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2016年03月の記事は以下のとおりです。

Si5351Aを応用する その3 TCXO時計

  • 2016/03/24 12:37
  • カテゴリー:make:

20160329082050.jpg

 TCXOを時計に使うという話については,以前ここにも書いたとおり,aitendoの時計キットのクロックである12MHzを,デジットで売っている12MHzのTCXOにすることで,ほぼずれることがなくなりました。

 これで私はTCXOの威力を思い知ったわけですが,TCXOは高価ですし,使い勝手のいい周波数があるわけではないのです。これこそSi5351Aを使う動機になります。

 Si5351Aの設定に2ピン,あとはボタンの最低2つ,Si5351からの正確なクロックの入力に1つと,これで5本の端子が必要です。これに一番数の必要なディスプレイを考えると,tiny13Aでは作れそうにありません。

 いやいや,まてまて。手元に100円で買ったaitendoのI2CセグメントLCDがあるじゃないか。

 無駄に大きなLCDで,数字が出るのは下側の1/3ほど。後のセグメントは簡体字だったりするので,怪しさがもうビリビリきてしまいます。

 I2Cなら,SI5351Aと共用できますから,tiny13Aでも足ります。よし,これでいくか。

 まず,tiny13Aはタイマ/カウンタが8ビットです。しかもカウンタへの外部からの入力はプリスケーラも挟めないので,分周は最大でも1/256です。

 CPUクロックをタイマにも入れる場合であればプリスケーラを通せますのですっきりまとまりそうな気もしますが,Si5351Aからクロックが出るのは,Si5351Aの設定が済んでからです。CPUの動作クロックが入ってこないのに,どうやってSi5351Aを設定するのか・・・

 なので,RC発振の内部クロックでCPUを動作させ,Si5351Aで生成したクロックをタイマに突っ込むことにします。精度はタイマへのクロックで決まりますし,CPUのクロックは処理が間に合えば精度はあまり関係ありません。今回はCPUクロックに1.2MHzを選びます。


 SI5351Aで生成するクロックは,当初4.194304MHzにするつもりだったのですが,前述の理由で分周が足りず,ここは素直に32.768kHzにします。Si5351は3kHzから生成出来ますので,これでいきましょう。

 これをタイマーの標準動作で1/256ごとに割り込みを発生させ,用意した他の変数で128個数えます。128になったら1秒ですので,あとは普通に時計を作るだけです。

 また,aitendoのLCDですが,先人達の苦労のおかげで,割に簡単に動かす事が出来ました。数字だけ表示に限定し,表示桁と数字を指定すればそこに表示される関数を作って,おしまい。


 割り込み処理のルーチンは,次に発生する割り込みに間に合わないという最悪の事態を避けるために出来るだけ軽く作るのがセオリーなのですが,秒や分の桁のリセットがちょっとずれてしまい,60と表示が出てしまうことがあるので,時分秒のカウンタの更新とリセットまで,割り込み処理でやってしまいます。

 メインでは,表示だけです。本当は,表示も1秒に1回だけにすべきなんでしょうけど,割り込み内で表示までやってしまうのは時間的に無理そうなので,やめました。

 ボタンは2つだけ,これも簡単に書いて,時計が出来上がりました。TCXOですので,ズレはほとんどないと思います。長期試験で様子を見ようと思います。

 これでプログラムは95%ほど使いました。EEPROMは100%ですし,13Aを結構ギリギリまで使った感じです。Si5351Aの設定に60%ほど使っているのが,痛いです。

 

20160329082051.jpg

 これはLCDの裏側に配置した基板の写真です。左から3.3VのLDO,tiny13,Si5351とその裏側に26MHzのTCXO,スイッチが2つならんでいます。


 ・・・あれ,まてよ。TCXOが欲しいだけなら,Si5351Aを使う事なんかないんじゃないのか?

 外部クロックにTCXOの10MHzを突っ込み,これをプリスケーラで1/64,さらにタイマで1/250して割り込みを書かけ,625カウントで1秒とすれば,Si5351Aなんかなくても正確な時計が出来るじゃないか?

 ちょっとやってみたら,出来ました。なんだかバカバカしい結果ですが,これは32.768kHzを作る実験と,32.768kHzで時計を動かす実験だと思うことにします。

 ・・・と思ったら,なんとTCXOを内蔵したリアルタイムクロックICが売られていることに気が付きました。2ppmとか3ppmらしいです。しかもカレンダーも内蔵,低消費電力とくれば,もう電池駆動も夢じゃありません。

 うーん,今回の工作は,そもそもの存在意義を問われる結果となりました。

 さてさて,SI5351Aを使うために久々にAVRをいじり,tiny13Aという小粒のマイコンで案外いろいろ出来そうだと,その面白さに目覚めてしまった私は,もうSI5351Aに関係なくtiny13Aであれこれ作ってみることにしました。

 次回から数回,tiny13Aの作例を紹介します。

Pebble Time Roundが動き出した


 さて,昨日はPebble Time Roundが届いた話と,最終的に動いてからのインプレッションを書きました。しかし実際には,先の連休を潰してしまうくらい,苦労しています。

 今後のこともあるので,その苦労をまとめておきます。

(1)まずはAndroidで

 使っていないXperia(ST21i)で初期設定をしましたので,とにかくこれで動かしてしまうことにしました。Googleカレンダーはちゃんと飛んできていますし,天気も位置情報も届いています。

 Watch Faceもインストール出来ていますし,一通り動いているような感じです。しかし,Notificationが飛んでくるかどうかは確認出来ないままです。twitterも入れているのですが飛んできません。

