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2019年10月17日の記事は以下のとおりです。

Rollei35LEDの修理1

 さて,届いてすぐに現状を確認したRollei35LED。破損箇所は説明通り,全体の程度の悪さは許せるとして,レンズの前玉の傷だけはどうにもひっかかってしまいます。商品写真には写っておらず,説明文にも書かれていないので,まあ完全に騙されたと言うことなんでしょう。

 もともとジャンクですし,価格から文句の言えたものではないのですが,自分ではどうにも出来ない傷だけに,がっかりです。標準域の前玉のコーティングの擦りキズですから,写りにはあまり影響はないと思いますが,この傷の面積を考えるとコントラストの低下や点光源で絞り込んだ時なんかには,やっぱり画質の低下が避けられないでしょう。

 というわけで,現状を確認した結果,修理は以下の3つが必要です。

(1)シャッターの修理とレンズ磨き

(2)露出計の修理

(3)全体の清掃

 (1)と(2)はRollei35LEDによくある持病のようなもので,これがあるからRollei35LEDは不人気で安いです。露出計はちょっと気が重いです。

 手始めにシャッターとレンズをなんとかしましょう。

 本体の鏡筒からレンズを取り外していきますが,Rollei35と違うのは銅線が本体とくっついているので,これをうまく外さないといけないということです。

 ハンダ付けに慣れている私にはなんの問題もありませんが,レンズを外すと,折れたスプリングがカラーンと出てきました。やっぱり。

 そう,Rollei35ではあまり目にしないシャッターのスプリングの破断ですが,廉価版Rollei35ではしばしば発生する故障のようです。これは症状から入手前に予想していた問題なので驚きはしません。

 しかし,交換のスプリングなどありませんし,身近なもので代用するというのも難しいです。届くまでの2,3日の間考えましたが答えは出ず,折れたスプリングを目に前に置いて,腕を組みます。

 とりあえず,分解してシャッターと絞り羽根を洗浄しておこう。

 分解し,ベンジンで洗浄します。レンズも磨き,ホコリを飛ばして組み直しです。古いヘリコイドグリスも綺麗に拭き取り,新しいグリスを塗りたくります。

 途中ちょっと手こずりましたが,2時間ほどで分解と清掃が完了です。前玉の傷は消えませんが,幸い後玉には傷はありません。

 さて,折れたスプリングのことをもう一度考えます。

 ふと閃きました。そう,ギターの弦です。

 破断したスプリングの太さを測ると直径0.4mmです。新品のギターの弦のうち,第3弦がちょうどこのくらいです。測ってみるとドンピシャ。ちょうど0.4mmです。バネとして使えるだけの丈夫さもしなりもありますから,これは案外いい結果になりそうです。

 長さを調整してペンチで折り曲げ,元のスプリングに近いものが出来ました。

 これを組み立ての済んだレンズに取り付けます。うまくいきました。オリジナルに負けず劣らずの仕上がりです。もうスプリングの破断も怖くないです。

 レンズが仕上がったので,今度は本体のシャッター機構です。

 前板を外して,スローガバナーを取り外します。そのままベンジンにどぶ漬けし,清掃です。

 前板全体の清掃も行い,動きの渋いところには注油です。これでシャッタースピードダイアルはスムーズに動くようになりました。

 この段階で,とりあえず本体にくっつけてシャッタースピードを測ってみます。全速JISの範囲に入っているようなので,ひとまず安心です。

 これでレンズとシャッターについては片が付きました。次は露出計の修理です。

 Rollei35LEDの露出計は,その名の通りファインダーの中に表示される緑1つ,赤2つのLED表示です。ただしこの個体の露出計は動作せず,緑色のLEDが点灯したのを見たことはありません。

 Rollei35LEDの露出計のシステムは,ISO感度と絞りとシャッタースピードに連動した半固定抵抗がすべてシリーズに繋がっており,その合成抵抗によって作られた電圧とSPDの電流出力から作られた電圧とを比較し,LEDを点灯させる仕組みのようです。

 なにが壊れているのかを確認したいのですが,とりあえず10kΩの半固定抵抗を取り付けて,LEDの点灯に変化があるかをみます。

 残念ながら,まったく変化がありません。ならばとLM324の端子をオシロであたり,SPDに光を当てたり影にしたりしながら,変化のあるところを探していきます。すると,30mVほどの変化ですが,SPDの明暗で変化する電圧を見つけました。

 正常動作かどうかはわかりませんが,とりあえずSPDは死んでいないようです。期待が持てます。

 このまま作業を進めても効率が悪いので,露出計の基板を全部外して基板だけで修理が出来るようにします。慎重にばらして,取り外すことに成功しました。

 安定化電源で電源を入れ,抵抗が繋がる部分をピンセットで触ると,LEDの点灯にチラチラと変化があります。これは脈あり。ここにもう一度半固定抵抗を取り付けてみます。

 F5.6,1/30秒,ISO200の合成抵抗は実測で約6kΩですので,半固定抵抗を半分ほど回します。すると,ありがたいことに緑色のLEDが点灯します。更に回すと赤になります。

 今度は緑色が点灯する位置に半固定抵抗を調整し,SPDに光を当ててみます。するとさっと赤色に変わります。指で覆って暗くすると反対側の赤いLEDが点灯しますので,精度は別にして露出計は生きています。

 これはうれしい。ダメかと思っていましたので,俄然やる気が出てきます。

 今度は半固定抵抗の代わりに,本物を取り付けて試してみます。おお,うまくいきそうです。精度も外したものではありません。絞りやシャッタースピードを変化させるとLEDの点灯がかわります。

 露出計は一度ここで置いておき,組み込み前に本体側をメンテしていきます。おかしな動きをしていないか,油が切れて渋い動きをしていないかを確認していき,怪しいところに手を入れていきます。

 まずファインダー。ここはゴミやカビが結構あるので,分解して清掃です。銀蒸着もないので気軽に掃除できます。フレームが印刷されたガラス板を押さえるピンがどこかに飛んでいってしまって(いかも2回も)慌てましたが,無事に見つかってほっとしました。

 カビも取れて,すっきりした視野が戻ってきました。

 次に巻き上げ機構の確認です。プラスチックが多用されているので,基本的には掃除だけで注油は必要ないのですが,ギアの回転は渋いのでセラミックグリスを塗っていきます。音も静かに,動きも滑らかになってきました。

 今日はここまで。明日は露出計の再確認と,予防的な部品の交換を行って,本体に組み込みます。ここまでくれば後は簡単で,前板を戻せばほぼ完成です。

 一通りの動作の確認を行ったあとで外部の清掃とスミ入れ,張り皮の張り直しを行って終了ですが,さてどうなりますことやら。

 

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