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Kindle3が届きました

  • 2010/08/30 17:32
  • カテゴリー:散財

ファイル 399-1.jpg

 Kindle3が届きました。

 早い人は金曜日に届いていたようですが,私は予約が2日ほど遅かったこともあり,きっちり2日遅れで手元に届きました。

 ご存じの方もいらっしゃるでしょうが,amazom.comは海外へはUPSを使っていますが,このUPSというのが,日本国内で土日の対応を原則的に行っていないのです。前回のKindleDXgの時には木曜日にUPSの不在票が入っており,土曜日の午後への再配達を行ってもらったのですが,土日の再配達はヤマトさんに委託するのです。

 一説では,東京23区内以外の地域はもともとUPSの配達員が直接サポートしない範囲なので,最初からヤマトさんに委託になるということで,某巨大掲示板では土曜日に届いたというレポートもたくさん上がっていました。

 私はこの春から23区内に住んでいるので,KindleDXgの時もUPSが持ってきてくれました。だから,土日の配達はあきらめていたのですが,ありがたいことに日曜日の朝に,ヤマトさんが持ってきてくれました。期待していなかっただけに,うれしかったです。

 箱を開けて,充電をして,電源を入れて,と言う流れは前回のDXgと同じですから,特別ワクワクすることもありません。しかし,DXgに比べて,随分と小さいなあ,軽いなあと言う印象が強烈で,これは完全に使い分けることが出来るだろうなという期待は膨らんでいきます。

 てことで,さくっとレビューです。

 前提ですが,私が購入したのはKindle3のWiFiモデルです。2つ目の購入で,すでにKindleDXgをFonthackで日本語対応にして使っています。

 読むのは文庫,新書,文芸書のたぐいで,全てScanSnapによる自炊です。ファイルはPDFで,文字だけのものは600dpiの白黒,写真がある場合などは300dpiのグレースケールで取り込んでいます。

(1)画面の見栄え

 Kindle3は従来よりもe-inkが改良されていて,コントラストが向上しているといいます。DXgと比べてみるとほとんど同じでしたので,同じ世代のものでしょう。


(2)日本語対応

 これが国内でのちょっとしたkindleブームを作ったといってもいいのですが,もともとKindleはUTF-8ですので,これが表示出来るフォントを入れてやりさえすれば,一応日本語を含む多言語化が可能です。JailbreakからFonthackを行うというのはまさにこのフォントの置き換えであり,私のDXgもこの方法で日本語化されていることは前述したとおりです。

 Kindleは,ファイルネームがタイトルとして一覧に表示されますが,Kindle3では丸ゴシック体による見やすい文字で,きちんとタイトルが表示されました。

 ただし,著者名については相変わらず日本語では空欄になります。DXgと同じようにアルファベットをメタデータに打ち込んでおけば,著者名が表示されるようになります。

 PDFの本文を表示させてみますと,これもDXgと同じようにフォントの埋め込みをしていないコンテンツは,日本語が全く表示されません。

 ということで,少なくともPDFを見るということに限って言えば,DXgにFonthackで日本語対応をしたものと同等であると言えそうです。

 なお,日本語のフォントはなかなか読みやすく,英文フォントとのバランスもよく考えられていて,好印象です。


(3)WEB

 日本語のWEBサイトを正しく表示出来るようになっていることを確認しました。私はあまり積極的に試していませんが,従来のkindleではUTF-8しか正しい表示にならなかった日本語表示が,EUCでもS-JISでも大丈夫だったという話です。これは,ブラウザがWebKitに変更されたことも大きいでしょうね。


(4)通信と接続

 私のモデルはWiFiです。早速自宅のWiFiに参加させてみました。対応しているのは11gで,暗号化はWEP,WPA,WPA2に対応しています。DHCPだけではなく固定IPでの運用も可能ですが,いつも面倒な設定は,キーボードがあるととても楽にできます。

 感度は低めになっているのですが,これはおそらく,消費電力を低減するために電波の出力を絞っているのではないでしょうか。

 WiFiに繋いでKindleStoreにいったり,Wikipediaを見たりしましたが,WebKitになったことも含めて,かなり快適です。DXgではブラウザが不安定でしたし,3Gは遅すぎて実用に耐えませんでした。

 もちろん,電源を切っても,WiFiの接続をメニューから切断しても,次回の接続時にはちゃんと前回のアクセスポイントにつなぎに言ってくれます。


(5)英辞郎

 私は英辞郎のVer1.2.2を購入して,自分でprcに変換して使っていますが,これを試しにKindle3に入れてみました。プライマリ辞書に設定してやると,英語の文書からサクサクと辞書がひけて,日本語で単語の意味が表示されました。これはいいですね。


