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2009年07月の記事は以下のとおりです。

チキショー,ローランドめ

 先日の日曜日ですが,満身創痍のD-70の鍵盤の調子が悪く,修理を行う事にしました。私が購入したのは1992年頃ですのでもう17年ですか・・・その頃生まれた子供はもう高校生ですよ・・・

 D-70にはよく知られた欠陥があって,最も有名でかつ最も深刻なのは,鍵盤に貼り付けられたウェイトが剥がれ落ちる問題です。接着剤が経年変化により溶けてしまい,水飴のように柔らかくなってウェイトもろとも落ちてきます。

 この接着剤が非常に厄介で,長い時間を経ても固まったり乾いたりせず,いつまでもドロドロと柔らかいまま,少しの斜面でも流れてきます。しかも付着すると水はもちろん,洗剤やアルコールでも簡単には剥がれません。強力な溶剤には溶けますが,そんな溶剤はプラスチックも容赦なく溶かしてしまいます。

 その上,この接着剤はある種のフィルムを溶かしてしまうようで,キースイッチ部のフレキシブル基板を溶かして,キーが電気的に切断されてしまうような深刻な事態が私のD-70には起こっていました。これは絶望的な故障です。

 もちろん黒鍵も同様ですが,黒鍵の方がややこしい場所にウェイトがくっついているので,なおたちが悪いです。

 そんなわけで,昨年の春だったか,鍵盤のウェイトにシリコーンの充てん剤を塗り込み,接着剤が落ちてこないようにするというやや後ろ向きな対策を行ったのですが,この対策後,特に黒鍵の反応の悪いものが出始めました。

 弱い打鍵で反応がない,あるいは遅れて発音するという症状で,ベロシティをセンスする仕組みから考えると,最初に接触するスイッチの接触が不良だろうと思われます。

 キーの組み付け精度の問題だろうと考えて,おかしいキーを外してきちんと組み付けてみたのですが,全然変化がありません。

 これはメンブレンスイッチに問題があるのかも知れないなとカーボンの接点を清掃してもう一度組み上げますが,結果は同じ。おかしいと思いキーを正常な位置のものと入れ替えて見ると,問題はキーそのものにくっついていきました。

 試しにメンブレンスイッチを直接指で押してみると,正常な場所と問題の場所で,音の出方に変化はありません。これはキーに原因があるようです。

 シリコーンを充填したときにはみ出た充填剤が悪さをしているか,あるいははみ出た充填剤をカッターで削ったときにキーの内側も一緒に削ってしまったことが問題なのだろうと考え,はみ出た充填剤を丁寧に削り,組み上げますが変化無し。ならば誤って削ったキーの内側が原因かと,少し削って0.4mmのプラ板を接着してみることにしました。

 悲劇はこの時起きました。

 大きめのプラ板を接着し,乾いた頃にカッターでプラ板を切ることにしたのですが,あいにくその日は愛用のクラフトナイフが見つからず,やむを得ず普通のカッターナイフを使っていました。さらに悪いことに,カッターの刃が短くなっていたので,新しいものに交換を済ませたばかりでした。

 グリスで滑りやすくなっていた手は,押し当てたカッターの力に負けて滑り,角度の変わったカッターの刃は,私の左の中指の先端に,音もなくずぶずぶと入り込んでいました。

 いやー,びっくりしましたよ。反射的に左の手をぶんっと振り回し,「えらいことをした」と大慌てで流し台に行くのですが,血は床に飛び散っているし,止めどなく指から流れ出ています。流れ出るというより,吹き出る感じでしょうか。血というのは,盛り上がって出てくるですね。

 恐ろしくなったのですが,水でよく洗い,心臓よりも高い位置に傷を上げて血が止まるのを待ちます。不思議なことに,全く痛みはありません。

 傷口を見ると,見事なくらいバックリいってます。斜めに入ったようですが,爪に当たって止まった感じです。骨の上をかすめたのか,骨に当たって止まったのか分かりませんが,どっちにしても最深部で5mmくらいはありそうです。長さは15mmくらいですので,これは結構大きな切り傷です。

