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新しいデジタルテスタは1700円

 アナログテスタを新調し,アナログテスタの再評価の波が来ている私ですが,そうはいっても普段使いはやはり便利なデジタルテスタです。

 長く秋月のP-10が活躍していた普段使いの主役を,フルークの101が担うことを期待されたものの,購入時点で大きな誤差があり,そのうちエラーで数%の誤差を出すという「故障」に見舞われ,再びP-10が老骨にむち打って私の要求に応えてくれていたんですが,それももう限界。

 正統後継者であるP-16は精度はいいんですが反応が遅く,どうしたものかとおもっていたところ,フルークの100シリーズのそっくりさんが安価に売られていることを知りました。どうも数年前からあるようです。

 形こそそっくりですが,画面は大きく,基本スペックは100シリーズと同じ感じです。それで値段はとっても安く,6000カウントのもので2000円程度です。

 2000円ならダメでも悔しくないじゃないですか。

 ということで,一度は購入手続きをしたんですが,同じシリーズでなんと9999カウント(10000カウントっていうんじゃないんですかね,こういう場合)のものが,実質1700円で売られているのを見つけました。中国からの配送なので時間はかかりますし,不安も大きいですが,この安さには抗えません。

 いろいろ調べてみましたが,どうもZOTECという会社のZT109という製品のOEMのようです。この値段で,この性能で本当に10000カウントなのか?と心配でしたが,10日ほどかかってようやく届きました。

 そう,4000カウントや6000カウントのテスタは,安価で高性能なチップが出回っているのですが,10000カウントってどうなんでしょうね?

 で,早速見てみるのですが,画面は大きく見やすいですし,大きさも使いやすくて,このあたりは期待通りです。

 しかし,質感はいまいちです。スイッチのクリックの感触は悪くはないのですが,そこはやっぱりフルークは良く出来ていて,これに比べると見劣りします。

 ケースにもバリがあり,手にひっかかります。

 中をあけてみると,部品同士の距離を確保していないとか基板の切り欠きや抜きがなく,高圧での安全性への配慮は,さすがにフルークにはかないません。CATIIやCATIIIなんてのは,たぶん嘘でしょう。

 それでもレスポンスはいいし,かわいらしいのも確かです。繰り返しますが1700円です。

 さて,精度をみてみましょう。いつもの基準電圧発生器を引っ張り出し,これを測定してみます。

 数年経過して電圧も狂っているでしょうし,34401Aも較正をしました。以前のようにこの基準電圧発生器を信用していいかどうかは議論の余地がありますが,10000カウントのテスタを見るくらいなら,十分使えるはずです。

 で,全然意味のない数字になってしまうのですが,この基準電圧発生器の電圧が全く変わっていないと仮定し,そこからの差分を見てみることにします。

 参考までに,この標準電圧発生器の,製造元での実測値を書いておきます。

2.50165V
5.00302V
7.50454V
10.00533V

 で,今回のテスタの実測値です。

2.500V -1.65mV -0.065956469%
4.999V -4.02mV -0.080351468%
7.500V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 おお,これはなかなか。

 誤差が0.1%以下になっているのがうれしいです。

 4桁だと2.50165Vは2.502Vと表示されるとうれしいわけで,そこまではさすがに望み薄でしたが,それでも誤差は2.5Vに対してわずか1.65mVです。それに,そもそもこの基準電圧発生器の数年前の出力電圧値がこの値であるという保証もありません。

 10000カウントですから,8Vや9Vが小数点以下3桁まで出てくれます。それが0.06%の実力だというのですから,十分に高精度だといってよいでしょう。繰り返しますが,1700円ですよ,これ。

 周波数や抵抗も実用上問題はないし,電流は少し少なめに出ますがそれでも1%程度と十分です。それと矩形波の発振出力が用意されていて,50Hzから5Khzまで,それなりの精度の周波数が出てくれます。ちょっとした実験には使えそうです。

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