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MC昇圧トランスを初めて使ってみる

  • 2007/03/05 15:16
  • カテゴリー:make:

ファイル 108-1.jpg

 MC昇圧トランスを組み立てて,使ってみました。

 少し前にも書きましたが,もともとこのトランスは秋葉原のノグチトランスが2号店を出店したときの開店記念セールの1つに用意されていたもので,製造はタムラ,型番はSTU-83TWINというものです。

 1つのケースに2ch分のトランスが入っており,これ1つでステレオになります。価格は1万円だったのですが,これは安いとばかりに買っておくことにしました。(今はこの商品そのものが売られていないようです)

 忘れないように,この昇圧トランスのスペックを書いておきます。

Primary 3Ω,40Ω
Secondary 4KΩ
周波数20~50KHZ(±1dB)
パーマロイコア使用
L/R 2つのトランスを1つのケースに入れハイCPの実現
磁気シールドケース入(3重シールド)
概略寸法Φ31.5X78
リード線引き出し

 トランスから直接リード線が出ているので,これをピンジャックとロータリスイッチにハンダ付けをしていくだけで完成ですから,設計とか検討とか,そういう難しいことをする必要はありません。

 とはいえ,こういうパッシブな装置で,かつ0.3mVなどという微笑信号を扱うようなものは作ったこともありませんから,特にアース周りの処理をどうやったらいいものか,自信がありません。

 迷っていても仕方がないので,GNDに落とすのはトランスのアース線だけにして,コイルの巻き始めについてはアースに落とさず,シールド線のアース側を使ってピンジャックのアースにくっつけます。良くも悪くも,トランスのコイルはアースから浮いているわけですが,トランスのシールドやケースはGNDに落ちていますから,ハムが出ることはないでしょう。

 ところが出ました。

 いや,トランスを通る経路では出なかったのですが,MMカートリッジを使う場合もあると思って用意したロータリースイッチでバイパス回路を設けたところ,バイパスにした時にはシールド線のアースがGNDから浮いてしまう事になり,盛大なハムが出てしまいました。

 これでは使い物になりません。

 そこで,ケースにアース点を決めて,そこにアースを集めてみました。あまり気が進まなかったのですが,トランスの巻き始めもアースに落としてしまいます。

 これでハムはほとんどでなくなりました。それでも少しブーンといっています。

 原因は,近傍に置いたイコライザアンプの漏洩磁束でした。仕方がないので30cmほど離したところ,すっかりハムは消えました。

 この時,トーンアームとターンテーブルのアース線を,先にMC昇圧トランスのアースにつなぎ,そこからイコライザアンプのアースにつないだのですが,なんとAMラジオが聞えて来ました。アース線がアンテナになってしまったんでしょうかね。

 こんな初歩的なトラブルを起こすなんてまるで中学生だなあと情けなくなりながら,トーンアームとターンテーブルのアース線をイコライザアンプにつないで見たら,ぴたっとおさまります。

 ことよどさように,アースというのは難しいものです。私は未だに手を焼いています。

 さてさて,早速聴いてみましょう。カートリッジは唯一のMCであるAT-F3/2です。

 まず,MC昇圧トランスとバイパスし,イコライザアンプのゲインをMC側に切り替えてみます。まあ,前回感じた印象のままですね。ハムは結構多めで,曲間にはブーンといっているのがわかります。

 さて,ゲインをMM用に下げて,MC昇圧トランスを40Ωにしてみます。えらいもんですね,一瞬で違いが分かるほど劇的な差があります。

 トランスを通すと,明かに高域側にレンジが広がり,ハイハットが歪まずに前に出て来るようになります。ボーカルにも華やかさが出てきて,全体的に高域の情報量が増加した印象です。(少々ざらつきがあるようにも感じますが)

 イコライザアンプのゲインを上げると,すすっと奥に引っ込み,平面的になってしまいますが,華やかさがなくなった分上品にまとまったように思います。

 これは比べてみれば,というレベルではなく,明かな違いとして分かるレベルなのですが,やはりトランスによる味付け,ということになると思います。

 まあここまでは好みの問題で良いのかも知れませんが,問題はハムとノイズの量です。トランスを通すとハムもノイズもほとんど聞こえないレベルになります。イコライザアンプのゲインを上げて使うと曲間でハムに気付くくらい,ノイズも耳障りになる状況でしたから,この差は非常に大きいです。

 イコライザアンプは,電源トランスを内蔵しているため,漏洩磁束による影響がかなりあるのでしょう。ゲインが40dB以上もあるアンプに入り込めば,結果は明かです。分かっているんですが,なかなか面倒臭くて対策をしてません。

 ということで,高域側のワイドレンジっぷりがよりはっきりするMCトランスを用いた方が,音でもノイズでもハムでも,(私にとっては)有利という結論になりました。

 MC昇圧トランスは,MCカートリッジとの相性が随分とあるといいます。高価なトランスだともっといい音がするんじゃないかなあと思ったりもするのですが,カートリッジが1万円程度の安いものですので,実は今の組み合わせって,そんなにアンバランスではないんではないかとも思うわけです。

 MCカートリッジの出力は1mV未満です。ノイズまみれになってしまうんじゃないかと覚悟をしていましたが,トランスをつかってやればもうMMカートリッジ並です。こんなにいいものなら,もっと早くに試しておけば良かったです。

 それで,随分気をよくした私は,手持ちにあるLPレコードをぱぱっと4枚ほど聴いてみました。先日もLPレコードを聴いて楽しかったわけですが,今回は音質も変わって,さらに楽しくなりました。

 それで,ちょっと思い立ってイコライザアンプの電源トランスを交換してみることにしました。

 これまでは,24Vのトランスを使って,AC24Vを整流,3端子レギュレータ安定化してDC24Vを作っていました。電流が小さいからこれでもなんとかなっていますが,ACの電圧はもう少し欲しいところですね,本当のところは。

 手持ちにクリスキットのAC30Vのカットコアコア電源トランス(Uniteシール付きというのが笑えます)があったので,これに交換をしてみます。ひょっとしたら漏洩磁束も減ってくれて,さらに3端子レギュレータの入力電圧が上がったことでリップル除去比も上がって,ゲインを上げた状態で出ているハムもぐぐっと下がるかも知れません。

 何分古いトランスなのでちょっと不安でしたが,とりあえず問題はなさそうです。

 結果は,残念ながらあまり変わりません。まあトランスを変えたくらいでハムが取れてくれれば苦労はしません。そんなに甘いものではないということでしょう。

 まあ時間が出来たときに頑張ってみます。

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