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2006年12月の記事は以下のとおりです。

ADSLの速度アップとサーバーの異常事態

 ふとADSLが1.5Mのままであることを思い出しました。

 Yahoo!BBのサービスが始まるか始まらないかという時に,夢の常時接続としてそれまでずっと使っていたプロバイダが用意したADSLサービスを喜んで導入したのですが,すっかりそのままになっていました。

 調べてみると,私が使っているプロバイダが,ちょうど12Mのサービスのキャンペーン中で,値段も随分安くなっています。速度がそのままであっても,価格の安さで切り替えるのが得なようです。

 まあ,今時1.5Mなんて話にならないですし,「もう少し速ければなあ」と思うことも出てきました。それにアップ側の速度が512kということから,ここを訪れてくれる方々の一部から「おそい」というクレームも出ていたので,いい機会ですからここは思い切って切り替えましょう。

 そこで,切り替えの手続きをはじめてみると,12月26日に工事予定とのこと。モデムはそれまでに配送されるということです。

 先日モデムが届きましたが,このモデムは今の1.5Mでも使えそうです。それならさっさと設定をすませて置き換えてしまった方が楽でしょう。実は27日から実家に帰省しますので,可能ならそれまでに設置まで済ませた方がいいに決まっています。 

 設定は割に簡単に終わり,接続の確認が出来たのが今日。つまり工事当日です。体感上速度が上がっているような・・・モデムのステータスを見ると,5Mほどでつながっているようです。12Mが最大で,実力5Mというのは少々もの足りませんが,従来の3倍以上ですので,その点はよいとしましょう。

 で,自分のサーバーを見に行くと,画面が消えています。(うちのサーバーはノートPCなのです)

 あれ,落ちてる,と思って別のマシンからログインしてみると,生きてます。シャットダウンをして再起動したのですが,なんと再起動しません。

 画面も出なければ,HDDが回っている様子もありません。

 ああああ,どうも完全に死んでしまったようです。

 これは一大事です。HDDが死んだわけではないので,コンテンツは消えていないのですが,マシンが壊れたということなら買い直すほかありません。それだってLinuxのインストールから設定,テストまで入れれば,とても帰省までには終わりません。

 仮に終わっても,まだ実績のない状態で放置して帰省するわけにもいかず,一番良い方法は,このマシンを復活させることです。

 無謀ですね。ノートPCの物理障害を自力で修理しようだなんて。

 で,NUM LOCKキーやCAPS LOCKキーのLEDが点灯したままになっていますし,LCDの表示が消えていた(LCDの電源が切られている)ということは,キー入力とパワーマネジメントを担当するサブCPU周辺の破損だろうとめどを立てます。

 同時に,過去の経験からヒューズと電解コンデンサの破損がないか,目視で確認をします。

 CPUモジュールを外して電源を入れてみると,HDDが回転します。あれ,CPUモジュールが壊れてしまって,消費電流が多く流れて電源回路を落としてしまっているのかなあと,強烈な不安に駆られます。

 結局,なにもわからず,本当にあきらめようと思ったときに,なんとなくハンダ付けが頼りなく,一応再ハンダ付けをしておこうと考えました。電源回路周辺とサブCPU周辺を重点的にあたります。

 同時に,CMOSのバックアップ電池も外しておき,きれいにリセットしておきます。

 ダメモトで電源を入れると,なんと起動します・・・

 なにがきいたのかわかりませんが,死の淵からまたも復活しました。(一度目は私のミスでHDDの電源をショートさせてしまいヒューズを飛ばしています)

 慎重に組み立て,再起動してテストを行ってみましたが,現在の所問題は出ていません。ああ,本当に良かった。

 というわけで,ADSLも設定完了,サーバーもメンテ完了で,年内のうちに気になっていたことが片付きました。

 艦長日誌がちょっと重くなっていて,マシンパワーが欲しいと思っていたときでもありますし,HDDももう3年目になっていますから,これはきっとマシンのリプレースとHDDのバックアップをとれという,神のお告げですね,これは。

