。しかしそこはさすがにカメラのレンズだけに,実にクリアに歪みもなく,恐ろしいほどくっきりと画像が見えます。

 そんなわけで,発売と同時に購入した18-200は,あえなく分解されてしまいました。

 根本の原因が,フレキを固定する両面テープの剥がれだなんて,なんとまあ家電チックな話でしょうか。光学機器であるカメラのレンズは中古市場が確立していて,人は死んでもレンズは残り,何人ものオーナーの手を渡り歩くものです。

 製造時にそんなことが意図されていたかどうかは分かりませんが,そうした50年も60年も前のレンズがきちんと今も価値を持つものとして流通していることを考えると,ここ最近に作られたレンズがこうして電気的な理由でダメになっていくと,今から50年先にはどんなレンズが残るのだろうと,心配になります。

 今回のAF-S18-200も,光学系は完璧でした。しかし,プラスチックが多用され,フレキとケーブルが鏡筒内を走り回り,高度な電子回路が内蔵されている今どきのレンズは,今どきの家電品やモバイル機器と同じ程度の信頼性や寿命しか与えられておらず,せいぜい10年が限界だろうと思われる部品も使われています。

 そしてそうした部品はすぐに入手が出来なくなるほど世代交代が早く,メカ部品のように自作も出来ない状況から,その多くが使用不能になったり,価値がゼロになったりして,廃棄される運命にあります。

 カメラが家電になったことを憂う声は,今でも時々耳にしますが,レンズまで家電になってしまったことは,私には重い事実でした。

 そして,1990年代移行のレンズは,大事に持っておくのではなく,気に入ったものは使い倒し,使わないものはさっさと売ってしまうのが最善であると思いました。そう,ユーザーにも家電と同じ接し方を,求められるようになったということです。

 さて,話はいきなり変わりますが,肝心のD850・・・先日お店から電話があり,予約割り当てが私にもあり,発売日である9月8日に購入出来るとのこと。

 ニコンの初物は地雷,と言われている昨今,価格も価格なのでかなり勇気のいる予約だったわけですが,どうせ買うことになるわけですし,しばらくは値段も下がりませんから,早めに買ってその分楽しむのが良いと思いました。

 若いときと違い,もう残り時間もそんなに長くはありません。今をできるだけ無理せず楽しく生きる。カメラは入手出来ればそれでいいのではなく,それで写真が残せなければなりません。

 9月8日,楽しみです。そして,なにもトラブルがないことを,祈ります。

 

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