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2台目のF2がやってきた

 5月の連休に手に入れたニコンF2フォトミックは,オーバーホールを経て現在2本目のフィルムを通しているところです。

 F2は70年代らしい装飾のない上品なデザインで,なにが素晴らしいといって本体に数字以外の文字がほとんどないのです。

 今どきのカメラは文字だらけです。ひどいものは日本語です。

 文字が書かれていないと操作することが出来ないほど多機能になっているのだろうと思いますが,写真を撮影するという目的は変わらず,F2とD850を並べてみると,なにがこんなに違っているんだろうと,ふと考え込んでしまいます。

 いや,iPhoneのような文字がボタンがないデザインを洗練されているだのシンプルだのと賛美するのではありません。iPhoneが操作系をソフトウェアに丸投げしたに過ぎず,機能は数え切れないほどあるのに対し,F2はカメラとして備わっているべき機能がすぐに引き出せるようになっていて,機能の少なさに誰も文句を言わないことに,根本的な違いがあります。

 いつからだろう,カメラに文字がごちゃごちゃ書かれるようになったのは。

 まあ,そんなわけで,F2はさすがにプロ機です。使い込まれていてもちゃんと動き,整備すれば完調に戻るという夢のような堅牢さを誇る機械式カメラです。(私個人はこれをオーバースペックとも考えるので,現在の価値観ではこれを賞賛することは出来ないかなあ,とも思っています)

 で,メーター不良と書かれた1972年頃製造のF2フォトミックを相場よりもやや高いくらいで購入した私は,特にフォトミックファインダーDP-1の整備に苦労して,ようやく実用レベルに追い込んで使っています。死ぬまでに本物のガチャガチャのお作法を体に染み込ませたいという夢は,なんとか叶いそうになってきました。

 後で知った事ですが,DP-1のメーターは固着が問題となっていて,これを対策したメーターが後期から使われているんだそうです。このメーターは右側が細く絞られていて,まるでワインのボトルを横倒しにしたような表示になっています。

 私のフォトミックファインダーは前期型ですので,その見た目から「アンプルメーター」と呼ばれる固着対策済みのメーターではなく,振動を与えないと針が動いてくれないという問題に頭を抱えていたことは,すでに周知の問題だったということでした。

 少し振動を与えればちゃんと動きますので,気にしなければいいだけのことです。何度もばらして組み立てたことで,シャッタースピードダイヤルを巻き戻すバネが緩くなり,ちょっとだらしない感じもするのですが,とりあえず動いているのでよしとします。

 ところが,あれだけ憧れたガチャガチャなのに,面倒になってきました。

 1つは,カニ爪のあるレンズが少なくなっていることです。例えばAi45mmF2.8PなんかF2で使うと面白いだろうなと思うのに,カニ爪がありません。

 AiAF85mmF1.8Dもそうです。あるいはAiAF-S300mmF4もそうです。タムロンのSP90mmF2.8も使えたら面白そうです。

 これらを使うにはそう,Aiに対応したフォトミックAが必要です。

 しかし,Aiに対応したファインダーはF2を実用機として使う人にとって最善の選択肢であるだけに,比較的高価です。ただ,微妙にファインダーのおでこの部分が狭くなり,個人的により格好良くなったと感じるフォトミックAは,是非欲しいアイテムでした。

 そんなおり,ふと三宝カメラのサイトを見ていると,F2が安く出ていることに気が付きました。本体をひどくぶつけた安いF2は,メーター不良のフォトミックAを乗っけて,破格の安さです。さらに割引もありました。

 ボディはシリアルから前期型ですので,この値段なら最悪部品取りでいいや,動けば儲けものくらいで買うことにしたのです。

 果たして届いた格安のF2は,すべてがちゃんと動いていました。

 ボディは右肩がへこんでいますが,動きはややぎこちないものの,へんな引っかかりもなく巻き上げからレリーズまで一連の動作が出来ます。シャッター速度も低速はきちんと出ています。

 シャッター幕も綺麗ですし,塗装の剥げも擦り傷も少なく,下手をすると私のF2よりも素性がいいかもしれません。

 心配していたメーター不良のファインダーですが,本体に電池が入っていたこともあり,動く事がすぐにわかりました。もちろん狂ってはいますが,そんなものはどうとでもなります。部品レベルで生きていることが,修理には不可欠なのです。

 プリズムの剥がれもありませんし,アイピースの割れもなく,ぶつけた跡もありません。もしかすると分解痕くらいはあるかもしれませんが,とりあえずちゃんと動いてそうなので,安心しました。

 うーん,確かに右肩のへこみは強烈なので,これをそのまま常用機にするのは厳しいですが,それでもこの程度でこのお値段は,安くないかい?しかも新しい電池にボディキャップまで付けてくれています。

 まずは,ファインダーをオーバーホールして,完調に戻しましょう。調整まで済ませれば,晴れてAi対応のF2の完成です。レンズ互換性がMF最終モデルのFM3Aと揃ってしまうなんて,なんと痺れる展開でしょう。

 ボディはさすがにこのまま使えませんが,まず右肩のへこみをたたき出して直して見た上で,少し内部を観察しダメージがなさそうなら,練習も兼ねてオーバーホールをやってみましょう。

 これから涼しくなり,夜の楽しい秋がやってきます。ちょうどいいパズルを手に入れた気がして,今からワクワクしています。

 


 

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