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2009年05月の記事は以下のとおりです。

アドエスにBluetooth

 アドエスの環境構築も終わり,運用もこなれてきました。今まで電車の中で携帯電話で暇つぶしをすることなど決してなかった私でさえも,アドエスがあるとメールにWEBブラウズにと,使うようになりました。

 クロック600MHzオーバーのCPUでこのもっさり感はやはりWindowsCEの伝統とあきらめていますが,TCPMPで動画を再生したりすると,CPUクロックが一昔前のパソコン並みであることを思い知らされます。

 さて,今回のお話はアドエスとBluetoothです。アドエスのUSBがOTGであること,Willcom公認のUSBドングルを始めPC用の安価なドングルも特にドライバ無しで利用できる話は非常に初歩的なことで,なにを今さら的な話ですが,最近なにかとBluetoothにかかわることが多い私としても,ぜひ試して見たいと考えていました。

 まず,miniABコネクタのUSBを,標準Aコネクタにする変換ケーブルが必要です。長いものは邪魔ですし,高価なのも馬鹿馬鹿しいので,amazonで安いものを探します。うーん,20cmが最短か。

 USBドングルは,さっと探しても動作実績がなかったのですが,小さい事,安いこと,そして低消費電力なことを理由に,プラネックスのT-MicroEDR2Xを試すことにしました。1000円ちょっとでドングルが買えるのは結構ですが,ヘッドセットなどの相手の機器が1万円近くするのは,どう考えてもおかしいです。

 結論からいうと,この組み合わせで全く問題なく動作しました。手持ちの機器の関係で試せたものはごく限られますが,A2DPとファイルの送受信(これについては後述)は問題なし。

 よく知られた事ですが,アドエスはHFPやHSPに対応していないらしいですが,私はアドエスを通話に使う事はゼロなので問題なし。skypeは使うかも知れませんが,無理にBluetoothで話そうとも思いませんで,悔しくないです。

 microSDに8GBを奢っている私は,そのうち4GBほどを音楽のファイル(AAC)で埋めてみたのですが,これをTCPMPからプレイリストを使い,Bluetooth経由で再生すると,煩わしいケーブルもなく,ちゃんと音楽が聴けることにちょっと感心しました。使ってみるといいもんですね。

 しかし,先日購入したiPodShuffleの方が,ステレオヘッドセットよりもずっと小さいというのが困った話です。

 次にファイル転送のお話です。A2DPによるワイアレスヘッドフォンについては,否定的な考えはしなくなりましたが,音楽プレイヤー本体が小さくなった昨今,特別に有用なものとは思えません。

 しかし,ファイル転送をやってみて,Bluetoothの便利さに私は開眼しました。例えば,使い慣れたMacBookProでアドエス用のフリーソフトをダウンロードしたとします。cabファイルをアドエスに転送する必要がありますが,今まではメールで送信していました。大きなファイルだと時間もかかるし,一手間も二手間もかかるのが煩わしく思っていました。

 microSDカードにMacで書き込めばいいのですが,MacOSXでは.~というファイルを作りますし,経験的にMacはFATファイルシステムがいまいちで,バックアップファイルなども入れてある大事なSDカードだけに,これもちょっと遠慮したいところです。同様の理由で,マスストレージとしてアドエスを直接Macにマウントするのも避けたいです。

 無線LANを使ってファイル共有をするとか,FTPサーバを立てておくとか,まあいろいろあるとは思いますが,いずれも手間がかかりますので,100kByte程度のファイルをさっと転送する方法があればと思っていたのですが,昨日ふとしたことをきっかけに試して見ることにしたのですが,これが実に快適です。

 Macからアドエスにファイルを送信,とすると,アドエスがBluetooth経由でファイルを受け取ってくれます。対応するサービスがないとMacに怒られますが,無視して送信するとちゃんと送信されています。アドエスからは,ファイルをビームで送信とすると,Macで受信が出来ます。最大でも50kByte/secくらいしか速度が出ませんのであまり大きなファイルはダメですが,アドエスで撮影した写真くらいなら問題なし。

 ついでにpalmTXでも試して見ましたが,これはなかなか難しいです。palmからの送信は出来るのですが,Macからpalmへの送信が出来ません。アドエスからpalmへの転送は出来たので,きっとMacでも方法があるのでしょうが,出来たところで実用性もないので,もう深追いはしません。

