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COOLPIX S6

  • 2007/06/20 16:55
  • カテゴリー:散財

 先週末,所用で実家に戻っていたのですが,それにあわせて母親にデジタルカメラを買ってあげることにしました。

 昨年に買ってあげた携帯電話は,本来の機能では余り利用されず,むしろ手軽に使える小型デジカメとして活躍しているようでして,その被写体は母が世話をしている庭の草木です。

 いくらか見せてもらったのですが,QVGAで圧縮率大に設定されていた関係で非常に画質が悪く,母はそれを自分の腕前の悪さと諦めていたようです。そもそもメール添付で誰かに写真を送りつけるようなことを始めた場合に,送る側も受け取った側もパケ死することを恐れた私が最初に設定しておいたのですが,そのことが母の記録を台無しにしてしまったと悔やみました。

 そういうことなら,と最高画質に設定したことで母は十分に満足していたようですが,そうはいってもオートフォーカスもないおまけ程度のカメラですから,記録を残すという観点で見たときに不十分な物であることは確かです。

 母に聞いてみると,ボタン1つで写真が撮れるという気軽さが大事であって,いくら画質が良くてもデジカメまでは使いこなせないからいらん,と話でした。まあ,母にとってはD2Hが「デジカメ」なので,あんなもんをプレゼントされたらかなわん,と警戒したのかも知れません。(しかし母はフルマニュアル一眼レフであるPENTAXのSPを使いこなしていた人ですから,絞りやシャッター速度の調整はもちろん,フォーカスも自分で楽々あわせていましたので,苦手意識は虚像であると考えるのが妥当です)

 ただ,いい写真が撮れた場合に写真屋さんでプリントしてもらうこともあるだろうし,他の人に見せることもあるでしょうから,やはり高画質なデジカメを使うことに超したことはありません。

 ただ,あまり高価だと母は恐縮してしまいますし,使いこなさねばと言うプレッシャーに潰されるので,安くてよいものを日頃から探していました。

 大きすぎないこと,画質が水準以上であること,設定項目が少なくボタンを押すだけで十分な撮影が可能なこと,マクロモードを持たず自動でマクロに切り替わってくれること,レスポンスが良いこと,液晶画面が大きいこと,格好がいいこと,欲を言えば質感も高く,持ち歩くことが楽しくなることを満たし,かつ価格は1万円台。

 涼しい顔をして見栄っ張りな母はメーカーにさりげなくこだわるので,カメラ専業メーカーの製品がベスト。いくら性能が良くてもカシオやソニーはダメです。かといってコダックなどは論外です。

 そんな条件で見つかるかいな,と思っていたのですが,結構ある物です。先日ニコンが直販サイトの1000円クーポンをくれたのですが,ついでに特価品を探してみると,COOLPIX S6というカメラが送料込み17800円。クーポンを使えば1000円引きで16800円です。数量限定というわけではないのですが,カラーがホワイトという直販限定の色なので,きっとたくさん作って余ってしまったんでしょう。これは安い。

 COOLPIX S6は2005年の秋に発売になったモデルで,デジカメとしてはかなり古く,型落ちもいいところです。しかしスペックは600万画素,35mm-105mmのズーム(生意気にEDニッコール!),屈折光学系でレンズが飛び出さず,非常に端整なデザインを身に纏っています。

 液晶は背面いっぱいと言っていいほど大きな3.0型,付属のクレイドルにのせるだけで充電が出来る手軽さ,ボタンを押すだけでとりあえず撮影の出来る簡単操作と,考えてみるとこれほど条件にぴったりなカメラもありません。

 S6は無線LANを内蔵していることが最大の売りですが,無線LANはおろかインターネット接続環境がない実家には無用の長物で,ここはもったいない思いましたが,無線LANを内蔵しないS5の在庫があったときには15000円ほどだったと言いますから,まあ3000円ほどの差で無線LANがついていると考えれば,悪い話ではないと考えて納得しました。確かにすぐに使うことはないでしょうが,役に立つこともあるかも知れません。

 マクロモードは自動では切り替わりませんが,考えてみるとそういう機種は非常に少ないので,ここにこだわっていては仕方がないと諦めました。

 ちょうど私が実家にいる間に届くように手配をしたところ,予定通り実家で受け取ることが出来ました。

 ちょっと使ってみたのですが,箱を開け,こぢんまりと収まっているその姿を見た瞬間に「おお」と軽い感動を覚えました。久々ですね,こういう感激というのは。

 手に取ると,思ったより小さく,しかし思ったより分厚い感じがします。ひんやりとした質感はかなりよくて,自然に丁寧に扱おうという気持ちになります。しかし左右にあるメッキがなされたプラスチックは非常に指紋がつきやすく,その汚れが目立ちます。

