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古時計

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 この小汚い時計は,セイコーの「TIME PORT-7」という名前の時計です。1980年の発売といいますが,私が父からプレゼントされたのは1981年であったと記憶しています。プレゼントされた理由は定かではありませんし,当時小学生だった私も,なぜもらえるのだろうかと疑問だったことを覚えています。

 あれから28年。何の変哲もない時計ですが,学生時代は机の上に,社会人になってからは目覚ましにと,常に私の傍らにいた時計です。

 星の数ほどあるデジタル時計の中で,「TIME PORT-7」でググると,何件かヒットします。当時においても,そこそこ個性的な時計で,現在も大事に使い続けている人が日本にも海外にもいることに,妙な親近感を感じました。

 私にとってこの時計は,もはやこれでないと困る時計です。近所迷惑なのではないかと思うほど大きな音がするアラームは確実に私をたたき起こしてくれますし,ストップウォッチ機能は置き時計ならではの安定感と操作のしやすさに秀でています。これまでの膨大なネガの現像は,すべてこれが刻んだ時間で処理されています。

 物持ちの良い私でも,さすがに30年近く使い続けたものというのはこれくらいでして,モーターやギアのない時計ですから,壊れるはずもないとラフに扱っていたのが災いしたのでしょう。

 写真でも分かりますが,LCDの左側が,黒くなっています。

 経験的に,LCDは遅くても20年,早いと数年で,こうして黒くなってしまいます。最初は端っこの小さいエリアでも,徐々に広がっていってしまいます。指で触ったり,水がかかるとさらに広がるのが早くなります。

 もうこうなると復活の方法はLCDそのものの交換しかありませんが,すでに30年近くが経過した時計が修理出来るはずもありません。事実,修理を断られたという体験談をホームページに書いている方もいらっしゃいました。

 昨年くらいに左上が黒くなり始めたのですが,仕方がないで済ませていたのです。ところが先日,ちょっとした振動で時刻がリセットされてしまう状況に業を煮やし,分解して修理することにしたのが運の尽き。

 LCDの偏光フィルムも劣化するので,新しいものに交換しようとしたところ,どうも厚さが変わったらしく,基板をネジ止めしてもうまく導電ゴムと端子が接触せずに,綺麗に表示がなされません。別のフィルムを敷いて厚みを稼いで解決したのですが,これに気が付くまでにすでにネジ山はなめてしまい,LCDもより広い範囲で黒くなってしまっていました。

 これにはがっかりです。余計なことをしなければ良かったです。

 しかも,AMとPMの表示部が黒くなってしまったので,PMの時だけ,Mの左下のわずかな部分だけが点灯しているかどうかが,AMとPMを見分ける唯一の手段です。アラーム時刻のセットでAMとPMをよく間違えてしまう私にとっては,この問題は致命的と言えるでしょう。

 まあ,後継機がきっとあるさ,と探してみますが,これに代わって使えそうなものは見つかりません。修理しようにもそれは出来ないといわれています。オークションを探してみるのも手ですが,30年前の,それも普通の時計がそうそう簡単に手に入るとも思えません。

 ポケコンもLCDが黒くなってしまいましたし,ゲームウォッチも黒くなっています。LCDという自分の寿命よりも短い命の部品を使った製品を大事にするには,自ずと限界があるようです。

 ACで動くものなら,思い切って別のディスプレイに交換してしまうのですが,単三電池一本で1年以上動く時計ですから,素人が手に入れられる部品で修理するのは難しそうです。

 なってしまったものは仕方がありません。とりあえず,わずかに判別できるPM表示を頼りに使い続けることになりますが,これも次第に見えなくなることでしょう。そうなるまでの間に,なにか良い方法を考えついて,実用レベルで修理が可能になっておく必要があります。

 使われている時計用LSI「uPD1991」については,全然データシートが見つかりません。本気で使えるレベルにするための工夫を,遠からずやってくる「使い物にならなくなるとき」のために,考えておこうと思います。

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