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2009年02月の記事は以下のとおりです。

アナログの大家に愚問

 アメリカの半導体会社にNationalSemiconductorという会社があります。

 日本ではナショセミと略す人も多かったのですが,日本では「ナショナル」は松下電器(現在のパナソニック)を指すことが普通であったというのが理由のようです。ですから最近はナショナル,と言う人も増えてきたように思います。

 このNationalSemiconductorに,この業界で知らない人はいないと思われるほど著名なエンジニア,Bob Pease氏がいます。

 NationalSemiconductorは,80年代には様々な半導体を手がけていた総合メーカーでしたが,90年代にアナログICに特化する戦略をかかげ,それでも個性的だったCPUやデジタル系のICから撤退しました。

 昔からアナログの名門だったNationalSemiconductorは,名実共にアナログICの専門メーカーになったわけです。

 NationalSemiconductorが名門たるゆえんは,かのBob Widlerが在籍し,ここでLM101などのアナログICを産み出し,その後も続々と優れた製品をリリース,多数のデファクトになった品種を擁することにあります。

 WidlerはFairchildで世界初のモノリシックOP-AMPを開発し,その後NationalSemiconductorに移籍します。ここでも彼は多くの製品を手がけることになります。

 今のOP-AMP,もっというとアナログICは,このWidlerによって設計されたものがベースになっています。つまり,WidlerはアナログICのお父さんですが,Bob PeaseはNationlalSemiconductor時代のWidlerをとてもよく知るかつての同僚で,自らも傑出したエンジニアです。

 残念ながらWidlerはジョギング中の心臓発作で若くしてなくなりますが,NationalSemiconductorのWebサイトにBob Peaseが持つページでは,彼の写真が掲載されています。

 Bob Peaseは中世の魔法使いといった風貌で,長い髪,伸びたヒゲのおじいさんです。そして非常にユーモアにあふれ,NationalSemiconductorがユーザーサポートの一環で放送していたアナログ回路講座のストリーミング放送では講師を務め,目の前でホワイトボードを仲間と共に真っ黒にしながら,難解な話を笑いながら説明して私などはすっかり煙に巻かれてしまいました。

 このBob Peaseが,とある日本の雑誌のインタビューで,ちょっと面白いことをいっているので,紹介します。

 アナログは人気がない,どうすればいいのか,という問いに対し,

  確かに人気がない。
  だけどそれがどうした。
  だからこそ価値があるんじゃないか。

 いやー,ほんとにまいりました。

メルクリンが破産申請

 ちょっと心配なニュースです。

 鉄道模型にかかわるものなら,知らないものはいない,ドイツの老舗メルクリンが2月4日,破産申請をしたそうです。

 メルクリンにとって2009年は創業150年の記念の年です。にもかかわらず資金繰りに行き詰まり,破産するとはなんとも残念な事です。

 日本の鉄道模型も,かつては子供のおもちゃだったわけですが,当時の子供達が大人になり,少しずつ年齢層が上がって大人の趣味になってきたかなあと思うことがあります。

 HOゲージのような昔から高価だったものは今でもそうですし,Nゲージでさえも,最近は子供経済力ではついて行けないような金額になってきています。鉄道模型はおもちゃではないという主張がこういう形で裏付けられるのは,ちょっと複雑な気分です。

 メルクリンと言えば,やっぱりZゲージでしょうか。線路幅6.5mmの超小型模型ですが,ディテールはしっかりしており,しかも大した牽引力でなめらかに走行します。もはや精密機械といっても過言ではないと思いますが,よく考えてみると老舗のメルクリンのレベルに追いついたような模型を,私はまだ見たことがありません。

 Zゲージは,メルクリンの1万円ほどの最小キットを持っているにすぎませんが,世界のリーダーだったメルクリンには,早く再建し,また世界の模型人を唸らせて欲しいものです。

