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SuperAを手に入れました(ついでにFA35mmも)

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 昨年末,高校時代の友人と年始に会う約束をしていました。彼は中央線沿線に住んでいるのですが,根っからの気を遣うタイプの人で,ありがたいことに私の住むところとの中間点で会うことを提案してくれたのでした。

 ただし,私は中野のフジヤカメラには年に一度ほど行くことがあります。その時思ったのですが,中野という街は非常に賑やかで,言い換えるととても猥雑な印象を持ちました。しかし,渋谷や新宿といった単に人が多いだけの街とは違い,どうも慣れている人が多そうな感じです。地元の人がきちんと集まる賑やかな街というのは,ある種の統一感がその街の個性を醸し出していて,よそ者の私はワクワクするのです。

 食べることも飲むことも困らない街だと分かっていたので,私は友人に中野にしようか,有名なカメラ屋もあるし,と話をしたところ,「それでいこう」と決着しました。彼のことですから,よそ者を出迎えるホストとして,いろいろ考えてくれることでしょう。

 果たして彼のもてなしは非常に面白く,待ち合わせ場所は中野ブロードウェイ,すぐに非常にうまいラーメンで腹ごなし,そして囲炉裏と炭火で見るからに立派な魚を焼き上げるお店で少々の贅沢をし,最後にショットバーでバーボンを飲む,と言う流れでした。ありがたいことに彼の主導で店をぱぱっと決めることが出来,寒い中をウロウロすることを避けられただけでも十分だったのですが,どこもおいしく,良い雰囲気で話も弾み,大変に満足して帰路に就いたことは,年末のワタミ事件以来ある種の不信感を拭えずにいた私を,大変勇気づけてもくれたのでした。

 さて,待ち合わせの時刻が夕方5時でしたから,4時前にフジヤカメラに向かったのですが,この時の戦利品があまりに楽しいものであったので,ここに書きます。まずPENTAX SuperAです。

 見ての通り,ヨーロピアンカメラオブザイヤー受賞記念モデルです。お値段はジャンク扱いの割に5250円と,このカメラにしては高価です。

 どうしたことだか,私は最近PENTAXにどっぷりです。三つ子の魂百までってやつでしょうか,Nikonでマジョリティの仲間入りを果たした私は,気が付くとPENTAXのレンズやボディ,オプション類を新品・中古を問わずに買うことが多くなっていました。

 あくまでサブ扱いだったはずのPENTAXは,いつしかNikonよりも出番が多く,いつも防湿庫の外に置かれています。カメラにとって,どちらの状態がよいことなのかと考えてしまうのですが,それくらい自分との波長の一致が実感できるようになってきたのです。

 昨年のK10Dも素晴らしいのですが,やはりちゃんとした銀塩を買わないとな,と思っていたのですが,LXという別格のカメラを除き(なぜ除くかと言えばLXは素人では修理出来ないからです),ほとんどが程度の悪いカメラばかりだからです。

 MZ系はシャッターや巻き上げ機構に耐久性を期待できず,いつ壊れるかわかりません。MZ-3やMZ-Sは分かりませんが,これらは今でもそこそこ高価です。

 SFXやSF7も同様ですね。それにPENTAXらしさがないと個人的に思うので好きにはなれません。

 MEやMX,SuperAなどはとてもPENTAXらしいのですが中級機であったことが災いし,相当ラフな使い方がなされていることに加え,そもそも古い機種なので程度の良いものを見つけることは絶望的です。とにかく欲しいと手に入れたMEsuperはほとんど全バラシに近いところまで行い,ようやくコマ間隔や高速シャッターのバラツキを根絶できたのでした。部品の摩滅も大きく,オイルの入れ替えくらいでは鈍重なシャッター音は復活してくれませんでした。

 そのMEsuperは,小さすぎてホールドがしにくく,シャッターもメカとの併用ゆえストロークが大きく,またミラーショックも大きいため手ぶれを連発,どうも使いこなせないというフラストレーションと,シャッター音の悪さに,36枚を撮りきるのが難儀なカメラでした。

 1980年代を過ごした私がNikonF3をカッコイイ!と思うのと同じように,やはりPENTAXもLX,SuperA,ProgramAには訴えて来るものがあります。中でも機能的にバランスが取れ,実用レベルも極めて高いSuperAをいつか買いたいなと思っていて,機会があると探してみたりもするのですが,そもそも程度の良い個体が少なく,ちょっと買う気にならないものばかりです。

