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2019年02月14日の記事は以下のとおりです。

DM16で対数計算

 DM16は,ボタンの押し心地が悪くて批判的な意見も散見されますが,実際に触って見るとそのサイズ感がとても好ましく,手に馴染む電卓です。

 HPの電卓には,縦長のものと横長のものがあり,縦長が好きな人は手で持って操作できるので立ちながら使える事を主張しますし,横長が好きな人は格好良さと左右の手で操作できることをメリットにあげます。

 DM16のカードサイズというのは,実は立ちながら両手で操作できるという,双方のメリットを兼ね備えた大きさで,確かに机において使うと楽ちんなオリジナルのHP-10Cシリーズを立ちながら操作できるというのは,想像以上の進化と言って良いかもしれません。

 とまあ,これでボタンが改善される(ゴムキーでいいです)と文句なしなわけですが,持ち運びに苦痛なく,しかも強力なDM16はとても気に入っています。

 ただ,私が普段使うには,どうしても足りない機能があります。それは対数の計算です。

 電気電子分野において,日常的に使う対数は,まずdBの計算で常用対数を,コンデンサの充放電などで自然対数を使います。これらは足し算や引き算のように自然に使われる数学であり,「数学なんか何につかうのよ」という高校生に正面切って反論できるものでもあります。

 だから,DM16のオリジナルであるHP-16Cでlogやlnが落ちてしまったことが不思議でならないわけですが,かといってDM16とDM15の両方を持ち歩くのももったいない話です。

 幸い私はエンジニアであり,科学者ではありません。対数だって小数点以下2桁か3桁あれば事足りる世界の住人ですので,近似値を求めるプログラムをDM16に入れれば,それで問題は解決しそうです。

 と,その前に,私が自宅用においたDM15Lには,4つのプログラムをいれてあります。電力のdB計算(10*log(x)),電圧のdB計算(20*log(x)),抵抗で消費される電力(P=x^2/Z),そして抵抗の並列接続(1/x + 1/y = 1/r)です。

 どれも大した計算ではありませんが,得られたデータを処理するのに何度も同じ計算をする必要があり,少しでもキーを押す数を減らせるとうれしいのです。

 で,この4つをDM16で計算できれば,DM16にもともと存在する2-8-10-16進数の計算機能とあいまって,最強の相棒を連れて歩くことができます。

 ということで,以下のプログラムを保存がてらに,ここに公開します。いずれも実数モードで使って下さい。

LBL A 電力のdB計算(10*log(x))
LBL B 電圧のdB計算(20*log(x))

 この2つはいいですよね。数値を入れて,GSB AもしくはGSB Bとすれば,画面に結果が出ます。ただ,後述するlogやlnの近似値の誤差があるので,小数点以下5桁が限度です。6桁目には誤差が入り込んできます。4桁くらいで使って下さい。

LBL C 抵抗で消費される電力(P=x^2/Z)

 私がよく使うのは,作ったパワーアンプの出力電力を測定するときで,ダミーロードを繋いで,その両端の電圧を測定し,出力電力を求めます。

 レジスタ9にSTO 9として負荷抵抗の値を先に入れておき,電圧の値を入れてからGSB Cとすれば,電力が出てきます。余談ですがHP-16Cってx^2すらないんですね。

LBL D 抵抗の並列接続(1/x + 1/y = 1/r)

 これも簡単な基本中の基本ですが,電卓で計算すると案外面倒です。普通の電卓では逆数がないのでややこしいですし,最後に出てきた答えをまた逆数にしないといけないあたりで,私などは心が折れてしまいます。

 なので,いつもは式を変形して「かけ算/足し算」で計算するわけですが,これも何度も繰り返すとさすがに手間で,一発で計算できるとどんなに便利かと,中学生の時から思っていました。

 1つ目の数値を入れてENTER,2つ目の数値を入れてGSB Dとすると,2つの数値の並列接続時の合成抵抗が出てきます。これ,数学的になんていう演算なのか,忘れてしまいました。


 さてお待ちかね,自然対数と常用対数です。

LBL E 自然対数 ln(x)
LBL F 常用対数 log(x)

 どちらも数値をいれて,GSB EもしくはGSB Fとすれば,それぞれの結果を表示します。近似値ですので,小数点以下5桁くらいが限度です。

 まず,ln(x)を求めています。これは自然対数の近似値を計算する数列をn=11まで計算しています。ちょっと時間がかかりますが,私が以前作ったループを使ったプログラムに比べると,速度も精度も随分上です・・・

 こうして求めたln(x)を,高校数学で習う底の変換公式を使ってlog(x)にします。ざっくり自然対数を2.3で割ればいいのですが,それでは精度が出ませんので,真面目にln(10)で割っています。

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DM15LとDM16をめぐる顛末

 DM15LとDM16が手元に揃って,気になる事がいくつか出てきました。


(1)DM15Lのキーについて

 私のDM15Lは,y^xキーのペコ板が2枚重なっていたことで,非常に固いキーになっていた事を先日ここに書きました。

 それで,ONキーのペコ板と交換したわけですが,このことでy^xキーは他のキーと同じ感触になったものの,ONキーはすでに柔らかくしてしまったペコ板のせいで,ヌルヌルとした頼りない感触になってしまいました。