F70DとES2のサービスマニュアル

 F70Dの裏蓋およびグリップのゴムの交換と,海外の業者にお願いしてあったPentax ES2のサービスマニュアルの両方が,昨日届きました。

 F70Dの方はニコンのサービスから戻ってきたもので,修理代金は代引きで支払います。部品代が1800円,工賃が2900円,送料が1000円で合計約6000円です。

 今なら2,3000円で買えるF70Dに6000円かける価値があるのか,という話もあるのですが,なにせこいつはまだ3万円以上した頃に購入したF70Dです。今売られているF70Dに比べると状態はずっとよいでしょう。

 裏蓋のべとつきは対策がされて起こりにくくなっているそうですし,グリップも新品に変わって見違えるようにきれいです。

 F70DはニコンのAF機の中ではなかなか個性的な1台です。静かで上品な動作音,直感的に理解しがたいユーザーインターフェース,案外持ちやすいデザイン,CR123Aが2本で動く軽い電源システム,滅多に外さない高精度な内蔵ストロボ,1/4000秒まで対応するそこそこのスペック,モーター内蔵AFレンズからAiニッコールまで幅広く対応する面倒見の良さ,すでに忘却の彼方にあるパノラマ撮影,日付の写し込みに標準で対応,と,とりあえずこれ一台で大方のことは片付いてしまうカメラです。

 発売時の価格が10万円を超えていたという,今のデジタル一眼の相場から考えてもなかなか高級な部類に入るF70Dは,良くできていて当然なのかも知れませんが,あのおかしなユーザーインターフェースのおかげで不当に低く扱われていることは間違いないと思います。

 といいつつ,私もF100を手に入れた以上はF70Dの出番はほとんどなくなると思いますが,静かなこととストロボ内蔵であることが重要な時には,出番があるかも知れません。

 次,ES2のサービスマニュアルです。

 ES2は先日修理が完了し,落ち着きを取り戻したのですが,ちゃんとしたサービスマニュアルを手に入れずに断片的な資料をつなぎ合わせて,これまでやってきました。

 かなりの情報が集まっているので実際の作業は困らないのですが,それでもきちんとしたものを持っていたかったので,円高を機会に注文することにしました。送料まで入れて日本円で3000円ほど。PayPalで支払います。支払いから約2週間で届きました。

 はるばるアメリカから,私あてに届く国際郵便・・・海外に注文したのですから当たり前の事ですが,それでもやっぱり郵便屋さんが私に「海外からの郵便です」と手渡してくれると,よくぞ無事に届いたものだと感激しますね。

 中を見てみたのですが,実はちょっと期待はずれでした。といいますか,期待しすぎだったのですが,すでに知っている情報がほとんどで,新たに知ったことは少なかったのです。

 とはいえ,その少ない新しい情報は,なるほどそうだったのか,と思うものでした。

 例えばタイミングスイッチ。私はこれを,電子シャッター時の高速側の調整に使ったのですが,サービスマニュアルによるとそういう調整には使わず,決まったクリアランスが出るように調整せよとあるだけです。

 実際,このマニュアルに従って作業をするのは,機材の関係もあり不可能なのですが,どういう理屈でこの手順なのか,ということを考えながら進めると,調整の意味も分かって,良い結果に繋がってくれるように思います。

 そしてもう1つ,海外からの買い物で,PalmのTungstenTXを個人輸入で注文しています。1月8日に注文し,実は昨日届いたらしいのですが,不在のため再配達を土曜日におねがいしています。

 ES2のサービスマニュアルとTungstenTXの2つは,もしかしたら荷物が届かないとかでもめるかも知れないなあ,と覚悟していたので,うまく届いてなによりでした。(TungstenTXはまだです・・・壊れていたりすると面倒ですね)


 円高に対する積極的な行動は,海外からものを買うことです。なかなか機会もなく,リスクも大きい海外通販ですが,頻繁に使うものではないにせよ,上手で楽しい買い物の1つの手段として,試して見るとよいのではないでしょうか。

F100雑感

 先日手に入れたF100,いい感じです。手に馴染む感覚がよいのと,シャッター音が気に入ってきました。フィルムカメラはフィルムを入れた時と入れていない時で,シャッターの音が結構変わるものですね。

 以前手に入れてあったSUNPAKの5000AFというストロボが,F100だとTTL調光が可能になるのを思い出し試して見たのですが,これもなかなか良い感じです。大容量ストロボはゆとりがあっていいなあと思いました。

