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やっぱりDE-04も調整してみた

 先日手に入れて,なかなかよい感触を得ているポケットテスターDE-04ですが,うちのテスターがことごとくそうであるように,この手で再調整を行って,測定値が他のテスターのものと大きく違ってこない状態にしないと,どうも落ち着きません。

 とはいえ,これを行うには調整方法を調べないといけないわけで,そう簡単にはいかないものでもあります。

 DE-04も,良く出来ているとはいえ,0.5%近くも値が小さく出ている状況をどうも看過できず,うちで調整ができないものかと調べてみました。

 DE-04はサンワのPM3のOEMと言われているだけあって,類似点が多くあります。そしてその類似点というのは,概ね同じLSIを使っていることに起因していたりするものです。

 調べてみると,FS9711LP3というLSIを使っていることがわかりました。残念ながらデータシートはFS9721しか入手出来なかったのですが,後継品種だということなのでこのまま進めます。

 FS9721のデータシートによると,調整方法は昔ながらの半固定抵抗で行うとあります。リファレンス回路にもこの半固定抵抗は用意されていますが,果たしてDE-04にも同じものがありました。繋がっているLSIの端子も同じです。

 DE-04のVR2というのが,直流電圧の調整用なのですが,これをいじればとりあえず調整出来るようです。レンジごとの調整はどうするのか,という話になると,これはもう分圧抵抗の精度に依存するので,このVRだけでは追い込めません。

 ここまでわかれば簡単です,いつもの基準電圧発生器を34401Aと一緒に繋ぎ,同じ値になるようにVR2を回すだけです。

 レンジ間の相対精度が揃っていることは前回の確認でわかっていますので,半固定抵抗の調整だけである程度追い込めるはずです。

 で,やってみた結果が以下です。

 まず,基準電圧発生器を34401Aで測定した値です。

2.5017V
5.0035V
7.5054V
10.0066V

 うーん,以前とちょっとだけ値がずれています。34401Aがズレたのか,基準電圧発生器がズレたのか・・・でもまあ,立派なもんですけどね。

 そして,DE-04を調整した結果です。

2.502V 0.3mV 0.011991846%
5.00V -3.5mV -0.069951034%
7.51V 4.6mV 0.061289205%
10.01V 3.4mV 0.033977575%

 まず,ぱっと値を見てみます。34401Aの値を4000カウントに丸めた値が,そのまま出てきていることがわかります。誤差何パーセント言う話ではなく,丸めた結果が同じになっていると考えると,DE-04としてはもう誤差ゼロと言ってよいです。

 であらためて誤差を見てみます。0.07%以内に入っており,かなり良い値になっています。これなら胸を張って正確だという事が出来るでしょう。

 で,今回の比較対象が34401Aによる実測ですので,これまでの「製造元による実測値」とは違います。もちろん,すでに基準電圧発生器の電圧がズレている可能性も大きいのですが,仮に両者の値のズレが34401Aだけで起きたと考えて,これまでの結果と比較をやりやすくするため,製造元の実測値からDE-04がどれくらいズレているかを再度計算してみます。

 製造元による実測値は,これまで同様,

2.50165V
5.00302V
7.50454V
10.00533V

 とします。

2.502V 0.013990766%
5.00V -0.060363540%
7.51V 0.072755958%
10.01V 0.046675122%

 とまあいうわけで,34401Aがズレていたとしても,十分過ぎる精度で落ち着いていることがわかります。7.5Vについては7.50Vと表示すべきところなのでしょうが,どのみち最終桁は±1くらいは当てにならないものですし,これでもう十分でしょう。

 DE-04という使い勝手よく,スペックも十分なテスターに,精度まで備わりました。これでもううちの測定環境は盤石で,はっきり言えば調整出来ないものや,2000カウントの古いテスターはすべて処分してしまおうかと思うくらいです。

 ただ,最近のテスターはバッテリチェッカーが付いていないことが多く,DE-04はもとより,うちでもP-10以外には付いていません。

 P-10のバッテリチェッカーは使用頻度も高く,結構便利に使っているので,これがあるから,すでに調整が出来なくなってしまうほど壊れているP-10を捨てられないでいます。

 負荷抵抗が入るだけの機能ですし,負荷が入るということはそれだけ電池に負担をかける(特にボタン電池など小さい電池)ということでもあるので歓迎されない機能でもあるのですが,そのあたりをわかった上で,損電池をさっと「捨てるか捨てないか」判定する事の出来るこの機能は,やっぱり欲しいのです。

 テスターがこうして調整可能になり,自分で精度管理を行えるようになると(もちろん公式な測定結果としては採用されないわけですが),気分がいいというのもありますが,それ以上に長年使い続けることが出来るという安心感が出てきます。

 測定器は,動くようにするだけでは修理もメンテも出来た事にはならず,調整して誤差がどのくらいあるかを明確にして初めて,使えるようになります。周波数の基準はもう手に入れましたし,中国製の安価なものとはいえ基準電圧も手に入れました。

 素人の測定環境としては,もう十分なところにきたと思います。なにを信じていいのやら,と言う子供の頃のその疑問に,ようやく回答を出せたように思います。

 

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