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Make: Tokyo Meeting 04 - 工作大好き人間のお祭り

  • 2009/11/24 20:13
  • カテゴリー:make:

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 さる11月22日,23日に,大岡山の東京工業大学で,Make: Tokyo Meeting 04(以下MTM04と略)が開催され,私も今回初めて見て来ました。一応工作好きで,Make:は日本語版が出る前から知っており,日本語版もずっと買っているということもあって,以前からいってみたいと思ってましたが,ようやく今回その夢が叶うことになりました。

 電子工作についていえば,アメリカやヨーロッパではそれなりに認知された大人も楽しめる趣味であるのに対し,残念な事に日本では工作=夏休みの宿題という刷り込みからか子供の遊び,と言う先入観が強く,大人が楽しむことは「特殊な例」として見られるようです。(模型や鉄道も同じような感じでしょうか)

 しかし,インターネットの普及によって,国境を越えた情報交換,部品の入手,そして作品の公開が可能となり,にわかに工作という趣味の裾野が広がって来たように感じます。

 一部の硬派なマニアの中には,回路設計も出来ないのになにが電子工作か,アセンブラも出来ないのになにがマイコンか,と眉をひそめる向きもあるようですが,逆に言うとそうした専門的な知識がなくとも電子工作を楽しむ事が出来る環境が整ったことは,もっとたくさんの創意工夫を見ることが出来るようになったと考えるべき事で,歓迎すべき事だと私は思っています。

 それこそいろいろなレベルの人が,ものづくりが楽しいという1点で集うMTM04,私も同じ趣味を持つ人間として,大いに触発されてきました。この居心地の良さは何だと思うほど,本当に楽しく過ごしてきました。

 Make:というよりむしろCraft:に興味のある友人に,友人の妹さん,そして妹さんの友人の清楚で賢そうなかわいらしい女子高生(!)の4人で見学しようという話になっていたわけですが,会場に入るや否や女性3人を放置してピューッと単独行動をしてしまった私は,真のMakerだと誇って良いと思います。

 まず,みんな優しいですね。会場はとても混雑していたのですが,例えば鞄がポンとぶつかったりすると,みんなちゃんと「すみません」といいます。朝の品川では考えられないことで,ここにいる人々が互いに関係のある人として意識し合っていることを感じました。一言で言うと仲間意識とでもいうのでしょうか。

 人が通るときにはさっとよけてあげたり,荷物が通るときには道を作ってあげたりと,みんなやさしいんですよ。物販ブースでもみんな我先にと争うこともなく,丁寧だし,マナーもよいし,こういう集団に自分が属していると思うと,とてもうれしくなります。

 展示をしている人は,自分の作品を公開する勇気のある人ですが,そのレベルは本当にまちまちです。しかしどの人も物怖じせず,気軽に見学者との意見交換を楽しんでいます。

 出展者は別に何かを買ってもらおうと思っているわけではないし,見学者も別に何かを買おうと思っているわけではありません。互いに金銭上の問題や損得勘定を外に置き,むしろ対等な立場で意見の交換を行って,お互いに触発されることを目指しているので,どのブースに行っても面白いお話が出来ます。いやほんと,時間の経つのを忘れてしまうほどです。

 多くの出展者にとって,自分の作品を見てもらうことが大きな目的になっていますから,ウソはつかない前提で「これは面白い」「これはxxxな可能性がありますね」というと,みな一様に喜びます。見学者は見学者で,口だけではなく実際の形にしてきたことに最大限の敬意を払いつつ,自分だったらどうするかなあと妄想し,それを口にしては,最後に互いに「ありがとうございました」でお別れするわけです。

 人混みが苦手の私も,このMakerたちとの接触と,会場の雰囲気の良さに疲れ知らずであちこち見て回っては,出展者の人と利害関係を越えてお話を楽しんできました。

 本当に楽しかったので,お礼も込めて,印象に残ったブースを紹介します。


・学研 / 大人の科学

 MTM04は別にアマチュアの祭典ではなく,アマチュアスピリットのある企業も参加しています。学研もその1つで,大人の科学というシリーズがMakerたちをどれだけ焚き付けてきたかわかりません。

