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K10Dも買いました

  • 2008/12/05 18:16
  • カテゴリー:散財

ファイル 240-1.jpg

 K10Dを買いました。

 あちこちで処分価格が出ていますね。PENTAXのデジカメは,発売当時どれだけ評判が良くても最終的には投げ売りが起こる事が多くて,悩ましいです。K10Dも46000円程度が出ています。

 私は昨年の5月に,同じように特価が出ていた*istDLを3万円で購入した,PENTAXにしてみると誠にありがたくないユーザーなわけですが,今回のK10Dも46780円で買いました。送料も代引き手数料も含まれているので,実質45000円台だったことになるかも知れません。

 K10Dはご存じのように,PENTAXがその迷走に終止符を打った渾身のモデルで,高い完成度とてんこ盛りの機能,カメラ・オブ・ザ・イヤーなどの価値ある賞を受賞するなど,「PENTAXはやればできる子」であることをファン以外にも広く知らしめた一台です。

 1000万画素,手ぶれ補正,ゴミ除去,ガラス製ペンタプリズム,多点測距AFと,ハイアマチュア向けに意欲的な仕様を盛り込み,しかし一方でM42レンズまで面倒を見る,ユーザー思いの真面目な作り込みも忘れていません。

 そのK10Dがこの値段なら,買いだと考えてポチりました。そもそも,今使っている*istDLは,不満だらけなのです。(気に入った点が不満を越えているので問題はないんですけど)

 *istDSや*istDLなども,確かに基本的な能力は十分ですし,機能的にも行き届いたものがあって,PENTAXのユーザー視点にはつくづく頭が下がりましたが,いかんせんボディがあらゆる面でちゃちで,*istDLを箱から出したとき,まず最初に「おもちゃみたいだなあ」と余り良くない印象を持ったものです。

 それに,MZ-10を修理した時に感じた,内部機構のコスト最優先,耐久性に対する割り切りが後押しし,基本的に末永く使う事を考えていませんでしたから,自然と愛着もわいてこない状態でした。シャッターは緩慢でだるく,タイムラグの大きさには閉口しましたし,その音は脳内のドーパミンが一斉に引いていくのが分かるほどです。

 ホールド感もいまいちで,手ぶれを連発して落ち込むこともしばしばです。

 K10Dもそうかなあ,と届いた箱を開けてみましたが,質感はなるほど中期機種のそれです。私は質感とは密度感とほぼ同義かなあと思っていまして,K10Dは見た目と重さのイメージがほぼ一致,手にとって「よしよし」と思えるカメラになっています。

 そもそも,*istDLを買ったのも,FA43mmF1.9という本当に素晴らしいレンズをデジタルで常用するという目的のためでした。だから多少の欠点や問題は目をつぶることもできたのですが,これがK10Dになると不満の大半が解消する,と期待して,今回購入したわけです。

 この機種から採用になったリチウムイオン電池を付属の充電器で充電し,FA43mmF1.9を取り付けて電源を入れてみます。「お,おおお」という,いい印象と,「こんなものかな」というそこそこの印象が交錯する,そんな感じでした。まとめてみます。


・AF
 AFは力強く,合焦までの速度も向上しています。電池をリチウムイオンにしたことでAFモータの駆動電圧も上がって,それでキビキビ動くようになったのでしょう。幸い私のK10Dについては精度も良く,測距点がスーパーインポーズされることも手伝って,格段に使い心地が向上しました。

・多点測距
 多点測距が可能になりましたが,AFのモードを切り替えられないので,あんまりうれしくありません。AUTOはどういうアルゴリズムで測距点が選択されるのか不明ですから任せられないですし,SELでは矢印キーで測距点を動かすことが可能でも,不意に動かないようにロックできないのでこれまた信用できません。結局私は中央1点のみでの測距がデフォルトになりました。
 つくづく思うのですが,AFの測距点が増えることが高級機の証のような印象があるなかで,結局それら測距点は同時刻に1つしか動けないわけですから,いかにしてその多数の測距点を切り替えるか,が勝負なわけです。
 複数の自動選択アルゴリズムを搭載するのも手ですし,ユーザーにダイアルやカーソルキーで選択させるのも手ではありますが,個人的には自動選択が撮影者をアシストできるなら,それこそが多点測距の本当の価値であると思います。

・ファインダー
 倍率0.95,視野率95%のガラス製ペンタプリズムは評判通り明るく見やすく,情報表示も良く整理されており本当に良くできていると思います。前述の通り測距点がスーパーインポーズすることもありがたく,これは測距点の位置を知ること以上に,撮影のテンポを作り出すカメラの「相づち」として,大きな意味があると思います。
 AFが優秀になれば,ファインダーなどは構図を確認する役割くらいしか持たないわけで,その見やすさにコストをかけることが難しくなります。しかし,PENTAXはM42レンズを使ったときの見やすさやフォーカスの合わせやすさを犠牲にしないという理由で,伝統的にファインダーの明るさや見やすさにはこだわっています。M42レンズが使えます,ではなく,M42レンズを使って遊んで下さい,というメッセージでもあるわけで,こういうところがPENTAXの良さだと思います。