 これは,なにか設定を誤っているのか,トラブルで動かないのか,判断が出来ません。ですが,古いXperiaは遅く,メモリもいっぱいで,確認作業がスムーズにいきません。ちょっと不安ですが,Androidでの動作確認はここで中断です。


(2)Talk2Watchを使ってみる

 Blackberry10でPebbleを使う人が必ず試してそのまま常用するであろう,非公式ながらBlackberryネィティブアプリであるTalk2Watchを,私も試して見ることにしました。

 Talk2Watchには無償版と5ドルの有償であるTalk2WatchProの2つがあるのですが,有償版を手に入れても大丈夫かどうかを確かめるためにも,無償版での動作を確認しておきたいところです。

 BlackberryWorldからダウンロード,インストールを行います。早速動作させますが,BBMに接続していますというダイアログがでて,先に進みません。キャンセルをしてもゾンビのように同じダイアログがすぐに出てきて,立ちふさがります。

 何度かやっていると出てこなくなったのですが,それも偶然だったようで,この後再インストールを何度かやる羽目になるのですが,結局一度も前に進めないまま削除することになったりしました。

 これ,解決策としては,BBMへの接続を許可しないという設定をすると,出てこなくなります。

 先に進めても接続が不安定で,その上繋がっても全然データが飛んできません。

 Googleカレンダーも全然,Notificationも全く,とにかくなにも飛んでこないのです。

 PINGというのがあったので試して見ましたが,これは問題なし。Pebbleの画面にPINGという画面が出てきますので,繋がっているのは確かです。

 天気も位置情報も,とにかくなにも飛んでこないのでいろいろ調べてみましたが,他の人はそんなに苦労をしていません。有償版が繋がらないという話は出てきましたが,無償版が駄目という話は見つかりませんから,なにか設定が足りないんじゃないかと思うのですが,散々いじっても全く飛んできません。


(3)公式アプリを使ってみる

 それならと,Blackberryに公式アプリである「Pebble Time」を入れてみます。一部の機能でも動いてくれないと,2万円がゴミになります。

 ちゃんと繋がるし,一応動いているように見えるのですが,GoogleカレンダーもNotificationも,なにも飛んできません。それもそのはず,BlackberryでAndroidのアプリを動かしても,こうしたデータをアプリが取得することは許されていません。

 Watch Facceの入れ替えやアプリのインストールは出来るのですが,それだけではちょっと寂しいです。やっぱり予定表とTwitter,そして私の中では比較的緊急度の高いGoogleTalkが飛んできて欲しいところです。

 ということで,このアプリは使えそうにありません。バックグラウンドで勝手に繋ぎに言ってしまうので,削除しておきます。

 ちょっと脱線するのですが,このアプリを一度削除し,再度インストールしようとした際に,Playストアで「インストール済み」となっていることに気が付きました。本体のアイコンは消えているし,Playストアからインストール出来ないという話だと,一度消したら,二度とインストールできないことになります。

 ESファイルエクスプローラで見れば,apkファイルは残っているのでこれでインストールをしました。

 しかし,やはり気持ちが悪い。

 一方でPebbleが我が家に届くまでのトラッキングを行う為にインストールしたSingPostの公式アプリも,必要がなくなったので削除したのですが,同様にPlayストアではインストール済みになっています。

 Mobile Settingでアプリの情報を見てみると,どうも消えずに残っているようです。

 それでGoogle先生に聞いてみると,どうもBlackberryOSに含まれるAndroidの互換ライブラリに仮分があるらしく,Androidアプリがアンインストール出来なくなっているようです。

 Pebbleの問題に加えて,Blackberryの問題も露呈し,その上設定をあちこち変更しているので,Blackberryの動作も怪しくなっています。かなり混乱してきました。

 翌日のお昼にもうちょっと調べて見ると,これはパッチが出ており,これを当てれば解決するということでした。BlackberryWorldからダウンロードするんですが,普通に検索するとひっかかりません。直接のリンクでようやくダウンロードして,パッチをあてました。

 最後は黙り込んでしまったので,心配だったのですがそのままOSを再起動。結果はうまくいき,ちゃんとアプリが消せるようになりました。その後ですが,CPU負荷も急に重くなることがなくなり,電池の持ちも改善,安定するようにもなりました。


(3)他のアプリを探す

 Talk2Watchもだめ,公式アプリもだめ,ですから,他を探してみましょう。BlackberryWorldで探してみると,pbblというソフトが見つかりました。一縷の望みを託して,起動します。

 接続は安定して出来ています。しかしこのソフト,どうもテスト用くらいの機能しかないようで,他のアプリとの連携も出来そうにないし,自分で情報を取ってくる力もなさそうです。PINGと時計の同期は確実に出来るのですが,それ以上のことはそもそも出来ないようです。残念ながら,これは使えません。


(4)万策尽きた・・・のか

 ここで万策尽き途方に暮れた私は,クククと笑う嫁さんに「こんなもん使い物になるかい」と悪態をついていました。2万円出して,こんなに設定で苦労して,出来る事はTwitterが飛んでくるだけやんけ,と自嘲気味に話していたのですが,それはまあその通りの話です。

 負け惜しみも兼ねて「そもそもスマートウォッチが便利な人は,スマホ中毒の人の末期症状の人だけやん,私はスマホをほとんど使ってないから,関係ないのよ,:などと苦し紛れにいっては見ますが,嫁さんの目は相変わらずスケベな笑いを湛えています。

