エントリー

2006年09月の記事は以下のとおりです。

ES2の再調整

 またまたES2のお話です。

 先週,片を付けたと書いたのですが,あれからすこし触ってみて,マニュアルモードのシャッター速度がおかしいことに気がつきました。

 1/1000秒で,半分ほどシャッターが開いていません。フォーカルプレーンシャッターは,先幕が走ってから後幕が走り,その時間差でスリットが出来て,このスリットによって露光されます。

 ただし,先幕と後幕の速度に違いがあると,後幕が先幕を追い越してしまったり,逆にスリットの幅がどんどん広がっていったりと,露光時間のムラになります。

 私のES2は,まさにこの症状が出ていました。シャッター速度の測定も,中央部で行っただけでは問題を見つけられないのですね。

 そして,禁断の幕速調整に。とりあえず,先幕の速度を上げて見ました。そうすると,1/1000秒でも画面が切れることはありません。

 しかし,不安なのでシャッター速度を測定してみます。すると1/60秒では明らかに露光時間が短いようです。これは,先幕の速度を落とさねばなりません。

 そうやって速度を落とすと,今度は1/1000秒で露光時間のムラが大きくなります。もう機械的に限界が来ているのでしょうか,この個体は。

 とりあえず全速度で後幕が先幕に追いつくことがないようにして,露光ムラも中央部から±20%程度に押さえ込んで,調整を済ませました。

 これで,これまで問題になっていたオートモードのシャッター速度異常が直っていればと期待したのですが,理屈から考えてその可能性はゼロで,やっぱり直っていませんでした。

 幕速が,画面の端から端まで16.6msで走り切るくらいにしないといけないのですが,これを測定するのは私の手持ちの機材では出来ません。そこで手持ちのオシロスコープを使ってみました。

 オシロスコープを掃引させ,画面をシャッターを通してのぞき込んでみると,シャッター速度に応じて,輝線がはっきり見える長さが変わってきます。これで大体の目安を知ることにします。

 ます,16.6ms/divに掃引時間をセットし,これを1/60秒のシャッター速度にセットしてのぞき込みますと,1divだけ輝線が確認できました。だいたいあっているようです。次に1ms/divにして1/1000にすると,これも一応1divだけ輝線が見えますので,こちらもあってるようです。

 ここまでくれば,あとはテスト撮影です。ISO100のフィルムを1本通したのですが,まずマニュアルモードのシャッター速度はほぼ大丈夫。露出計もあわせ込んであるので,これに従ってシャッター速度を合わせて撮影すると,コマ間でのばらつきもほとんどありません。もちろん,露光ムラも気がつかないレベルで,半分だけ露光していないというような症状も皆無です。

 問題はオート時で,こちらは前回と変わらず。1/500秒以上の速度が出ておらず,かなりオーバーです。よって1/1000以上の場合には,マニュアルモードで撮影することにしましょう。

 前回のテストではあまりきちんと確認できなかったスローシャッターですが,こちらは非常に優秀で,コマ間のばらつきは全然と言っていいほどありません。ES2はスローシャッターはオートモードでしか使えませんから,一安心です。

 また,X接点のテストも行いました。ストロボで同調するかですが,これも問題なし。よって1/60秒は,露光時間も幕速も,実用レベルであることがわかりました。

 非常に間接的な方法になっていますが,一応このES2は,1/1000秒のオートで実用範囲外のシャッター速度になっている以外は,一応実用レベルに達しているという感じです。

 こうなると1/1000秒のオートも使えるようにしたいのですが,電池を抜いて最高速で幕を走らせた場合に,おそらく1/2000秒ほど出ている実力があることを考えると,どうも電子回路に問題があると言わざるを得ません。スローシャッターがきちんと動作しているということは,高速側の時間の記憶に問題がある,ということです。メモリブロック周辺は私も気になっているのですが,一応FETのゲートには逆バイアスもかかっていない(つまり基板は正常)ようなので,やはりメモリブロックそのものを徹底的に洗ってみるしかないと,そんな結論になりました。

