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AF-S Nikkor 200-500mm F2.8を買いました

  • 2019/01/28 12:47
  • カテゴリー:散財

 突然ですが,AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eを買いました。

 そう,「超望遠の撒き餌レンズ」「タムロンとシグマを本気で潰しにかかった」などと言われる,超望遠ズームレンズです。

 純正の超望遠ズームレンズにもかかわらず,実売が15万円を切るという低価格でありながら,画質は非常によく,VRもよく効くと評判で,発売当時は品不足が深刻だったレンズです。

 価格によって割り切ったのは,大きさとAFの速度です。他にも付属品をけちったり,堅牢性に不安があったりと,安い理由はいくらでもありますが,高画質というレンズの本分にお金をかけた,ニコンの良心とも言うべきレンズです。

 高画質でありながら純正レンズがこの値段で存在することにも,私はニコンを使う理由があるすらと思っていますが,50万円のレンズをただ安売りしているわけではなく,知恵と工夫と割り切りでこの値段のレンズをきちんと成立させていることに憧れを感じています。

 従来,こうした価格の安いレンズの供給はレンズメーカーの重要な役割でした。しかし近年,そうした価格と性能による棲み分けに変化が生じています。

 レンズメーカーにとっては,安いことで勝負するには限界が来ていることがあるでしょうし,一方の純正メーカーは,設計技術の進歩によって,許容出来る画質を低価格で実現出来るようになった事が理由として挙げられるでしょう。

 AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eは,まず小型軽量化を割り切っています。非球面レンズや新しい硝材,高性能なAFモーターを使えば小型化・軽量化が出来る訳ですが,それらは概して高価なものです。

 小型化もレンズの性能の1つだという考え方に私は大いに賛同しますし,そうして小型になったレンズにはそれまでの撮影限界を打ち破る力があることも理解しています。

 しかし,安いことも性能の1つです。安いことでより多くの人が,使う機会に恵まれます。「大きい・小さい」は工夫の余地がありますが,「ある・ない」は工夫のしようがありません。

 お金のかかるナノクリスタルコーティングも使っていません。ヌケや耐逆光性能に大きく貢献するコーティングで,特に超望遠レンズには効果絶大ですが,割り切っています。

 AFモーターにお金をかけないことで,食いつくような追従性は得られません。超望遠こそAFの食いつきが命で,そこを割り切ってしまうことは,即座に歩留まりに影響が出ます。

 防塵防滴でもありませんし,望遠側では鏡筒が大きく繰り出してしまうことも使いづらいでしょう。大きいことと同じ事ですが,重いことは撮影現場に持ち込むことすら大変なことだという事実を突きつけます。

 プロの使用に耐えることを示す金の輪がないことから,おそらく過酷な使用には耐えられないでしょうし,耐久性や寿命についても,それなりに割り切ったところがあると考えた方がよいでしょう。

 ズーム倍率は2.5倍と無理をせず,ズームリングの回転角も大きく取ってあります。付属品にもお金がかかっていませんし,フードも三脚座もチープで,実用ギリギリです。

 しかし,こうした妥協は,すべて計算された上で行われている事に気が付きます。それは,レンズとして手を抜いてはいけないところを,きちんと押さえてあるからです。

 画質は驚くほどよく,F8あたりまで1段絞れば隅々までキレのある画像が手に入ります。ズーム全域でF5.6という明るさにもこだわりを感じますし,とてもよく効くVRで500mmでの手持ち撮影が可能です。しかもスポーツモードを備えていて,超望遠レンズの撮影を楽なものにしてくれています。

 AFも速くはないとはいっても,十分な速度を維持していますし,フォーカスリングを回せばいつでもMFに切り替わります。もちろんAFの動作でフォーカスリングが回ってしまうような無様なことはありません。

 そして純正ならではの安心感です。互換性もサービス体制もそうですし,初期不良や調整不足などのハズレ品を引くことも少なく,売却時の売値についても純正なら気をもむことはありません。

 本当かどうかはわかりませんが,ニコンはこのレンズを,タムロンと一緒に作ったそうです。OEMという話もあるくらいですが,どちらにしてもニコンの厳しい品質基準に合致したものが,ニコンのカメラで動作する保証込みで手に入るのですから,やはり純正であることには大きな意味があります。

 私はブランド信奉者でもなければ,純正にこだわる人でもありません。よいものは良い,それだけの単純な理屈で動いています。そしてその単純な理屈の結果,手元に残っているレンズの大半が純正だという結論です。

 ただ,純正を持つにはお金がかかります。

 私のレンズラインナップでは,300mmまでが精一杯。VRを使った手持ち撮影が可能なのは200mmまでで,ちょっと被写体が遠いともうお手上げです。400mmクラスの超望遠までカバー範囲を広げることは必要な事だったのですが,そんなに出番のないレンズに数十万円の投資は不可能ですし,かといってレンズメーカーもF6.3まで暗くなってしまうなど,今ひとつ共感出来ません。

