エントリー

2019年10月16日の記事は以下のとおりです。

Rollei35LEDに手を出す

 先日修理が終わって手に馴染んできたRollei35。とてもいいカメラで,なんとなく手元に置いておきたくなり,ついつい手に取ってしまうという,持っていることが重要という私にとって初めての種類のカメラです。

 もっとも,実用機としても申し分ない性能を持っているカメラではありますが,唯一の難点が重いことです。(私の個体は私の修理が下手くそだったせいで,使うのに気を遣ってしまうのも難点ではあります)

 カメラとしての質感を高め,持っていること,手に取っていることの意味を深めているのが,この大きさと重さから来る密度感だと思うのですが,これを鞄に入れて持ち歩いてみると,肩にずっしりくること,鞄の底が下がる事で,このカメラの重さを実感します。

 小さな高級機としてはこれがむしろ好ましいのでしょうが,持ち歩くにはやっぱり厳しいなあと思います。(それに両手操作が必要というのもやや面倒ですわな)

 で,このRollei35を買うときに,別のお店で手に取ったRollei35LEDの軽さを思い出したわけです。この時,Rollei35LEDの驚くような軽さとスローシャッターがないこと,そしてTriotar(なんのことはないトリプレットです)という単純なレンズが,すべてコストダウンや低級化のためだと思った私は,馬鹿にしてお店を後にしたのでした。

 浅はかな考えである事を知ったのは,Rollei35をじっくり触ってからです。

 軽いことは持ち運びにとても便利で,モバイル機器において絶対的な正義です。Rollei35の場合,主さの原因が特にボディがダイキャストで作られているので,耐久性や精度に優れているというメリットはありますが,登場から40年を経たRollei35LEDがプラスチックで出来ていることがデメリットになっているという話は耳にしません。

 スローシャッターも実際には使うことはありません。1/15秒では手ぶれが大きいので手持ちでは使えません。セルフタイマーがないので机において撮影という手法は使えませんし,カメラが小さいのに三脚を持ち歩くなんて考えられないでしょう。

 結局,1/2秒や1/4秒なんて使えないです。なら,1/30秒までのRollei35LEDは十分なスペックを持っていると言えるでしょう。

 レンズについても勉強不足でした。世界初の実用的な写真用レンズとして歴史に名を残すトリプレットを,私はよく知りもしないで性能に妥協をした安物と考えていたところがあったのですが,特にRollei35シリーズのTriotarにはファンが多く,とてもシャープで抜けのいい描写をすると定評があります。それでいて40mm/F3.5と,上位機種のTessarと同じスペックなんですから,なにも文句はありません。ああ,むしろ使ってみたい・・・

 Rollei35LEDは,さらに露出をファインダーで確認出来るという実用上大変うれしい仕組みがあります。同じ外光式ではありますが,Rollei35の露出計は上面にメーターがあります。これ,なにが面倒といって縦位置で撮るときにすごく面倒です。

 ですがRollei35LEDはLEDでファインダーの中に表示されます。適正値からどれくらい外れているかわかりにくいという欠点はあるものの,そもそも1段くらいのズレがある外光式なら問題はないですし,縦位置だろうが横位置だろうがファインダーに表示があれば全く問題になりません。

 受光素子もSPDです。Rollei35がCdSなので,その性能差は歴然です。SPDを壊れやすいと避ける向きもありますが,交換部品がないから修理を断る業者が多いだけの話であって,個人的にはCdSよりもずっと寿命が長い部品だと思っています。

 また,ICを使っているから修理不能というのもおかしな理屈で,このICは汎用OP-AMPで,定番のLM324です。どんな部品屋さんにも在庫があるし,もちろん今でも生産されている現役のICです。カスタム品じゃありません。

 抵抗もコンデンサもダイオードもトランジスタもディスクリートで,小さい基板には大きな部品がひしめき合っていて,とても複雑に見えます。確かにこの基板で故障箇所を探し出すのは骨が折れますが,それでもすべてが汎用品を使っているこの回路は,必ず修理が可能です。

 シャッターボタンの半押しで電源がONになるのもRollei35にはない望ましい仕組みですし,そこはやっぱり1970年代後半のカメラなんだなあと思います。

 絞りやシャッタースピードのダイアルがレンズ鏡筒にあることも使い勝手としては良いでしょうし,おかげで前板もすっきりです。

 ・・・とまあ,いうわけで,Rollei35LEDが欲しくなりました。実用機として普段使いとして,持ち歩きが楽で速写に適しているRollei35が欲しいのです。

 しかし,もともと廉価版ですし,プラスチックが多用されたカメラは折れたり割れてしまえばもうおしまいです。あまりお金はかけられません。幸い,Rollei35のレストアである程度経験値を稼いだ私は,Rollei35LEDの修理も楽しんでみたいとも思っています。

 で,棒オークションで落札。完全な不動品です。3200円。不動品にしては高いなあと思いますが,まあRollei35シリーズは部品取りとしても人気ですので,仕方がありません・

 台風の中2日遅れで届いたRollei35LEDは,想像以上に程度が悪く,私は落胆しました。修理を始めるにあたり,現状を詳しく見ていきます。

(1)シャッター
 シャッターは閉じなくなっているという説明がありました。確かにその通りですが,厳密には一度閉じたシャッターが勝手に半開きになっていたりするという感じです。これはシャッターを閉じるためのスプリングの破断が疑われます。

(2)レンズ
 レンズは前玉が激しく傷だらけでした。商品説明の写真では写ってなかったので,うまくごまかされたということでしょう。レンズの傷は自分ではどうにも修理出来ないですから,これはもうこのままいくしかないのですが,それだけに悔しいです。

(3)ヘリコイド
 いうまでもなく,グリスが抜けてスカスカです。

(4)絞り
 絞りはこのカメラでは最も調子のよいものと言えて,スムーズで綺麗に開閉します。ただし絞りリングは引っかかりがあります。

(5)シャッタースピード
 シャッタースピードダイアルはとにかく固くて回りにくいのですが,シャッタースピードはそれなりに出ているような音がしています。

(6)露出計
 電池を入れればLEDは点灯します。しかし明るさにも絞りやシャッタースピード,ISO感度にも返納せず反応せず,どうやら壊れているようです。

(7)ファインダー

 ファインダーは確かにクモリ気味ですっきり見える,と言うものでもないのですが,もっと傷やクモリ,カビがあると思っていたので,これはいい意味で期待以上でした。それでも見やすいわけではありません。つくづく思うのは,ファインダーの見栄えというのは,写真を撮るモチベーションを大きく左右するものだなあということです。

(7)全体に

 張り皮は剥がれ一部破れています。ぶつけたような傷はありませんし,ビスが抜けてなくなっている箇所もありません。巻き上げも出来ますし,沈胴も引っかかりが大きいですが,一応可能です。

 ただ,とても汚いのと,分解痕があちこちにあります。潰れたネジや失敗した時の傷など,見るに堪えないものがあります。

(8)付属品

 純正のキャップと純正のストラップが付属していました。個人的にはこれだけで3200円のうち半分くらいは取り戻した気分です。


 ということで,少し前ならジャンクワゴンに投げ込まれていそうな,完全なゴミなのですが,腐ってもRolleiです。この3200円がそのままゴミになるのか,それとも大きな価値を生むのかは,私の頑張り次第です。

 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2019年10月

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

新着エントリー

過去ログ

Feed