 そうです。3万円で産業廃棄物を買った私がいうのです。あれは頑張って修理して,まるでパズルを解くかのように動かす事が出来ましたし,その上動いてからは実用品として活躍してくれています。

 しかし,これはなんだ。2万円出して,全く動かない。手の出しようもない。これこそ人生最大の無駄金だと。

 とはいったものの,本当にこのままあきらめてしまっては,悔しいです。この際Blackberryをあきらめ,最新のAndroid端末を買うことも考えたくらいですが,それはもう本末転倒です。

 なんとかしよう・・・そう考えて,私は深い眠りにつきました。この日,貴重な数時間を投入し,全く成果がないという状況に絶望しました。


(4)仕方がない,有償版にかけるか

 夢うつつで考えていたのですが,事ここに至って,もはや有償版を試す以外に道はないんじゃないかと。

 しかし,無償版が全く動かないのに有償版が動く可能性は普通は低いでしょう。ダメモトで試すには5ドルという価格はちょっと惜しいし,しかもBlackberry Worldで決済が出来るように,カード番号かPaypalを登録しないといけません。これは危険すぎます。

 有償版をとりあえずお試しでダウンロード出来るとよかったのですが,購入するまでダウンロードさえ出来ない仕組みになっているので,まさに一か八かです。

 ここであきらめて引き返し,2万円をゴミにするか,それとも大きなリスクを払って決済手段の登録をし,ダメモトでこのアプリを試して「もう試すことはなにもない」と納得して撤退するか。

 PayPalなら決済できると分かって,これを登録しようと試みましたが,どうもエラーで出来ません。PCのWEBブラウザから登録する方法が紹介されていましたが,すでにその方法は使えなくなっており,ひょっとすると決済手段としてPayPalは廃止されたのかも知れません。

 この検討ですでに1時間が経過しています。だーーーー。

 残るはカードです。怖いです。怖いですが,悔いが残るのも嫌です。

 そこでm決済し,すぐにカード情報を削除することにしました。気休めですが,ずっと登録しておくよりは随分ましでしょう。

 ドキドキしながら,カードを登録,ダウンロードを試みます。カードを登録しても,ダウンロードでエラーが出るかも知れません。しかし無事ダウンロードも完了。決済完了の知らせもメールで届き,インストールも問題なく出来ました。

 すぐにカード情報を削除します。これも問題なし。よかった。消えなかったらサポートに連絡しないといけないところでした。


(5)有償版はどうか?

 さっきからずっとドキドキしっぱなしですが,緊張しながら有償版であるTalk2WatchProを起動します。ちゃんと起動し,Pebbleに繋がりました。

 お,Pebbleに繋がったというメッセージが出ています。

 そして設定をいろいろいじります。そのうち,PebbleにGoogleカレンダーが転送されているのがわかりました。おお,やりました。

 天気も位置情報も飛んできています。お,Twitterも飛んできましたよ。

 思わずガッツポーズです。心の中では胴上げをしています。

 しかし,ぜひ通知して欲しかったGoogleTalkについては,飛んできません。いろいろ試して見ましたが,有償版の設定項目は非常に少なくなっており,いじるところもそんなにないのです。

 一応,GoogleTalkから通知を上げる設定があるのですが,これが機能しません。メールの設定の一部に存在する項目なので,Gmailを受け取るようにしていないとダメなのかも知れません。

 HUBには通知が上がるのに,それが飛んでこない。もうこれはあきらめました。

 冷静に考えてみると,Talk2Watchの通知の上げ方は,OSには依存していないようなのです。BlackberryOSは,OSの機能としてTwitterを取ってくる力がありますので,専用クライアントがなくても,HUBに通知は上がってきます。

 で,Talk2Watchはどうかというと,初回設定時にTwitterにアプリの登録と認証を求められることから,OSや専用クライアントとは別に,Talk2Watchが自分でTwitterに取りに行っているようです。

 同じ理屈で,GoogleTalkもそうだとすれば,どっかで認証が必要でしょう。それを求められなかったということは,OSが持っているGoogleのアカウントを共用しているか,別の方法で求められるはずの認証をすっ飛ばしているか,どっちかです。

 前者のアカウントに統合については,Gmailと共通のはずですから,やっぱりGmailを受け取るようになっていないと,ダメなのかも知れません。

 私は,Gmailはすぐにプライベートのアドレスに転送するので,これを見に行くことはしていません。そこを変更するのは設定云々というより,もう運用の問題になってしまいますから,このあたりが潮時なんじゃないかと思います。

 幸いなことに,BlackberryでもGoogleTalkの新着でLEDも点灯し,HUBにも出てきますから,本当にGoogleTalkを使う時には気にしていればいいだけです。そんなに使う物でもありませんし(でも使う時は緊急です),今回はあきらめます。

 1つの方法としては,BBMを使うというのも手です。GoogleTalkの相手は限られていますので,その人にBBMを入れてもらえばいいんですが,PCやMacのクライアントはないし,WEBベースで使えるかどうかもわかりません。

 それに名前もすんなり読めないような知らない外国人にいきなり「ヘイ,一緒に会話しようぜ」なんて招待されるのも嫌ですし(しばしばこういうことがあります),インスタントメッセンジャーの問題は,おいおい解決していきましょう。


(6)ということで

 やはりというか,それでいいのかというか,有償版の方がアップデートは頻繁なようで,こうして最新のPebbleでも動作しました。無償版は本来有償版が動くかどうかを確かめるものだと思うのですが,無償版が有償版よりも後回しにされるのって,私はどうかと思います。