 こんど,良さそうなノートPCを探してきます。

 ところで,繰り返しますが明日から帰省します。実家は常時接続環境が全くないという「陸の孤島」です。艦長日誌の更新も,しばらく滞ることと思います。

 ここに来てくださっているみなさま,今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。

2006年を趣味の領域からまとめると

 今年もあと10日ほどでおしまい。年々時間の経つのが加速されていくように感じるのですが,今年一年の私の趣味の中心であった,カメラについて総括したいと思います。

・趣味の軸足

 一昨年の夏にD2Hを買い,中古レンズを探しに行ったついでに見つけたペンタックスのESIIから再燃した趣味としてのカメラですが,今や完全に生活の一部となっています。

 いわゆるジャンクカメラ(狭義では故障しているがメーカー修理を受けられないもの)の修理を楽しみとする方はかなり増えているように感じるのですが,80年代以降の,それまでの高級な精密機機としてのカメラとは違う「大量生産品」としてのカメラがジャンクとして安価に出回るようになり,チャレンジされる方が(私も含め)多くなったということでしょう。

 コンパクトカメラの修理がそれまでの趣味としての修理の最前線だったと思うのですが,私はコンパクトカメラは修理をしたことはありませんし,また基本的にあまり興味を持っていません。

 また,なんでもかんでも手当たり次第に修理するというのではなく,また誰かに頼まれたりするわけでもなく,ただそのカメラを修理して使ってみたいと思った,それに尽きる純粋な趣味の領域でした。

 実績としては,少々不安のあったESIIが現在絶好調ですし,ニコマートELも完全復活,NikonFEもまったく問題はない様子です。

 MZ-10は,先日の修理のままではあまりに不安なので,程度の完動品と中身をそっくりそのまま入れ替えました。当然実用品です。

 ミノルタXEは大変良くしていただいている方から故障品を頂いたのですが,これも今のところ非常に調子がよいようで,毎日空シャッターを切って,感触の良さを堪能しています。

 修理に必要な工具も今年最低限のものを揃えました。モルトプレーンなどの消耗品も用意しましたし,油を落とすのに無水エタノール一辺倒だった私が,ライターオイルを使うことを覚えた事で,一通りの体制は整ったと思います。

 サービスマニュアルの需要性を認識したことや,それ以上にサービスマニュアルを読めるようになったことも大きいです。カメラのように部品の多いものは,ばらしてしまえば元通り組み立てられなくなってしまうものですが,やはり1つ1つの部品には理由があるはずで,きちんと収まるべき所に収まることは精神衛生的にも大変好ましいのです。

 それで,こうやって我が家にはいくつかのマウントのレンズが増えることになってしまったわけですが,これもカビ玉や難ありのレンズを1000円とか2000円とか,そんな値段で手に入れてこれるからです。レンズの修理は基本的には得意ではありませんが,分解と清掃くらいはなんとかなるようになってきました。

 意外に役に立っているのが模型の知識と技術です。ここ数年模型にかなりはまりましたが,鉄道模型で使われる精密なギアはカメラにも通ずるものがあり,ここで使われるオイルやグリスは,カメラにも十分使えます。

 真鍮に綺麗に塗装をする技術,欠けたプラスチックを修復する技術,スミ入れを行う技術など,模型では必修になる事柄が,工具や用具も揃っている関係で全く苦痛になりません。こうしてSMCtakumar28mmやAiAF-Nikkor28mmを,かなり綺麗に仕上げることが出来ました。

 時間をかけて修理を行っても,調整がきちんと出来ないと意味がありません。他の人に頼まれた修理であればダメであっても,自分だけが使うものであれば,納得の上であまり厳密な調整をせずに済みます。

 大事なことは厳密な調整より,現在の状態がどの程度の傾向を持っているかを知ることであって,その程度の測定が出来るかどうかが,実用品かどうかの境界面であるように思います。

 シャッター速度はオシロスコープを使っています。幕速は幕速の簡易測定器を作って対応していますし,露出計はグレイカードを使って済ませています。

 無限遠を出すために必要なオートコリメータの代用品は一眼レフに望遠レンズを使っているのですが,この程度の用意であっても,実用レベルの仕上がりが期待できるものです。

 測定器の製作や工夫,実際の測定作業というのは,何を測定するのか,なぜ測定が必要なのか,測定の原理はどうなっているのか,結果をどうやって評価すればいいのかと考えながら進めないといけないものです。結果としてカメラの基礎や原理を熟知する最高の機会になります。