 母も,これはいいなと喜んでいる様子。「Nikon」のロゴに,おそらくキャパやダンカンが死と隣り合わせでファインダーをのぞき込んでいる姿を重ね,思いをはせているのでしょう。

 とここまでは思惑通りです。充電をして初期設定を確認,手持ちの1GBのSDカードをフォーマットし,テスト撮影をします。

 電源のON/OFFのレスポンスはお世辞にも良いとは思えず,特にOFFにするときの遅さは「あれ」ともう一度ボタンを押してしまうほどです。そのボタンも小さくて押しにくく,母も本当に押せたかどうかわからん,とぼやいていました。これではピューリッツァ賞など到底ねらえません。

 シャッターレスポンスは取り立てて良いわけでも悪いわけでもありませんが,AFがそんなに高速なわけではないので,一呼吸必要でしょう。ただこれはS6に限った話ではありませんから,人間様が歩み寄ることにします。

 非常にがっかりしたのは,すぐにストロボを使いたがるんですね。ISO感度は50がデフォルトで,オートではISO200まで増感されますが,それよりもストロボに頼ることを優先するので,光が差し込む日中の室内でも,問答無用でストロボが光ります。

 コンパクトカメラのストロボですから光が厳しく,撮影結果は点光源のギラギラが目立ち,十分に光が回っていない,がっかりなものを連発するのです。

 ストロボを発光禁止にすると期待通りの写真が撮れますが,ノイズが想像以上に多く,色もくすんでしまうので,これがこのカメラの実力なのでしょう。ストロボでごまかすというのは,基礎体力のなさを物語っています。

 発色は比較的派手で,素材としてより「撮って出し」のカメラです。その割にやや眠い画像には期待はずれな感じもしましたが,塗り絵のような色ではないし,不自然なシャープネスもかかっていないので,ニコンらしさはあると思います

 おそらく屋外ではいい結果が得られるのでしょうが,室内ではすぐにストロボが発光しますし,だからといってストロボを使わないとがっかりしてしまうので,どんなシーンでもこなせるわけではないんだなあと,ちょっとがっかりしました。

 使い方は簡単で,複雑な設定はありませんし,写真を見たり消したりする作業も直感的ですぐに飲み込めます。母も安心していたようですが,繰り返しますが母はフルマニュアル一眼レフを手足のように使いこなしていた人なのでだまされてはいけません。

 色が特別色のホワイトなのですが,文字の色と近いため,小さい文字で元々書かれていることと相まって,大変に見にくいです。私が読みにくいと感じるくらいですから,老眼の母にはほとんど見えないんではないかと思います。これはかなり深刻です。よく考えていただく必要があると思います。

 意外に驚いたのは動画性能です。VGAで30fpsといえば一昔前のビデオカメラ並です。確かにビデオカメラとして使うにはいろいろ問題がありますが,ちょっとした動画であれば十分すぎると感じました。

 カメラとしての作り込みはさすがにニコンで,それはD2シリーズなんかを見ても分かるのですが,電気周りは一歩遅れているなあというのが正直な感想です。D2シリーズもS6も同じ印象を持ってしまうわけですから,良くも悪くもニコンの傾向なんだと思います。

 実はこの話を世話になってる友人にしたところ,暗に自分も欲しいと要求されてしまったので,日頃の感謝の気持ちに応えるべく,もう1台買ってプレゼントしました。自分の手元にあるわけではありませんが,気になったことをすぐに試せる距離ですので,もう少し使ってみてから最終的な実力を判断したいと思いますが,画質はやや不満,それ以外はかなり満足というのが,現時点の評価です。

 そうなんです。特にデザインと質感はよいと思います。持ち歩くにはやや重いかなという気もしますが,薄いのでかさばらず,苦にならないと思います。撮影時にもレンズが飛び出さず,持ちやすいので,自分用に1つ欲しいと思ったほどです。

 使いこなしを思案する必要もなく,ボタン1つで撮れるカメラとしては十分なものを持っているわけですから,大事なことは撮影しようという気持ちを強く出来るかどうかです。ぱっと見て撮影意欲が失せてしまってはその段階でダメですし,使ってみよう,持ち歩いてみようと思わせる気持ちが持続できなければ,いい写真は残せません。

 その点で,S6は非常にありがたいカメラであると思います。母の行動範囲は狭く,いろいろなものを撮影するとは思えませんが,同じ表情を二度と見せることがない庭の草花を切り取って残すために楽しんで使ってくれることを,期待したいと思います。

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