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2007年01月の記事は以下のとおりです。

猫が来ました

 今日は一年のうちでも最も寒いとされる時期です。

 それほど天気がいいわけでもないのに,裏庭に猫が来ました。

 ちょうど,MEsuperでもう1本フィルムを通してみたかったところだったので,シャッターを切りました。

ファイル 89-1.jpg

 しかし,またも問題が。コマ間隔のばらつきが大きく,ひどいものは重なってしまっています。これはさすがに無視できないので,また分解です。

 分解の結果,どうも巻き上げ機構の油の固着が原因で,巻き上げのラッチのかかり具合にムラが出来ているようです。分解し,ベンジンで清掃すると,ベンジンが真っ黒になりました。

 どうもこのMEsuperはかなり酷使されたもののようで,あらゆる部分の油が固着しています。

 一応,確実な巻き上げは出来るようになりましたし,巻き上げのフィーリングもかなり改善しましたが,果たしてどうなることやら。

 しかしこの猫,ちょっと元気がなかったんですよね。寒いから当然ではあるのですが,鼻の頭も白くなっていたので,良い状態とはいえないようです。

 寒さも峠を越えました。あと少し辛抱して,あったかい春を元気に迎えて欲しいなあと思います。

Skypeフォンを使ってみて

 年末に実家で使うと便利だろうと,ずっと迷っていたロジテックのSkypeフォン「LAN-WSPH01WH」を買ったことは,ここに簡単に書きました。

 あれから3週間ほどの時間が経ち,それなりに使ってみたので感想を書いておこうと思います。

 結論だけ先に書くと,これは実にいい。ただし決しておすすめはしない,という感じです。

・よい点

(1)やっぱSkype
 通話品質,ややこしい設定が全く必要ない,コンタクトリストなどは端末ではなくサーバーに存在するなど,とにかく簡単で高品質なSkypeであることは,何にもまして重要な利点です。

 通信や電話というのは,相手がいて初めて価値を生むものですが,Skypeはユーザーも多いために,結局かける先が見つからない,ということはなく,これが単なるおもしろガジェットに終わらないところでもあります。

(2)なんと言ってもスタンドアロン
 PCがなくても,PCにSkypeが入ってなくても,とにかく無線LANさえあれば世界中のSkypeに電話をかけたり,受けたりできます。もし,屋外や他のお家で利用可能なネットワークがあればその活用範囲は非常に広がります。

 仮に家の中だけだとしても,PCをいちいち立ち上げる手間はかかりませんし,Skypeはそれなりに重たいアプリですから,PCの負荷の状況で音が途切れたりします。そういう要因を完全に分離できるという気楽さは,スタンドアロンでしか味わえません。

 よく似た製品に,ワイアードのハンドセットのケーブルを無線にした安価な製品がありますが,これは通話にPCが必要ですから,ワイアレスであってもスタンドアロンではありません。

(3)結構軽い
 100gちょっとの重さというのは,携帯電話と比較しても十分軽い部類です。Skypeは無料通話が魅力なわけで,これが重かったり持ちにくかったりすると長電話をする気になりません。この点は心配していたことではありますが,1時間程度の通話については全く無理がありません。

(4)完全にワイアレス
 最近よく見るUSBのハンドセットと違って完全にひもがなくなります。ケーブルっていうのは意外に重量を持っていますし,引っ張られる力に抗するため,腕には結構な力が入りっぱなしになっているものです。

 このケーブルが何かに引っかかっていたりするともう最悪で,一見するとこうしたハンドセットは電話機のメタファーを持ち込んだ「良い商品」に感じるものですが,実際に使ってみるとなんとも中途半端で,悪い点ばかりが目につくようになるでしょう。

 PCでSkypeを使うなら,蝶手がフリーになるヘッドセットを使うべき,です。

 Skypeフォンは完全にワイアレス。電源さえも自己完結していますから,それがSkypeなのかどうかさえ忘れてしまうほど快適です。

(5)音響的な設定やトラブルから解放される
 Skypeを使った人なら経験したことがあるとは思いますが,マイクの種類,位置やマイクのゲインの調整など,良い通話品質を確保するためになかなか面倒な設定が必要になります。