 これにVAIO Uが参加できれば,うちのマシンはほとんどすべてBluetoothでファイルのやりとりが出来るようになります。これはきっと便利になるだろうと,いま同じUSBドングルを追加で注文しています。

 ここでふと気が付いたのは,Bluetoothでファイルの送受信をおこなうというのは,単に物理的に電線を無線にしてしまえること以上に,ファイル構造やファイルシステム,プラットフォーム依存の問題を飛び越えてやりとりできるコンバータとしての性格が強いということです。

 例えば,アドエスのSDカードにあるテキストファイルをpalmに転送しますが,この時SDカードはFAT,palmTXは独自のファイルシステムです。hogehoge.txtはpalmの本体メモリに格納されるとき,hogehoge.pdbという名前になり,データベースとして記録されます。ファイル構造も違うので,ファイルコンバートも行われているわけです。

 Macも,Windowsも,palmも携帯電話も,それぞれ互換性のない仕組みを共通化した方法で送受信し,機種依存性の壁を越える世界は,確かにUSBでもメモリカードでも可能ですが,デファクトスタンダードによる「結果としてのデータ互換」ではなく,最初から互換が取れるように構築された世界の自然な使い心地は,とても手に馴染むものです。

 ということで,Bluetoothはハンズフリーでも,ワイアレスヘッドフォンでもなく,パソコンと携帯電話でデータのやりとりがサクサク出来るものとして,再定義されました。これはいいですよ,奥さん。

 さてさて,すっかり盛り上がった私は,さらにアドエスでBluetoothを身近にするべく,構想を練り始めました。世の中にはWillcomには見切りを付けてもアドエスは手放せないというわがままな人がいて,W-SIMの跡地にBluetoothを内蔵するという猛者もいらっしゃるわけですが,私の場合はそうはいきません。

 まず,これまで使っていたminiABを標準Aコネクタにするケーブルです。

ファイル 294-1.jpg

 20cmでも長いので3つ折りにして縛って使っています。それでもこの煩わしさです。持ち歩くのは許せても,これを電車の中でアドエスに繋げて,わざわざステレオヘッドセットで音楽を聴くなんて,周りの人はクスクス笑うに違いありません。

 悔しい(なにがだよ)ので,究極の変換コネクタを作る事にしました。当初,ドングルを分解してminiAB型のドングルを作る事を考えましたが,実はこの手の超小型ドングルは,USBコネクタの部分にも部品があるので,分解して専用化改造を行っても,あまり小さくなりません。使い回しもしたいし,緊急時にはUSBメモリやキーボードも繋ぎたいので,あくまでminiABを標準Aに変換するコネクタにこだわることにします。

 miniAB側は,余っているminiBケーブルに犠牲になってもらいます。miniBでも刺さりますし,4pinと5pinをショートしてGNDに落とせばminiAとして認識しますから,これは問題なし。miniBコネクタの外側をカッターで削って中身を取り出します。

 標準A側は,USB1.1の,もう二度と使う事もないハブから取り外しました。このハブは奥行きが小さいタイプで,コネクタもかなり小さくできています。好都合です。

 miniBコネクタとAコネクタをハンダ付けして固定し,ご丁寧に捩った電線でそれぞれの電極にハンダ付けをします。持ち歩くものですから,露出した金属部分をスポンジテープでぐるぐる巻いて,絶縁と衝撃吸収を期待します。

 そして出来たのが,これです。

ファイル 294-2.jpg

 なかなか小さくできているでしょう。はっきりいって,素人ではもうこれ以上小さいものは作れないと,その時は思ったものです。

 それで,ドングルをAコネクタに差し込んだのが,これです。

ファイル 294-3.jpg

 うーん,でかいです。思った以上に大きくなります。特に長さ方向が長くて,これがアドエスから飛び出すことを考えると,かなり使い勝手が悪そうです。しかし,これ以外にはドングルをアドエスの背中に回すような方法しかないように思います。