 かくいう私も大人の科学は随分買っていて,その度にその創意工夫に感心します。つまり,電子工作はアマチュアでも出来るのですが,メカ設計やプラスチック成型というのはアマチュアには非現実だということを大人の科学はよく分かってらっしゃって,逆に自分達の得意なところはメカだといって,そこに注力されるところが,素晴らしいのです。

 来年春の予定ですが,前回の4ビットマイコンに続くマイコンシリーズとして8ビットマイコンというのがアナウンスされていました。実体としてはArduino互換のマイコンボードと,これに繋いで実験できるメカ部品のセットになっているものです。左手で持ち,右手でハンドルを釣り竿のリールのように回すと,LEDが8つ列んで付いている棒がワイパーのように左右に動くというものです。

 これでバーサライタが手軽に作れるというわけですが,なにせ付属している基板はArduino互換ですから,可能性は無限です。2回目以降は基板を付属せず,そこに取り付けて遊べるものでシリーズ化していこうと思っています,と言うお話でした。

 「だってこれが我々得意ですから」と,切削で試作されたメカ部分を指さしながら,そんな風におっしゃってるのを聞いて,これはなんと頼もしい話だと思いました。

 あくまで付録ですから,基板の欲しい人は何冊でも買って下さい,と笑ってらっしゃいましたが,前述の通り基板はどうにでもなるが,メカはどうにもなりません。メカを目当てに何冊も買うのもありでしょう。2作目3作目も期待大です。


・ISH / Arduino YM2151シールド

 なにやら聞き慣れた音とYM2151という文字,そして28ピンのDIPパッケージに思わず立ち止まったのですが,そう,4オペレータ・8音ポリのFM音源ICであるYM2151をArduinoのシールドとして基板をおこし,PCから往年のMDXデータを流し込んで,演奏出来るというものが展示されていました。

 その昔,私はYM2151電子オルゴールというのを作ろうと考えていた時期がありました。私の弟は,かつてはMDX作者としてちょっと知られた存在らしく,奴に音色とシーケンスデータの作成をお願いして,マッチ箱くらいの大きさでFM音源がなりまくる,というのを考えていましたが,なんだかんだで散りかかることなしに,お蔵入りとなりました。

 YM2151なんて手に入るんですかと問えば,流通在庫があるようですとのお返事。電源の逝ってしまったX68000から外すというのも手ですねと言えば,自分もそうした口ですとのお返事。

 エミュレータでは心許ないですね,やっぱ実物で音が鳴るから値打ちがあると言えば,満面の笑みでその通りとお返事。やっぱシリコンから出てくるFM音源には格別なものがあります。残念ながら基板の頒布などは部品の入手の問題もあり,考えていないとのこと。

 Arduinoの可能性は本当に無限ですね。YM2151とUSBが繋がってMDXが演奏出来るというのも,Arduinoのおかげでしょう。ただ,私はPC側のソフトは苦手なので,最終的にはPC側も自分で出来ないと,せっかくのArduinoも宝の持ち腐れになってしまいそうです。


・GPS Labo / パラナビ・GPSクロック

 GPSモジュールが安く手に入るようになり,シリアルインターフェースにレベルコンバータまで内蔵したものが普通になって,アマチュアにもGPSが手軽に利用出来るようになりました。

 パラナビはMake:08でも紹介済みのもので,GameboyAdvanceでパラグライダーのナビゲーションシステムを作ったというものですが,残念ながら私はパラグライダーはやりませんので,その隣にあったGPS時計に注目。

 GPSからの信号には時刻情報ものっていますが,これをただ単に表示させるだけのものです。GPSには原子時計が搭載されているので,精度は原子時計並みです。

 これがネットワークに繋がって,NTPサーバになるとすごいでしょうねという話をしますと,それは実はもう取りかかっています,fonの安いルータはLinuxベースで動いていて,ハックできることが分かっているので,これをベースにNTPサーバにする計画で,次のMTMには間に合わせますよ,といわれていました。