 タンタルコンデンサは電解コンデンサですから,やっぱり信用できないので,1μFのフィルムコンデンサをなんとしても入手したいところです。手持ちのものは大きすぎて内蔵できませんので,見つかり次第検討したいと思います。

 えと,それと今回でナニワのカラー現像キットを1箱使い切りました。2520円で24枚撮り32本ですから,1本あたり約79円。お店に出すと500円ですから,随分安く上がるものです。フィルムが1本100円で現像に80円ですから,180円でカラー写真が楽しめるというのは,持続可能な経済性ですね。

 しかし,すでに銀塩は趣味の世界に突入しています。趣味である以上,経済性より重要なものがあるわけで,これからこの安さを維持していくのは,ほぼ無理なのだろうと思います。ちょっと残念です。

苦渋のナイコン時代

 棒巨大掲示板を見ていたら,うるっときた良スレがありました。

 「苦渋のナイコン時代」っていうんですが,同じ時代を生きていた人が共有する体験が,大なり小なり感動を呼ぶというのは,私も歳を取ったということでしょうか。

 私がマイコン,パソコンを知ったのは,小学校の5年生ごろだったと思います。「こんにちはマイコン」というマンガが新刊で出たところを,母が務めていた本屋さんで見つけて購入したのがきっかけで,つまり私にとってはこのマンガで取り上げられていたPC-6001がマイコンのすべてでした。

 ああ,マイコンというのは「マイクロコンピュータ」の略で,当時はパソコンと同じ意味で使われていました。大型汎用機->ミニコンピュータ->マイクロコンピュータという流れで,机の上に載るコンピュータを総称していました。

 「こんにちはマイコン」がでたのは1982年だったか,確かそんなもんだったかと思うのですが,それまで私は「コンピュータ」を個人で持つなどとは考えも及ばず,もちろんその必要性だって感じてはいませんでした。

 当時はゲームウォッチが全盛,カセットビジョンに代表されるテレビゲームもよく知られていましたが,それがコンピュータによるものだとは,ほとんど意識してはいませんでした。そういう時代だったんです。

 1982年頃は,第2次パソコンブームと呼ばれるブームの中盤にあたり,雨後の竹の子のように様々なパソコンが各社から登場した時期です。コアなマニアだけが情報を交換していた世界から,テレビや雑誌,広告にも登場して一般にも認知が始まった時期でした。

  第1次パソコンブームは1976年頃から1980年頃までの,
  主に電子工作好きやアマチュア無線家が部品をハンダ付けして
  自作したころのブームで,メーカー製のマイコンなどは
  ないに等しく,唯一無二の存在だったApple][は,軽自動車が
  買えてしまうほどの高価な代物だったのです。
  第2次パソコンブームはPC-8001の発売された1979年頃から
  1986年頃までで,各社が独自の8ビットパソコンを販売して
  いた時代です。PC-9801がホビーにも使われる1987年頃に
  このブームは終演します。
  第3次パソコンブームはPC-9801とX68000,FM-TOWNSの3つが
  覇権を競った1987年頃から1994年頃までで,それ以降は
  AT互換機とWindowsの時代です。

 まんまとパソコンの存在を知り,BASIC言語でこれを操るというこれまでに考えた事もない世界の扉を開けてしまった私は,直後からいくつかの出来事に出くわしてその興味をさらに深めていきます。

 まず,当時読んでいた「子供の科学」という雑誌に,松下のJR-100を使ったパソコン講座がスタート,同時に広告が載るようになります。食料品の調達場所と考えていた近所のスーパーのおもちゃ売り場に「ぴゅう太」が展示されたこと,「月刊マイコン」を1冊だけ買ってみたこと,「マイコンBASICマガジン」を買うようになったこと,「初歩のラジオ」でもパソコンが取り上げられるようになりました。

 そんなこんなで,その年カシオからPB-100というBASICが走るポケコンが登場します。14800円。貧乏だった私の家でも,これなら買ってもらえるかも知れないと,毎日広告を眺めては「その日」が来るのを待っていました。