 どれくらい不格好か,と言えば,

ファイル 294-4.jpg

 という塩梅で,かなり不格好だし,引っかけて本体の基板を壊してしまいそうな危なっかしさがプンプンしています。

 動作は問題なく,以前のような20cmのケーブルを介した接続に比べて格段に便利になったとは思いますが,それでもこれで完璧というのはほど遠いものがあります。これだけ飛び出してしまうとかえって面倒という声も聞こえてきそうです。

 さっき言ったように,Aコネクタをアドエスの背面に回して,ドングルも背面に持ってくることで飛び出しを押さえることも可能でしょうが,それにしてもminiBコネクタを折り曲げる必要があるわけで,5mmくらいの飛び出しは覚悟しないといけないでしょう。今後の検討課題ですね。

 いずれにせよ,アドエスのような高機能な携帯機器というのは,ほかと繋がって価値が倍増するものです。W-SIMによってWANが,Wi-FiによってLANが,そしてBluetoothによってPANが実現するというのは,可能性が広がっていくものだとつくづく感じました。

Niftyを解約

 私は17年ほど前からNiftyの会員でした。随分長いように思いますが,私などまだまだ序の口で,黎明期からNiftyを育ててこられた方々には頭が下がります。

 Niftyに加入したのは,フリーソフトを手に入れたいという気持ちがあったのと,フォーラムをみたいと気持ちがあったからです。加えて電子メールが使え,当時ようやくインターネットへの接続が行われた時期でもあり,これは毎月の会費を払っても価値があると判断しました。

 思い起こせば,Niftyに加入するためにクレジットカードをこしらえましたし,就職の際にオシロスコープやMacintoshSE/30を売却したのも,Niftyの「売ります買います」でした。

 中央集権型のパソコン通信サービスが産声を上げたのは80年代で,一説では市内電話が無料ゆえアメリカで普及したと言われていました。

 日本でもNTTが電話回線を開放し,モデムを素人が取り付けられるようになると,富士通がNiftyServeを,NECがPC-VANを,工学社がTelStarをスタートさせましたが,高額な電話料金に高価なモデム代,その割に手に入る情報の少なさでなかなかメジャーになることはありませんでした。

 私は当時,パソコンは個人が自由に使いたいだけ使えるのがパソコンなのであって,銀行のインラインシステムのようにホストコンピュータに電話回線で繋ぐなんてまっぴらごめんだと思っていました。繋がった先の都合で速度や表現力,出来る事が制約されるなど,パソコンのあるべき姿とは違うと思っていたのです。

 今,パソコンはネットワークに繋がらないと価値をほとんど失います。逆の見方をすればパソコンはネットワークに参加すると,その価値を何倍にも増幅させるということになるのですが,今ほどパソコンがネットワークをのぞき込む「窓」になるなんて,当時は想像だにしませんでした。(結果論ですがWindowsとはよく言ったものです)

 当時NiftyServeと呼ばれたパソコン通信サービスは国内最大の無敵を誇り,ここにない情報は国内にはないのではないかと思うほど充実していました。確かに中央集権型の通信ではありますが,情報の発信者になることが出来る仕組みはとても珍しく,発信者が増えるほどそのネットワークの価値は上昇し,それがまたさらに人を集めるという循環を繰り返していきました。

 当時はそれでも安い市内電話で繋げられる大手はなく,市内電話で繋げられるローカルな小規模なパソコン通信サービスがあちこちに存在していました。「草の根ネット」と呼ばれたそれらホストサービスは多くが有志によって無償で行われ,地域ごとの特色を活かした,規模とは違う別の面白さを我々に見せてくれていました。

 今では信じられないことですが,電波新聞社からパソコン通信サービスを集めた電話帳が毎年売られていたのもこの時期です。

 やがてインターネットの時代が訪れ,中央集権型のパソコン通信は廃れていきます。大手もインターネットの接続を果たし,ホストにある情報はインターネットからもアクセスが可能となりました。

 インターネットへの参加に必要なIPアドレスを貸し出すインターネットサービスプロバイダが現れ,大手パソコン通信業者も,インターネットサービスプロバイダへの転身を図ることになったのが90年代中頃の話です。