 また,この手のマイクやヘッドセットには安価なものが多く,音を拾うという基本性能に老いてでさえも,当たりはずれがある実に難しい世界です。

 また悪いことに,自分の聞こえている音を改善するには,相手の設定を調整してもらう必要があるわけで,結局妥協して使っている人が多いのではないでしょうか。

 そこへ行くとこの商品,音響的な設定や調整はすでに最適な位置に固定されています。相手に対しても安心して電話をかけることが出来るというのは,手間を省くと同時に気分もいいものです。

(6)電池寿命なども実用性十分
 連続通話が3時間,連続待ち受けが30時間というスペックです。人によっては短いと思う人もいるかも知れませんが,普通3時間もあれば十分でしょう。

(7)SkypeOutにも完全対応
 Skype同士の無料通話だけでもそれなりに便利ですが,市内電話料金で一般の固定電話にかけられるSkypeOutというサービスにももちろん対応しています。ということは,無線LAN環境があれば,世界中のどこにでも市内電話料金で通話が出来るということです。
 
 私は使っていませんが,SkypeInにも対応しますので,こうなると本当に電話と全く同じです。


・悪い点

(1)高い
 実売で約2万円ですからね,確かに中身を考えると安いくらいだと思うのですが,Skypeは2万円出さないと使えないサービスではなく,マイク内蔵のPCを持っていれば,手持ちのイヤホンを用意するだけですぐに利用できるわけです。2万円対0円。それで結局出来ることは全く同じなわけですから,どれほど便利であってもおすすめできる代物ではありません。

(2)安っぽい
 2万円という価格は,昨今なかなか価値ある金額になっていると言えて,特に日本では価格相応の質感や作りの良さが評価されるようになる価格です。

 海外では許されても,日本でこの安っぽさが2万円,という点を不満と考える人は多いでしょう。私は全然気になりませんが。

(3)クレイドルが別売り
 連続通話が3時間,待ち受けが30時間というスペックは十分であると思いますが,毎日使う人は最低数日おきに充電が必要でしょう。電池寿命の短い製品こそ,充電スタンドやクレイドルが必要で,本体には充電用の接点も用意されているにもかかわらず,別売り(少し前は別売りさえもなかった)というのはもはや論外でしょう。

 私もクレイドルは買いましたが,これがあるのとないのとでは,まさに雲泥の差です。

(4)待ち受け時の電池寿命が短い
 待ち受け時の電池が30時間しか持たないのでは,電源を入れっぱなしでは使えません。20時間待ち受けして通話を始めてしまったら,おそらく数分で電池が切れるでしょう。

 この電池寿命なら,少なくとも常時充電の必要があるし,電池の充電サイクル寿命が1年程で尽きるわけですから,交換用の電池の供給もきちんとフォローしてもらう必要があります。

 着信を考えないなら電源をいちいち切るというのが結局のところ最善ということになってしまいますが,後述のようにこれはこれでちょっと面倒なことがあります。

(5)バグ
 仕方がないことですが,バグもあります。私が困っているのは,セキュリティに関する設定が電源OFFでリセットされること。電源を入れる度にセキュリティ設定をやり直さなければならないののは,ついうっかり忘れてしまうものです。

(6)音声通話以外の機能がない
 これも早くから指摘されていることですが,Skypeにはチャット機能もあって,ユーザーも多いようです。それなりに使えるLCDとテンキーがあるのですから,携帯電話と同じ感覚で,チャット機能が利用できると私もいいなと思います。でも,日本だけで必要になるかな漢字変換の実装をしないと使い物にならないわけですから,実現性も低いでしょうね。

(7)起動に時間がかかる
 電源を切らないと電池がすぐに切れるので,通話をするときだけ電源を入れるという使い方が一番自然だと思いますが,起動,ネットワークへの接続,Skypeへのログイン,コンタクトリストの取得という一連の流れが完全に終わるのに,下手をすると数分の時間がかかってしまいます。

 話をする前にあらかじめ電源を入れておくか,潔く待つかしかありません。

 あと,時間がかかる,ということとは違うのですが,デフォルトで接続されるネットワークの接続に失敗したり,途中でキャンセルしたりすると,同じネットワークに再接続したとしても,Skypeへのログインにパスワードを要求されるようになります。テンキーで入れるパスワードは非常に面倒で,いつも接続に失敗しないかと起動時には冷や冷やしています。