 が,そうは問屋が卸しません。結局PB-100を手に入れることはありませんでした。

 そうしているうち,1983年には,なんと隣町のスーパーに大規模なパソコンコーナーが誕生して,各社のパソコンがずらーっと並んで自由にさわれるようになったのです。

 学校が終わるといの一番に自転車で片道20分以上かけてパソコンをさわりに行きました。閉店の7時近くまで毎日いたような気がします。

 専門店を遙かにしのいでいた展示品をざっと思い出すと,PC-8001mk2,FM-7,MZ-700,MZ-2000,MZ-1200,MZ-80B,X1,MZ-3500,MULTI8,ベーシックマスターL3mark5,FP-1100という感じでしたね。その後PASOPIA7やMZ-2200,MZ-1500,FM-NEW7やPC-6601,PC-6001mk2,PC-8801mk2,PC-9801F2,S1など,最新の機種が続々展示されるようになりました。黄金時代ですね,まさにこのころは。MSXが出てくると展示スペースが必要になり,同じようなマシンが並んだ代わりに,個性の強いマシン達は展示から外れていきました。MZやベーシックマスター,PASOPIAとの別れは,この時代の収束を示唆するものでした。

 その後「こんにちはマイコン」の第2巻が発売され,ほぼ同時にPC-6001はPC-6001mk2に世代交代を果たします。隣町のスーパーにもPC-6001mk2が入り,散々触るようになっていました。

 両親がそんな私を見てどう思ったかは知りませんが,PC-6001mk2と専用ディスプレイのセットだけでも15万円以上ですから,おいそれと買い与えることは不可能です。私としてはPB-100で十分だったのですが,特に父親がPC-6001という名前を覚えていたらしく,型落ちで39800円に値下がりした処分品が新聞広告に出ているのを見つけて,我々兄弟に話をしてくれました。

 39800円のPC-6001ならすぐに買ってやらぬでもない。しかしmk2が出ているのに型落ちを買ってしまって,結局使い物にならないということがあったらもったいないから,その辺はよく考えておくように,ということでしたが,我々の兄弟はぶれることなく,むしろ型落ちの初代PC-6001がいいという結論に達しました。

 mk2が出ても,mk2専用のソフトは出る気配がなく,膨大な初代ユーザーを切り捨てることはしばらく考えられなかったのです。それが39800円ですから,お買い得だったのではないかと思います。

 休日に日本橋に初めて連れて行ってもらい,そこで憧れのPC-6001を買ってもらいました。そのお店はJ&Pテクノランドだったのですが旧機種のPC-6001は展示は出ておらず,箱に入ったまま積み上げられていました。父はソフトを我々に一本ずつ選ばせ,私はミステリーハウスを,弟はぱっと見てパックマンに似ていたブロークンラインというゲームを選びました。(これはクソゲーでしたね)

 かくして,私たちはナイコンから脱却しました。

 帰宅してテレビにつないで初めて遊んだ時のことは良く覚えています。床にそのまま広げて,手首を逆くの字に曲げて,ミステリーハウスのコマンドを必死になって打ち込んだものです。

 その後は友人達がファミコンに寝返るなか,頑固にPC-6001を使い続け,ゲームもそれ以外も,随分楽しんだ記憶があります。パソコンの回路図が読めるようになったのもこのころで,そこから個性を読み解く面白さを学んだと思いますし,マシン語の基礎を覚えたのもこのころ,弟はPSGをMMLで操って音楽演奏をすることを知って後に生業とするに至りましたし,このPC-6001が我々に与えた影響は,本当に計り知れないものがあります。

 実機は実家にありますが,これまでに3度壊れて私が修理をしています。1回目はDRAMが破損していて起動しないというものでした。16kbitのDRAMを1つずつ交換し,壊れたDRAMを交換してめでたく修理完了だったのですが,原因にたどり着くまでにはなかなか苦労した覚えがあります。