 他社と同じく,Niftyもホストサービスを停止し,膨大な情報を持つフォーラムは,インターネット上に散っていきました。

 私は,Niftyはフォーラムがキラーコンテンツだと思っていましたから,これが消滅する段階で利用する理由が消えてしまいました。それでも月々210円でこれまで長く使ったメールアドレスが維持できるというので,プロバイダは別の所を使っていながらも,Nifyuに毎月210円支払っていたのです。

 しかし,考えてみると全く無駄です。メールアドレスは全く利用せず,Niftyあてに出す人も全くいません。Niftyの会員サービスに特に魅力的なものはなく,唯一公衆無線LANが利用できることくらいでしょうか。

 先日,Willcomのサービスを月々980円で受けることにしたことはここにも書きましたが,この月々980円のコストを少しでも軽くするために,Niftyの解約を思い立ちました。

 実は今のNiftyの最低料金は262円です。210円というのは移行措置で用意された金額であり,新規での加入は出来ません。本当にメールアドレスの維持費用という感じです。

 そういう点でも,何度もNiftyの解約を考えては断念することが多かったのですが,使用実績や今後どれくらい世話になるかを考え,4月30日付けで解約をすることにしました。

 WEBから解約の手続きが出来るのですが,非常にあっけなく手続きは終わりました。そして3日ほど前,手続き完了のはがきが届きました。

 これまで,Niftyには随分お世話になりました。かつては「他と群れるなんて」と無頼を気取っていた私も,PC-9801を使う頃にはNiftyへのアクセスが楽しみで仕方がなく,ディスプレイが大きな世界の覗き窓になっていたことを実感していました。

 海外出張の時には現地に用意された提携ネットワークサービスのアクセスポイントからローミングで接続し,日本の友人達と電子メールでやりとりを続行できました。

 次々と新しいことが出来るようになった時代を過ぎ,今のNiftyは今ひとつ当時の気概を感じません。当たり前と言えばその通りなのですが,結局サービスプロバイダへとしてのNiftyにとって重要なのは,毎月決まった金額を支払ってくれる会員数が重要なんだろうという事でしょう。

 その点で,かつてのパソコン通信サービスにあった各社の差とそれに基づく選択肢というのは,今はもうないということになります。どこを選んでも同じ,もちろん各社差別化を意欲的に行っていますが,その差を欲しがる人が少ない,言うなれば「繋がる」「IPアドレスを貸してもらえる」こと以上に期待している人が少ないというのが実際の所でしょう。

 いくら会員限定動画配信を行っても,それを見たい人がどれだけいるのか,それがその会社の個性になり得るものかを考えてみると,残念ながら弱いというのが私の意見です。

 ということで,ここ数年間Niftyを全く使わなかった私は,解約してからこっち,解約したことも忘れてしまうほどNiftyと無縁の日々を送っていました。私がNiftyの人間だったらと考えてみると,ここ数年私のような人間にとって全く価値も意味も持たずに変化をしないでやってきたことは驚きですし,それでも存続できたという事実が,不思議でなりません。もしかすると,私が知らないだけでNityにはとても個性的でNiftyでしか楽しめないなにかが,あったりしたのかも知れません。

珍しいフロッピーディスク

 先日実家に戻った際,ちょっと変わったフロッピーディスクを見つけました。

 35歳くらいの人にとっては,5.25inchと3.5inchのフロッピーはおなじみですね。40代になると8inchを使っていた人もいるでしょうが,これらメジャー選手を知っているのは,まあ珍しいことではありません。

 今回ご紹介する2つは,完全に傍流のフロッピーディスクです。

(1)3inchコンパクトフロッピーディスク

 日立がドライブを,メディアをマクセルが規格化したとされ,松下なども加わった小型フロッピーで,ソニーが立ち上げた3.5inchフロッピーディスクの対抗規格です。

 3.5inchが「マイクロフロッピーディスク」だったのに対し,3inchの相性は「コンパクトフロッピーディスク」です。まあ,5,25inchが「ミニフロッピーディスク」ですから,順当に考えるとマイクロが正しい様に思えます。

ファイル 292-1.jpg

 すみません,手ぶれしてますね。

 大きさは横幅が3.5inchフロッピーディスクよりもやや小さく,その代わり縦長です。3.5inchと同じようにハードケースに入れられていますが,厚みは3.5inchの倍近くある感じでしょうか。