(6)PDF表示の機能追加

 Kindle3では日本語対応したことに注目が集まりましたが,実は期待すべき機能追加が2つありました。1つはコントラストの調整機能,1つはnudgeスクロールです。

 コントラストの調整機能は,標準の前後に2段階ずつ,合計5段階で表示の濃さを調整するものです。DXgでは固定されていたものが可変になっただけでもありがたい機能なのですが,個人的にはあまり使い物にならないと感じました。

 というのは,ここを調整しても見やすくなる設定は1つだけだったからです。白黒600dpiの場合,A5くらいまでの大きさの本なら,文字が小さくなることに辛抱すればdarkerかdarkestにすれば問題なく読むことができます。darkestにすると文字も太くなるので,つぶれない限りは濃くする方が良いと思います。

 反対にlightやlightesは全然使い道が浮かびません。文字が細くなると言うより,黒がグレーになってしまい,非常に見にくくなってしまいます。コントラストと言うよりガンマの調整であって欲しいと考えていましたが,実際はそうではないようです。

 困ったのは300dpiのグレースケールです。これはA5サイズでも全然ダメで,文字として認識できないほどつぶれてしまいます。コントラストを調整しても読めるレベルにまで達しません。

 B6サイズ以下なら白黒でもグレースケールでも問題なく読めるレベルになりますが,これでは文庫と同じですので,わざわざスキャンし,Kindle3で読まなくても,文庫本をそのまま持ち歩いても構わないわけで,Kindleのメリットを「文庫がたくさん入るマシン」と考えるしかなくなってしまいます。旅行などでは重宝するかも知れませんが,通勤通学に便利かと言えばちょっとわからないです。

 次にnudgeスクロールです。

 PDFの表示の方法は,画面にあわせる,150%,200%,300%,原寸,の5つがあります。ある部分を拡大して表示するような場合,どこを表示するかを選ぶ必要がありますが,従来のKindleでは任意の場所を選べませんでした。

 よってPDFの拡大は全く役に立たなかったのですが,拡大表示する範囲を少しずつ動かす機能がようやく追加されました。それがnudgeスクロールです。

 PDFを表示中にAaボタンを押すと,拡大率が選択出来ます。拡大率を選ぶと拡大する範囲を選ぶ画面になりますが,ここで5wayを操作すると従来通りの選択,shiftキーを押しながら5wayを操作すると,少しずつ表示位置を動かすことが出来ます。

 拡大表示を行っている最中でも,Shiftを押しながら5wayを操作すれば少しずつスクロールしてくれます。

 これはかなり期待した機能だったのですが,実際には全然使うことがありませんでした。まず,拡大率が任意ではないので,余白部分を表示させないという目的には使えません。それに,少しずつ動かせるとはいうものの,1ピクセル単位ではありませんので,結局中途半端な位置が表示されてしまうことには変わりません。

 先のコントラスト調整機能と同じで,結局スキャンした後の調整を読む端末で行いたいわけですね。その目的にはどちらも使えないことははっきりしました。やはり最初にkindleに最適化した形でPDFを作っておくことが必要です。


(7)読みやすさ

 DXgのパネルは825x1200ピクセル,一方のKindle3は600x800ピクセルと,圧倒的にピクセル数が足りません。DXgの読みやすさや表示の美しさと比べるまでもないのですが,DXgなら読むことの出来るPDFでもKindle3では読めないものもあり,両者を単純に大きさの違いだけ,と考えるのは間違いだと思い知りました。

 Kindle3は文庫と新書まで,DXgなら文芸書まで,というわかりやすい限界があり,その点で安いとか軽いとか小さいとかJailbreakが入らないとか,そういう理由でKindle3を万人にお勧め出来ないと考えています。

 ただしこれはあくまでアーカイブ用途のPDFをそのまま表示させようとした場合の話であり,Kindle3に最適化されたPDFにしてやりさえすれば文芸書まで問題なく読めるかも知れません。事実600dpiの白黒であれば読めるわけでですから,あまり簡単な結論を出すのは早計です。

 グレースケールの本でもKindle3用に白黒600dpiでスキャンしておくということで対応可能とは思いますが,すでに捨ててしまった本はそういうわけにもいきません。いろいろ調べて見ると,グレースケールのコンテンツをkindleに最適化する方法もいくつか見つかるので,試してみたいと思います。