 しかし,動いてしまえば,もう済んだ話です。

 検討中に便利さに気が付いた,Googleカレンダーも,天気の情報も飛んできますし,twitterも新着を知らせてくれます。

 アプリもWatch Faceもダウンロードしてインストールが出来るようになりましたし,これでももうAndroidと公式アプリは片付けてしまっても大丈夫でしょう。

 丸々24時間かかった検討ですが,どうにかこうにか,動きました。あくまで面白いという枠を越えていませんし,手間をかけてやらねば動いてくれない面倒臭さはこの辺のガジェットの例に漏れないわけですが,実は電車遅延なんかがtwitterで飛んでくるのをPebbleで見られるようになると安心出来るという事がわかりましたし,予定表も手元にあるのは便利です。

 ただ,無償版には設定があった,予定の少し前に知らせてくれる機能はなくなっていますし,どういうわけだか音楽プライヤーのリモコン機能はまともに動かなくなっていました。この辺は妥協できます。

 それと,やっぱりWatch2TalkProを動かしてPebbleと繋いでいると,Blackberryの電池の消耗が激しくなります。通信しているのですから当然ですが,それでも一晩持たないというのは悲しいです。(22時に100%だった電池が,翌朝7時には30%になっていた)

 このあたり,なにか対応策を考えないと,スマートフォンを巻き込んで共倒れになってしまいます。正直面倒な話です。


(7)ベルトの件

 20mmのベルトならなんでもいいだろうと,ヨドバシでナイロン製のNATOベルトを買ったことは昨日書いたのですが,安い品だったのでピンが付属しておらず,すぐには取り付けできませんでした。純正のベルトからピンを外そうと考えましたが,ピンは外れないようになっていたのでこれも断念。

 仕方がないので,セイコーの同じ20mmの時計についてきたピンを探しだし,これにあてがうことにします。そしてベルトを装着しますが,長すぎるようです。純正のベルトと同じくらいの長さにカット,断面をハンダゴテで溶かして仕上げました。

 安物っぽく,ぺらぺらで不満ではありますが,もったいないのでしばらく使いましょう。おさまりはそんなに悪くないですし。

 しかし,1つ問題が。NATOタイプのベルトって,上下で分割されておらず,時計の背面をそのまま通すのです。別にそれでも構わないのですが,Pebbleでは大問題です。充電端子が隠れてしまいます。

 いろいろ考えて見たのですが,これはこれでありかもと。

 端子が隠れるとはいえ,固定しているわけではないので,ベルトを少し緩めると端子はちゃんと出てきます。充電には一手間余計にかかりますが,大した事はありません。

 メリットもあります。頑丈なナイロンで端子が覆われるので,安心です。汗や水で劣化するのは,まずこういう端子類からなわけですが,直接表面に出ておらず,少しであれば付着も防げると思うので,むしろ望ましいです。

 ということで,当面これで行くことにします。


(8)余談ですが

 実はこれまで,Blackberry Protectが全く動作しなかったのです。WEBから端末が見えませんでしたし,見えないから場所も確認出来ません。使い物にならなかったのですが,今回の検討で偶然Blackberry Protectにアクセスすると,私の端末がWEBから見えていることがわかりました。

 場所も性格に出ているので,なくしたときには役に立ちそうですが・・・いやいや,なくさないように心がけましょう。


Pebble Time Roundをがやってきた

  • 2016/03/22 15:30
  • カテゴリー:散財

 Apple Watchの登場によって,それまで鳴かず飛ばずだったスマートウォッチが一気に普及すると言われていたのですが,結果は残念ながらそうはならず,やっぱり一部の人が盛り上がっただけのブームで済んでしまいそうです。

 個人的には,それまでのスマートウォッチ,もっといえば1980年代から続く腕時計型コンピュータが「好きな人だけが知っていて好きな人だけが買っている」というであったのに対してApple Watchは,こうしたガジェットに興味がなかったような一般の人たちが注目して,実際に購入に至っている点で大きく異なり,また大きな変化だったと思うのです。

 ただ,非常に惜しいことに,登場前に大きな注目を集め,高価であったにもかかわらず多くの人が手にとったApple Watchは,短い期間で失速しました。当時「結局なにができるの」「iPhoneがなければなんにも出来ない」と,ガジェット好きなら噴飯物であるこれらの苦情が,「普通」の人から出ていた事でわかるように,こうした人々の期待を裏切らなければ,Apple Watchは「知ってるけど自分には関係のないもの」と思われる事はなかったのではないでしょうか。

 確かに,スマートフォンの画面の一部を切り取って腕の取り付けられる様になればとても便利かも知れませんし,そうした使い方でワクワクする人がいるのも事実ですが,ポケットからさっとスマートフォンを取り出せば済んでいるのに,わざわざもう1つ画面を持ち歩く理由は,なかなか見つかりません。

 おもちゃにしては高すぎますし,宝飾品としては値打ちが低すぎます。時計をしない人には全く新しい習慣を身につけてもらうことなり,時計をしている人には,お気に入りの時計の定位置を明け渡してもらう必要があったのですから,そりゃ大変なことです。

 私は,このままスマートウォッチは失速すると思います。しばらくすると「そういうこともあったなあ」と,飲み会の席で話題になることでしょう。

 そう考えた時に,このままスマートウォッチのブームを傍観者としてやり過ごしていいのかと,かつてFossil Wrist PDAを常用していた私は,焦りを感じました。この時代をリアルタイムで経験せねば。