 血が吹き出るのを止めるのが先ですが,なかなか止まってくれません。血で染まったティッシュを何度か交換して1時間近く経過して,ようやく止まってきました。やれやれです。

 なんといっても痛みが全くありません。良く切れる刃物で切ると痛みがないといいますが,やっぱそんなものかも知れませんね。

 傷をずっと見ていると,勢いが強くてこのまま爪ごと指先を切断してしまったら・・・とか,骨を切ってしまっていたら・・・とか,とにかくぞっとするような想像ばかりをしてしまいます。私はこんな人ですが,自分の血を見てもふぅ,となってしまうほど,グロには弱い人です。某「けいおん!」のベーシストにも負けず劣らずの,痛い想像が大の苦手です。きっと彼女とはわかり合えることでしょう。

 ということで,こういう時は仕事をするに限ります。左手は頭の上まで上げ,右手だけで汚した床を掃除します。それが終わると作業を再開し,先程接着したプラ板をニッパーで切りそろえ(最初からニッパーでやっときゃよかったんです),その効果を見てみます。

 結果は失敗。何の変化もなし。私の血と肉は全くの無駄となりました。

 しょぼくれていても仕方がないので,問題のあるキーとないキーを良く見比べて見ますが,私の目には違いが分かりません。確かに微妙な削れはありますが,少し角が取れている程度の話です。この程度でこれだけの差があるなら,もうこのキーは使い物にはならないでしょう。残念ですが廃棄するしかありません。

 廃棄・・・そういえば,私は練習にライブにと必ずD-70を担いでマスターキーボードとして使っていたわけですが,ラフなオルガンプレイでキーを壊してしまったことから,補修部品として交換用のキーをストックしてあったことを思い出しました。

 こういう時のために交換部品を持っているわけですし,もう17年も使っているキーボードのキーをもう一度交換しないといけないほど,今後使い込むとは思えません。そう考えて押し入れにしまってあった部品を取り出して見ると,恐れていたことが起こっていました。

 当たり前の話ですが,このキーの対策品がローランドから出てきたのは90年代後半の話で,私が手に入れたキーはもちろん未対策品。よって綺麗にビニルで包まれたキーは,まるで血みどろの様相で,そこに収まっていました。

 あまりにひどい。あまりにむごい。

 白鍵は1つ100円,黒鍵は1つ200円なのですが,合計で数千円にもなるストックは全滅。例外なく接着剤が溶け出しています。取り付け済みの鍵盤と違い,溶けた接着剤はキーのあらゆる部分に回り込み,もう壊滅状態です。これを綺麗に拭き取るだけでも大変な時間と手間がかかるでしょう。

 5つあった黒鍵を取り出しましたが,そのまま使えそうな状態のものは皆無です。やむを得ずアルコールで少しずつ拭き取り,シリコーンを充填して,なんとか交換出来そうな状態に仕上げました。我ながらよくやりますねぇ。

 しかし,シリコーンが硬化するまで時間がかかりますし,両手が必要な作業は続行できませんので,バラバラになったD-70をとりあえず片付けて,今日の所はあきらめることにします。無理に片手で検討を続行しようとしてメイン基板をショートさせ,ヒューズをポンと飛ばしてしまったことは内緒です。

 そんなわけで,ようやく血が止まり,週末のお約束の掃除機がけと食事の用意を,不自由しながら行ったわけですが,傷口を見るとやっぱりおそろしい。パカッと1mmほどの真っ赤な隙間をさらしています。おそらく刃の通った部分だと思うのですが,傷の深いところが黒い色をしています。うずきもしないし,痛みもない,腫れもないので,本当に不思議ですが,指先の感覚はあるようですので,神経は大丈夫なようです。

 考えてみると,左の中指を失うと,ギターもキーボードも今までのようには楽しめません。利き手である右手も大事ですが,私にとっては左手も同じくらい重要であることがつくづくわかった気がします。