 3.5inchと仕組みは違いますが,一応金属製のシャッターが付いていて,要するに8inchや5.25inchの問題点とその克服は,日本のメーカーが主導すると同じような方向に向くということでしょう。

 3.5inchと決定的に違うのは,裏返して使えることです。これは8inchでも5.25inchでもなかったことです。片面しか使わない場合でも,裏返すことが出来なかったこれらのフロッピーディスクに対し,3inchについては裏返して使う事が出来るのです。もちろん,両面ドライブの場合には裏返す必要などありませんから,この特徴はあまり大したものではないかも知れません。

 あと非常に重要なことですが,この3inchフロッピーディスクは,電気的にも論理構造的にも,5.25inchの同一になっていて,物理的に違うだけなのです。OSやファイルシステムなどは5.25inchと全く同じものが使え,本体からはあくまで5.25inchのフロッピーディスクとして見えるようになっています。

 3.5inchもそうじゃないか,と言う人はいると思いますが,最初は違っていたんです。ソニーが立ち上げた時のフロッピーディスクは毎分600回転で5.25inchの倍の速度でした。論理構造も違っていて,5.25inchとは別の仕組みが必要でした。

 3inchフロッピーディスクの影響かどうかわかりませんが,その後3.5inchも回転数を5.25inchと同じにし,論理構造も5.25inchと同一になりました。ただ,当時主流になっていた5.25inch両面倍密度(いわゆる2D)とまったく同じに扱うことが出来たのは3inchフロッピーディスクだけの特権で,これを武器に5.25inchからの置き換えを狙ったんだと思います。

 なぜ衰退したのか分かりませんが,3inchに2DDや2HDが出なかったように記憶して(間違っているかも知れません),高容量化に乗り遅れたことと,低価格化が進まずユーザーが増えなかったこと,なんだかんだでアメリカ企業の参入がなく,そしてIBMが3.5inchを採用したことがとどめとなり,決着したんじゃないかと思います。

 3inchは胸ポケットに入ることを狙ったそうで,もしも当時マイナーだった3.5inchがマイナーなままだったら,扱いは楽になっていたかも知れません。ほら,3.5inchって案外取り回しが良くないでしょ?

 ちなみに写真のディスクですが,X1のHuBASIC1.0(CZ-8FB01)のシステムディスクです。幻のX1Dに付属していたと思われます。X1のフロッピーディスクは5.25inchの2Dから始まり,3.5inchへは移行しませんでしたから,5.25inchの置き換えとして3inchの採用はごく自然な流れだったと思います。


(2)5.25inch謎の高密度フロッピーディスク

 これは全くの謎なのですが,偶然手に入れた5.25inchのフロッピーディスクです。

ファイル 292-2.jpg

 プラスチックのケースに入り,しかも金属シャッターが備わっています。ラベルには「MD/HD」やら「12MB」やら「ServoWritten」やら,賑やかな文言が踊っています。しかもバーベイタムがコダックの子会社だった時代(1985年から1990年)のものです。

 裏面はこんな感じです。

ファイル 292-3.jpg

 MDはミニフロッピーディスクのことで,5.25inchです。柔らかいジャケットをそのままケースに入れたもので,シャッターを指で開くと,そのまま5.25inchの見慣れたジャケットが出てきます。ただし,チャッキングについては,両面から挟み込む構造が取れませんから,チャッキングプレートがディスクに取り付けられており,そのままケースに入れてあります。

ファイル 292-4.jpg

 後の5.25inchも8inch互換の2HDタイプが登場し,この時HDという言葉が使われるようになりましたから,このフロッピーディスクの「HD」はそれ以前のもの,と言えるでしょう。容量はなんと驚きの12MBです。本当なのか?