(8)角張っていて耳が痛い
 ちょうど耳があたる部分が角張っているため,耳への当て方がまずいとかなり痛くなります。

(9)FONには対応しそうにない
 なにかと話題のFONですが,これには対応しません。また,公衆無線LANについても,WEBから認証が必要なケースでは接続ができません。この問題はなかなか解決が難しそうなのですが,解決できると可能性が飛躍的に広がるので,なんとか検討してもらいたい点です。


(10)音質はいまいち
 音質は,コーデックそのものの音質と,スピーカやマイク,筐体の音響性能によるところがあるのですが,この製品は後者について過度な期待は禁物です。携帯電話以下だと思います。

 ですから,PCにいいヘッドフォンをつないでSkypeを楽しんでいた人なんかからすると,音の悪さにがっかりすることは避けられないでしょう。

 まあでも,Skypeに音質の良さをどれくらい求めるのかと考えたとき,個人的には必要にして十分な音質であると思います。

(11)先々の不安
 2万円の製品がゴミになる時はいろいろなケースが考えられます。Skypeのサービスがそもそも停止した場合は言うまでもありませんが,Skypeのバージョンが上がって,古いコーデックやプロトコルでは接続できないということが起こった場合も,徐々に使えなくなっていきます。

 無線LANについても802.11bやgがいつまで使えるのかわかりませんし,WEPやWPAだって大きなセキュリティホールでも見つかると,あっという間に使えなくなります。

 それに,電池の充電サイクル寿命が1年ほどで尽きることが分かっている以上,この電池が手に入らなくなってしまえば,ゴミ同然ですね。こういうマイナーな機種を手にした瞬間,いつまで使えるか不安になることは,それが便利な存在である場合は時に深刻な問題です。


(12)充電時間は結構かかる
 実は充電時間も結構かかります。本当は2から3時間程度で満タンになってくれても良さそうなのですが,もう少しかかるみたいです。ですから,完全に空っぽになる前に,こまめな充電が便利に使うコツだと言えますが,その場合確実に充電サイクル寿命が短くなっていきますので,長く使うか便利に使うかのトレードオフだと言えそうです。

 ユーザーにこういう心配をさせる製品というのはまだまだ発展途上で,携帯電話も世代が変わると必ずこういう選択肢をユーザーに突きつけてきます。その意味では,この製品もまだまだ発展途上です。


 という感じです。

 個人的には気に入ってますが,携帯電話との比較を自然にするだろう一般の人には絶対にすすめられませんし,ちょっと試してみたら,というような気軽な価格でもありません。

 私は予備の電池とクレイドルを買って,より便利に,より安心に使えるようにしましたが,こういうものが手に入るだけましだと考えられる人だけが,使うような状態になることは間違いないと思います。

 ただ,便利さは予想以上です。私の頭の中では,SkpyeがPCのアプリケーションから,電話へとカテゴリーの切り替えが起こりました。

 もし,世界中でインターネットが利用できるようになり,無線LANでの接続に障害がなくなると,コミュニケーションの手段が劇的に変化するかも知れないと,そんな語り尽くされた当たり前の夢物語が,実はすぐそこまでやってきているという現実を意識させられた上に,その夢が大変に便利で,歓迎されるべき未来であることを,それまで懐疑的であった私のような人間でさえ認識する事となるのです。

 かつて,電話といえば,交換機を介した電話が普通でした。その固定電話でさえもIP化される流れは止まらず,当時次世代交換機と呼ばれた交換機が,木枠を付けたままの未使用の状態でくず鉄としてアジアの某国に輸出されたことがあったらしいのですが,通信の世界で起こっていることは,私たち庶民の知ること以上に,大きなものになっているという,そんな一端を意識させられました。

MEsuperも直りました

 MEsuperが直りました。日曜日に再修理を行い,月曜日に試写して見たところ,前回問題となっていた高速側の露光不足やムラがなくなっていました。

 先に結論から。

ファイル 87-1.jpg

 これは1/2000秒,F1.9開放です。続いて,

ファイル 87-2.jpg

 これは1/30秒,F22です。

 これだけ見ても余りよく分かりませんが,1/2000秒,F1.9から1段ずつ絞り込んでいき,最終的にF22まで順番に撮影した結果,コマ間の露出のバラツキもほとんどなく,露光ムラも確認できませんでした。