 雑誌の記事になったりしたそうですが,アメリカが国防を目的に膨大なお金をかけて打ち上げた測距システムであるGPSを,単純に時刻表示を行うだけに使ったということで,非難する声もあったとかなかったとか。

 しかし,私はそういうアマチュアイズムが大好きで,アメリカにしてやったりと実に痛快です。時間と時計に興味の深い私も,実はGPSを時計代わりに出来ないかと考えた事があったのですが,結局アイデア倒れになっていました。これは是非作ってみようと,そんな話をしていると,出展者の方が「では今動いているマイコンをそのまま1つ,実費の100円でおわけしましょう」と,ビックリするようなお申し出を頂きました。

 悪いですから,といったのですが,どうぞどうぞと言ってくださり,では書き込み代金としてもう100円というと,そんなものはいりません,あくまでTiny2313の代金だけで結構ですと。

 私はAVRのライタを一応持ってはいますが,一度も動かしたことがない体たらくで,自分で焼くのはちょっと面倒だなと思っていただけに,このお話は本当にありがたく,目の前で動いているAVRマイコンをそのまま頂いてきました。

 一緒に必要になるGPSモジュールは秋月電子に注文済み。届いたら早速追試です。


・Jinno / Rainbow Engine

 直接お話はしなかったのですが,電球の熱でスターリングエンジンを回し,偏光板を回転させ,様々な美しい色やパターンを見せるものです。

 これ,見る人によって注目する部分が違っていて,一緒にいた女性達は偏光板の織りなす色とパターンに感心していましたが,私はもっぱら電球の熱でゆっくり動くスターリングエンジンに興味がありました。残念な事にスターリングエンジンは箱に収まっていて動いているところを見ることが出来ませんでした。


・Hotproceed / CupCakeCNC

 3Dプリンタって,まだまだ先の話だと思っていたのですが,ここでは目の前に見ることが出来ます。MicrobotIndustoriesのキットで,USBでPCとつなぎ,3つのステッピングモータで3軸を制御,溶かしたABS樹脂をノズルから吹き出して,立体を印刷します。

 安価に仕上げるために骨格と外板は木製,アクリルで作ったギアなどはいかにもちゃちな印象ですが,出来上がった「印刷物」は,まさに成形品です。

 価格は約16万円だそうで,消耗品のABS樹脂はHotproceedさんが用意してくれるそうです。また,オリジナルとして,もう少し大きなステージを用意したキットも用意されるとのこと。

 結局の所,アマチュアの泣き所は,プラスチック成型です。回路や基板はどうにかなるとして,見た目の悪さが最大の弱点です。また,ギアなどのメカ部品が自分で作れないことも問題で,様々な足かせになっています。これらが3Dプリンタで一気に解決するなら,これはすごいことです。

 木で出来ていること,精度をそんなに追求しているわけではないこと,ノズルの径などから,そんなに精密な加工は出来ないようですが,日本の住宅事情では騒音がひどく切削加工を自宅で行うのは至難の業。音がほとんどでないこの3Dプリンタは,Makerの夢を叶えるものでしょう。


・エレピプロジェクト / DIY型電気ピアノ

 ギターの弦とピックアップを使い,電気ピアノを作ってしまった人がいました。残念ながらご本人ではなくお留守番の方としかお話出来なかったのですが,木の板を使ってピアノの本体,鍵盤,そしてアクションまで手作りされています。ちゃんと音が出ていて,その音は綺麗な澄んだ音でした。

 いわく,製作者の方はベースを弾く方で,その音でピアノを作ったら面白そうと言う,いかにもアマチュアイズムあふれる発想から,実際にアクションまで手作りしてしまうとは,脱帽です。ほんまよーやるわ。

 木工職人さんの協力を得て,きちんと木製パーツを作る目処も立ったそうで,さらに精度の良い,さらに見た目も良い,手作り電気ピアノが,次は見られるかも知れません。


・ごうだまりぽ / 手作りアンテナによる気象衛星受信の展示

 これも詳しい話は伺えませんでしたが,水道用の塩ビパイプをつかって,人の背丈ほどあるアンテナを作り,気象衛星の信号を受信して天気図をPCに表示するというシステムを展示されていました。