 なんとかならんかとペコ板を裏側からあちこち突っついて変形させてみますが,硬さは調整出来てもクリック感がどうしても出せず,さじを投げてしまいました。

 で,ふと基板をみると,ENTERキーにペコ板が2つ付いていることに気が付きました。

 さらにみていくと,ENTERキーのキートップの裏側にある突起は,2つあるペコ板のうち1つだけを押しています。つまりもう1つのペコ板は全く使われていないのです。

 なら,このペコ板と交換すれば万事解決じゃないか!

 早速試してみます。するとONキーも気持ちのいい感触に戻ってくれました。

 悪い感触のペコ板は使われない部分にあてがわれたので,普段は全然我々の目に触れません。一応,これで満足な状態になりました。

 本来なら2枚重なっていたことで,都合2枚分のペコ板が手元にあったはずが,2枚ともダメにしてしまうという悲しい状況ではありますが,まあとりあえず使う度にがっかりすることはなくなり,気持ちよく使う事が出来るようになったことを,喜ぶべきでしょう。

 その後,今度は"3"ボタンがきかなくなり,分解してアルコールで清掃して復活させました。これはなかなか手を焼きそうな電卓です。


(2)DM16の時計表示

 A + ONで,時刻と日付を5分間表示する機能があるのですが,DM15Lでは正常にカウントアップをするのに,DM16ではカウントアップをせず画面が止まったまま,しかも5分経過しても表示が消えません。

 実はDM15Lも気が付いたときには表示が止まるようになっていたので,こんなもんかなと思っていたのですが,うっかりRESETボタンを触ってしまい,その後カウントアップが行われるようになったので,その違いに気が付いたというわけです。

 DM16についても,RESETボタンで治るだろうと思っていたんですが何度やってもだめです。散々調べてもわからず,いろいろ試しても解決せず,バグかも知れないとDMシリーズを作ったMichael Steinmannさんに,メールを投げてみました。

 ダメモトで投げたメールでしたが,数時間後に返事が来ます。

 いわく,これはハードウェアのミスで,小型のモデルはRTCからの1秒ごとのパルスをCPUに入れ損なっていると,そういうことのようです。

 ハードウェアのバグなら,そりゃなにをやっても解決しないわなあと思いつつ,そんな単純なミスなら私が自分で改修できると気が付き,再びMichaelさんに,もし可能なら基板の改修方法を教えてくれないかとメールを出しました。

 そして数時間後,断られるかと思っていた返事は,実にわかりやすい図面と共に,君なら出来るよ,という励ましの言葉が添えられていました。

 うれしいですねえ。

 やるべき事は,1箇所のパターンカットと,1箇所のブリッジです。推測するにRTCからの1秒パルスを,謝ったCPUの割り込み端子に繋いでいたものを,正しい端子に繋ぎ直して割り込みがかかるようにする改修でしょう。

 改修はとても簡単で,10分もかかりません。ミスもなく,改修後にA + ONで無事に1秒ごとのカウントアップが行われています。当然5分後に自動で表示が消えてくれます。

 こうして私のDM16はちょっと特別なDM16になりました。SwissMicrosに感謝です。


(3)DM16の画面

 DM16の画面がちょっと見にくいなあと思っていたのですが,どうもこれは今ひとつ透過度も低く,平面性も悪い風防がかかっているからだと気が付きました。

 シートキーがそのまま画面にかかり,この部分だけ印刷を抜いてあるのですが,ふにゃふにゃの残量で画面を覆うのですから,そりゃ見にくくもなります。

 ちょっと傷が付いてしまい,焦らずコンパウンドで傷を消しにかかると,あろうことか余計に細かい擦り傷がたくさん付いてしまいました。これはいかん。

 一方のDM15Lは風防など全くない潔い仕様で,傷など全く付くことなく,とても見やすくなっています。なら,DM16も同じ仕様にしましょう。

 やるべき事は単純で,印刷されていない透明な部分をカッターで切り抜くだけです。しかし,外側から見える部分ですから,綺麗に切り抜く必要があります。

 こういうの,下手なんだよなあと思いながら,良く切れるカッターでなんとか切り抜きました。組み立て直すと実に見やすくなっています。

 代わりに汚れや液体に弱くなってしまいましたし,画面になにかぶつかればLCDが壊れてしまうでしょう。でも,この見やすさにはかないません。


 てなわけで,ようやくDM15LとDM16は,満足いく仕上がりになりました。こうして手間がかかることは正直面倒ではありますが,これも楽しみと思えばそんなに嫌な気分もありません。

 設計者とやりとりして改修をするなど,SwissMicrosの寛容さにはとても感謝していますし,おかげで面白い体験をさせてもらいました。

 ではこの両機を実戦に投入しましょう。

 

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