 オートだけではなく,マニュアルでも同様の試写を行いましたが,同様に良好な結果となりました。

 また,1/125でのストロボ撮影もテストしましたが,こちらも問題なし。一応すべての動作を確認できたので,MEsuperの修理は完了したということにしました。

 さて,なにが問題だったのかというと・・・


(1)シャッター駆動系の清掃

 セイコーのシャッターユニットは羽根を分解し,1枚1枚ベンジンで清掃を行ったので問題はないと考えていたのですが,よくよく見るとシャッター羽根を駆動している駆動系の汚れがひどく,スムーズな動きを妨げています。

 真っ黒で堅くなったグリスがこびりついている所を見ると,場所によってはかつてのオーナーがグリスを塗りたくったのではないかと思います。

 シャッターユニットをもう一度外すのは,配線を切ってしまうなどのリスクもあり,本体に取り付けたままで清掃を行うことにしました。綿棒にアルコールを含ませ,可能な限りこびりついたグリスを落とします。

 そして,効きそうな所に模型用のセラミックグリスを少量塗り,同じく模型用の柔らかいオイルを所々に注油して,動作がスムーズになっていることを確認しました。


(2)幕速の調整

 前回の幕速の測定でも特に問題となるような速度ではなかったのですが,せっかくですので先幕と後幕の速度を合わせておきます。

 MEのサービスマニュアルによると,20mmを6msで走行するように調整するのだそうです。もし等速で走行していると仮定すると,私の測定器の走行距離である23mmを走行する時間は,6.9msとなります。MEsuperのサービスマニュアルにはMEと同じと書かれているのですが,1/1000秒のMEならいざ知らず,1/2000秒のシャッター搭載機であるMEsuperでは,これは少し遅いですね。

 一般的な値として6.5ms程度にするものですから,この際ですので6.5msに調整します。シャッターユニットの調整ネジを締めたりゆるめたりしながら,先幕と後幕がそれぞれ6.5msになるように調整しました。

 メカシャッターの速度である1/125秒も,最終的にきちんと出ていることを確認しました。


(3)メモリスイッチとマグネットスイッチのタイミング調整

 これが前回に気になっていた確認ポイントです。

 MEsuperのサービスマニュアルには詳しい記載がなく,MEと同じと書かれているだけで見落としていたのですが,改めてMEのサービスマニュアルを見てみると,ミラーボックス底部に取り付けられたスイッチのタイミング調整が必要なようです。

 MEでは,初期状態でメモリスイッチがON,マグネットスイッチがOFFの状態です。シャッターがレリーズされミラーが上がると,メモリスイッチがOFFになり,約10ms後にマグネットスイッチがONになります。

 この10msというタイミングが重要なんだそうで,スイッチの接点を曲げたりして,5msから12msの範囲に収めなさい,と書いてあります。うーん,こういうスイッチの物理的な張力に頼ってタイミングを作るって,やっていいのかなあ・・・

 流れとしては,ミラーが降りているときは露出計の出力がそのままスルー,ミラーが上がるとその時の値を記憶して露出時間を作ります。

 マグネットはME系では1つだけ使われており,これは後幕の係止に使われています。よって先幕はミラーが上がってから,あるタイミングで自動的に走行を開始していることになります。

 先幕が走行を始めてからマグネットを通電して後幕を係止してもおそいわけですから,ミラーが上がって先幕が走り始めるまでの「ある時間」の間に,マグネットに通電する必要があります。このタイミングが10ms,ということなのでしょう。

 もし,マグネットに通電されてなければ,後幕が係止されるのはメカ的な機構によるラッチだけとなりますので,先幕が走行を完了してから後幕が機械的に走行を開始することになります。つまりこの時がシャッター全開になる1/125秒のメカシャッターになるわけですね。

 この10msというタイミングがずれてしまった場合を考えてみると,すでに1/2000秒を出すのに必要なスリット以上の幅になってから通電されても間に合いませんし,あまり早くに通電されても露出時間の生成が終わってない段階だったとしたら,1/2000秒で必要な幅のスリットより狭い状態で係止が外れてしまったりするかも知れません。

