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2017年11月27日の記事は以下のとおりです。

AT-X 16-28 F2.8 PRO FX を買った

  • 2017/11/27 14:52
  • カテゴリー:散財

 F2.8通しのズームレンズは,広角,標準,望遠の3つで「大三元」と呼ばれていて,通常考えられる撮影シーンをほぼ完全にカバーします。

 カバーするのは焦点距離ですが,もちろんそれだけでは成立せず,F2.8という明るさと単焦点をしのぐ画質がなければ成り立ちません。

 そのために大きさ,重さ,そして価格が犠牲になるわけですが,これも考えて見ると,一昔前なら単焦点レンズをいくつも揃えてカバーしていた撮影域がわずか3本で大丈夫になったわけで,トータルで考えると大きさも価格も,一概に大きくなったとは言えないものがあります。

 ただ,以前なら28mmF2.8を選ぶなら35mmF2.8は当分いらない,という人も多かったはずで,少ない予算を自分の好みやスタイルに合わせて配分していくことは難しくなったと思います。

 とまあ,大三元についていろいろ思う訳ですが,トータルで安いとはいえ純正で20万円は随分高価ですし,トータルで軽いとは言え1kgもあるレンズは,やはり購入に一大決心が必要です。

 以前のように,高価で大きなレンズは特殊なレンズだけならば,それでなければ撮影出来ないものがあるわけですので,高い大きいはあまり関係がありません。しかし,単焦点でも大丈夫な撮影をわざわざ20万円のズームで撮影するという事は,単焦点を揃えるよりもメリットがある撮影スタイルを確立しているか,写真に入れ込んでいることを示しているか,のどちらかでしょう。

 どちらにしても,そうした理由で20万円のレンズをわざわざ買うのですから,いい加減なレンズを売るわけにもいかず,そこはメーカーの威信をかけた,まさに「顔」となるようなレンズであることが強く求められるのです。

 当然画質などの性能にはその時々の最高のものが期待されますし,バラツキや不良,耐久性などの品質についても厳しいものが求められます。

 理屈では分かっているのですが,実際に大三元を手に入れて使ってみると,これらを本当に実感するのです。

 今や,大三元の画質は,かつての単焦点をしのぎます。ですので単焦点のレンズは,小型であるとか,クセがあるとか,F2.8よりもずっと明るいとか,安いとか,そうした個性で選ばれるようになっていますが,こんなの25年前にはちょっと考えられなかったことです。

 D800という新鋭機を手に入れた当時の私は,レンズの性能がD800の足を引っ張っている事実を突きつけられていました。安いレンズの収差を味わうことで成り立っていた私のカメラ趣味は,この悩みを凡庸に解決する道を選んだことにより,最新機種と高価なレンズで高画質を狙うという,ごく自然な方向に向くことになります。

 標準域はAF-S24-70,望遠域はAF-S70-200VR2で普段は困らないようになったのですが,やはり広角が欲しくなります。キヤノンユーザーがマウントアダプタを買ってまで使うという神レンズAF-S14-24を当然狙いたいところではあるのですが,いかんせん20万円を超える買い物を,そうそう簡単にできるはずもありません。

 また,広角域はそんなに出番もなく,かけた費用を回収することも出来ないでしょう。

 そこで私は,AF-S18-35mm f/3.5-4.5G EDを買ったのでした。7万円ほどで上位機種をしのぐ画質を誇る,小型軽量の高画質レンズです。

 2014年の10月末に手に入れて,最初はいろいろ遊んでいましたし,その後はD2Hに付けっぱなしにしていたのですが,D800やD850で使うことはほとんどなくなっていました。

 もったいないと思ってしばらく付けていたのですが,出てきた写真がどうもしっくりこず,結局やめてしまったのです。

 解像度もコントラストも優れているレンズのはずなのですが,どうもありきたりのズームレンズの眠たい画像ばかりで,目の覚めるような写真がなかなか出てこないのです。

 我慢できずにシグマの35mm/F1.4に付け替えると,やはりその画質の差にニンマリしてしまうことになり,もうAF-S18-35に戻すことはなくなってしまいました。

 思うに,18mmという広角端がちょっと物足りないのと,やはり開放が暗いということがあったんじゃないでしょうか。

 収差を改善しようとして2段も絞ると,もうF8まで暗くなってしまい,背景もぼけず,シャッター速度も落ちてキレがなくなり,あげく感度が下がってノイズも増えるし色も悪くなるしと,写真の負のスパイラルにはまり込んでいるようです。