 ラベルには78セクター,333TPIと書かれていました。5.25inchの2Dでは,48TPIで40トラックですから,記録半径は0.833インチ,同じ記録半径に333TPIで書き込むとトラック数は277.5トラック,ざっと278トラックですか,すごい。

 5.25inchの2Dでは,フォーマット時に1セクタあたり256バイト,これが1トラックあたり16セクタあり,さらに40トラックで片面160kバイト(両面で320kバイト)ですから,同じフォーマットをかけたとして,このフロッピーディスクでは1セクタ256バイトで78セクタですから,1トラックあたり19.5kバイト,これが278トラックで片面5421Kバイト,両面では10842kバイトで大体10.6Mバイトという感じですね。

 大体公称値に近いところが出てきました。

 ちなみに,PC-88VA(1988年発売)でのみみられた,3.5inchの2TDという規格は,2HDに対して3倍密度3倍トラックで9.3Mバイトというとんでもない容量を実現していました。一説によると2TDはハードディスクコントローラICでアクセスするとか。そりゃそうですね。

 で,ざっと計算をしてみますと,1セクタ256バイトのIBMフォーマットの3倍密度ですから1トラック当たり78セクタ。お,一致しますね。

 そして3倍トラックですから,77トラックの3倍で231トラック。これで片面4504.5Kバイトです。両面だと約9000Kバイトです。なるほどなるほど。

 3.5inchの2HDのトラック密度は135TPIですので,この3倍ですからなんと405TPIですか。これはなかなかすごいことをやっていたんですね。

 さらに気になって調べて見ると,2SDなる規格まであったそうです。知りませんでした。容量は21Mバイトで2TDの倍のようですが,すでに数年前にJISからも抹消されています。ググってもほとんど引っかかりません。

 ということで,ハードケースに収まった5.25inchも聞いたことがありませんし,ドライブもみたことはありません。よってこのディスクの中身に何が入っているのか,知る手立てはありません。ググっても出てこない,Wikipediaにも触れられていないということは,余程の黒歴史なのでしょう。恐ろしいことです。

 バーベイタムがコダックの子会社だった5年間の間に,PC-88VA3で2TDがデビューしていますから,時期的にはこんなところでしょうし,技術的にも特に強烈というわけではなさそうな感じがします。しかし,当時のハードディスクもこんなくらいの容量だったんじゃなかったでしたっけ。

 ちなみに,シャッターを開けて笑ってしまったのですが,盛大にディスク表面にカビが発生しています。これ,バーベイタムのフロッピーディスクの伝統です。かつての実家は結露がひどい家で,カビも発生しやすい環境だったのですが,各社のフロッピーディスクを使っていた我々兄弟は,ことごとくバーベイタム(当時は化成バーベイタム)のフロッピーディスクが盛大なカビで全滅するという現実に恐怖しました。我々兄弟の間でバーベイタムのディスクが購入禁止になったのはこの時以来です。

 記憶では,TDKやマクセルはカビの発生は少なく,しかしカビの発生が全くなかったのはIBMブランドのディスクでした。なぜか安かったですし,見つけ次第買っていたことを思い出します。

 今思うと,バインダと呼ばれる,磁性体をポリエステルのディスクの表面に塗布する時に使う「糊」が,カビにとって「おいしい」ものだったからでしょう。


 てなわけで,2つのちょっと珍しいフロッピーディスクをご紹介しました。実家には5.25inchの2Dノーブランド10枚未開封とか,3.5inch2DD未開封とか,いろいろ出てきたんですが,これらはなんだかんだで古いパソコンを使うときには必要になったりしますから,まあ保存しておくのがよいでしょうね。

なんだか知らんが最近モバイルブームになっている私

  • 2009/05/07 14:11
  • カテゴリー:散財

 AdvancedW-ZERO3[es]を今さらながらに手に入れました。

 先日W-SIMを手に入れたわけですが,その利用価値を高めるために,以前からなんとなく欲しかった(実はとてもうらやましかった)W-ZERO3シリーズを使ってみようと思い,差がしてみることにしたことが始まりです。

 ヤフオクをざっと見てみましたが,大体相場はAdvancedW-ZERO3[es]で1万円ちょっとくらいのようです。私の場合,ヤフオクは有料会員ではありませんから入札は難しいのが現状です。そもそもオークションは現物も見られませんし,動作確認も出来ません。安く買えても外観やLCDの傷,キーの状態や汚れなど写真ではよく分からないですから,ちょっとためらいがあります。(安くではなく高く買ってこれだと泣きたくなりますし)