 つくづく思うのですが,趣味としてのカメラの修理というのは,非常におおらかな気持ちで行うことで楽しめるということでしょう。

 もしこれが,他の方からの預かりものだったとしたら,修理中に壊してしまえば責任問題ですし,簡単に修理を諦めることも許されません。オリジナルを維持できない修理は修理として認めてもらえませんし,修理に対する保証もしなければなりません。そのためにはあり合わせの材料で適当に済ませることは絶対に出来ません。

 調整もそうですね。正確な測定と客観的な調整を行わなければ,万人の使えるカメラにはなりません。使う人の歩み寄りを期待できないから,そこにはメーカーと同じだけの高い技術水準と品質管理体制が求められます。

 そうなるともう趣味ではなくなりますね。

 私のように,ネガしか使わないし,多少のズレや誤差は気にしない,というおおらかな気持ちを持つこと,「どうせ私の目には違いなどわからんはずだし」と最初から厳密に追い込まないこと,この2つが修理を楽しむには必要だと感じました。

 このために,1つ絶対的に信用できる「基準カメラ」を持つ必要があります。私の場合,それはF3です。

 オーバーホール済みなので不具合がないことも分かっています。これを基準に調整を行えば,私の手元にあるカメラは全部調整が揃ってくれます。それに,やっぱり失敗の許されない撮影にF3を持ち出せるという気持ちがあるから,「また壊れるかもしれない」という素人の修理を許容できるのです。

 そう考えると,ちょうど10年前に手に入れたF3が,こんな形で貢献することになるとは,ちょっと考えていませんでした。


・CLEという名前を持つ別のカメラ

 そんな修理の中で,最も難易度が高かったのは,やはりCLEだったと思います。

 詳しい経緯は省きますが,これはもう修理などというものではなく,一部作り直しというレベルです。

 ですから,オリジナルには戻っていませんし,オリジナルと同等の機能も有していません。納得済みの私だけが使うという前提で,始めて許された復活劇だったと思います。

 カメラというのは,結局の所,レンズを通ってきた光を,フィルムの面に一定時間照射する機械です。私の見たところ,電気系のうち,タイミング生成とシャッター幕の駆動が出来なくなっていたCLEを,やはり良くしてくださった知り合いの方に譲っていただいたのが今年の4月のことでした。

 最初は頑張って元の回路を修理しようとしたのですが,ICの破損がわかって一度は諦めました。この段階でオリジナルへの復帰は完全になくなってしまったわけですが,新しい挑戦として「カメラの基本機能」を自分で作り上げれば良いという発想の転換で,CLEはどうにか,フィルムに光を染みこませることが出来るようになりました。

 しかし,果たしてそれはCLEと呼んで良いのか,また愛着のあるCLEが壊れて私に託して下さった方の気持ちを踏みにじってしまっていないか,と最近そんな風に考えることがしばしばです。

 そんなおり,CLEの基板を交換できる修理業者さんが登場し,お金はかかるかもしれないけれども,オリジナルに戻せるチャンスが訪れました。時期が半年ずれていたら,CLEを下さった方は,ひょっとしたらこの業者さんに修理を依頼したかも知れません。そう考えると,私のしたことは自己満足ではあったかも知れませんが,決して褒められたことではないということがわかってきます。

 もちろん,自分の考えが正しかったことを体現してくれたこのCLEにはとても愛着がありますし,CLE用に揃えたレンズにもとても思い入れがあります。その点で私自身は後悔などしていませんが,他の方との関わりの中でなし得たこのCLEの復活は,私にある一定の示唆を与えてくれました。


・フィルム現像の敷居

 モノクロフィルムの現像はずっとやっていましたが,カラーフィルムの方がモノクロフィルムよりも安いため,なんとかカラーフィルムの現像を安価に自家現像できないものかと考えていました。

 カラーの現像キットが手に入ることを知り,またそれがなかなか低コストで気楽に取り組めることを体験するに至って,もはやカラーフィルムを写真屋さんに出すことはなくなりました。

 プリントはどうするの?と思われると思いますが,これはとりあえずフィルムスキャナで対応します。過去の資産の活用と,新しいネガの低コスト運用のために導入したニコンのフィルムスキャナは,実に役に立ってくれています。