 明るい屋外では問題がないかもしれませんが,室内で撮影することが多い私の使い方では,どうもこのレンズは進化を発揮出来ていないようです。

 なので,最後の課題として広角ズームが残っている状態なのですが,AF-S18-35は基本性能が高く,外に持ち出すレンズとして重宝しますし,純正のレンズを手放すにはちょっと惜しいと思っています。

 もちろん,AF-S14-24を買うならすべての問題は解決しますが,やはり20万円を越えるレンズですし,前玉に傷を付けたときの精神的ダメージが大きすぎるように思いますから,これも手を出しにくいです。

 純正のF4ズームからAF-S16-35を選ぶという手もあるのですが,AF-S18-35よりも劣るという話を耳にすると,手を出す気が起きません。

 そうなるとレンズメーカーのF2.8ズームということになるのですが,これはこれで当たり外れもありますし,リセールバリューも低くて,よく考えないといけません。気に入らないと理由で処分することが現実的には出来ないのですから。

 そんなことをここ1年くらい考えたいたところ,発売が古くて全く無視していたトキナーのAT-X16-28を改めて確認する機会がありました。

 16mmと手頃の広角端を持つF2.8通しズームで,前玉が飛び出しているデメキンレンズです。

 登場は2010年と古く,当時はその画質絶賛されたレンズですが,一方で量産性を大きく改善する製造技術により,純正の半額というお値段を実現したレンズでもあります。

 今なら1/3で手に入るこのレンズは,F2.8通しらしい大きく重いレンズで,解像度もコントラストも大変よく,色のりもコク出てくる事で知られています。特に青空の青色が濃く抜けるように出てくることは魅力の1つで,トキナーブルーと呼ばれています。

 ただ,逆光に弱いことは当時から厳しくされています。まあ,でもそれはなんとかなるでしょう。個性として割り切ればいいです。

 そうしているうち,キャッシュバックで1万円も戻ってくることが告知されました。このレンズがなんと実質6万円で買えるのです。これはいい機会かも知れません。

 最安値は7万円ちょっとで,ヨドバシは79020円で10%のポイントですから,実質71200円ほど。差額は1000円ちょっとなので,これくらいならヨドバシで買う方が安心出来ます。(そしてこの選択が正しかったことを私は後に知ることになります)

 ちょうどヨドバシの配達が通常の速さに戻ったこともあり,23日の夜に注文しました。24日の午前中に届くというので待っていましたが出荷の遅れがあり,届いたのは24日の夜でした。

 届いて見てみると,さすがにF2.8の広角ズームです。ずっしりと重く,レンズらしい質感です。デザインは私の好みではないのですが,そんなに悪いものではありません。お金がそれなりにかかっていることがわかります。

 早速試し撮りです。16mmという画角でも周辺光量の低下は少なく,中央部の解像度は極めて良好です。色収差はそれなりに出る条件がありますが,絞れば気にならないレベルです。

 逆光はいわれている通りで,ゴーストもフレアも派手に出ますし,コントラストの低下も見られます。しかし,それも回避方法がないわけではなく,うまく逃げる方法を考えた方が賢いと思います。

 いいなこれ,やっぱりF2.8だなあと思って前玉を覗き込むと,フードの内側にひっかき傷のようなものが見えました。

 あれ,これはなんだと,少し湿らせた綿棒で拭くと,一応とれます。しかし,その周囲を注してみると,レンズに1.5mmほどのキズを発見してしまいました。

 さらに,レンズを固定してあるカニ目にも分解痕のようなものがあります。

 一応レンズを拭き掃除しておこうと,シルボン紙にアルコールを少しだけつけて拭いたところ,油のような汚れもポツポツと出てきます。

 うーん,これはおかしい。

 写りに影響はないとはいえ,これは新品です。外観は綺麗でもレンズにキズはちょっと悔しいです。もしこのレンズを売却する場合,このキズが理由で大きく減額されるでしょう。売らない場合でも,気分的にマイナスです。

 あれこれ考えましたが,こんな時のヨドバシです。

 翌朝電話をしてみたところ,即座に交換するという返事。しかも代品を最短で送るので,届いたときに交換をしてくれればいいと,とても助かる対応を頂きました。

 先に送ってくれとか,初期不良と認定されないとダメとか,メーカーに直接電話しろとか,そういう面倒なことにならず,ヨドバシで買って良かったと思いました。

 果たして翌日の朝に届いた交換品はもう完璧で,チリ一つなく,写りもさらに良いベストコンディションでした。キズはもちろんですが,レンズが入っていた袋も,ピシッと折り目の付いた綺麗な袋で,交換前のものがくしゃくしゃの透明なものであったことを考えると,やはり今回の交換品の方が正解だったんじゃないかと思います。交換してよかったです。