・シャッター
 シャッターの基本構造は,おそらくですが*istDLなどと同じだと思います。電池が変わったことでモータやソレノイドの駆動電圧が上がり,動きが素早く,力強くなったことと,バネにチャージするエネルギーを増やせたことで,動作がキビキビして好印象です。エネルギー密度が高まったという感じでしょうか。こういうところも質感を向上させるものなんだなあと知りました。また,タイムラグもだいぶ改善されたようです。
 ただし,音は相変わらずで,改善されたとはいえ切れ味は良くないです。ブラックアウトの時間も長いという印象で,こういうところの積み重ねが最終的な写真の良し悪しを決めるのかも知れませんね。

・設定
 設定項目は相変わらず多いです。基本的な機能の選択,ユーザーの好みに合わせる操作性の選択,利便性か趣味性かの選択など,いくつかの種類があるように思うのですが,それぞれがそこそこ上手に整理されていることと,階層が深くないので設定を探すのは比較的楽です。
 また,その設定で何が変わるのかがちゃんとガイドされるので,いちいち説明書を開く必要もありません。これは見習うべきカメラが多いでしょう。
 それにしても,なんとまあ行き届いた設定項目でしょうか。デバッグ担当者は死ぬ思いをしたんではないかと思います。

・画質
 今時1000万画素は珍しくもありませんが,私にとっては初めての10Mピクセル体験です。撮影して分かったのは,レンズの性能がもろに出るなということ,ぶれが目立つなということ,そしてやはり高精細な画質にはその情報量に圧倒的なものがあるなということです。
 D2Hを使っていると,最終的な情報量は画素数によらない,ということを確信出来るのですが,良くできた1000万画素には圧倒的な情報がすり込まれているという当たり前の事を思い出させてくれます。
 それにしても,D2Hに比べて2.5倍もの情報を,これだけの時間で処理してメモリカードに書き込むんですから,大したものです。

・手ぶれ補正
 個人的には,これが一番納得がいきません。PENTAXの手ぶれ補正はボディ内部でイメージセンサを動かす補正方法ですから,どんなレンズにも有効になることが利点ですし,最大で4段もの補正能力があるという強力なものですが,私はあまり実感できずにいます。
 FA43mmで,様々なシャッター速度で撮影をしてみましたが,1/2秒くらいまでだと手ぶれ補正をONにしてもOFFにしても,どちらもほとんど手ぶれがなく,差があまりないのです。
 1秒にすると,どちらも同じくらいにぶれています。故障かもしれないなあといろいろ試してみましたが,K10Dを左右にぶんぶんわざと振って撮影すると,OFFでは派手に流れた画がONではぴたっと止まっています。うーん・・・
 効果は絶大とは言えるかも知れませんが,こんな激しいぶれを,人間が起こすなど普通は考えられませんから,シャッターボタンを押すときの小さなぶれをびしっと押さえてくれるようでなければ,実用的な意味はありません。
 ボディ側での手ぶれ補正の性能を「こんなもんだ」とする意見もあるようですが,もう少し試して,PENTAXの手ぶれ補正のクセを見極める必要があると思います。
 ちなみに,ニコンのVRレンズは,非常に劇的でした。手ぶれをびしっと押さえてくれますし,レンズ内で補正するのでファインダーでその効果が確認出来ます。ファインダーで像が止まって見えることのメリットを強く感じた瞬間でした。
 どっちにしても,PENTAXの手ぶれ補正に過信は禁物です。

・ほこり除去機能
 手ぶれ補正機能を利用して,イメージセンサを意図的にぶつけて付着したほこりをふるい落とすという乱暴な方式のほこり除去機能が搭載されています。
 どういうわけだか,これだけレンズを交換して使っているにもかかわらず,私はイメージセンサにほこりが付着して困ったという経験がほとんどありません。ゆえにあまり必要性を感じてはいないのですが,せっかくですから使ってみようと,電源ONで必ず動作するように設定をしてみました。
 しかし,電源を入れる度に「コトン」と結構な衝撃があり,不安になったので機能をOFFにしました。こういうのは,必要になったときだけやればいいわけで,常用するのはやめた方がいいというのが藁死の結論です。