 あと,ヤフオクは,どうも喫煙率が高い様な気がして,私の場合大概たばこ臭くて困ります。古本はやっぱりちゃんとした古本屋で買うに限りますね。

  てことで,連休中に実家に帰省した際に,日本橋の中古屋さんをぶらぶらしてみました。案外取り扱いが少ないのでがっかりしたのですが,こういう場合はやはりソフマップ,複数の在庫があるのはここだけでした。

 値段はざっと17000円から18000円というところです。程度の悪いものは14000円くらいからあるようですが,AdvanceではないW-ZERO3[es]が7000円くらいで売られているのを見ると,果たしてAdvanceに1万円の差があるのかどうか,ちょっと悩んでしまいます。

 と迷っているのもなんなので,店員さんに話を聞きます。彼もAdvancedW-ZERO3[es]のユーザーだそうですが,ユーザーとしてはやはりAdvanceの方がおすすめだと。私が気にしていたWindowsMobileのバージョンが6になったこと,CPUクロックが上がったこと,メモリが増えたり画面の解像度が高くなったり,無線LANが入ったりしたことは,彼にとってはそれ程大したことではないようでしたが,大きさが小さい事,電池がよく持つ事については,従来機種との比較というわけではなく,この機種の気に入っている点だ,という話でした。

 棚を見ると,12800円という値段で出ているものがあります。見れば電池の水濡れシールが変色しているので,電池の保証無しという品でした。本体は他と同じく1ヶ月間の保証ですので,電池だけがリスクということになります。

 事情を聞いてみると,電池の水濡れがあることは評価を下げるポイントらしく,それがわざわざ安くしている理由なのだそうですが,参考までの彼の私物のAdvancedW-ZERO3[es]の電池も,水濡れシールが変色していたのを見て,二人は声を出して笑ってしまいました。まあ,ポケットに入れておくと湿気で変色するものですからね。

 それに発売から2年も経過する商品ですから,電池に保証があってもまともに使える期間はそれほど長いとも思えません。6000円以上もする電池をどうせ買い直すなら,単価が安い方が得でしょう。

 とはいえ,13800円のまともな中では最安の商品も気になります。見せてもらうともう傷だらけ。スタイラスが欠品している上,申し訳ないですが不潔感すら感じます。それに引き替え12800円のものは程度も良く,多少の塗装の剥げくらいで欠品もなし。

 シリアルナンバーも12800円の方が随分新しいようで,買うならこっちだなあと判断し,12800円のものを買いました。電池が切れていたので起動させることは出来なかったですし,そもそもちゃんと充電できるのか不安ですが,まあ大丈夫でしょう。

 実家に持ち帰り,充電を始めてみると,3時間ほどで満充電です。ちゃんと起動しますし,W-SIMを差し込むと問題なく通信も可能です。電池の持ちも長いとは思いませんが,実用十分な長さです。3時間ほど使って電池残量が75%ですので,無保証にしては立派なものでしょう。

 実家では満足なネットワーク環境も資料もありませんから,ソフトのインストールもカスタマイズも出来ず,基本機能で試行錯誤することしかできなかったのですが,2日ほど使って慣れる時間があったことはかえって良いことだったかも知れません。

 800x480の美しい液晶は大変見やすく,まるで印刷物のようです。ざっと計算して311dpiという高解像度は,もう十分印刷物のクオリティです。Today画面が現れたときには,一瞬「おっ」と思わせる驚きがあります。

 WindowsCEがルーツのOSですので表示は簡素で,操作することへ楽しさや見た目の満足感は希薄ですが,なんといってもPCではなく,一昔前の携帯電話サイズでPC向けのメールやWEBブラウズが,特にストレスもなく可能になってしまうことは,ちょっとした感激を覚えました。

 また言うまでもなく,24時間繋ぎっぱなしが許されますから,繋がっているという安心感があります。携帯電話では当たり前な感覚ですが,携帯電話とPCの間を埋めるマシンとして,そのいいとこ取りを実現したマシンと環境に,これまで知らずに来たことを悔やみました。

 しかし,WindowsCEですから,やっぱり使いにくいです。軽快感もありません。やりたいことに届くまでのステップがいくつも必要で,到達感(と満足感)への距離がなかなか遠いように感じられます。そこでカスタマイズが必要です。