 こんな塩梅ですから,私にはフィルムだけが持つ優位性や,気分的な利点を語る資格はありません。手間ばかりかかって出てくる結果はデジカメと同じか,それ以下です。

 こんなことをして何が面白いのかと自分でも思うのですが,その答えは1つ。修理したカメラで写真を取るには,フィルムしかないからです。

 そんなフィルムも,もう風前の灯火という感じです。コニカミノルタの安売りフィルムはすでに市場から消え去り,100円ショップのかつての定番商品は,ごく一部の店舗にひっそりと置かれるようになりました。

 コダクロームの国内販売中止が決定し,長尺フィルムやモノクロの現像,定着剤の入手も来年には難しくなり,,大手量販店のフィルムコーナーの寂しさは現時点でも相当なものです。

 まさかこれほどまでに急速にフィルムの文化がなくなるとは,夢にも思っていませんでした。しかし本来,化学反応を使うフィルムの扱いはかなり難しいもので,それをここまで庶民的にしたシステムが成り立っていたこと自身,驚異的な事だったと言えるのかも知れません。

 単なる懐古主義ではなく,前向きな楽しみ方というのがあるのではないかと,私は思っています。


・それでどうするの

 そんなわけで,今年一年は新しいことにチャレンジし,それなりの経験値を積み重ねることが出来ました。ただ,来年はフィルムの入手の問題もあるし,カメラの修理そのものに飽きてしまっているかも知れません。

 ただ,一度知ってしまった面白さを,そんなに簡単に忘れることはないでしょう。飽きてしまうと言うより,別のことに取り組みたくなったというのが正しい表現で,だとすればそれが出てくるまで,このままなんじゃないかと思います。

 フィルムのカメラは,今しか楽しめません。今しっかり楽しんでおこうと思います。

XEのテスト完了と道具としてのカメラ

ファイル 70-1.jpg

 週末に修理の終わったXEに,フィルムを通すことにしました。一応正常動作の確認は済ませてあったのですが,やっぱりフィルムを入れるときはドキドキするものです。

 テストにちょうど良いという理由で24枚撮りを入れたXEは,F1.7という明るいレンズのおかげもあって,結構室内でも撮れてしまいます。

 土曜日は幸い晴れてくれたので,いつものテストを行います。

 まずオートモードで1/1000秒から1/30秒まで撮影します。夕方になってから1/15秒も追加します。

 同じ条件でマニュアルシャッター速度でも撮影をして,コマ間の露出のバラツキを見ていきます。

 加えてストロボを装着し,X接点が正しく動作しているかを撮影したら,余ったコマで好きなものを適当に撮影します。

 XEというカメラは,ぱっと見てわかるほど大きいカメラです。また重い。デザインもあか抜けているとは言えなくて,非常に無骨な印象があります。申し訳ないですが,1974年生まれといわれれば「そうかもなあ」と納得してしまいます。

 一方で,巻き上げレバーのなめらかさや回転角の浅さは言うに及ばず,シャッターボタンの感触も良く,音も素晴らしいです。道具としての操作感にこだわったという当時のミノルタのコメントは,伊達ではないことがわかります。

 びっくりしたのは,フィルムを入れても巻き上げのなめらかさに変化がなかったことです。私の持っているF3も巻き上げはなめらかで,そのなめらかさに変化は少ないのですが,こちらはやや巻き上げレバーの回転角が深いために,操作感という点ではXEは素晴らしいと言わざるを得ないでしょう。

 しかもXEのシャッターは縦走りのユニットシャッターです。横走りと違って,巻き上げレバーの回転を最終的には上下運動に変換してチャージしないといけないわけで,この点でもF3なんかとは随分と不利だったはずです。

 それと,フォルムインジーケータがこんなに安心感を得られるものとは思いませんでした。結局この機構はミノルタでもこの機種だけだった(しかもXEbでは省略される)のですが,とてももったいないなあと感じました。

 現像してみると,期待通りの結果です。コマ間のバラツキはほとんどありません。オートとマニュアルの差についてもほとんどなく,これほど確実にAEが動作するとは期待以上といってもいいかもしれません。

