エントリー

2018年11月21日の記事は以下のとおりです。

1700円のデジタルテスタも較正してみよう

  • 2018/11/21 10:30
  • カテゴリー:make:

 較正失敗による大ピンチをなんとか乗り越えたDL2050,Errで使い物にならなかったFLUKE 101の復活,そして新しいFLUKE 101やアナログテスタも含めた,測定結果の統一と,なかなか今回の測定器祭りは良い結果に繋がっているのですが,最後の仕上げとして先日中国から届いたばかりの新鋭機,ZT109も較正を試みます。

 実はこれもFLUKE 101と同様,較正の方法がよく分かっていません。海外の掲示板でそれらしい記事を見たと思ったら質問だけで回答がなかったりと,較正を行うことにたどり着けないので,較正データをバックアップした上で試行錯誤を試みました。

 これもおそらくですが,世界で最初にZT109の較正に成功したアマチュアではないかと思います。

 では早速その方法を,といきたいところですが,その前に見つけた改造記事があって,これがとても参考になったので私も改造を行います。

 やっている改造は,ZT109の電源の強化と,基準電圧の品質向上です。書いてしまうと全然違うことをやっているようですが,実は同じ事を対策しています。

 まず電源の強化ですが,このままだとノイズが多いのだそうです。そこで電源ラインに0.1uFと1uF,そして10uFのセラミックを追加します。

 次に基準電圧ですがの品質向上ですが,電圧リファレンスIC(ICL8069)の出力に入るコンデンサが,このICのデータシートの推奨値に全然足りないらしく,これをデータシート通りにするため,0.1uFから4.7uFのセラミックに交換します。,

 本当は電源ラインの電解コンデンサを低ESR品に交換することも書いてあるのですが,私の手元にあいにく100uFの小型で低ESR品などなく,これはあきらめました。

 やった人は,これで34401Aなみになったよと書いていましたが,電源のノイズを取って精度が向上するというのもちょっと考えにくく,私の場合は案の定結果になにも変化はありませんでした。ただ,小さい電圧の測定ではその精度や安定度に差があると思いますし,理にかなった改造なので,これはぜひやっておきたい改造です。

 さて,ここまでやってから,較正を行います。

(1)まず裏蓋をあける。基板をむき出しにしたまま電源を入れることが出来る構造なので,FLUKE 101のように外部電源を用意しなくて良い。

(2)基板の右上にあるJP1をハンダでショート。これでCALモードに入る準備が出来た。

(3)おもむろにロータリスイッチを回して電源を入れる。

(4)セルフチェックが走ったあと,画面になにやら数字が出るがADCの読み取り値らしく,無視してよい。その後ほっとくとErrが出るが,これも気にしなくて良いが,Errが出てしまうと先に進めないので,右側のSELボタンをErrが出る前に押して,CALモードに入る。

(5)較正したいファンクションを選ぶ。ここではDC電圧を較正する。

(6)左側のRANGEボタンでレンジを選ぶ。FLUKE 101と違って,各レンジで較正を行う必要がある。

(7)さて,ここからが肝心。ZT109に入ってるチップのDTM0660は,各レンジでの較正値を選べるようになっていて,基準となる電圧にあわせて調整が出来る。データシートにあるリファレンス回路では,その較正値をボタンで選べるようになっているが,ZT109はボタンが足りない。

(8)SELボタンを押すと,較正値が下がっていく。例えば,10Vレンジだと,9,8,7,6・・・と言う具合に,較正値が1Vずつ減っていく。

(9)そしてこれがミソなんだが,SELボタンを「長押し」すると,今度は1Vずつ増える。

(10)例えば5.000Vを用意し,10Vレンジを調整する場合,SELボタンを使って5.000Vを選んでやる。こうすると自動的に入力された電圧を5.000Vとしてプリセットしてくれる。

(11)同様に他のレンジでもやる。100Vレンジでも30Vくらいで較正すれば,とりあえず使いものになる結果が得られる。

(12)他のファンクションでも同じだと思うが,私はDC電圧以外に較正する必要性を感じなかったので,ここで較正を終了。電源を切ってJP1を切り離し,電源を再投入する。

 これで,較正は終わりです。

 うまく言葉に出来ない部分もあるのですが,EEPROMのバックアップをきちんと取ってから試行錯誤をやってください。しばらく触っているとわかると思います。

 さて,こうして較正を行った結果です。

2.501V -0.65mV -0.025982851%
5.003V -0.02mV -0.000399759%
7.506V 1.46mV 0.019454890%
10.00V -5.33mV -0.053271606%
 
 おお,さすが5Vでの値はこれ以上ないくらいの一致を見ています。また,10Vまでが同一のレンジだということで,7.500Vでも高い精度を誇っています。10Vについては,まあこんなものだと思います。

 このテスタは10000カウントですし,10Vは小数点以下2桁しか出ませんので,10mV単位です。ですからこのテスタでは10.005Vの電圧を測定すると,10.00Vと10.01Vのどちらかになるのが正常ですから,誤差の割合を見ることにあまり意味はないのかも知れません。

 ちなみに,較正前の値が以下なのですが,全体的にばちっとあっているのがわかります。

2.500V -1.65mV -0.065956469%
4.999V -4.02mV -0.080351468%
7.500V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 抵抗や電流も一応スペックに入っているので,変に較正を自分でやらない方がいいと考えておいたわけですが,DC電圧だけはこの結果を得たいがために,頑張って見ました。

 この数字を見ると,やって良かったなあと思います。これで,34401A,DL2050,2台のFLUKE 101,そしてZT109,アナログテスタが揃いました。気分がいいです。

 残念なのは,他のテスタについては,今のところあきらめるしかないということです。

 3.5桁のテスタはそもそも較正なんかしなくてもきちんと値を出してくれます。これがズレてしまうようなテスタはすでに較正など不可能なほどおかしくなっています。

 P-10も調整したいですが,これは内部の犯行低抵抗を回してもうまく調整が出来ません。なにかうまい方法があるんでしょうが,もう探す気も起きません。

 そもそも,家の中にテスタがゴロゴロしている状態というのも妙なストレスが溜まります。なんとかせねば。

 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2018年11月

- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

新着エントリー

過去ログ

Feed