 知る人ぞ知る世界ですが,世の中には天気図をFAXで送信してくれるシステムというのがあり,市販のオールバンドレシーバをPCにつなぎ,天気図を表示するフリーウェアを使って音声信号になった天気図をデコードするというのは,今に始まった特別なことではありません。ただ,これを安価な塩ビパイプでやっちゃうところが面白いです。


・Nov-Co / 光るクラフト

 私はMake:だけではなく,Craft:も是非日本語版を出して欲しいと思っている人ですが,このブースはMake:の翻訳者としてもおなじみの金井哲夫さんと奥様の金井伸子さんのお二人が作った光り物クラフトを展示されていました。

 直径8mm程の円盤の縁に,長さ20mm程の4本の細い針金を取り付けます。鳥かごのような見た目になったところで,円盤の真ん中からおもりを付けたワイヤーを垂らします。こうすると振動でおもりが周囲の針金に接触し,導通がおこります。

 そうすると4つのLEDがアットランダムに点灯するようにできるわけで,これをクラフトに仕込むというお話です。このセンサは哲夫さんの発案だと伺いましたが,実に面白いのです。

 例えば,このセンサをマイコンに繋いだらどうだ,センサを複数用意し,それぞれのおもりの重さを変えたらどうだ,LEDを縦横のマトリクスに配置して,複数のセンサからの情報で光らせたらどうだ,など,いっぱい思いつきます。そんな話をしていると,「ここの来ている皆さんのレベルは本当に高くて,いろんな意見をたくさん頂きます」といってらっしゃいました。

 私は,実際にモノを作った方が一番偉いと思うのですが,技術者というのは作ったモノに意見されると,それが良い意見でも悪い意見でも,とりあえず「言い訳」をするものです。

 このブースに限らず,皆さんそうでしたが,言い訳は一切無し。私も彼らの作品にケチをつけるのではなく,私ならこうするかなと言う程度の話を気楽にしただけなので,警戒されずに済んだのかも知れませんが,仕事では出来ない理由ばかりを聞かされるうんざりな毎日を過ごしているだけに,発展的な意見交換が出来る楽しさを,再発見したのでした。


・綛田幸司さん / 藤井の素

 床のゴミを取る粘着ローラーってありますよね,あれにそっくりなものを前後に動かして,ぴぎゃーぴぎゃーいってるものがあったので見ていると,出展者の方に話しかけられました。

 これはなんですか,と聞くと,床の情報を読み取って音に変換する楽器です,とのお返事。確かに床に敷いた紙の上をなぞると,白と黒の文字の状態で音が変化します。

 私はてっきり金属探知機か何かかと思ったのですが,これが楽器になるためには音を止める仕組みが必要だなあと思ったので,音程に加えて,音を出したり止めたりする仕組みがあるといいですね,というと,その発想はありませんでしたとお返事。

 楽器というのはそういうものなのですか,とおっしゃるので,テルミンでもそうですね,音程と音量の調整ができる,多少難しくても演奏者というのは訓練でどうにかしてしまうものなので,音量の調整の仕組みについては,例えば棒を起こす角度で調整するとか,どうですかね,というと,なるほどーと言われていました。

 そうなのです。私にも経験がありますが,自分だけで作っていると,袋小路に入ってしまうのです。赤外線LEDとフォトトランジスタで反射率を捉えて,それを音程にするという所までは実に面白そうだと思う訳ですが,これが楽器になるためにはもう1ステップ進まないといけないわけで,そのためには実際になにか演奏してみようと思う人の意見が役に立ちます。とにかく人と話せば,話した分だけアイデアがわいて出てくるものです。