 しかし,私が使っているスマートフォンは,Blackberry Q10です。Androidでも,iPhoneでもありません。

 そんなおり,一部のマニアの間で有名なPebbleの値下げがありました。見てみると,普通の腕時計並みに薄くて小さい,丸いモデルもあるじゃありませんか。

 おお,これは欲しい。普通の時計としても欲しい。

 腕からはみ出すような大きな時計,しかも四角く分厚く,高価なスマートウォッチは,私は欲しくありません。まず時計として機能すること,遊び心があって面白い事,そしてちょっとだけ便利になってくれるようなら,それで十分。

 Pebbleがe-paperを使っていることも興味を惹きました。タッチパネルも持たず,ボタンでの操作です。これもいい。

 そして,いろいろ調べるとBlackberry10なら非純正のアプリによってPebbleが使える事もわかりました。これはもういくしか!

 せっかく買うのですから,ここでけちって気に入らない物を買っても仕方がありません。身につけるものですから,妥協は禁物です。

 そこで,とにかく一目惚れしたPebble Time Roundを品定めです。電池は2日しか持たないと言うことですが,この大きさなら仕方がありません。199ドルに値下げされ,これなら買ってみようと背中をぐいっと押されます。。

 せっかくですので,公式サイトから購入しましょう。選んだのは20mmのヌバックのベルトのものです。20ドルのディスカウントも適用され,送料も無料で手続き完了です。

 送料無料は時間のかかる国際郵便(書留です)で届くのですが,私の場合3月5日に購入手続き,到着は3月20日になりました。10日くらいで届くという人が多い中,15日は長かったといえるでしょう。

 しかし,2週間も旅をして,よくもまあ私の手元にはるばるやってきたものです。

 気になったのは実は関税の事です。1000円くらいの関税を払う覚悟があったのですが,なぜか請求されませんでした。こういうケースもあるようですが,もし後日請求されたら,ちゃんと払おうと思います。

 ということで,衝動買いした割には15日もお預けを食ってしまったPebble Time Roundですが,軽くインプレッションです。

・大きさ,軽さ
 私が普段使っている腕時計よりも小さいくらいで,大きさもそうですが薄いし軽いです。腕時計って重かったんだなあとつくづく思いました。

・質感
 2万円程度の時計と考えれば,まあそんなもんかなと思います。特別いいわけでも,悪いわけでもありません。

 以前,腕時計メーカーの人と話をしたことがあるのですが,とにかく腕時計というのは普通の民生品とは違って,質感とか精度とか,そういうものの要求が特別に高いそうです。ちょっとした傷やへこみ,ムラに対するクレームが強くて,こんなもんですよがなかなか通用しない世界なんだそうです。

 そういう基準で見れば,まあ値段相応のものだろうと思いますが,いかにもスマートウォッチですよというデザインのPebble Timeに比べても主張が少なく,私のように時計を目立たせたくない人にとってもうれしいところです。

 そうそう,ベルトはなかなか良かったです。日本の時計にはちょっと見ないヌバックのベルトですが,さわり心地も分厚さも適度で,柔らかいので腕にもフィットし,快適でした。ただ,後述のように汗で痛むのは目に見えているので,交換することにします。



・画面

 MOTO360のように,画面一杯に丸いディスプレイがあるといいんですが,Pebble Time Roundは5mmほど白い枠が1周していて,その内側の僅かなエリアにだけディスプレイがあります。

  丸いディスプレイを作るのは手間もお金もかかりますが,もともと四角いディスプレイを丸い部分だけ表に出すという方法なんでしょう。低コストで丸いディスプレイを搭載できる作戦は評価しますが,ちょっともったいないですね。

 表示品質はさすがはe-paper,視野角は抜群に広くて,とりわけ明るいところでの見やすさが抜群です。特に青色の発色は気持ちよいです。バックライトはいまいちですが,まあこれは緊急用と割り切ればいいでしょう。


・日本語化

 Pebbleは日本語に対応していませんので,日本語化が必要です。いくつかの方法がありますが,私は面倒な事をしなくてもすんでしまう,Pebble CJK日本語化パックを使わせて頂きました。

 届いたPebble Time Roundを開封し充電してから,使っていないXperiaに公式アプリ(Pebble Time)を入れて,Bluetoothでペアリングしから接続をします。その後アプリを起動するのですが,アカウントの作成とかいろいろ初期設定をやって,いきなり本体のOSのアップデートが始まりました。

 終わったら日本語化パックを入れます。あらかじめ落としたファイルをESファイルエクスプローラで開くだけでおしまいです。

 と,ここまでは何の問題なく完了。まあスマートウォッチとはいえ,小さいコンピュータですからね,Androidを使ってやっていますし,ここで躓いたら金返せって話です。


・とりあえず

 なにせ初めてのスマートウォッチ,初めてのスマートフォンコンパニオンです。何が出来るか,どういう表示になるか,どういう操作をするのか,どういう挙動を示すのか,全くわかりません。今起きている事が正しいのか正しくないのかもわからないなかでの設定作業ですので,暗闇を歩くような状態です。

 実際,動いて使えるようになるまで,相当暗闇を歩かされる事になるわけですが,それは長くなるので次回に。

 今こうして動いているのを見ると,なかなか面白いです。絶賛という程のことはありませんし,結局出来る事って予定表の確認とtwitterの新着を知らせることくらい,後は画面を変えられる腕時計ですので,過度な期待は禁物です。