 2度目は電源の破損で,突然「ボン」という音と共に全く動かなくなりました。ヒューズが切れていたので交換しましたが,瞬時に切れてしまいます。原因はメイン基板上のパスコンの破損で,タンタルコンデンサがショートしていたのでした。このコンデンサを交換すれば直るかと思ったのですが,起動はしても電源部がブーンとうなりを上げています。

 よく調べると整流用のブリッジダイオードが壊れていて,平滑コンデンサに交流がかかっています。後段のトランジスタによって交流がメイン基板に流れることはなかったようなのですが,ブリッジダイオードとコンデンサを交換して修理完了です。

 3度目は,これは本当に困ったのですが,また起動しなくなりました。原因はなんとサブCPUの破損でした。

 サブCPUはカスタムなので,交換用の部品は簡単に手に入りません。いろいろ考えたのですが,手持ちのPC-6001mk2からサブCPUを外して付け替えてみると動くので,そのままにしておきました。PC-6001とmk2で,同じサブCPUであるという保証はないのですが,今のところ問題は出ていないのでよしとします。

 その修理から10年近く経過しています。今度実家に戻ったらPC-6001を出して使ってみようと思います。壊れている可能性も高いですが,このマシンだけはおそらくずっと持ち続けることになるでしょう。それほどまでに,我々にとっては大事なマシンなのです。

 え,無理しないでエミュレータを使えばいいんじゃないのって・・・そうですね,それもその通りですね。だけど,やっぱり実機はいいですよ。

ES2復活までの道その2~調整編~

 ES2ですが,片を付けました。

 といっても,完全復活,完全修理完了というにはほど遠い状況で,どちらかというと最低限の撮影に使えるレベルで,どこが悪いのかをきちんと把握できたという感じでしょうか。

 これ以上放置しておいたら,他のどこかが壊れてしまうのではないかという気がしたことと,きりがないのでとりあえず現状で出来る精一杯の所まで追い込んで,あとは後日考えようと考えたのが,とりあえず組み立ててしまおうと思った理由です。

 今回は本当に大変でした。前回までに,一応オートモードが動くようになったと言う所まで書きましたが,この時の不良は擦動抵抗の抵抗帯をグランドに落としてあるビスがゆるんでいたために,抵抗が繋がってない状態になっていたという点でした。

 ところが,それでも露出計やシャッター速度に大きな狂いがあるので,再調整が必要だなというところで,作業が止まっていました。

 調整は基板上の半固定抵抗で行います。IC化されたESシリーズの基板は4種類あり,それぞれで部品のレイアウトも違えば,調整箇所の数も異なります。私のモデルはES2Ver.2と呼ばれているリビジョンで,半固定抵抗は7つです。

 7つの半固定抵抗は,バッテリーチェック時の電圧レベル調整,EV12における開放測光時オートのシャッター速度,EV16における開放測光時オートのシャッター速度,EV8における絞り込み測光時オートのシャッター速度,EV16における露出計の指示調整,EV8における露出計の指示調整です。もう1つオート時のシャッター速度に関する半固定抵抗があって,これは「Lergely」と書かれていたのですが,これがどうやら露出計の連動範囲を調整するものなんじゃないかと気が付くのに,しばらくかかってしまいました。

 基準光源はまた考えるとして,とりあえずラフに調整をやってみたのですが,突然露出計が全く動作しなくなりました。前回のビスがゆるんでいたのとは異なる症状で,絞り込み測光レバーをONにしても動作しません。何をやっても動いてくれないのです。

 露出計がらみの問題ですから,おそらく同じ箇所が悪くなったのだろうと推測は出来ますが,現象も異なりますし,それにビスをあれほどしっかり締めた直後だけに,ここがまたおかしくなるというのはちょっと考えにくいです。

 ちょっと焦りながら,軍幹部のカバーを外します。何十回ばらしたでしょうかね,もうすっかり慣れた手つきです。

 抵抗の値をはかってみると,無限大です。ということは抵抗として機能しておらず,回路がどこかで切れているのだとわかります。

 さらに分解を進め,前板を外します。擦動抵抗を取り外して,リード線の導通を確かめると,ここは断線していないようです。しかし,抵抗値は確実に無限大。どこかで切れていることは確実なのですが・・・

