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さようならセンチュリア

 激安カラーフィルムとして私のようなカメラ修理趣味人を支えた「センチュリア」シリーズが,とうとう生産終了になったようです。

 元々コニカのフィルムだったわけですが,どういうわけだかコニカのフィルムには1本100円台で売られる激安フィルムがありました。使い捨てカメラ(という表現は適切ではないのですが)に使われるフィルムだったこともあるでしょうし,もしかするとフィルムそのものではなく,現像と引き延ばしで儲けるシステムが出来上がっていたのが理由だったのかもしれないのですが,36枚撮りのフィルムを1本現像に出すと,軽く1000円を超えた過去を思い出すと,写真というのは金のかかる趣味だったんだなあとつくづく思います。

 思う存分シャッターを切りたい私は当然モノクロフィルムを自家現像していたわけですが,実は自家現像でカラーフィルムを処理することが全く難しいものではなく,またコストもかからないものであると知り,今は完全にカラーに切り替えてしまいました。

 そうしたトータルコストの引き下げに大きく貢献したのが,コニカのセンチュリアでしたが,特にセンチュリアスーパーのISO200の発色は「これが激安でいいのかよ」と思うほど豊かで優しく,シャッター速度やレンズの確認のためのテスト撮影に使うのが惜しいくらいでした。また,ISO200という適当な感度が大変便利で,D2Hの標準感度がISO200だったりするので,私はすっかりISO200で光を読む人になっています。

 小西六からコニカに代わり,ミノルタと合併した名門はコニカミノルタとなりました。共に日本の写真文化を支えた会社が選んだ道は写真関連事業からの撤退でした。フィルムは言うまでもなくカメラからも撤退し,コニカミノルタはすでに私の中では「倒産」した会社と同じ扱いです。

 しかし,もっとも厳しく,今後も険しいはずのフィルム事業を手に入れた会社が大日本印刷で,果たしてセンチュリアという名前は残り,そして激安販売の対象という役回りさえ引き継がれてきました。

 あれから4年,実はコダックのOEMで発色も粒状性も全然違うフィルムになってしまったセンチュリアですが,私はいつでも欲しいときに手に入る安いフィルムに安堵していました。しかし,それももう終わりです。

 F100を手に入れた矢先の話でとても残念で仕方がないのですが,買い支えるという行為に及ばなかった私にもそれなりの原因はあるかも知れません。

 センチュリアスーパーのISO200については30本ほど冷凍してありますし,かつてダイソーで売られていた100円のコダックのフィルムも備蓄があるので,今すぐピンチになるわけではありませんが,フィルムは生もの,やっぱり欲しいときに買えないことは,辛いところです。

 私の写真史にとって,この日は大きな転換点になると思います。フィルムがなくなったわけではありませんが,貴重品になったことは,もはやフィルムが特別な存在となり,使うことは贅沢な行為に変わります。

 私はフィルム至上主義の人ではないので,感情的な寂しさはありません。高価なフィルムには高価なりの性能の良さがあります。安いフィルムはディジタルで取って代わられるのが宿命でしょう。ディジタルでは代替不可能な領域でのみフィルムが生き残るという簡単な予測は,時間軸はともかくとして現実になろうとしています。

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