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ClassicEPsはディジタル・アーカイブかもしれない

  • 2007/12/11 19:41
  • カテゴリー:散財

 随分昔から気になっていた,SRX-12「Classic EPs」をようやく買いました。

 いきなりで申し訳ないのですが,私が使っているローランドのRD-700に追加する拡張音源カードです。

 70年代の音楽には必ずと言っていいほど使われているエレクトリックピアノですが,アコースティックピアノのお手軽版という生まれを思い出させないほど,重用される楽器です。

 ハモンドオルガンが教会のパイプオルガンの代用品として誕生し,後にその個性から「ハモンドオルガン」という独立した楽器として定着したのと同じようだなあと思います。

 そのエレクトリックピアノですが,とても好きな割には,実物はFenderRhodes Suitcaseをちょっと触ったことがあるくらいです。(CP-70はよく演奏しましたが,これはいわゆるエレピの範疇とは違うので含めません・・・)

 そんな状態ですから,あの独特の音をどうやって出しているのか,全く分からないままです。フェイズシフタを使うとか,コーラスを使うとか,いろいろ話は聞いていますが,シンセサイザーでそれらしい音を作ってみても,アンサンブルでは全然使い物にならないことが,当時は悩みの種でした。

 開き直ってエレクトロニックピアノ(電子ピアノ)ということにして,Rhodesなんかとは全然別の音を作って使うようになりましたが,アコースティックピアノが年々いいサンプリングで音が良くなって,簡単に素晴らしい音が手に入るのに,なぜかエレクトリックピアノについては全然だったんですね。

 悔しいなあと思っていたら,数年前にとうとうローランドから出ました。それがこのSRX-12,ClassicEPsです。

 価格は2万円ちょっとなかなか高価で,今時のソフトシンセならこの値段でものすごくいいものが買えたりするのですが,音源も「音」に対する対価としてお金を払うわけですので,要するにこのClassicEPがどれくらい私の期待に応えるかがすべてです。

 しかしその結論は,早くに出ていました。

 このカード,発売以来何度も買うつもりで楽器屋に出向いて試奏し,「まあ今回はいいか」と帰ってきていたのです。試奏すると,その音が私のイメージに合致していたので,これを演奏すると楽しいだろうということは,容易に想像が付きました。

 とりわけ私の物欲を刺激したのが,コンディション別にサンプリングされているということです。エレクトリックピアノも経年変化で音が変わります。私は体験したわけではないので人づてではありますが,経年変化により発音機構(金属棒と音叉のようなものの組み合わせらしいです)のサビが音色を随分変えるんだそうです。

 これを使い分けることが出来るとなると,もうエレクトリックピアノに望む物はない!と言わせたい,そんなこだわりを感じます。

 RD-700ではだめなのですが,Fantomなどの大画面液晶のモデルに搭載すれば,独自のUIが起動して,それらをリアルタイムに設定できるようなります。こだわってるなあと思うのは,その画面がコンディションの設定によってピカピカの新品から使い込んだようなやれた感じに変化することです,見た目にも変化するというのは,ちょっとした事ではありますが,心理的にとても重要なことでしょう。

 サンプリングされている音はtype1,type2とtype3の3つです。RD-700ではtype3ではなくWurlitzerとわかる名前になっていたので,これで3つのエレクトリックピアノが利用できることになります。

 情報を整理するとtype1はスピーカー付きということですのでSuitcase,type2はスピーカーなしのモデルということですのでMarkIでしょう。

 カタログには,これらのコンディションの良い物を探し出し,4段ベロシティ全鍵マルチサンプリングをしたということで,実物を使うのが年々難しくなることを見越し,この名機を完全にディジタル化しようと意気込んだのかも知れません。

うーん,SuitcaseとMarkIとWuritzerですよ。それも驚くほど新品に近い状態の抜群のコンディションのものを世界中で探し回って,ですって。たまりませんね。

 で,私のようなぬるい人にとってもありがたいのは,エフェクトの設定がすでに「使い物」になる状態で用意されていることです。トレモロ,フェイズシフタ,コーラスなど,必携のエフェクトでありながら,私のようにいくら頑張っても「あの音」に鳴ってくれない経験値の低い人にとって,使えるプリセットが一発で呼び出せることは本当にありがたいことです。

 そんなわけで,10月末に酔った勢いでぽちってしまった私は,その数日後に名曲の数々を,「あの音」でしばらく夢中で弾きまくることになるわけです。

 それにしてもエレクトリックピアノというのは難しい楽器です。もちろんアコースティックピアノも難しいのですが,打鍵の強弱によって変化する音色の変化が大きい楽器ですので,その音色変化を積極的に使いこなせないといけません。でも,どのくらいの打鍵で音色が変化するかをつかみ切れておらず,ここ一番の「かつーん」という打鍵音を出し損ねてがっかりすることもしばしばです。

 言うまでもなく,和音を演奏するとき,目立たせたい音のキーだけ強く叩きますが,エレクトリックピアノは音色の変化がかなりあるので,目立ちすぎます。というか,別の楽器が突然「ばーん」と鳴ったように聞こえます。だから,同じ音で和音を演奏するには,逆に強さもある範囲で揃えつつ,音色の変化がないところで強弱を調整しないといけないんだなあと気が付きました。いやー,難しい。

 エレクトリックピアノはもともと正弦波に近い音色なので,和音の響きが美しく,とても強い印象を残すだけに,気を抜いて演奏するとそれがすぐにばれてしまう,怖い楽器です。よくもこんな難しい楽器を昔の人は弾いてたもんですよ。

 そんな中で,一緒に入っているクラビとWurlitzer は,全然使いこなせません。クラビはリズム楽器と呼んでも差し支えがないほど,リズム感がなければ恥ずかしいだけの楽器ですし,Wurlitzerは音が好みでないことに加えて,これを使わなければならないような曲を演奏したこともないので,音を聞いてもイメージがわいてこないんですね。

 実は購入して2ヶ月ほどたちますが,最近ようやく鍵盤の重さと音の変化がリンクするようになってきたので,随分と楽しくなってきました。個人的に思うのは,レコーディングにはいい音が必要ですが,楽しく演奏するにはいい音以上に変化のある音が大事なんだということです。

 以前使っていたピアノ音源であるSG-Rackもいい音でしたが,変化の少ない音だったので楽しめず,弟にタダであげてしまいました。RD-700も内蔵の音色にはいまいちの物もありますが,2つのスロットをCompletePianoとClassicEPsで埋めてしまえば,もう怖い物はないでしょう。

 個人的には,RD-700は,内蔵の音色ではエレクトリックグランドの音(実はこれは未だにEmuのVintageKeysの音が一番いいと思ってます)と,80年代の名機RD-1000で知られたSA音源のエレクトロニックピアノが気に入っているので,先の2つの拡張音源とあわせて,かなり楽しいピアノになってくれたなあと思います。

 ただ,これまでに買った他のカードが使えなくなってしまい,結果として弟に無期限貸与(要するにオークションなんかで勝手に売り払い生活費にするなという意味)しているのがもったいなく,XV-2020でも買うか,と思っているのですが,XV-2020って結構中古でも人気の機種のようです。やっぱみんな同じことを考えるのでしょうか・・・


 昨今話題の初音ミクなんかと,アンサンブルを真面目にやらせると面白いかも知れないなあなどと思うのですが,その前に昔の仲間とアンサンブルをしないと思ったりする,今日この頃です。

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