ファイル 70-2.jpg
 これはオートで1/1000秒です。絞りはF2.8とF4の間です。

ファイル 70-3.jpg
 これはオートで1/30秒です。絞りはF16ですが,見ての通り,両者は背景のボケ具合以外に違いはありません。良くできています。

 あと,現像して感心したのですが,1/8秒とか1/4秒でも,ほとんど手ぶれがないのです。50mmのレンズで1/15秒くらいなら手ぶれをしない私ですが,明らかにシャッターが開いてることを意識できる1/8秒や1/4秒では,どうやってもぶれてしまいます。

 それがこのXEでは,ほとんどぶれていません。

 大きくて重く,デザインも無骨なカメラですが,撮影していて意外にホールド感があり,どっしりとした安定感があることに気が付いていましたが,感触だけではなく実際の効果として見せつけられると,うーんとうなってしまいます。

 ミラーショックが小さいこと,シャッターの振動が小さいこともあるのかもしれません。音が軽やかなカメラは,やはり無駄なエネルギーが小さく出来ているのでしょう。コンピュータによる解析がそれ程進んでいなかったこの時代に,これだけの最適化を行えるというのは,当時のミノルタの技術レベルの高さを感じます。(でも内部はごちゃごちゃとややこしく,機能的に整理されていないように思われるので,もし狙って動作のなめらかさと機構の複雑さを両立させたなら,まさに職人技といえるでしょう)

 レンズが50mm/F1.7の1本しかなく,買い足そうにもMC/MDロッコールは結構市場でも高値安定のようで,さすがにこの時代になってはもう球数も揃っていません。

 気を遣ってこのカメラを下さった方は,ケンコーのカメラマウント(口径42mmピッチ1mmのスクリューマウントをSRマウントに着けることが出来る)もつけて下さったのですが,このマウントアダプターはフランジバックが全然狂っており,例えばタクマーレンズを取り付けても,無限遠が出ないだけではなく,ピントの合う範囲が極めて小さいため,はっきりいって使い物にはなりません。

 そこで今日,とりあえず1500円でトキナの35-70mmという安いズームレンズを買ってきました。80年代の標準ズームですから全く期待していませんが,一応XEの守備範囲を広げるものになってくれるでしょう。

 ミノルタのロッコールレンズは,色がこってりとしているそうです。どれほどのものかと思いましたが,50mm/F1.7ではそれを実感できる程のものはないようで,正直特別な魅力を感じることはありませんでした。

 これが28mmとか,あるいは135mmくらいだと,はっきり分かるのかもしれませんね。

 いずれにせよ,非常に良い感じで修理が出来ました。耐久性は未確認ですが,感触としておそらく大丈夫でしょう。

 コダクロームの販売中止,フジフィックス,スーパーフジフィックス,フジドールの販売中止,コニカミノルタのフィルムの市場からの枯渇,長尺フィルムの販売停止,100円ショップでフィルムを扱わない店が増えたことなど,とかく銀塩フィルムに吹く逆風は日増しに強くなる感じがあります。

 そんな中で,縁あって私の手元にやってきたカメラ達に,後どれほど本来の仕事をお願いできるものなのか,不安なものがあります。

 それに,フィルムを通すことが目的になってしまってはいけません。あくまで残しておきたい画像を残すという目的でなければならないとすると,ますます敷居が高くなってしまいます。

 逆に言えば,今しかありません。今楽しむために,今できることをしたいと思います。

 最後に,このXEの修理の機会を与えてくださった方に,心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

XEを修理し終わりうまい酒をのむ

ファイル 69-2.jpg

 XEの修理が完了しました。いろいろありましたが,なんとかここまで来ました。

 昨日の続きになりますが,機能的なところは確認できているので,最後の山は電気回路の調整ということになります。

ファイル 69-1.jpg

 写真は調整を必要とする基板です。右側のカバーの下にも1つ半固定抵抗が隠れていて,それはマニュアルシャッターの1/4秒以下の低速を調整するものなのですが,狂っていなかったのでそのままです。

 順番は,定電流回路の調整,絞りと感度の可変抵抗の電流調整,オートでのシャッター速度調整,最後にメーターの指示調整です。

 本当は高輝度,低輝度時の露出計の調整もしないといけないのですが,面倒という事もありますし,ぱっと見たところそれ程狂っていないようなので,下手にいじらないことにします。