・Gaje / アナログ電子楽器

 ここもご本人のお話を聞けず,お留守番の方とお話をしたのですが,アナログシンセサイザーのキットを準備中とのことで,どういうものかを見せて頂いていました。

 実は,アナログシンセサイザーというのは,大規模な半導体も必要なく,大げさなプログラムを書くこともなく,根性さえあれば小規模な半導体を繋げて作る事が可能で,その割には表現力のある楽器として成立し,なによりいろんな音が出て面白い,上級者向け電子工作の花形です。

 しかし残念な事に,その小規模な半導体でさえも,入手の難しいものが最近増えてきています。国内ではほぼ枯渇,海外ではわずかに在庫が残っていて,それも争奪戦になっているという状況らしいです。

 というのも,ビンテージシンセサイザーの修理に必要な部品でもあるからですが,そんなこんなで,なかなかアナログシンセサイザーを作るのは難しいのです。

 ここでそんな話をすると,設計意図としてはそこら辺で買える普通の部品で作る,というのを狙っていますと。だから入手の難しい部品は使いませんということでした。

 そういえば,ここのサイトは私も見たことがあります。詳しい回路までは見ていませんが,実機の基板を見ていると,VCFもトランジスタが目に付いたので,Moogのようなラダー型なのかなーと思っています。


・通電未踏組 / オンライン珈琲メーカー「萌香たん」

 家電がネットワークに繋がるとどうなるか,についてなかなか答えの出せない頭の硬いエンジニアが多い中で,今回最も私が素晴らしいと思ったのが,オンライン珈琲メーカーです。

 え,そんなもの珍しくない?まあ,そう言わずに。

 これ,現在mixiでエンジニアとして活躍中の井上さんが作られたものなのですが,ご本人と楽しくお話することが出来ました。

 コーヒーメーカーはコーヒーが出来た時にパイロットランプが消えます。これをCdSで検出,マイコンでA/D変換し,コーヒーが出来たかどうかを判別します。そしてその結果をTwitterで送信。(なんとフォローしている人が少なくないとか)

 しかも,コーヒーが沸いたという通知にいくつものバリエーションがあり,ツンデレ風味のものもあるようです。

 感心したのは,コーヒーメーカーを分解して改造するような,長期信頼性を損なうような方法を採用していないということです。高温,水分,高電圧とこの手の改造には鬼門である要素を廃し,パイロットランプで検出とは,いやはや脱帽です。

 技術的にも面白いですし,ツンデレも結構なのですが,なにより素晴らしいのは,井上さんが,このコーヒーメーカーが「人を集めるトリガになっている」とおっしゃったことです。

 mixiさんではみんなヘッドフォンをして作業をしている人が多く,他の人とのコミュニケーションが取りにくいところがあるのだそうです。私の職場ではヘッドフォンなど出来ないので,文化の違いがあるなあと思っていたのですが,そういう希薄な人間関係の中,できたてが一番おいしいコーヒーが,今まさに出来上がったということをトリガにして,みんな一斉にコーヒーを飲むようになったのだそうです。

 そうしたきっかけで人が集まり,同じ目的のために同じ時間を過ごし,そして少しばかり話が弾むというのは,どんなに楽しいことでしょうか。

 一見すると「いつでもコーヒーがありますよ」の方が便利で気が利いていますよね。でもそうではなく,「今コーヒーが出来ました」に集う人々が,ある種の帰属意識を持つようになるという事実。

 家電がネットワークに繋がることで,新しいコミュニケーションのトリガとなる,こんな素晴らしい話があったかと,そう私は思いました。


・ニコニコ技術部

 私はあまりニコニコ技術部の活動を普段見ていないのですが,なんだかミクがネギを振ることばかりに熱中していて(もっともニコニコ技術部がミクのネギふりから始まったものなので当然ですが),今ひとつミクに夢中になれない私としては,すごいのかすごくないのかよく分からないところで,通り過ぎてしまいました。

 あと,リアル野尻先生もお見かけしました。ついでに,某アニメで知られるパンツ型の飛行機もありました。あれはやっぱり羽ばたいて飛んでいないと,値打ちがないですね。


・オライリー

 エンジニアでオライリーの世話にならない人などもぐりだと思うのですが,オライリーもエンジニアの世話をすることを至上命題にしてくれているらしく,物販にもそういう傾向が見て取れます。