 さて,そこからは試写です。というか,楽しくて随分な枚数を撮影しました。

 繰り返しになりますが,軽くレビューです。

 まず外観ですが,デザインコンセプトは安いズームと同じの癖に,重量も大きさも質感も高く,その辺のアンバランスさに違和感がありますが,そこは質感が勝つわけで,良く手に馴染みます。

 思ったほど大きくも重くもなく,私はこれなら十分取り回せますが,そうはいっても飛び出した前玉が心配なので,それなりに気を遣います。フィルターが付かないことは割り切らざるをえませんが,どうも落ち着かないものです。

 AFとMFの切り替えは,フォーカスリングを前後することで行います。今ひとつ操作性が悪く,切り替えに力がいるので,AFで合わせたフォーカスがMFに切り替えるときにズレてしまうこともしばしばです。

 AFの速度はそんなに速くはありませんが,そんなにレンズを動かすものでもないので,合焦までの時間が遅いと思ったことはありません。音も小さいので,この点で不満を言う人は以内でしょう。

 撮影ですが,さすがにF2.8です。ファインダー越しに見える16mmの景色は胸のすくよな気分です。中央部の解像度もコントラストも十分高く,色も良く乗っています。周辺部の光量低下も思ったほどではありませんが,解像度はやや落ちるので,F5.6くらいで使うのが一番美味しいでしょう。

 気になるのは色収差が大きいことで,周辺部では盛大に色ズレが出ます。これもF5.6まで絞れば消えてしまいますので,うまく使いこなしを覚えていけば大丈夫でしょう。

 それとやはり逆光です。

 トキナーブルーを堪能するには空に向ける必要がありますが,太陽が画面から消えてもゴーストやフレアがずっと残っています。コントラストの低下も出てくるので,超広角なのに光が入ってくるとダメというのは,なかなか厳しいかも知れません。

 望遠なんかだと少し自分が動けばゴーストも消えるものなのですが,広角では少しくらい動いてもなにも変わりません。なかなか難しいですね。

 しかし,室内では怖いものなし。F2.8という明るさと,16mmという画角は狭い部屋でも綺麗に被写体をとらえることが出来ます。まつげ一本一本をきちんと解像し,色もしっかり乗っているので,これは買って良かったなあと,つくづく思った次第です。

 気をつけたいのは,レンズキャップです。フードを完全に覆うレンズキャップで,フードの内側を挟み込むように固定するのですが,もし被せ損ねると前玉を直撃します。

 ですから,少しでも被害が小さくなるよう,28mmのテレ端にすることを忘れないようにすることと,キャップを被せるときはきちんとフードが内側に来ていることを確認しないといけないです。

 というわけで,大きさと重さは想定内,質感も十分で,解像度などの性能も申し分なし。中編の性能低下は2段絞れば余裕で改善し,なんといっても色の出方が素晴らしいです。純正にはない色ですから,これは楽しいです。

 これが実質6万円ちょっとですから,なんと大盤振る舞いかと思います。発売後7年もすれば新製品が出てくることでしょう。そうなるとこの値段では買えなくなるわけで,私はいいタイミングで買ったのかも知れません。

 惜しいのはやはり逆光への弱さで,これは無視できるレベルではありません。明らかにカバー出来る撮影範囲を制限されるものだと思います。

 それと当たり外れへの不安です。私の場合交換品が満足なものでしたが,不安を抱えて使うのもつまらないことですから,良く品定めをする必要はあるかも知れません。

 もう1つは16mmというワイド端です。14mmまでとはいいませんが,せめて15mmくらいまでいってくれれば思しかったのにと思います。16mmがダメだといいませんし,18mmに比べれば圧倒的に面白いのですが,もう一歩ワイドになればなあ,と思う事がしょっちゅうあるので,ここは残念な所かも知れません。

 今回はとてもよい買い物をしました。いくら純正のリセールバリューが高いとはいえ,22万円のレンズが22万円そのままで売れるはずもなく,7万円でこれだけ素晴らしいレンズが手に入るなら,売ることを考えず使い潰したって全然構わないでしょう。

 D850に相応しいレンズかといわれれば素直にNoといわざるをえないと思いますが,試写でこれだけ面白がってバシャバシャ撮影したレンズというのも久しぶりです。今までのAF-S18-35と違って,本当に面白いレンズです。

 これで,私の撮影カバー域は一応の完成を見ました。広角ズームにあえてトキナーを選んだというのも私らしいなあと思いますが。純正とは一味違うその画質が,撮影を単調なものからワクワクするものにしてくれることでしょう。

 

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