 仕方がないので,テスターの片側をリード線に,もう片側を順番にリード線側からあたっていくことにしました。すると,リード線のハンダ付け箇所では導通しているのに,抵抗帯の表面では無限大となります。範囲を狭めてあたっていくと,どうもハンダ付け箇所から抵抗帯に繋がる金メッキされた銅箔の断線があるようです。

 こんな破損が起こるんですね。経年変化とは恐ろしいものです。

 それで,細いより線にハンダメッキを施して,この破断部分の両側に渡しハンダを盛りました。これで確かめてみると抵抗の値は正しい値を示すようになりました。組み上げて動作の確認をしてみても,とりあえず原状回復のようです。

 ここからが調整です。

 本当はシャッター速度から合わせる必要があるらしいのですが,先に露出計の調整をやってしまいます。露出計の指示に合わせたシャッター速度が出てくれればいいという読みです。

 しかし,EV16などという明るい光源はありません。仕方がないので,晴れた日にグレーカードを置いて,F3で測光しながらES2を調整します。

 明るい場所,中くらいの場所,暗い場所,と交互にグレーカードで合わせていきますが,なにせ明るさはお天気任せです。ぱっと雲に入ったりしてァ春差が変わってしまうこともしばしばです。ここはねばり強く調整を行います。

 一応,明るいところでも暗いところでも,1/2段くらいの誤差になるようにあわせました。この時ついでに1秒というスローシャッターだけはある程度合わせておきます。

 しかし,調整の過程で半固定抵抗を3つも4つも同時に動かす必要があったりすると,間違えてしまったりうっかり回しすぎた場合なんかに混乱してしまいます。せっかくいいとkろおあmであわせ込んだつもりだったのに,欲を出してさらに合わせ込みを行うときに全体のバランスを崩し,1段以上のズレを発生させたこともしばしばでした。

 ついでにバッテリチェックの電圧も合わせておきます。電源電圧を4.4Vにしてバッテリチェックボタンを押し,この時のメーターの指針が1/60付近になるように半固定抵抗を回します。ところが,これが全然あいません。

 もともと,ここはそんなにずれてなかったのです。しかしある時突然ずれてしまうようになったのです。何が原因かは分かりませんが,ずれたものは再調整だと思いましたが,調整できません。

 半固定抵抗をいっぱいまで回しても,1/30くらいまでしか指針が動いてくれません。一応,6V程度の正規の電圧でバッテリーチェック機能が動いている事が分かったのでこれで妥協しましたが,そもそもこれまでずれてなかったものが,なぜ突然調整不可能なほどにずれてしまったのか,そこにこそ深刻な問題が隠れているように思います。

 次はシャッター速度の計測です。ES2は,1/60から1/1000までは機械式なのですが,低速側はもちろん,オートモードでは高速側も電子制御となります。また,EV値の違いによって調整箇所が複数存在するところを見ると,CdSのリニアリティの補正をこの方法でやっているのではないかと推測できます。

 ということなので,基準となる光源によってシャッター速度を測定できる装置が必要です。実は,LCDのバックライトを改造して,基準光源を作ってはみたのですが,シャッター速度測定器のフォトトランジスタの感度が赤外領域にあるため,波長の短い白色LEDのバックライトでは著しく感度が落ちてしまい,シャッター速度の計測が不可能でした。

 フォトトランジスタを1つから3パラに改造し,アンプまで組み込みましたが必要な感度には到達せず,プランの練り直しを余儀なくされました。

 そこで考えたのが,ムギ球を使うことです。ムギ球は幸いなことに手元にたくさんあるので,これをパラにつないで面光源にします。波長の長い光を出しますので,このフォトトランジスタにも好都合です。明るさは,12Vで1.5A近く流れていましたから,20W弱くらいの明るさだったのではないでしょうか。