 血が止まってからは,本当になんともないという感じです。汚れないように絆創膏を貼っておきますが,血がしみ出てくることも少なく,本当に実害がありません。

 そんなだから,お医者さんに行くべきかどうか考えたのは落ち着いてからで,こんな状況ならいかなくてもいいんじゃないかと様子を見る事にしました。

 翌日,化膿すると第一関節から先を失うかも知れないと,また恐ろしい想像をしてしまったので,ドラッグストアに出向いて,塗り薬の抗生物質を買ってきました。塗る度に思うのは,やっぱりすぱっと先を切り落としてしまっていたら・・・という怖い想像と,こんな深い傷,本当にほっといて直るのかなあという心配です。

 google先生に相談すると,同じような思いをした人の体験談をたくさん見せてくれました。気分が悪くなり,くらくらするような思いをしながら読んでいくと,小さい傷でも医者に行くべき,医者にかかると治りが早い,医者にかかるなら怪我の直後に行くべき,ということでした。

 まあ,素人判断で取り返しが付かなくなるのも嫌ですし,長くて深い傷なので縫ってもらう方がいいかも知れないと,火曜日の午前中にお医者さんに行きました。この段階で,かなり傷はふさがっており,おかしな腫れも痛みもなく,悪い兆候はなさそうです。

 お医者さんはニコニコしながら,「どれどれ・・・うーん」と困った顔をしています。私は「もうこうなってしまうと,どうしようもないですよね」と,負けないようにニコニコしながら言うと,先生は「そうだねえ,どうしようもないねえ」とさらにニコニコしておっしゃいます。

 おもむろに「テープ!テープでがちっと留めよう」と,看護師さんにテープを持ってくるように指示を出します。細いテープで固定するのではなく,大きめのテープ1本で,傷を閉じるようにがちっと固定しようということのようです。

 先生は「いまごろくるなよ」と愚痴りたいのを我慢しつつ,慣れた手つきで,しかも傷の部分だけは自らの手で遮って私に見せないように配慮され,気が付くとこれまた痛みも出血もないまま,テープで綺麗に固定されていました。

 えらいもんですね,それまで伸ばせなかった指が,少し伸ばせるようになります。テープで固定というのは,上手にやるとこんなに効果があるものなんですね。

 「これで様子をみましょう。なにかおかしくなったら来て下さい」とニコニコして言われた先生は,4日分の飲み薬の抗生物質と消炎剤を処方され,この日の診察は終わりました。

 まあ,ここまでくればもう心配ない,念のため,という感じだったのでしょうが,塗り薬はなにかと不便なので飲み薬はありがたいです。

 工作好きの人間ですから,怪我は日常茶飯事のことです。指先を切るなど珍しくもないのですが,そんな趣味の人だからこそ指を失うことは恐ろしいことでもあります。これまで最も深い傷でも3mm程度だったことを考えると,今回の5mmというのは過去最大です。

 なんだそんな程度かよ,というなかれ。怪我はしないに越したことはありません。怪我自慢は自慢にならん,が私の持論です。

 でも,今回の一件は,非常にいい勉強になりました。気乗りしないときの作業は特に気をつけること,グリスなどで滑りやすいものを相手にするときにはさらに気をつけること,刃物を扱う基本をもう一度見直すこと,深さ5mmくらいなら直る,それでも素人判断はしないで潔くその道のプロに任せるべし,そしてテープを上手に使うと随分楽になる,と言うことですね。

 心配事が消えて,あとは怖い想像と戦う日々になりそうですが,子供の頃はもちろん,若い頃は怪我をしても落ち着いたらなんとも思わなくなっていたのに,歳を取るごとに精神面が弱くなっているなあと感じますね。皆さんはそんなことはないですか?