 まず定電流回路の調整です。これはすべての動作の基準になるものですので,特に大切です。温度補償がかかっているので,気温によって調整値が変わります。

 CdSのコモン端子を外し,ICの右下にある2つのランドの電圧を測定します。10度から20度の気温の場合,ここが375±1mVになるように,調整用の半固定抵抗を回します。

 次に絞りと感度調整の電流調整です。レンズを取り付けて左側の黄色と黒色の間に電圧計をセットし,F2.8の時の電圧とF16の時の電圧の差を計算し,その差が10度から20度の時で87±1mVになるように,半固定抵抗を回します。

 続けて絞りを1EV変えるごとに,あるいは感度調整ダイアルを1EV変えるごとに,電圧が17.4±3mVになるかどうかを確認します。

 次はオート速度の調整です。基準となるカメラを用意し,グレーカードを使って明るさを図ります。シャッター速度を1秒とした場合の絞りと感度をXEに写し取り,調整用の半固定抵抗を回して,大体1秒になるように調整をします。

 最後にこの時のメーターの指針が1秒になるよう,調整をします。

 これを何度か繰り返して,追い込んでいきます。

 一応それなりに追い込んで,カバーを閉じて,後は塗装のはげた部分をタッチアップして,完成です。

 テスト撮影を週末に済ませる予定ですが,これでうまくいってくれれば本当にいいなとこころから願っています。

 今回のXEでは,またいろいろなことを学べました。つくづく,カメラというのは,光学と機械工学,そして量産技術とエレクトロニクスの総合工学であると,認識した次第です。

蘇るXE

 突然ですが,XEの修理に目処が立ってしまいました。

 昨日,非常に絶望的な状況になったことを書いてあったのですが,まさに幸運なことに,昨夜の検討でオートモードでもきちんとシャッター速度が出るようになってしまったのです。

 とはいえ,知らないうちに直ってしまったというおかしなことはなく,試行錯誤の結果です。

 まず,開放測光モードと絞り込みモードで,動作に違いがあるという昨日書いた状況がどうにも気がかりで,オート不良の定番である電子回路の問題を疑う前に,こちらをはっきりさせないといけないと考えました。

 開放測光だろうが,絞り込み測光だろうが,CdSの出力をシャッター速度に置き換えるプロセスは共通であり,どちらも同じ動作をするはずです。それが全然違うという事ですから,やはり2つの測光モードの切り替え部分になにか問題があると考えるのは普通でしょう。

 仮にオート不良の原因が電子回路にあったとしても,その前に両方の測光モードで動作が同じになるように修理をしておく必要はあるはずです。

 しかしそのためには,切り替え機構のあるミラーボックスの底部を出さねばなりません。出来ることなら,ミラーボックスはあまり取り外したくないのです。

 ただ,行き場所のないバネの件もあるので,観念してミラーボックスを取り外します。

 XEには,絞り込みレバーがボディ側から操作されて,実際の絞り込み動作が終了するまでの不安定な時間(約30ms)の間に露光が起こらないように,フライホイールを使ったガバナー機構が仕込まれています。

ファイル 68-1.jpg

 これがミラーボックス底面の写真です。真鍮製のフライホイールが目につきます。ちょっとこういう機構は珍しいように思うのですが,なかなか愚直に作られているなあという印象です。

 このガバナーによって30msの遅延が作られた後,写真の左上にある突起が合計で3つのスイッチを操作して,シャッターを走らせたり,メモリコンデンサをクリアしたりします。

 この部分を分解する前に,確認窓からスイッチの様子が見られるようになっているのですが,確認したところ開放測光モードはサービスマニュアル通りに動いているようなのですが,絞り込み測光モードではスイッチが全く動いていません。

 シャッターの動作に関係するスイッチですので,いずれの場合でも同じ動作をしなければならないのはずなのですが,そうはなっていません。

 そこでミラーボックスを取り外し,ガバナーを露出させてモード切替のスイッチを押してみると,大変なことが分かりました。

 写真右側にあるレバーのうち,黒く大きなものがかなり変形しており,向かい合うレバーが噛み込んでしまい,スイッチを動かす突起が全く動作しなくなっていました。

 この変形は落としたくらいで起こるようなものではなく,かといって外部に露出しているわけではありませんから,最初からこの形に成型されていた可能性も大きいと思うのですが,いずれにせよ動作がおかしいのは事実であって,直す必要はありそうです。