 それでも,EV8あたりの明るさではフォトトランジスタの動作可能範囲に達しません。やむをえず,EV15付近とEV12付近であわせることにしました。

 まずはF3のシャッター速度を測ってみますと,ちゃんと1/1000や1/500を始め,それぞれの速度がが正しい値で測定できます。問題はないようです。次にES2で測ってみますが,1/1000はおろか,1/500も遅めに出ている感じです。

 調整マニュアルに従って半固定抵抗を回しますが,どうも高速側で調整値に追い込めないのです。1/300以上の速度がどうやっても出ないのです。1/1000を超えるような明るさでも1/300程度ですから,この期待の実力として最高値が1/300程度なのでしょうか。これではあんまりです。

 メカの調整が悪いのではないかと,禁断の幕速調整をやろうと決心します。まず機会シャッターの1/100や1/500を測定してみます。すると予想に反して,なかなかの精度で速度が出ています。結局メカ的な調整は必要なしと判断しました。

 そうなると電子回路の問題です。本当はここで,電池を抜いてオートモードでの最高速を測っておくべきだったのかも知れませんが,それはうっかり忘れました。

 いくら追い込んでも250msくらいの露光時間が精一杯。大体1/400くらいですかね。そのまま1/250や1/125を測ってみると,これが驚くほど精度良く速度が出ているんですね。

 また,いくつかある半固定抵抗をいじってみても,このあたりの中速度のシャッター速度にはあまり変化がありません。それも随分おかしな話なのですが,変わらないものは仕方がありません。

 スローシャッターは1秒をきちんとあわせれば大体他の速度も合ってきます。いろいろやってみましたが,一応1/250以下の速度についてはそれなりの速度が出ていることを確認できました。同じ作業を絞り込み測光でも行います。幸いこちらは,それほどおかしなズレが出ず,ほとんど調整せずに済みました。

 作業中にうっかりメーターの指示調整を触ってしまったりして,また最初からやり直したりと,結局丸2日かかってしまいました。

 それでも高速側は速度が出ず,しかも組み上げてから確認すると,1秒以上のスローシャッターもちょっと長めになってしまいました。うーん,疲れてしまったんでしょうね。

 夕方になっていましたが,早速試し撮りです。ISO200のカラーネガを1本通してみました。50mm/F1.4の開放測光対応のレンズ,50mm/F2.8の絞り込み測光のレンズ,そして28mm/F2.8の開放測光対応のレンズの3本で試します。

 屋外を撮影すると,F1.4で1/1000程度。順に絞り込んで撮影していきます。1/15で下限に達したので,レンズを変えて同じように撮影します。

 最後に屋内を撮影してスローシャッターを試します。撮影枚数がなくなっていることにうっかり気付かず,1/8までしか試せませんでした。

 すぐに現像します。出来上がったネガを見てみると,明らかに1/1000が1段以上濃く,1/500がやや濃い感じ,それ以下はほとんど明るさが揃っています。これが適正露出であるかどうかは議論が分かれますが,一応F3のグレーカードと合わせてありますので,オーバー気味になっているのは平均測光であるES2のクセもあるのでしょう。

 レンズによる色味や収差の違いがよく分かりますね。実に面白いものです。相変わらずSMC-Takumar28mmF3.5は素晴らしい描写です。これは大好きです。

ファイル 22-1.jpg

 それと,やはり測定結果通り1/1000が1段以上,1/500もきちんと速度が出ていないことが実写テストからもわかりました。結局の所,高速シャッターはあまり使わないようにするか,面倒でも機械式に切り替えて使うことで乗り切る必要がありそうです。

 ES2では,スローシャッターは電子制御でしか動作しません。それもオートモードでしか使えませんから,むしろここの明るさが揃ったというのは,最低限の機能と維持できた事になると思います。

 それにしても課題が残ってしまいました。バッテリチェックの電圧が正しく設定できないこと,オートで1/1000や1/500の速度が出ないこと,スローシャッターの精度が今ひとつなことです。