 実用性という点で見れば,スマートフォンを見ていれば問題ないし,わざわざ腕時計で知らせてもらわなくてはいけないほど緊急のものは私にはありません。

 それより,画面を変えられる腕時計というのが楽しくて,ただただこれだけの機能でもいいかと思っています。

 そうはいっても,時計だけで毎日充電というのは手間がかかり過ぎるのですが,スマートフォンと時刻が同期できているので狂いませんし(実際には狂います),腕時計のバリエーションの1つとして手元に持っていても,私は許せます。

 その点でいえば,丸いから許せるわけで,四角いPebble TImeなどは腕時計としてはかなり使う側に譲歩を求めるものになりますね。丸いのを買って良かったです。

 そうそう,もう1つ面白い事がありました。歩数計がついているのですが,これは案外面白いです。自分がどれだけ歩くのかなど興味もなかったのですが,Pebbleが勝手に計っていてくれるので,もうちょっと長期レンジで値を見ていくと面白い傾向が出てくるかも知れません。


 ヌバックのベルトは安いナイロンのベルトに交換です。ケースが梨地ですので,NATOタイプのベルトは,どれもよく似合うと思うのですが,迷ったあげくに黒とグレーとオリーブドラブの3色を買ってしまいました。

 一番似合うのはオリーブドラブだと思うのですが,安いだけあってペランペランです。これは失敗かも。

 スマートフォンの電池消費の問題など,実際に使ってみて分かることも多いでしょう。しばらくPebble Time Roundを日常的に使ってみようと思います。



Si5351Aを応用する その2 周波数カウンタ編

  • 2016/03/18 14:53
  • カテゴリー:make:

 さて,Si5351Aの応用の2回目,今回は数年前からことあるごとにいじくり回している,自作の周波数カウンタのお話です。

 これも20年くらい前に秋月電子で売られていたキットなのですが,多くの方が作られたキットのようで,未だにたくさんの情報が検索されます。

 で,このキットのポイントの1つはプリスケーラです。私の買った物は2.4GHzまで動作可能な富士通のプリスケーラが搭載されたバージョンで,入力周波数を1/1024にします。

 1/1000ではなく1/1024ですから,結果を直読するにはタイムベースを1000/1024にした周波数に切り替えないといけません。この周波数カウンタの場合,10MHzのタイムベースを1000/1024にした9.765625MHzへの切り替えが必要です。

 このちょっと特殊な水晶発振子も貴重なものらしく,欲しい人はオークションで買ったりしているようですが,私の場合ここに改造TCXOを使っていることは以前書きました。

 実力は1ppm以下の精度とはいえ,そこは改造品です。もやもやしたものがあるのは気分的に良くありません。

 しかしようやく,信頼のおけるTCXOから作った周波数を投入出来るのです。Si5351Aで9.765625MHzを生成するのは,なんの問題もありません。

 本当は10MHzのクロックも一緒に生成してもいいと思ったのですが,そうするとSi5351Aの設定が終了する1秒ほどの間,すべてのクロックが出てこず,周波数カウンタが完全に止まってしまいます。

 電源投入時にリセットもかからず,LEDのスキャンも止まり,しばらく固まってしまうので,クロックが出てから電源を入れるなどの制御が必要になるのですが,そうすると大幅な改造が避けられません。

 そこで今回は,9,765625MHzのTCXO互換のモジュールを作るということにしました。

 26MHzから9,765625MHzを生成する設定を行い,この周波数が出ていることを確認。実は配線ミス(Si5351Aの3ピン(XB端子)に26MHzを突っ込んだ)でとんでもない周波数が出てきたりしたんですが,それは内緒。

 一応,精度の高い周波数が得られたようなのですが,それ以前の問題が発覚。どうもこの周波数カウンタに使われているICM7216というICは,メインクロックの10MHzだけではなく,もう1つのクロック(サブクロックとします)も発振していないと,固まってしまうようなのです。

 そんなばかなと思って,サブクロックの端子をオープンにしました。そうすると固まりません。ここがGNDなりVDDに固定されると,固まるようなのです。

 理由はよくわかりません。しかし10MHzだけではだめなのだと,あきらめることにします。

 ということで,両方のクロックが出揃ったときに,ICM7216の電源を入れるような仕組みを入れざるを得なくなりました。

 そうなると,10MHzを先に別のTCXOで発振させる必要もなくなります。なら,もうちょっと精度の良い,高価な12.8MHzのTCXOから10MHzと9.765625MHzを作ってやることも出来るでしょう。

 ということで,秋月で一緒に買っておいたVM39S5Gという12.8MHzのTCXOを使ってみましょう。これは安価に売っているTG-5021CEに比べると昔ながらの14ピンDIPの大きさで,金属ケースに入ったものです。トリマで周波数を微調整でき,VC端子もあるので電圧制御も可能です。

 秋月によると,初期値は1ppm以内に調整されているということです。まあ,TG-5021CEも初期値は1ppm以内の実力があるので,そこはトントンかなと思います。

 実は,温度特性はTG-5021CEが2ppmなのに対し,これは3ppmですからちょっと緩いのです。その他の特性はほぼ一緒ですので,いかにTG-5021CEがお買い得かわかります。ただ,VM39S5Gは1つ1つ調整がされているので,その分は安心かも知れません。

 後で気が付いたのですが,実はこのVM39S5Gは電源電圧によって周波数が大きく変動します。とあるサイトでは,0.1Vの変動で40Hzも動くのだそうです。初期値を1ppm以内にしてあるというのはあくまで電源電圧が5Vでの話であり,ここが動いてしまうとスペックから外れてしまいます。