 いずれにしても,正確なシャッター速度を出すのに,とても重要なポイントであることは間違いでしょう。

 ここをどうやって確認するか,結構考えました。

 最近のデジタルオシロスコープを使えば一発で解決なのですが,私の手元にはアナログオシロしかありません。周期現象の確認は得意なアナログオシロですが,単発の過渡現象を捉えるのは大の苦手です。

 とりあえず2つのスイッチに電源を入れ,ONとOFFが観測できるようにしておきます。オシロスコープの1chと2chにそれぞれのスイッチをつなぎ,メモリスイッチがOFFになるところでトリガをかけて,単発現象を捉えます。

ファイル 87-3.jpg

 上がメモリスイッチ,下がマグネットスイッチです。メモリスイッチに激しいチャタリングが見られますが,一応メモリスイッチがOFFしてから10msしてからマグネットスイッチがONになるように調整をしました。

 実は元々10msになっていたかを確認できなかったのです。1chと2chを逆につないでしまい,トリガがかからなかったのですが,おかしいなあとスイッチの張力を,うかつにもいじってしまったのです。

 当然トリガはかからず,よくよく見ると逆になっている接続を元に戻して,波形が出てくるのを確認しました。この時ずれた値が読み取れたのは,おそらくいじってしまったからでしょう。

 推測に過ぎませんが,ここは最初からそれなりの数字が出ていたようです。今回この方法できちんと確認を行ったことは,安心材料の1つという程度になりますね。

 ここから余談ですが,オシロスコープの管面の写真,なかなかよく撮れています。

 アナログオシロの写真を記録するには,専用のオプションが一眼レフにも用意されていました。管面に密着させるフードがあり,これを使って遮光しつつシャッターを開けておけておきます。

 管面の波形以外の表示,文字や目盛りなども全部消灯してあり,トリガがかかって波形が出た時に1度だけ,すべての表示が点灯するというSingle Trigger Modeというトリガモードが,アナログオシロには用意されていました。

 通常の一眼レフや,専用のポラロイドカメラを,このモードで使えば波形の記録や細かい測定も出来るようになるわけです。

 しかし,今や一眼レフもデジタルの時代。

 D2Hを使ってデジタルストレージオシロを実現してみましょう。

 SIngle Trigger Modeは1回きりで次の観測にはリセット動作が必要ですからいちいち面倒なので,後悔はNormal Trigger Modeで波形を走らせることにしたのですが,この場合波形以外の表示は点灯したままです。

 そもそもオシロスコープ撮影用のフードなどもありませんので,三脚を吸えて部屋を暗くし,リモートケーブルでバルブの時間を出来るだけ短く出来るようにします。

 レンズはなんでもよかったのですが,45mm/F2.8Pを選びます。

 管面の明るさを適当に調整し,シャッターを開けた瞬間に波形を出します。波形が出たらすかさずシャッターを閉じます。

 こうして,それほど苦労することもなく撮影できたのが,この写真です。


(4)ストロボ駆動の失敗

 実は,前回の組み立て後も,後になってストロボが発光しないことに気が付いて,再度分解したという経緯がありました。

 この時の原因は,ホットシューにストロボが装着されることで押し込まれる突起の動きが渋く,その突起の先にあるX接点のスイッチがONにならなかったことが原因だったのですが,清掃後には復活しました。

 今回,一通りの組み立てが終わってからストロボのチェックを行ったところ,またも発光しない。理由は前回とは違うと思うのですが,どうもX接点のスイッチの接点の動きが微妙なようです。ここをしっかり曲げて間隔を調整して,とりあえずいまは直っています。でも信頼性が低いので,実際の撮影には使わないでしょう。


 以上4点の作業をしたわけですが,組み立て前に確実に高速シャッターが出ているかどうかを確認するすべがありませんので,これで直ったら御の字だなあ,くらいで組み立てをしました。

 一応シャッター速度の確認も行ったところ,正常な結果が出たので自信がなかったわけではなかったのですが,前回も同じチェックで問題を見逃したので,テスト撮影をするまで安心できません。