・操作感
 操作感も悪くはありませんが,やはりボタンの質感などは今一歩なところがあります。ただ,シャッターボタンは良くなりました。軽いタッチでレリーズできると,それだけぶれが軽減されます。動作も軽く,もう*istDLには戻れません。
 ところで,サブLCDのバックライトの点灯ボタンが独立していないのは納得がいきません。露出補正ボタンでバックライトがONするのですが,ユーザーは露出補正がしたいのであり,バックライトが点灯することは予期していません。露出補正をしようとしてサブLCDがいきなり緑色に光ると一瞬思考が飛んでいき,撮影の邪魔になりました。
 また,周囲の邪魔にならないよう,バックライトを直ちに消す必要があるケースも多いにもかかわらず,消灯は時間が経過して勝手に消えるのを待つしかありません。誤ってもう一度露出補正ボタンを押すと,そこからさらに点灯時間が延長されて,なかなか消えてくれないのです。
 それで,設定からバックライトをOFFにするようにしたのですが,これだとバックライトを点灯させる方法が奪われてしまいます。暗いところで確認するのにバックライトがあると助かる場合もあるのですが,こういう形で封印されてしまうのは甚だ疑問です。
 バックライトですからね,暗いところで使うものなわけですよ。暗い場所でもさっと操作できることが大事なのですから,実は露出補正ボタンへのアサイン自体が問題なんじゃないかと思います。ニコンと比較するのは問題ですが,電源ボタンをON位置よりさらにひねる(PENTAXでいうプレビューです)と点灯という操作は,暗闇での操作も確実で,ここまでしてようやくバックライトは,ありがたい機能になってくれるのです。

・大きさなど
 *istDLは左右の幅が小さく,きゅっと圧縮されたような張り出し感もあって,個人的には好印象だったのですが,K10Dは左右が妙に間延びした感じがして,見た目はあまり良くないなあと思いました。
 しかし手に取ってみると,やはりK10Dはしっくりきます。*istDLは小さすぎて手ぶれを連発しましたが,K10Dは手にスポッとおさまり,自然にシャッターが切れ,おかげで手ぶれ補正OFFでも手ぶれ限界が相当上がりました。
 防塵防滴というのもとてもいいです。防塵防滴が実際に役に立つことはもちろんですが,密閉構造にした事による剛性感や密度感,音の出方が中級機にふさわしいものになっていると思います。

・雑感
 さすが中級機,ハイアマチュア向け,と思わせるものは当然ながらあり,PENTAXはいい仕事をしたなあとうれしくなりました。しかし,一方で今のPENTAXにとっては,これが限界なのかも知れないなとも思いました。
 以前はP30のようなカメラがある一方で,LXや645,67などの高級機がその質感や音で多くのプロやマニアを夢中にさせたわけですけども,今のPENTAXにそこまで望むことはできません。
 むしろ,そうした身の丈を越えた商品展開が昨今のPENTAXの状況を生んでいるといえなくはありませんが,LXはそれまで手がけてこなかった「究極の一眼レフ」を60周年記念で作ろうと奮起した結果ですし,中判の一眼レフも創始者が熱望して商品化されたという経緯もある,良き伝統でもあるのです。
 HOYAというシビアな会社の一部になったことがマイナス要因だとすれば,断片的に漏れ伝わってくる「MF時代のプロ用一眼レフで当たり前に出来た事を実現する」というプロ用デジタル一眼や,来年夏までに登場するK20Dの後継,そして中判の開発凍結の解除などの噂は,あくまで噂ではありますがプラス要因です。
 ただ,すべて膨大な予算と,高い技術力が必要な商品ばかりです。個人的にはこのすべてが実現するのは,かなり難しいだろうなあと思います。(プロ用一眼レフや中判が売れまくって儲かる,なんていう話はあまりないと思います。)

 ところで,「MF時代のプロ用一眼レフで当たり前に出来た事」って,なんでしょうね。

交換式ファインダー(これかなあ)
ミラーアップで撮影(これもあると便利)
機械式のバルブ(撮影に電池がいるんだから意味なし)
戦場でおそわれたとき武器になる(これは欲しい人がいるかも)
電池がなくなっても動く(これは無理)
多重露光(これは実現してます)
交換式フォーカシングスクリーン(これも実現してます)
交換式撮像素子(MF時代にあったかそんな機能)
南極,宇宙でも確実に撮影可能(MF時代でも当たり前じゃない)
フィルム巻き上げ,巻戻し(単なる儀式じゃないか!)
モータードライブ(いらん!)
交換式データバック(いらんっ!)
ねじ込み式レリーズが使える(いらんだろ・・・)
FP接点(FPが必要なフラッシュの入手が不可能だろう)
横走りシャッター装備,しかもゴム引き絹製(個人的にはうれしいが意味あんのか)


 ・・・というわけで,これから寒くなり,外に出るのがますますもって億劫になるわけですが,冬は空気の澄んだ季節でもあります。寒さという緊張感の中でシャッターを切るのもまた楽しいことなので,せっかくですから年末年始をK10Dで切り取ってみようと思います。

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