 ということで,クロック基板を作り直します。初代の基板は12.8MHzのTCXOとTC5081を使ったPLL,2台目は10MHzのTCXOと改造TCXOのダブルTCXO。そして今回は12.8MHzのTCXOのSi5351Aです。

 電源電圧は電圧可変型のLDOを使い,5.00Vに合わせます。そんなに大変な回路ではないので,割と簡単に完成しました。動作を確認すると問題なし。ちゃんと国民機っぽい起動音も出ます。設定が完了した印をLEDで点灯させるようにもしました。

 問題は,どうやってICM7216の電源を制御するかです。ICM7216にはちょっと高めの電圧を供給するため,5.6VをLDOで作っているのですが,このLDOには制御端子があることに気が付きました。この制御端子をtiny13Aから出している設定完了信号で動かしてやればいんじゃないかと思ったのです。

 実験すると,ICM7216の電源がONになる前に他の端子からの回り込みが発生し,中途半端に動作してしまい,誤動作をすることがわかりました。

 でもこれ,どこから回り込んでいるかわかりません。とりあえずやるだけやってみようとクロック基板を作り,組み込みます。そして電源ON。

 よかった,回り込みによる中途半端な動作もなく,誤動作も認められません。なんどやっても大丈夫です。思うに,回り込みはクロックの入力端子からだったんじゃないかと思います。先の実験では,クロックを入れたまま電源を切っていましたから,回り込んで当然です。

 今回は,Si5351Aからクロックが出るのとほぼ同時に電源が立ち上がりますので,それまではこの端子はLowのまま。これで誤動作は防げたわけですね。

 おかげさまでクロックの問題は解決。SGの周波数も測定しましたが,10MHzも9,765625MHzも申し分なし。

 ついでですから,ICM7216とLEDの間に入っているドライバICを,抵抗入りのTD62003Aに交換しましょう。

 これ,よく知られている設計ミスなのですが,わざわざフェイスセーフだと明言して使っているTD62101は入力に電流制限用の抵抗がないため,ICM7216からダイレクトに電流が流れ込んでしまい,非常に強いストレスをかけています。ICM7216がかなり熱くなるのはそのせいです。

 秋月の設計者はこれを「簡易恒温槽だ」などと言ってますが,外気温に対して変動する以上は恒温槽でもなんでもないわけで,なんだかおおらかな時代だったんだなあと思った石鯛です。

 そもそもTD62101は抵抗をいれて使う事が仕様書にも書かれているわけで,知っている人はみんな,ここに抵抗をいれて使っています。

 私は,そうしたチマチマした改造が面倒だったので,抵抗入りのドライバICに交換してみました。どっちかというと,抵抗入りの方が普通なんですけどね。

 今回は定番中の定番,2003の互換品としてよく知られたTD62003APに交換してみました。

 ちょっと小ネタですが,この2003というドライバICは,オリジナルがスプラーグ(そう,あのスプラーグです)のULN2003です。ダーリントントランジスタが7個入っていて,逆起電力を打ち消すダイオードも入ったタイプなのですが,なにも面倒な事を考えずに,TTLはもとより,MOS-LSIにも直結可能で,コイルなどの重い負荷を楽々ドライブ出来る便利なICです。

 その便利さ故,世界中のメーカーで互換品が作られていて,TIは同じ名称のULN2003,NECだとuPA2003,東芝だとTD62003,となります。

 実際,これを使うとなにも考えずにマイコンにLEDやリレーが直結出来るので,とても便利なのです。

 で,東芝のTD62003がディスコンになったという噂を聞いて,いよいよこの手のICも入手が難しくなるのかなあと思っていたら,なんとこれをMOS-FETに置き換えた新製品,TBD62003に置き換わると言うではありませんか。

 MOS-FETですので,入力電流はいりません。それまで,いかにダーリントントランジスタとはいえ,マイコンにも僅かながらドライブ電流が必要だったわけですけど,それがほぼゼロになるのです。

 1つ1つは僅かでも,この手のICというのは数を使う場合も多くて,ドライブするだけの電流も無視できなくなることがあります。それが本当に無視できるというのですから,うれしいじゃありませんか。


 で,そのTD62003ですが,手持ちがないとあわてて秋月で買った(TBD62003も一緒に買いました)ら,実はパーツケースからゴロゴロ出てきました。とほほ。

 そんな状況とは裏腹に,ドライバICを交換するとあっけなく動作しました。ICM7216の温度も低いままで,これまで20年間,随分辛い思いをさせてきたのだと思うと,涙を禁じ得ません。すまない,ICM7216。

 ということで,何度かの改修を経て,今度こそ完全版になった周波数カウンタ。50円の8ピンマイコンとは言え,とうとうマイコンまで内蔵する羽目になってしまったわけですが,壊れない限りはもうこれ以上いじることはないでしょう。

 次回ですが,Si5351Aを使えばTCXOで時計用の32.768kHzを作る事が出来ます。これを応用して時計を作ってみたので,紹介します。

Si5351Aを応用する その1 スクロールクロック編

  • 2016/03/17 09:43
  • カテゴリー:make:

 さて,作ったからには,使わないといけないというのが私の工作のポリシーでして,Si5351にATtiny13Aで散々検討したわけですから,なにか面白そうな応用を考えてみましょう。