 爆発でもなんでもそうですが,理屈の上では,細い部分やくびれた部分が応力に弱いわけで,まずそういう部分からちぎれたり飛んでいったりするものです。昔,かんしゃく玉を指先で爆発させたことがありますが,子供の柔らかい指先が無事だったことは,今にして思うと奇跡的なことだったのかも知れません。

 おしりとか太股とか,そういう部分は少々深くてもどうにかなるでしょうが,指は簡単に取れてなくなるでしょうから大事にしないといけないなあと,怖い想像におびえながら,つくづく考えてみる機会となりました。

DxVAによる動画再生のハードウェア支援

 先日,GeForce6200Aのグラフィックボードを買ってはみたものの,地デジ視聴時のあまりのコマ落ちに使用を断念,その後ドライバを古いものにすることでなんとか実用レベルに引き上げた話を書きました。

 この話,その後もぼちぼち調べてみると,技術的にもなかなか興味深いお話が分かってきました。まず,動画再生のような重たい処理は,ハードウェアの支援があった方が合理的なわけですが,それをGPUがちゃんと果たしているという事実です。

 実のところ,この手の「ハードウェアによる支援」というのは案外眉唾なイメージが私にはあって,確かに積和演算を専用ハードウェアで行うのは合理的でも,結局上位のアプリケーションからハードウェアに到達するまでにドライバだのラッパーだのHALだのといろんなソフトウェアが間に挟まって,結局軽くならないという馬鹿馬鹿しい事を何度も見せつけられてきました。

 だから,それらオーバーヘッドを少なくする工夫をすることと,オーバーヘッドがあっても全然得をするくらい高速な演算器を用意することが,成功の鍵だと思っているわけです。そう考えると,3DグラフィックにGPUを用いることが当たり前になった事実は,非常にわかりやすい成功例と言えるのかも知れません。

 同じ話を動画再生にもという話な訳ですが,動画再生は高速なCPUを使ってもどうにかなる世界ですから,GPUがないとどうにもならない3Dグラフィックとは,必要度が違ってくるように思います。ですから,私はGPUによる動画再生の支援などは,セールストークの1つだと考えていました。

 しかしこの考えは甘かったです。

 結論からいいますと,これまでCPU負荷が40から50%程度だったものが,20%前半から30%前半程度と,一気に半減しました。さらに負荷の変動も小さく,安定したものとなっています。結果,コマ落ちはほとんどなくなり,実に快適に地デジ視聴が可能になりました。すごいです。

 なにをしたかと言いますと,MPEGデコーダの設定を,DxVAを使用する設定に変更しました。レンダラはVMR7を選んでいます。VMR9だとコマ落ちがひどいです。

 WindowsXPですから,DxVAが必須ではありませんし,メモリ消費が増えてしまったり速度が低下することもあるということで,私は使わずに使っていました。また,この設定が有効になるのが,TVTestの再起動によることを知らず,ONとOFFで差がないと簡単にあきらめてしまったことも失敗でした。

 GeForce6200AにはPureVideoという動画支援が実装されています。世代が古いので大したことは出来ませんが,これを使うにはDxVAでなくてはならないです。DxVAを使わずにVMR7を使うと,DirectDrawが利用されるので,ここの速度が低下する最新のドライバでは盛大なコマ落ちが起こるということでしょう。

 DxVAでは,MPEGデコードをGeForce6200Aとドライバが行うようで,デコード時の色相の設定は,MPEGデコーダの設定から行わず,nVidiaのドライバから行うようになります。

 やったことはこれだけです。こういうことなら,もしかするとドライバを最新にすると,さらに軽くなったり,さらに画質が向上したり,さらにMPEGデコード時の調整項目が増えたりするのではないかと思うのですが,ドライバ周りをいじくるのもしんどいので,もうこれでよいことにします。

 歴史的経緯の把握も必要な,Windowsのグラフィック周りの技術的なお話は,それらと無縁な生活を送ってきた私には,相当ハードルの高いお話です。ですのでこの理解が正しい自信もありませんし,もっと良い設定があるのかも知れません。

 ただ,大変面白いのは,やはりGPUをおごったことは正解だったということです。期待以上の性能向上が得られ,実際にそれがこれまで不可能だったことを可能にしてくれています。PCIという前世紀のバスに繋いでもこれだけの恩恵が受けられるというのは,すごいものだと感心しました。

 理屈はともかく,オンボードのアナログRGBでは得られなかった快適な視聴環境がようやく手に入りました。地デジ専用PCとして,妥協するべきところがもうなにもなくなった気がします。目的を達成できて,実に爽快です。

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