 ところが,フジヤカメラのジャンクの棚に鎮座していたSuperAは,とても綺麗でした。5250円という高価なプライスが邪魔をして,誰の注目も浴びていないそのSuperAは,ロゴが金色になっていました。記念モデルですね。

 SuperAに記念モデルがあったことは知っていますが,もともと中級機ですからコレクターズアイテムにはなりません。ただ,酷使されずに大事に扱われていたことはおそらく本当で,実際この個体もなかなか程度がよいようです。

 手にとって見てみると,電池が入っているのでシャッターが切れます。ただし,液晶表示に「ooo」と出ることがあり,ちょっと不気味です。ただ,スローシャッターも問題なく切れますし,音も非常に良いです。

 これはいけるかも,とはやる気持ちを押さえながら外観を見てみますと,ペンタカバーの角の塗装が剥げています。グリップも外されていますね。しかし目立った傷はほとんどなく,へこみもありません。裏ブタを開けてみますが,フィルムを通した擦り傷もありませんし,もちろんシャッターにもおかしな傷はありません。

 ただ,モルトが全滅で,もうネバネバになっています。しかし気になったのはそれくらいで,マウントの傷もありませんし,巻き上げも実にスムーズです。致命傷と言われるLCDの滲みや表示コントラストの低下などもなく,これは程度はかなりよいです。

 ジャンクなのにちょっと高いなあと思いつつ,これだけ程度のいい個体であれば万が一修理や調整が必要でも仕上がりが全然違うでしょうし,そもそも修理する手間すらかからないかも知れません。こんなSuperAはもう二度とお目にかかれないかもしれないと思うと,そのまま置いていく気にもなれず,結局買うことにしました。

 家に帰ってまずモルトの張り替えをやりました。交換が終わるとシャッターのテストですが,例の「ooo」表示は電池切れのサインだったようで,電池を交換すると問題なく動作しました。

 マニュアルモードにし,オシロスコープでざっとシャッター速度の確認をします。1/15秒から1/2000まで,全速問題なしです。1/8秒以下についてはオシロを使わず確かめますが,問題はないようです。

 露出も狂っていませんし,巻き上げも問題なし。およそカメラとして問題はなさそうです。いやはや,うれしいものです。

 アイピース,ミラーを清掃し,さらにファインダースクリーンを外してゴミを飛ばします。早速数日前に購入したFA35mmF2ALを取り付けて見ますが,ファインダーの明るさと見やすさに感動です。この頃,マニュアルカメラ全盛だったんですね。

 オートでのシャッターテストも軽く行いましたが問題はなさそうで,そのまま塗装の剥げをラッカーでタッチアップし,ロゴなどにゴールドのエナメルラッカーを流し込み,外観も仕上げて完成させます。

 翌日,仕上がったSuperAにフィルムを入れて試し撮りをします。使うレンズはFA35mmF2AL,FA77mmF1.8です。

 まず,SuperAからシャッターが完全に電気式になりました。おかげでシャッターストロークが浅く,非常に押しやすいです。小さな指の動きで確実にシャッターが落ちるので,手ぶれもしっかり防止できそうです。

 1980年代のカメラが好きな理由は,このストロークの浅さにあります。メカ併用のシャッター,あるいは完全メカ式のシャッターは,どうしてもストロークが深めで,よほど安定したホールド感のあるカメラでないと,違和感があります。

 そして,程度が良かったせいもあるのでしょうが,シャッター音がよいです。もう1枚,もう1枚とどんどんシャッターを切りたくなってきます。そして続けて,なめらかな巻き上げの感覚を味わいます。

 ・・・そうこうしているうちに,36枚撮りを2本,あっという間に使ってしまいました。

 現像してみて,露出のバラツキやフォーカスのズレ,あるいはコマ間隔のバラツキがなければ完璧でしょう。

 ということで,このSuperAは,記念モデルという高貴な生まれからとても素性の良い状態でジャンク扱いになっていました。私の手元に来たのもなにかの縁でしょう。ここ最近,PENTAXの銀塩時代のレンズを買い,どれもその写りに感動している状態ですので,これを銀塩で堪能するカメラとして,大事にしようと誓ったのでした。

 と,そうするとやっぱグリップがいるよなあ・・・説明書もあったらうれしいなあ。

 そして私は,行きつけの中古カメラ店に出かけたのでした。続きは明日。

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