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2019年09月10日の記事は以下のとおりです。

F2フォトミックA完調

 フォトミックAファインダーの修理をなんとなくでっち上げ,実用レベルで使い物になりそうだからこれにて終了と,なんだか後味の悪い形だったAi対応のF2ですが,γが0.5と低いCdSを安価に入手できたこともあり,もう一度きちんとした修理を試みることにしました。

 私が行った修理というのは,2つあるうち1つが劣化したCdSをもう1つのCdSに似た特性の動作品に交換して調整を追い込むという物でした。

 で,今回はフォトミックAファインダーだけではなく,きちんと動作してることがはっきりしているフォトミックファインダーのCdSも,特性を測定してみることにしました。

 とはいえ,明るさのはっきりしている光源はないので,真っ暗と普段の部屋の手元の明るさと,デスクライトから10cmほど離したところの抵抗値を記録するだけです。

 細かい数値は意味がないので省略しますが,わかったことは,フォトミックファインダーとフォトミックAファインダーというCdSを使ったニコンのファインダーは,左右で特性が全く異なるCdSを使って,この1つを並列に接続しているという事です。

 特性は,同じ明るさで抵抗値が違うことは当然ですが,γも異なるので,とにかくもう別物です。

 非常に単純に考えると,γが異なるCdSを並列に繋いだ場合,低輝度側ではγが小さい方が支配的に,高輝度側ではγが大きい方が支配的になりますので,どちらか1つを使うよりも広い測光範囲を得られる事になります。

 そういう意図があるという文献を見たこともないし,世界中の修理を嗜む識者の意見も聞いたことがありませんが,とにかく事実はそうです。

 測定ミスかもしれないなと思ったりもしましたが,そもそも特性の違いに気が付いたのは,左右のCdSで見た目が異なることに気が付いたからです。

 CdSの受講面には,硫化カドミウムがウネウネと引いてあります。曲がりくねっているのは長さを稼ぐためですが,このウネウネとした長さが左右で違っているのです。

 もちろん,長さの違いが直ちに特性の違いにはなりませんが,同一メーカーの同一品種で,しかも同一ロットであれば,ほぼ間違いなく同じ長さであるべきでしょう。それが異なるというのですから,特性が違うと考えるのが自然です。

 で,実際に測定してフォトミックファインダーのものと比較してみると,先日のフォトミックAファインダーの劣化したCdSは,γが大きいものでした。γが小さい物は劣化しておらず,初期性能を保っているようです。

 とはいえ,その左右の違いはそんなに大きな物ではなく,せいぜいγが0.65程度の物だと思います。手持ちのCdSの多くはγが0.85であり,これは本当に急激に値が変化し,暗部では10MΩを越えてしまうこともあります。

 フォトミックAファインダーの劣化したCdSと交換した手持ちのCdSは,たった1つだけ見つかったγの小さい物だったのですが,これは本来,もう1つのCdSと特性が似ているからという理由で起用したものです。

 しかし,フォトミックファインダーの劣化していないCdSと比較すると,ウソのように特性が一致します。もう同一と言っていいくらいです。

 フォトミックファインダーが調整を追い込んでほぼ満足な動作をしていることを考えると,フォトミックAファインダーでも劣化していないCdSと今回のCdSの組み合わせでちゃんと追い込む事ができるはずで,特に低輝度と高輝度の補正用半固定抵抗の位置は,そんなにクリティカルに変化する物でないことを考慮すると,似たような位置にしておくだけで問題ないのではないでしょうか。

 とまあ,その前に,200kΩのソリッド抵抗を交換しておきます。もともと230kΩくらいの実測値で,10%の許容誤差を越えてしまっていますからね。

 と,基板から外すときに,この抵抗を壊してしまいました。というか,ポロッと端子がもげてしまいました。劣化が激しいです。

 まあ,ソリッド抵抗は見つけ次第交換せよと,昔の人達もいっているくらい,経年変化が大きく,信頼性も低いです。交換しておいて良かったです。

 そのせいもあるのでしょうが,組み上げてからの調整が,なんとまあ楽ちんなこと。低輝度高輝度の補正はフォトミックファインダーと同じ位置に合わせておくだけでOK。

 その上で,露出計の調整はF3でグレイカードを測定し,その結果であわせ込むだけで,低輝度から高輝度,開放F値の異なるレンズでも,いつもズレのない値を示します。こんなに簡単に調整が出来てしまっていいのだろうかと不安に思うほどです。

 そして試し撮りです。とにかくレンズをとっかえひっかえ,テンポ良く撮影します。いや,楽しいです。巻き上げレバーにグリスを塗りすぎたせいで柔らかくなってなりすぎたことを除けば,感触も音もメカが動く実感もすべて,写真を撮るという行為にプラスの力を与えてくれます。

 AEで撮影することになれているので,ついつい露出を確認しないでシャッターを切りそうになりますが,被写体中央で露出をあわせておけば,構図を変えてもいちいち補正をしなくて済むテンポの良さはとても楽しく,軽快です。

 露出計は全く問題なく動作しています。Aiニッコールとの連動もズムーズで,1972年に製造された私のF2は,クラシックなカメラと言うより現役バリバリの実用機と言っても違和感がありません。

 F2はよいカメラです。F3もよいですが,実際に使ってみるとF2の方が手に馴染みます。F3の発売当時にF2とF3で迷っていたら,F2を買っていただろうと思います。そして,それから30年たち,結局F3と買った方が賢かったと悔やむことも,きっとしただろうと思います。

 そんなわけで,一気に100枚ほど撮影してしまうという,とても贅沢な時間を過ごしました。あとは現像して確認が必要ですが,まあ多分大丈夫でしょう。

 気になっている巻き上げレバーの,ロック位置からの動きが柔らかすぎる問題は,そのうち上カバーを開くときにでも確認しようと思います。今は巻き上げが終わった位置から指を離すと,勢い余ってロック位置までレバーが動いてしまうほどなのですが,これだとやっぱり使いにくいです。

 で,足下には,フォトミックAファインダーがついてきた,肩の派手にへこんだF2が転がっています。これも一応練習がてらオーバーホールをしようと思っていますが,すでにセルフタイマーのネジを傷つけてしまい,モチベーションがだだ下がりになっているので,困ったものです。

 部品取りとしてこのままにしておくべきか,予備機として復帰させるか。大いに迷うところですが,苦手なマイナスネジと格闘すると考えただけで,二の足を踏んでしまいがちです。さて,どうしたものか・・・

 

 

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