 結局,私はF100にDK-17MとDK-19を組み合わせて使っています。DK-17Mは1.2倍のマグニファイアアイピースで,ファインダーの視野を拡大するものものです。元々APS-Cサイズのデジタル一眼用に作られたもので,私はすでにD2Hで愛用しています。

 ファインダーが見やすくなることに加え,接眼レンズが後ろに飛び出て来るため,カメラの背面に頬や鼻が適度に当たり,ホールドが楽になります。

 F100は銀塩のカメラですから本来DK-17Mを使う必要はないのですが,実はこのF100,ファインダー倍率が0.71倍とやや小さめなのです。これを1.2倍に拡大すれば約0.85倍と,一昔前の一眼レフか最高級プロ用に肩を並べるようになります。

 残念なのはかなり画像が歪むことでしょうか。F100のファインダーはDK-17Mを使わなくても肉眼で分かるくらいに糸巻き状の歪曲収差が出るのですが,DK-17Mを使うとさらにひどくなります。ちょっと気持ちが悪いのですが,見やすさと引き替えです。

 DK-17MにはDK-19という接眼目当てを付けています。D2Hでもこの組み合わせで使っていますが,F100の場合見事に裏蓋が開かなくなってしまいます。ニコンとしてもF100でDK-17MやDK-19を推奨しないのは,そうい事情があってのことでしょう。

 ですので,面倒ですがいちいちDK-17Mを外して裏蓋の開け閉めをやっています。

 銀塩のAFニコンはF70Dしかなく,レンズのラインナップも非常に貧弱な状態ですから,もしD2H用のDXニッコールが実力で使えるとかなり面白いことになりそうです。特に18-200mmは超音波モータと手ぶれ補正がありますので,試して見る価値ありと判断しました。

 結果は,かなりけられます。広角側は絶望で,ファインダーで見ても丸い穴からのぞき込んでいるような感じになります。望遠になるに従ってケラレの程度は少なくなり,テレ端ではファインダーではケラレはほとんどをわかりません。

 ファインダー視野率96%のF100に期待して現像したのですが,やっぱだめですね。四隅がかなり暗くなっています。

ファイル 264-1.jpg

 転んだ色を補正してリサイズをしてあります。トリミングはしてありません。

 Photoshopで周辺光量の補正を行ったのが次です。

ファイル 264-2.jpg

 8bitでスキャンしてjpegで保存したものを補正したのですが,少なくともこの画像では補正を強めにすると色が飛んでしまうのでこのくらいが限界です。

 背景によってはこのくらいの補正でも気にならない場合もあるでしょうし,トリミングを前提にすれば,さすがイメージサークルの小さいデジタル一眼用だけに解像度は素晴らしいものがあるので,あまり窮屈に考えず,上手に使ってみればいいかと思っています。

 そうなると,ちょうど手薄になっている85mmを真剣に考えるようになりました。中望遠はタムロンの90mmマクロとAi105mmF2.5があるのでいらないと思っていましたが,いずれもマニュアルフォーカスのレンズですし,F100にはちょっと力不足な感じもあります。ポートレートを撮るわけではないのでF1.4である必要は全然なく,「観察眼」を駆使するときの私の視野が80mm前後だから欲しいという理由ですから,F1.8で十分です。

 フィルムが安価で,かつ自家現像が出来るというのも,そんなに長くは続かない環境でしょう。今のうちに楽しんでおこうと思いますが,クラシックカメラで遊ぶだけではなく,完成度の高い現代のカメラと対話することも,やってみると楽しいことです。

ES2はようやく修理完了宣言

 1月末にSMC Takumar28mm/F3.5を手に入れて速攻で壊し修理を行った話を書きましたが,この時久々にES2を引っ張り出してテスト撮影をしました。この時,再調整が面倒で露出計が1.5段くらいずれているまま放置してあったことを思い出しました。

