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2020年01月27日の記事は以下のとおりです。

MZ-10が壊れた -> ようやく修理出来た

 このところすっかりフィルムカメラに回帰しているのですが,せっかくいいフィルムが大量にあり,かつすぐに現像できる用意が揃っている今こそ,10年以上放置してあったフィルムカメラのメンテをする時だと,先日防湿庫からあれこれとカメラを取りだして動かしておりました。

 思い起こせば2006年頃,ジャンクカメラを買っては修理をひたすら繰り返して日々の辛さから逃げていた時期でした。久々に取りだしたカメラを見ていると,当時の事を思い出しますし,どんな壊れ方をして,なにを修理したかも,おぼろげながらに思い出します。

 MZ-10を手に取ります。ペンタックスがまだ旭光学だった時代に登場した,プラスチッキーな小型一眼レフです。コストダウンを最優先に作られた感じのあるカメラですが,このカメラの下にまだ廉価版があるというのですから,たまりません。

 この時代の中級機以下というのは,ボディもレンズもプラスチックを接着剤で貼り付けて,安く大量に作って売りまくります。恐ろしいのはそれでも性能は旧機種同等かそれ以上で,我々が失ったものは分解して修理すること,所有欲を満たす質感,長く大事に使うこと,そして中古品の価値でした。

 MZ-10などのMZシリーズも,そういう設計思想で作られたカメラではないかと思うのですが,ミラー駆動やシャッターチャージを行うモーターのピニオンが割れてしまうという情けない持病を抱えており,動作可能な個体は少なくなっているのではないかと思います。

 私のMZ-10は,2006年秋に1050円で買ってきたジャンク品が,購入時点ですでにこのギア割れで修理不能,すぐに程度の良いジャンク品2台を手に入れて,このうち1つとカバーを交換して実動品としてありました。ところが2011年の5月に同じギア割れが発生,もう一台の完動品とカバーを入れ換えていました。

 ところが昨年末,確認するとやはりギア割れと思われる原因でミラーが下がらないという問題が確認されてしまいました。もう予備機はありません。

 なんの値打ちも認められていないMZ-10を修理するのも馬鹿らしいですし,SFXnという代わりのカメラもちゃんと動いていますのでさっさと廃棄してもよかったのですが,MZ-10は大きさといい軽さといい機能と言い,安いなかでもこだわった感じが好印象で,私は捨てる気が起きませんでした。

 とにかく,MZ系ではよく知られた故障ですので,代わりのギアなど入手可能なんじゃないかと調べてみると,やはりみんな同じ悩みをもっていたようでした。

 2006年当時と違って,今はドローン用として売られている金属製のギアを使って恒久対策を行う例がたくさん見つかります。

 MZ-10のピニオンギアの規格は,モジュール0.25mm,歯数13,穴径1.5mmというものです。私もあまり詳しくなかったのですが,モジュールというのは歯の大きさを示すもので,直径を歯の数で割ったものだそうです。ということは,このピニオンの直径は13/0.25=52mmとなります。

 わずか100円ほどで真鍮製のものが簡単に手に入るという事で,MZ軽の修理としては定番に買っていたようなのですが,それも数年前の話です。旬を過ぎた今,同じギアを手に入れようと思って調べてみましたが,どこも在庫はありません。

 遅きに失したことを悔やみつつ,それこそ世界中を探してみたのですが見つからず,代わりに歯数が12と14のものが見つかったので,ダメモトでこれを買っておきました。それでも最後の1個だったようです。

 歯数が違ってきますので,直径も違ってきますから互換性が全然ありません。でもまあ,案外うまくいくかも知れませんし,ダメだった場合にはもうMZ-10をあきらめることにしましょう。

 バタバタと忙しく,あっという間に年が明けて1月も末になった先日,ようやく時間が出来たので,問題のMZ-10をばらしてみることにしました。

 ピニオンはかなり深いところまで分解しないといけないので手こずりましたが,1時間ほどかけてようやく到達,きっちりギア割れが確認出来ました。

 モーターを外し,12Tの真鍮のギアを圧入して元に戻します。手で回してみると案外うまくいきそうです。

 ところが,すでにこの段階まで分解するまでに,かなり手こずって時間がかかっており,ここから組み直す作業も,とにかくバタバタでした。焦るとろくな事はなく,組み立て順を間違える,ビスの場所がわからない,配線を切ってしまう,気が付いたら変な部品が落ちていた,などの情けないトラブルが連発です。

 ようやく組み上がったと思って電源を繋いでも,電源が入りません。

 ここで夕食。

 夕食後,落ち着いて作業を再開します。

 MZ-10は分解した状態で電源を繋いでも,電源が入りません。電池フタがしまっていることを検出するスイッチがあり,これを押さえて騙してやらないといけない事を忘れていました。

 無事に電源が入り,ミラーの位置が初期位置に戻りました。

 なんどかシャッターを切ってみますが,問題なさそうです。いやー12Tでもどうにかなるもんですね。

 ここからかすかな記憶を頼りに組み立てます。しかし,シャッターボタンの周りにあるレバーが反応しません。この部分の摺動バネが曲がっているのでしょう。

 何度か曲げ伸ばしして見ましたが,どうもレスポンスが悪いです。あきらめて予備機(といっても不動品)のバネと交換し,修理完了。慌てると失敗するし,かえって時間がかかってしまうという教訓を生かせず,大変な目に遭いました。

 しかし,修理出来たMZ-10は完調そのもの。翌日試写を行い,すぐに現像を行いましたが,全く問題なしです。コマ間のバラツキもなく,シャッタースピードも揃っています。露光ムラもないし,カメラとしての動作は大丈夫そうです。

 ただ,マウントの接点がちょっと接触不良っぽく,AFが動作しなくなることが1℃だけありました。接点をこすりつけて回復,今は大丈夫なようです。

 決して性能は高くなく,質感も低いですし,なにもいいところがないと思われるMZ-10ですが,不思議と使っていると楽しいカメラです。M42のレンズでも撮影可能な面倒見の良さもそうですし,被写体にもよりますが,D850に慣れた今でもMZ-10に致命的な不足を感じることはありません。

 ということで,真鍮製のピニオンは,さすがに割れてしまうことはないでしょう。長く使えることを期待しつつ,また私の防湿庫に戻っていくのでした。

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