 そこでレバーをペンチで曲げて,開放だろうが絞り込みだろうがスイッチを同じように動かすことが出来るように調整をしました。これにより,開放と絞り込みのモードの切り替えによって変わるのは,絞り連動レバーが動くか動かないか,だけになります。

 念のためスイッチの接点の不良がないかを調べ,問題のないことを確認します。他の動作も一通り確認を終えてから,ミラーボックスを元に戻します。今度はスイッチの位置を気にしながら,きちんと組み立てました。

 仮組の段階で「ひょっとすると」とかすかに期待し,オートモードでシャッター速度を見てみると,あろうことか1/1000秒らしい動作をしていることがわかった時には,まるで狐につままれたような気分でした。もちろんうれしかったことは言うまでもありません。

 今回の異常と修正によって改善されるのは,明らかに絞り込み測光モードでの誤動作だけだろうと私は思っており,開放モードでもオートがきちんと動作するようになったというのは,やはり偶然なのかも知れません。

 1つ言えることは,ミラーボックスを前回組み上げたとき,正しく組めていなかった可能性です。実はこれが一番大きいのではないかと思っていますが,サービスマニュアルを見ても特に気をつけないといけないような部分はありませんし,オートモードの問題の原因であったスイッチの動作は,少なくとも開放測光モードでは問題がなかったように見えました。

 ガバナーのレバーの変形によって,ひょっとすると正しいタイミングでスイッチが制御されるようになったのかも知れませんし,実は本当の理由はわかりません。

 ただここで止まってしまっては時間がもったいないので,様子を見つつ組み立てを進めます。

 そうそう,実はミラーボックスの底部に,サービスマニュアルの記述と異なる部分が見つかりました。写真右側に,ビスの差し込まれる穴が見えています。サービスマニュアルによると,ここにはマイナスの頭のビスが1つと,スプリングがあるはずです。

 しかし,私の個体ではそうなってはいません。外れたのであれば部品がどこかに残っているでしょうが,どこにもそんな部品はありません。

 また,このバネもビスも,実際の動作には全く関係しません。このバネが効いているのは,稼働する部分ではなく,ミラーの角度を調整する機構を固定するもの(あるいはミラーのバウンドを吸収するバネ)だと思います。

 私のXEは,ミラーの角度はがっちり固定されていますので,仮にここにバネを入れても,全く意味がないことになりそうです。

 ビスもかなり大きいので,外れればわかるでしょう・そうなっていないという事は,仕様変更があったのではないかと,そんな風に割り切る事にしました。

 トップカバーとペンタカバーを取り付けて,露出計のテストです。グレイカードを使って速攻すると,正しい値に比べて32から3EVくらいの狂いがでています。

 半固定抵抗はほとんどいじっていませんし,いじった部分についてもペンで印を付けてあり,この段階では初期値に戻してありますので,大きな狂いはないはずなのですが。昨日0.5EV以内の誤差と書いたのはウソで,カバーをかけたり感度調整用ダイアルを取り付けて正しい感度に設定したりすると,やはり2EVくらい明るめに出てきます。

 昨日は調整を試みても,満足のいく結果が出なかったのでもう寝ましたが,素性はなかなかよさそうなので,露出計の調整が終わったら実用機になってくれそうです。

 しかし,ようやくわかったのですが,ミノルタとニコンって,絞りやフォーカスのリングの回転方向が反対になっているんですね。非常に調整作業に手間取ってしまいました。

 このままうまくいってくれないと,私も寝不足で死にそうです。

 もう一息,頑張ろうと思います。

 ・・・ところで,昨夜,XEの確認作業のために使おうと思ったNikonFEですが,シャッター速度を1/1000秒にして空シャッターを切ったら,シャッターがパカッと開きっぱなしになってしまいました。

 ひょっとしたらオートと1/1000秒の間の微妙な位置になっていたせいかも知れないと思ったのですが,そうこうしているうちにもう1回同じ事が起こってしまいました。

 非常に,非常に嫌な予感がするのですが,再現性がありません。

 何が起こっているのでしょうね。電池切れの兆候でしょうか,それとも・・・

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