 ネガで撮影すればこのくらいのズレはカバーできますし,そもそも平均測光ですからあまり精度を上げても意味がありません。それに,どうしても気になるというのであれば,感度を1.5段ほどずらしてやればよいだけの話なので,せっかく開放測光と絞り込み測光とメーター指示の3つが一致し,しかもリニアリティもほぼ補正できている現状を壊してしまうリスクを考えて,下手に手を出さないことにしたのでした。

 しかし,28mmのテスト撮影を行っていると,やっぱり気持ちが悪いです。手ぶれの目安でシャッター速度はいつも確認をしていますが,例えば50mmレンズで1/30秒と1/15秒では大違いです。

 感度を調整すると,露出補正で補正できない場合が出てくることも(実用上はそんなことは滅多に起きないが)やはり気になります。

 よって,ここで一発,なんとか追い込んでみようと考えたのが1月22日でした。

 いつも書くことですが,ES2で測光関係の調整を行う場合,複数の半固定抵抗をあわせる必要があります。開放測光のシャッター速度,絞り込み測光のシャッター速度,そしてメーター指示の3つが別々になっています。その上CdSのリニアリティ補正のために,高輝度と低輝度の2箇所で調整が必要です。(絞り込み測光は1箇所だけです。ついでに言うと基板のバージョンによって違うようです。)

 サービスマニュアルにある調整手順に従って半固定抵抗を回していくのですが,やはり微妙にバランスが狂ってくるのがわかります。そこで,AutoSpeedLargelyというラフに調整する抵抗を試しに回してみると,3つの状態が一度に変わってくれます。

 グレイカードを使ってずれている1.5段を修正すると,シャッター速度もメーター指示も大体0.5段以内に収まってくれています。

 ただ,折れ線で近似したリニアリティ補正もそのままシフトされてしまうので,高輝度側か低輝度側で大きなズレを生む可能性が高いと思います。

 案外さくっと終わってしまった調整に拍子抜けしながら,その週末にテスト撮影し,先日現像が終わりました。

 結果は上々でした。

 グレイカードを使ってメーター指示が適性になることは確認済みで,またこのメーター指示の通りのシャッター速度が出ていることも確認済みです。

 オートとメカシャッターのマニュアルを交互に撮影,続けて絞り込み測光で撮影を行ってコマ間の露出のバラツキを確認してみましたが,ほぼ揃っています。絞り込み測光で0.5段ほどオーバーになる傾向がありますが,これはやむなしですね。

 スローシャッターは被写体を変えないとダメだったのですが,こちらも露出のバラツキはありません。ざっと36コマ眺めてみると,あまりの揃いっぷりにES2での撮影かどうかを疑いたくなるほどです。

 平均測光ですから,適性露出になっているかどうかはあやしいもので,スキャンすると色が転んだりしていますが,それでも飛んだりつぶれたりするほどの失敗もなく,十分使えるレベルでしょう。

 心配していたリニアリティですが,高輝度側で0.5段ほどアンダーになる傾向が開放と絞り込み両方に見られました。しかし,それも大した問題ではないと思っています。

 ということで,一応ES2は調整も収束し,実用レベルになりました。コマ間隔のバラツキもほとんどなく,とても綺麗にコマが並んでいます。シャッター幕の狂いによる露出ムラもなさそうです。メカシャッターと電子シャッターの差も小さく,また電子シャッターは同じ被写体をどんな絞りでも同じ明るさで露光してくれます。

 随分長い時間かかりましたが,ようやく,ES2は修理完了を宣言できそうです。

 これを記念し,アメリカのサービスマニュアル販売業者から,ES2のサービスマニュアルのリプリントを買うことにしました。円高でもあることですし,きちんとしたものを1冊持っておくことは,このES2を末永く使うために必要なものでしょう。

 先日後玉を交換する羽目になってしまったSMC Takumar28mm/F3.5もなかなかいい写りをしています。一方でSMC Takumar50mm/F1.4は組み立てに失敗しているのか,ボケがグルグルと回っていて,とても猥雑な印象です。F5.6くらいまで絞るとシャキッといい感じになるのですが,開放だとちょっとしんどいなあという印象です。他の方の作例を見る限りこんなボケにはなっていないので,やっぱり私の個体の問題でしょう。

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