 自宅に戻ってきてから,途中で購入した本と,先人達の貴重な経験を参考に,カスタマイズを行います。

 特に,HOLDスイッチとサスペンドを連動させる機能は必須で,これがない時に,サスペンドに入る時と入らないときの違いが分からず,いろいろ実験してネットワーク接続が切れないとサスペンドに入らないことを知りましたが,切れてしまった接続を再び繋ぐのが結構面倒で,これら一連の動作を自動化してくれるユーティリティは,手放せません。

 skype,ファイルブラウザ,エディタ,FTPクライアント,ターミナルエミュレータ,時刻同期などのアプリケーションを一通り入れて動作の確認を済ませるのに数日かかりましたが,どうしてもGoogleTalkのクライアントにいいものが見つかりません。チャットはskypeでやれ,ということでしょうか。

 そして驚いたのがPC-9801エミュレータです。15年前に使っていたPC-98RLからBIOSを抜き出し,当時のHDDのイメージをPC上のエミュレータで使っていたのですが,AdvancedW-ZERO3[es]上でもちゃんと動くんですね。伊達に500MHzオーバーのCPUではありません。さすがです。

 最後に禁断のクロックアップ。PXA270のレジスタをいじってクロックを変更するユーティリティがあるので試してみました。

 体感上はっきり違いが分かるのは,クロック650MHz,RAMが130MHzの時です。LCDが65MHzに落ちるせいもあるのでしょうが,なかなか軽快です。ただしLCDクロックが標準の104MHzから変わるせいで,カメラは正常に動作しません。

 そこでCPUが648MHz,RAMとLCDが104MHzの設定にすると,カメラは問題なしですが,今ひとつサクサク感が削がれます。今時のSDRAMはほとんどが133MHzまで動く物ですから,RAMの速度が133MHzにならないことはもったいないので,カメラを犠牲にして,私はあえてRAM130MHzの設定で使う事にしました。安定して動作するので助かります。

 そうして実運用に入ったわけですが,思いの外快適です。メールの取り込みと削除はすべてキーの操作で出来るようにしましたから,まるで携帯電話でメールを取り込むかのような気軽さで,PC用のメールをささっと確認出来ます。

 WEBはまだ重たいですが,これはPHSの回線の細さもあります。そこで以前,自前のサーバーに置いた携帯電話向けデータ量削減スクリプトを通してアクセスするようにしてみました。

 自前のサーバーですから,自宅内なら問題なしですが,外部からだとADSLの帯域の細さが問題になりそうですが,PHSがそもそも128kbpsですのでここがボトルネックです。実際,このスクリプトを経由すると,重いサイトでも軽快にブラウズできます。元々PalmTX用に立ち上げたものですが,こんな事で役に立つとは思いませんでした。

 そのサーバーにSSHで繋がるようになると,もう感激です。日本中どこからでもこのサーバーをメンテ出来るなんて夢のようです。ただし,落としたり盗まれたりしたら最悪ですから,気をつけないいけません。

 ということで,あまりいじりすぎると不安定になりますし,不満なところはほぼ改善されましたから,このくらいでカスタマイズはやめておきましょう。

 こうして,私のモバイル環境は劇的に進化したわけですが,この環境が2年間の期限付きであることをふと思い出し,その頃にはどんな環境が使えるようになっているのかなあと,そんな風に考えました。

 2年後,128kbpsという速度が主流として使われていることはないでしょうし,かといって高速なサービスが高価なままでは,私のようなユーザーはモバイル環境を手放すしかありません。遅くてもないよりまし,という考え方で言えば,ひょっとすると今の環境が一番恵まれていると言うことになる可能性もあります。

 携帯電話との融合が果たせればそれが一番よいのですが,毎月980円というコストで携帯電話がPC並みに使える世の中は来ないような気もしますから,願わくは遅くてもいい人向けに,980円を維持してくれるとありがたいかなあ,などと思います。

 気になるのはiPhoneの動向ですね。もしiPhoneがDoCoMoに来て,使い放題が1ヶ月4000円までなら切り替えたいところですが,さすがにそれはないかなあ・・・

 2年間は嫌でも使い続けないといけないPHSです。しかしAdvancedW-ZERO3[es]が想像以上によい端末だったので,この2年間は快適に過ごせそうな気がします。

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