 まずは,バカバカしい応用例として,あの「スクロールクロックの源発振」への応用を試して見ましょう。

 我らが秋月電子に古くからある時計キットの1つに,スクロールクロックという物があります。シャープ製の10x10ドットマトリクスLEDが特価で入ってきた時に,ほぼ同時に発売されたキットだったと記憶していますが,我々はそんな古いキット(しかもPICですよ)が未だに売られているという現実を、ベストセラーと解釈するか,あるいは不人気と理解すべきか,大いに悩むところです。

 不人気の可能性に言及したには訳があって,このキット,確かに面白いのですが,作った瞬間からとにかくがっかりなキットなのです。

 まず,精度が全然出ません。トリマコンデンサでクロックを微調整出来ますし,機能の1つとして進みと遅れを0.08秒/日単位で調整することも出来るのですが,まあとにかく全然追い込めません。結果を見るのに24時間かかると言うも途方に暮れますし,そうこうしているうちにクロックそのものがずれたりしてしまうので,もう暗闇を手探りで歩くようなものです。

 根気よく頑張って,結局調整範囲を超えてしまうことがわかると,もう一気にやる気がなくなります。こういうキットこそ,無調整でばちっと精度が出るように作らないといけないと思い知りました。

 その上,10x10ドットという中途半端なドット数による文字の読みにくさ,10ドットしかないところでスクロールされても一度の表示される情報が少なすぎて,なんだかよく分からない表示になる,LEDチップが小さく,しかも隣と間隔が開いているので少し離れてみないと読めない,でも離れてしまうと小さくて読めないという,結局読めないづくしの時計なのです。

 ラーメンタイマになるのがオチだという書き込みも2chにあったりしたほどですが,1日で数十秒もずれるラーメンタイマでは,ラーメンすら美味しく作れません。

 ある日私は,「それなら周波数カウンタで正確に合わせてみよう」と思い立ちました。プローブの容量で周波数が変わってしまうのを避けるため,わざわざ発振回路を作り,バッファを噛ませてから測定を行い,狙った周波数に合わせます。

 ・・・はて?合わせる?どの周波数に?

 取説を読むと,4.194340MHzとあります。でも,これでは分周しても正確な1秒を作れません。4.194304MHzの間違いじゃないのか?

 付属していた水晶発振子を見れば,4.19としかマーキングされていません。なんじゃそりゃ。これ,最初から精度なんてどうでもいいと思ってるでしょ。

 ところがこの水晶を使って,4.194304MHzには出来ませんでした。4.194349MHzにもうまく合わせる事が出来ず,この水晶はあきらめました。

 手持ちを探すと,自動車のECUに使われていたフィリップス謹製の4.194304MHzが出てきました。おお,これはすごい。これで発振回路を組んで,ばちっと4.194304MHzに合わせます。これで楽勝だと思って数時間後,派手にずれているではありませんか。

 ここで私は力尽きて,スクロールクロックはジャンク箱に放り込まれることとなりました。

 今回は,これを復活させようというわけです。そもそも,前回までの検討では,クロックの周波数の理論値が分からない上に,発振周波数も小数点2桁までしか記載がなく,温度特性も含んだ精度だっていい加減です。時計が狂うのは,何が原因か分からないじゃありませんか。

 そこでTCXOにSi5351Aです。これなら実力で1ppm以内の精度を作り出せます。

 まずは,取説のとおり,4.194340MHzを作ります。これで試してみると,24時間で7~8秒程度のズレが出てきました。ということは,4.194340MHzが理論値ではないということになります。

 なら,取説の誤記と考えて,カウンタを22段使えば1秒が作れる4.194304MHzにしてみましょう。それでも,3時間で数秒のズレがしまいました。どうやら,これも違うようです。

 なら,なにが正解なのか。ソースもありませんので,推測するしかありません。そもそも,このクロックをどんな風に使って1秒を作っているのかさえも解りません。空ループをまわして作っているんだとしたら,ちょっと心許ないです。

 ざっと計算すると,4.194340MHzの時,86400秒(24時間)で7秒ずれたわけですから,これがぴったり86400秒になるような周波数は,切りのいいところで4.194MHzです。

 この時計の設計者は,どうせ精度など追い込んでも仕方がないし,水晶発振子も4.19MHzまでしか書いていないようなものだから,とりあえす4.194MHzで作っとけ,あとは調整頑張れ,という軽いノリで作ったんじゃないかと思います。

 かくして,Si5351Aに4.194000MHzを設定。ちゃんとこの周波数が出ていることを確認して,スクロールクロックの電源を投入。

 24時間経過後,1秒ほどずれていました・・・こんなことをやっていたら切りがありません。24時間で1/100秒に追い込んでも,3ヶ月もすれば1秒ずれるわけです。しかも,それがわかるのは3ヶ月も先です。(これはこれで立派な精度なんですが)

 そもそも,こういうことが面倒だから,理論値をびしっと生成出来るSi5351Aがありがたいのですから,こんなやり方ではどうにもなりません。

 かなり投げやりな気持ちで4.19394MHzという適当な値を設定し,24時間経過後にすると0.8秒くらい遅れた感じです。

 もう面倒になったので,時計の機能として備わっている補正機能を使います。0.08秒ステップで調整出来るという事ですので,初期値60に対し,63だとちょっと進みます。62でちょっと遅れる感じです。

 そこで今は,4.19396MHzにして様子を見ています。長い目で見ていくしかなさそうですね。


 次に行った応用は,今回の本命,周波数カウンタのタイムベースなのですが,これは長くなるので次に。

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