 そこに見つけたのが,AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eです。

 価格以上の画質の高さで大人気のレンズは,価格が理由で超望遠の世界に踏み込めなかったアマチュアに,新しい機会を与えてくれました。こういう入門レンズでは,基本性能がしっかりしていないと,次に進んではくれません。

 ずっと狙っていたレンズでしたが,値段の変動が割に大きなレンズで,先日128000円近くになったときに意を決して購入しました。

 まだ,ちゃんとテストをしていないのですが,軽くインプレッションです。

(1)大きさと重さ

 噂通り,大きいです。長いし,太いし,重たいです。レンズだけで2.3kgもありますから,持つときも両手で「よっこいしょ」です。

 鏡筒が太いので持つと言うより手のひらに載せる感じですし,500mmにすればさらに鏡筒が伸びてしまうので,かなり前のめりになります。これに小さめの丼ほどあるフードを取り付けると,もう目立って仕方がないでしょう。

 とはいうものの,ぎっしり中身の詰まった重さではなく,大きさに対して軽く感じる印象です。手持ちでもなんとかなりそうです。


(2)画質

 これは私も驚きました。F8やF11での画質は定評がありますので心配なし,しかしF5.6でも十分な画質です。シャープで色もよく乗っていますし,ボケも自然で綺麗です。実践投入がとても楽しみです。

F5.6ではちょっと周辺光量が落ちますが,1段絞ればほぼ解決します。

 使い勝手が悪いにもかかわらず,プロにもこのレンズを使う人がいることは十分納得出来ます。


(3)手ぶれ補正

 4.5段の補正能力を持つVRは,本当によく効きます。AF-ONを押してすぐにファインダーの像がぴたっと止まり,そのまま撮影した画像がパチッと止まっているのには,感動さえ覚えます。

 スポーツモードを備えていることも大きなメリットで,これらを現場でうまく切り替えていくことが成功の鍵でしょう。


(4)操作性

 MFへのシームレスな切り替えは自然で,フォーカスリングも適度なトルクがあり好感触です。先にMFでラフに合わせ,AFで追い込む事も出来るし,逆にAFでラフに合わせてMFで追い込む事も自由に出来ます。

 ズームリングは回転角が大きくて,200mmから500mmまでを持ち替えることなしに動かす事は不可能です。カメラボディも一緒に回すというテクニックで一気に端から端まで動かせますが,ファインダーを覗きながらは無理ですから,操作上の欠点はここに集約されるでしょう。

 スイッチ類は小さく,また感触もあまり良くありません。このあたりはあまり目立った違いではありませんが,高級なレンズとの差でしょう。


(5)左脚座

 三脚座は,これが堅牢であるという前提で,その役割をきちんと果たしてくれるなら私はそんなにこだわりません。ただ,このレンズについて言えば,マウントの耐久性も含めて,本当にこれでレンズとボディを支えきれるのかと,心配です。

 でもまあ,手ぶれ補正が強力なのですから,思い切って手持ちで勝負すると言うのもありかも知れません。


(6)まとめ

 画質はいうことなし,価格もリーズナブルで,超望遠撮影の素晴らしさを最も手軽に楽しめるレンズだと思います。

 確かに望遠だけど,なんかぼやーっとしてるとか,ゆがみが大きいとか,色が乗らないとか,ボケが汚いとか,そいう理由で超望遠の世界に私自身も幻滅していました。

 この価格なら超望遠を初めて経験する人もいるでしょう。そんな人がこの画質で超望遠の世界に目覚めることはあり得る話で,それはとても幸せな事だなあと思います。

 しかし,やはりこの大きさは,持ち出すのに勇気がいります。私は苦にしませんが,これをみた人は,やはりただならぬものを感じるに違いありません。なかには反感を持つ人もいるでしょう。

 超望遠を使うシーンは,被写体が遠く近寄れない場合です。近寄れない理由に人が多いという場合もあるわけで,そういう場合はこのレンズは,周囲に迷惑をかけるレンズになってしまいます。

 言い換えると周囲の理解がないと使えないレンズになってしまうわけで,こればかりは自分自身の努力や工夫ではどうにもなりません。

 写真は撮っていると言うより,撮らせてもらっているものです。それは被写体からも,周囲の人からも,環境や状況からも,許されるようにしないといけないということです。

 もしかすると,私が使おうと思っている現場では,この大きさと威圧感が許されないかも知れません。その場合は残念ですが,この用途には使えなかったと潔くあきらめる必要があることも,覚悟しておきましょう。


 しかし,この重さはかなりつらいです。このレンズの評価のあと,真面目にm4/3の中古ボディを探していました。(結局買いませんでした)

 

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