 あまりあてにしないで現像してみて,出てきた結果にほっと胸をなで下ろしました。これでMEsuperも修理が完了。

 注油部分がこれまでになく多いカメラになってしまったので,経年変化が心配ですが,今はとりあえず問題なし。この状態をリファレンスとして,調子が悪くなったらこまめに見ていくしかありませんね。

 そんなわけで,とりあえずカメラ関係での仕掛品は消滅。実にめでたいです。

 これだけたくさんのカメラやレンズを短期間に手がけることになり,正直やはり疲れてしまいました。MEsuperが修理できたことで一休みとし,しばらく撮影を楽しむ余裕を作りたいと思います。

ご冥福をお祈り申し上げます

 テナーサックス奏者のマイケル・ブレッカーさんが13日,白血病のために亡くなりました。58歳の若さです。

 JazzManには,本当にカッコイイ人が多いのですが,彼はその最右翼だと思います。

 まだまだ素晴らしい演奏を聴かせてくれたはずなのに,と思うと大変に残念です。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

VintageKeysの修理

  • 2007/01/14 21:18
  • カテゴリー:make:

 私のお気に入りのシンセサイザーモジュールに,EmuのVintageKeysがあります。

 ちょうど当時加入したばかりのバンドがハードロックバンドで,ハードロックなど縁もゆかりもなかった私が,とにかくハモンドオルガンの代わりになって,ギターの爆音に負けない音を出すモジュールとして探し当てたのが,このVintageKeysです。

 かつての憧れであったEmuも,紆余曲折を経て,現在はかつての栄光を知る者も少なくなりました。

 VintageKeysは,プロでも扱いには注意を要するアナログシンセサイザなどヴィンテージキービーボードの高品位な音色を,Emuの膨大なライブラリから選りすぐって組み込んだものです。その後音色数を増やしたアップグレード版のVintageKeysPlusが登場しましたが,私のVintageKeysは,6万円くらいしたアップグレードキットを組み込んであるので,VintageKeysPlus相当品です。

 かくて私は生まれて初めて取り組んだハードロックを,このモジュールで乗り切ったのでした。

 ところがこのVintageKeys,数年前からLCDの表示がおかしくなっていました。

ファイル 85-1.jpg

 こんな風に,LCDの中央にムラがあります。

 特に音に影響があるわけではなかったので放置していましたが,先日秋葉原の秋月電子に行く機会があって,そこでふとこのことを思い出し,終了の新しいLCDモジュールを買ってきたのでした,

 80年代から90年代初めのシンセサイザの表示は,こうした16文字x2行程度のものがほとんどでして,グラフィックなど一切出ず,文字だけであらゆる情報を我々に示していました。

 それでもどうにかなっていたのでしょうが,このLCDというのは実は業界標準になっていて,表示させる方法も非常に簡単なんですね。

 8ビットもしくは4ビットのパラレルで,フォントも内蔵しているので,コマンドを与えればすぐに表示が出来ます。

 本来LCDの表示というのは,なかなか難しいのです。LEDのような直流で点灯するとあっという間に劣化してしまうため,交流で表示を行いますが,そのタイミングや電圧の制御など,自力でやるとそれだけで結構な手間になります。

 それらをすべて組み込んで,外からはコマンドを与えれば表示が出来てしまうというモジュールを使えば,とても簡単に文字を扱うことができるようになります。生産台数が多い場合は手間をかけてもコストがかからないように自力でするほうがよいのですが,少ない場合はこうしたモジュールを買ってくるのが都合がよいわけです。

 そして,そのLCDモジュールによく使われたICが,日立のHD44100とHD44780A00の2つです。この2つが面倒臭いLCDパネルの駆動を始め,フォントやコマンドの解釈,そしてマイコンとの接続インターフェースを提供します。

 とても便利だったICだったので,非常によく使われるようになりました。結果,このICが使われたLCDモジュールには自ずと互換性が発生し,現在のような「業界標準」に至ったのだと思います。

 それで,この標準的なLCDモジュールが,秋月電子に通常在庫として売られているのです。

 最近は表示品質も向上し,バックライトを装備したものや安くなったものなど,いろいろ選べるようになったのですが,VintageKeysにもこれが使われているだろうと思いこみで1つ買って帰ることにしたのです。価格は1000円。昔はバックライトなしでも1500円ほどしたものなんですがねえ。