(8)キーボード

 キーボードは押しやすく,私自身はそれほどストレスに感じませんでした。ただ,従来のKindle2などと違い,数字キーが省略されています。DXgも数字キーはなく,ALTキーを押すことで数字が入力出来るのですが,Kindle3も同様です。ただし数字の印刷がないので,どのキーを押せばその数字が出てくるのかわかりませんので,慣れないとイライラするかも知れません。

 あと,DXgとKindle3では,MENUやBACK,HOMEのキーの位置が全然違います。DXgに慣れた私にとっては,最初はちょっと大変でした。


(9)大きさ,重さ,持ちやすさ

 これはもうばっちりです。240gほどの重さは軽く,全く苦痛に感じません。金属がなく全てプラスチックで,質感も残念ながら値段相応という感じではありますし,私のモデルは裏蓋に分解したような跡がありました。

 ですが,この高級感のなさや質感の低さ,実際に安価なことは,気軽に外に持ち出して,ラフに扱う事にためらいを起こさせません。Tシャツのような気軽さがKindle3の良さだという事なら,それはそれで理解できます。

 裏側は滑り止めの塗装がされているし,ボタンの感触も悪くありません。Kindle2ではキーボードが大きくて少々間抜けな印象があったのが,グラファイトカラーでぎゅっと凝縮感のあるデザインは,持ちやすさと格好の良さを両立していると思います。


(10)技術的なこと

 DXgはi.MX31Lの532MHzでDRAMは128MBを実装しています。OSのバージョンは2.5.xです。Kindle3ではi.MX35の532MHzでDRAMは256MBを実装,OSは3.0.0でした。

 CPUも変わっていますが,どちらもARM1136ですし,動作クロックもキャッシュメモリのサイズも同じですから,処理速度の性能差はほとんどないと思います。しかし決定的な差としてDRAMの容量の違いが心配です。

 Kindle3の登場で,従来機種でもOSを3.0にアップデート出来るという期待が強くなっていますし,それは当然の話だと思うのですが,DRAMの容量が倍も違うと,全く同じというわけにはいかなくなるのではないかと思うのです。

 Kindle3ではWebKitを用いたWEBブラウザが利用出来ますが,この時の速度や安定性をDXgやKindle2で実現出来るかどうかは,ちょっとわかりません。もしかするとWebKitベースのブラウザは過去の機種には搭載されないことになるかも知れません。

 ただ,Kindle3と同じ世代で大画面が欲しい人はDXgを買うしかないわけで,この2つで決定的な性能差があるとそれは問題です。やっぱりそれなりにDXgをアップデートし,Kindle3との差を縮めないとダメでしょう。こそっとDXgのDRAMの容量が増えていたりするともうどうにもなりませんが・・・


(11)結局のところ

 大きさ,重さ,価格の3つで,かなり買いやすくなった上,いわば初期状態でFonthack済みということですから,Kindle3は普通の人に話が出来るマシンにようやくなったと感じます。

 英語の本を日常的に読むなら3Gモデル,自炊が中心ならWiFiモデルを買えばそれでもう幸せになれると思いますが,前述の通りA5サイズまでと割り切って考えないと失敗しますし,それもKindke3に最適化したPDFを作った場合の話です。やっぱり自分で努力をしないといけないことには変わりません。

 WEBのブラウズはE-inkというパネルの性格上ほとんど使う気になりませんので,そういう人は潔くiPadを買って下さい。本の購入に通信量無料の3Gが内蔵されているのですから,これで大きなトラフィックを発生させると,いずれ有償になったり,amazon以外はアクセス制限がかかるようになるかも知れません。

 今後に期待するとすれば,日本語フォントを埋め込まなくても普通に表示が出来て欲しいし,メタデータにもちゃんと対応をして欲しいです。

 コントラストの調整機能は,文字の読みやすさを左右する問題なのでもう少しうまく実装して欲しかったですし,nudgeについても任意の倍率による拡大縮小が出来ないと意味がないので,まずは拡大と縮小の倍率に柔軟性を持たせて欲しいところです。

 そんなわけで,なんといっても扱いやすい大きさ,電車の中でも浮いてしまわないデザイン,必要十分な性能ということで,迷っているなら買いだと思います。

 Kindleの魅力は,コンテンツをどれだけ用意できるかに尽きます。頑張って自炊し,読みやすいコンテンツの作成を安定したフローで行えるようになって初めて,価値が上がっていきます。

 その点で,私が最初にDXgを買ったことは幸いだと言えて,なにもせずに既存のコンテンツを難なく読めたわけですから,最初に「使い物にならんな」とあきらめてしまわずに済んだわけです。

 Kindle3の使いこなしにはもう少し試行錯誤が必要だと思いますが,この携帯性の高さは,その試行錯誤の動機として十分です。

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