 このES2は,そんなに悪い個体ではないと思っていたのですが,調べてみるとやっぱりそんなに程度が良いというわけではない感じです。年齢相応といったところでしょうか。しかも,次から次へと故障がモグラたたき状態で発生してしまっていて,次はまたどこか,別の場所が壊れるに違いありません。

 予備の部品を確保しておくことが最も重要だと思われるのですが,悪いことに回路基板は部品取りの個体も壊れてしまっていますし,メモリブロックはすでに交換済みです。

 CdSも劣化しているでしょうが,部品取りのES2についていたCdSはニコマートELを修理する際に使ってしまいました(結局このCdSは熱で劣化させてしまった)し,電子回路はとにかく不安が大きいです。

 高速シャッターが出ないこと,バッテリチェックが突然ずれたことは,もう基板がおかしくなった以外の理由を考えられない状態です。シャッター速度についてはメモリブロックの不良も考えられるのですが,ここの不良もなかなかやっかいです。

 まず,小型のフィルムコンデンサの1μFを手に入れて,前回壊れたメモリブロックを作り直してみたいと思います。その上でES2に組み込み,再調整を試みて高速側が出るようにならないか,確認してみたいところです。

 バッテリチェックの機能は,実用レベルでは問題はないのでこのままですが,やはり基板がおかしいことは事実でしょうから,機会があれば基板の修理と,場合によっては基板そのものの交換を行いたいと思います。そのためには,もう1つ部品取り用にES2を手に入れないといけません。

 ひょっとすると,もう少し程度のいいES2を手に入れて,今のES2を部品取りにした法がいいのではないかという気がしてきました。焦ることはないですが,こまめにES2を探してみようと思います。

東京Jazz2006をご家庭で

 今年も東京Jazzが行われています。

 毎年毎年,都市型のジャズイベントとして開催され,すっかり定着した感がありますね。

 今年は,これまでずっと関わっていたハービー・ハンコックが外れました。おかげでかなりわかりやすく,かつ幅広いジャズを楽しめるメンバーになっているなと感じました。

 そして,今まさに東京有楽町の国際フォーラムで演奏が行われていますが,これをNHK-FMが生中継してるんですね。皆さん聞いてますか,こんな機会はそうそうないですよ。サンキュートウキョー,サンキュージャパン!

 今,インコグニートの演奏中です。こんな調子で14時から23時まで,実に9時間,途中ニュースを挟んでぶっ通しですからね,今日は私も,家にいながらジャズの日です。

 しかしながら,一時期FM放送はNHKから外れるとかいうてたんですよね,昨年もやってたそうなので,そのせいでというわけではないでしょうが,テレビでも「高音質なFMで生中継やります」とわざわざ宣伝しってたくらいですし,しかも丸一日生中継ですから,やっぱり危機感のようなものもあったのかも知れません。

 これでFM放送が再認識されれば私もうれしいのですが,よく考えてみるとこの番組をわざわざ聴く人なんて,FMは不要などと思わないですわな。

 そして現在,この放送を録音中。これまでカセットテープ,DATときて,そして今回初めてiBookを使って録音しています。何せ9時間ですからね,編集しないといけませんから。でも久々ですね,エアチェックなんて,10年ぶりでしょうか。

 FMチューナにはパイオニアのF-757,ADコンバータとしてソニーのDAT・DTC-59ESJをSBMをかけて使っています。そしてここからデジタルでローランドのUA-25に入れ,USBでiBookに。

 しかしまあ,こののんびりした日曜日に,一日中最高のメンバーによるジャズを,誰にも邪魔されず楽しめるなんて,すごいなあと思います。これだからFMはたまりません。

 うーん,インコグニート,やっぱうまいな・・・なんちゅうヴォーカルだ・・・

 先ほどのラリー・カールトンもBluesバリバリで,いわゆるジャズの範囲を超えてしまうほどの勢い。今年の東京Jazzの狙いは,まさに大正解だったのではないかと思います。

 さて,まだまだ先は長い。じっくり楽しみますよ。

ページ移動

  • ページ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

ユーティリティ

2006年09月

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

新着エントリー

過去ログ

Feed