 アメリカで売られているキットなどもありましたが,やっぱりお目当ては本。以前から欲しかった英語版のMake:を探したところ,初年にでた4冊をまとめたBOXが2000円と破格値で出ており,またMakers Notebookも1000円で売られていたので買いました。いや,これはいい買い物ですよ。

 ちなみに友人は,ガチャガチャをやったところ大当たりが出てしまい,どれでも1冊欲しい本を差し上げますというので,時間をかけて選んでいました。うらやましくなった私もガチャガチャをやったところ,普通の缶バッジだったので,無言で立ち去りました。
 

・そのほか

 テスタ棒をスライドさせて音を出す,大人の科学のアナログシンセサイザーをMIDI化すると言う触れ込みで,メカ的に接点をギアで動かし,その位置をMIDIで制御するというものがありました。見た目にインパクトありますね。

 鍵盤を弾くと「ぎょーぎょ」といいながらスライドします。なにが笑ったって,ピッチベンダーを動かすと,微妙にスライダーが左右に動くんですよね。ピッチベンドまで実装してあるとは!

 mini-ITXのATOMのマザーボードに小型の液晶ディスプレイを繋ぎ,スタンドアロンのミキサーを作った人もいました。アルミの筐体に仕込んであるのですが,いわく,Ethernetでオーディオ信号をやりとりするんだそうです。ソフトシンセが入ってくると面白いですねーといったら,それは確かにありですね,と言われていました。

 モノクロの128x64位の小型液晶モジュールを,Windowsから認識してディスプレイにする工作もありました。案外モノクロでもちゃんと見えるものです。WindowsではノートPCの表面に小型のディスプレイを置いて,ここにメールが来たとか,そういう情報を表示する仕組みをもってるそうですが,ほとんど例を見ません。でも,この展示を見たら考えが変わるかも知れません。


 とまあ,こんな感じで,随分楽しんできたのですが,つくづくMTMというのは,ものづくりを趣味とする,あるいはものを実際に作る事を尊敬できる人の,お祭りなんですね。

 見る側が受け手で,出す側が送り手という言い方は,MTMにおいてはちょっと当てはまらないかも知れません。確かにモノを実際に作った出す側がもっとも尊敬を受けることは間違いありませんが,モノを作った人が「自慢がてら」に,見る人とコミュニケーションを取ることの出来るような,そんなチャンスを狙って来られているうちは,やっぱり見る人も同じ目線で楽しむ事が許される,フラットなイベントであると思います。

 そしておそらく,出展者もヘビーな2日間を終えた後,強烈な連帯感で繋がり,出展者同士の繋がりが生まれていることでしょう。それは出展した人の特権ですが,ものづくりを楽しむ人が,縦と横で繋がって,作る側も見る側も,より面白く,より楽しい趣味として進化してくれると,同じ趣味を持つ私も本当にうれしいと思います。

 悲しいことに,私には面白いアイデアが浮かばないという致命的欠陥があります。技術力とて大したことはありませんが,技術と言うのは所詮は道具に過ぎません。面白い事を実現したいという動機がなければ何の意味もありません。

 私がやってることと言えば,カメラのシャッター制御を行う回路をPICマイコンで置き換えるとか,今時珍しい電源同期式の時計を作るとか,そんな程度の話で,実用一点張りです。本人はそれで十分に満足していますが,工夫も面白さも全くないので,つくづくMake:という世界は,技術ではなくアイデアだと痛感しますね。

 何か作ろうとおもって出来るものではない,おもろいことを思いついた時がまさに旬,そんな気分で,自分も本物のMakerになりたいものだと,考えながら大岡山を後にしました。

 次回も,ぜひ行こうと思います。

(追伸)かの清楚で賢そうなかわいらしい女子高生ですが,友人の妹さんと一緒に,とっとと先に帰られてしまいましたよ。そしてMTM04の感想として「イケメンが少ない」と宣っていたとのこと。出展者,見学者,いずれも次は頑張ろう!

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