 家に持ち帰って分解を始めました。はめ込むだけですので1時間もあれば済むだろうと思ったのが甘かった。

ファイル 85-2.jpg

 上が買ってきた新しいモジュール,下が元々ついていたオリジナルのものです。

 まず外形数法が違いました。確かにねじ穴の位置が全然違っていますが,現物あわせをしてみるとねじ穴の外側で固定できそうです。

 次に電気的な接続です。同じ14ピン,使われているICも同じですので,おそらくそのまま差し替えて使えるはずです。ちょっと不安もあったのですが,まあ大丈夫だろうと,元のケーブルを取り外し,新しいモジュールに付け替えて電源を入れてみます。

 画面が真っ黒になったと思ったら,数秒のうちに「ぱちっ」と音がして,画面が消えてしまいました。慌てて電源を切り,もしやと思って裏側のICを触ると,かなりの熱を持っています。ICの表面は熱で焦げたようになっています。

 やってしまいました。壊してしまいました。

 こういう場合,おおむね電源の逆接続が原因です。しかもICの焼損は,当然ながら復活しません。

 しばらく呆然としていたのですが,状況を冷静に判断して,もうどうにもならないということを認めました。

 原因をよく調べてみたところ,やはり電源のVddとGNDが入れ替わっていました。他のピンは標準のままで,電源だけが逆。なんでこんなややこしいことにしたんだろうかと,謎が深まります・・・

 まさかもう1つ買ってあったりはしませんし,どうするべきか考えていたのですが,昔購入したLCDモジュールがないか探してみました。

 すると,1世代前に販売されていたものが2つ出てきました。しかし,これはあいにくバックライトがありません。電子楽器でバックライトがないのはステージで困ってしまうのでありえません。

 ICが燃えたならICを交換すれば良さそうなものですが,実は最近のLCDモジュールはICが直接基板にボンディングされているので,交換が出来ません。

 そこでオリジナルのLCDのムラが,何故出来てしまったのかを調べました,結論はバックライトのもの代でした。

 バックライトの一部のLEDが点灯しておらず,その部分がムラになってしまっていたのでした。

 そこで,焼損したLCDモジュールからバックライトを取り外し,オリジナルのものと交換しました。厚みが1.5mmほど違っていたため,板金の加工を行ってつじつまを合わせて,何とかうまくいきました,

 電源の逆接続をすでにケーブルで入れ替えてしまった後だったので,オリジナルのモジュールの電源を基板上で入れ替えておきます。これでいつでも秋月のLCDモジュールと差し替えて使えるでしょう。(実際,バックライトなしのモジュールを試しに取り付けてみたのですが,ちゃんと表示が出てきました。)

 結果は,ばっちり。

ファイル 85-3.jpg

 完全復活です。新品の頃の感激が甦ります。

 もったいないことをしましたが,結果としては一番無難な方法で修理が出来たのかも知れません。1000円でバックライトを買ったと思えば良いだけではありますが,秋月電子が2月に店舗の改装のためしばらく閉店するので,もったいないことをしたという気持ちはあります。

 それと不思議なことがあります。

 今回購入したLCDモジュール,はじめて購入したと思ったのですが,同封の資料が1部,すでにファイルされていました。ということはこれで2つ目なわけですね。でも,これをどこかに使ったという記憶がありません。かといってしまい込んだ記憶もありません。

 よくよく思い出してみると,QX5のLCDモジュールを交換したような記憶を思い出しました。その時に買ったものではないかと思うのですが,すでにQX5は実家にあります。確かめようがありません。

 まあいいですよ。とりあえず直ったし。

 このころのアメリカ製の製品は,ハンドメイドのにおいがぷんぷんするんですね。中国製品や台湾製品が多数を占める現在,かの国が日本のモノづくりをお手本にしている以上,出てくる製品は最終的には日本のそれになっていきます。

 しかしアメリカは日本のモノづくりなど目指してこなかったですし,この種の製品は少量生産ですので,どうしても手作りな感じがあるのです。

 私のように,工作を趣味としていると,その行き着く先にアメリカ製の製品を見るのです。工作の頂点,とでもいいましょうか。

 考えてみると,Made in U.S.Aはもうほとんど目にしません。こんな所にも,工作のにおいが世の中から消えていくのかなあと,そんな風に思いました。

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