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カラカラ音にご注意

 Kindle3がしばしば勝手に再起動するようになったのですが,「初期ロットにバグは付きものだからそのうち改善されるだろう」と思って,あまり気にも留めずにいました。

 しかし,先日電源を切ってテーブルの上に置いていただけなのに,何のきっかけも前触れもなく突如リブートを始めたのをみて,さすがに放っておくわけにはいかんなと調査を始めることにしました。

 ちょうど,振るとカラカラという音がすることに気が付いたときでもあり,もしかすると金属片など異物の混入があるんじゃないかと気になったのです。

 某巨大掲示板にはリブートすることは度々書かれていても,カラカラ音がすることについては全然書かれていません。海外の掲示板を見ると,一応カラカラと音がすることは報告されていますが,それが結局なんだったのかについては全く触れられていません。

 振ると言うより,傾けるだけでカラカラカラと何かが長い距離を動いている感じです。例えばキートップなどの部品がカチャカチャと音を立てるのとは明らかに違う感じです。

 また,リブートについても,背中を指先でピンと弾くと,即座にリブートすることも分かりました。電源OFFからのリブートですので,やはりなにか問題があるのではないかと思います。

 ご存じのようにKindleはamazon.comから購入する形を取るので,サポートはamazon.comが担当します。そしてどうやら,そのサポートは電話で行われ,悪いことに日本語は通じないものであるようなのです。

 まあ,それは覚悟の上でしたし,最悪壊れても買い直すくらいの気持ちでいましたから,保証も何も考えずまずはこのカラカラカラという音の正体を調べて見ようと思いました。

 もし,日本でサポートを受けられるなら,自分で分解せずすぐに修理なり交換をお願いしたと思います。このあたりが,まだまだ万人にお勧め出来るガジェットではないということでしょう。

 Kindle3の分解手順をgoogle先生に聞いてみると,案外あちこちで行われているようで,簡単にできそうです。まず四隅にぐっと力を入れて,爪の引っかかりを外します。四隅が外れたら,あとは少しずつ他の場所の爪を外して行くだけです。ネジもありませんし,特殊な勘合もなければ,ケーブルを切ってしまうなどの心配もありません。

 裏蓋を慎重に外します。

ファイル 403-1.jpg

 果たして,カラカラ音の正体は,外れたビスでした。しかも,3本。

 1本は覚悟していましたが,まさか3本とは。驚きました。

ファイル 403-2.jpg

 右上にあるオーディオ用のIC(WM8650)の周辺に2箇所,そこから下側に1箇所,図の赤い矢印のある場所ですが,合計3箇所のネジが外れたものと思われます。

 3つとも基板を筐体に固定するビスのようで,これが中で外れてカラカラと転がっていたのが音の正体でした。ピンセットでつまみ出し,所定の場所と思われる場所に取り付けます。念のためと他のビスも増し締めをしますが,基板を固定するビスはほとんどが緩くなっており,今にも外れてしまいそうでした。

 うーん,これは1980年代のソニーさんのWalkmanですか?(Walkmanはその昔,ビスが外れる事件が多発して,私の友人も鞄の中で分解しているのを見て愕然としていました)

 原因はなんでしょうね,締め付けトルクが足りなかったのか,本来ならネジ止め剤が必要なところを,ネジ止め剤無しで大丈夫と判断した設計ミスでしょうか。どっちにしても,持ち運びを行うモバイルマシンで,これは非常に危険です。

 カラカラという音は基板の上を派手に転がって出ていた音ですから,あちこちショートさせては,場所によってはリブートするような事になっていた可能性は高いです。もしも電源ラインをショートすると,煙が出たり発熱したりしていたかも知れません。もしKindleから煙が出て電車が止まったら,私は損害賠償を請求されるのでしょうか。

 ビスをしめた後,電源スイッチを入れますが,電源が入りません。壊れたのか,と焦りましたが,こういう場合は慌てず電池を一度外し,パワーオンリセットです。今度はちゃんと起動します。

 裏蓋をし,電源を切ってから背中をパンパンと叩いてみますが,全くリブートせず。ビスを締めてカラカラ音がしなくなって以降は,一度も不意のリブートは発生していません。やっぱりビスが原因だったんでしょうね。

 とまあ,こんな話を聞けば,やっぱ中国製はあかんな,ということになりそうなものですが,Kindle3の製造はFOXCONNが行っており,この会社はかのiPadやiPhoneの製造でも有名です。iPadもiPhoneも,あれだけの数を製造しているわけですから,低い技術で適当に作ったのではあっという間に赤字になってしまうでしょう。

 ということは,製造よりも設計に問題があったのではないかと考えたくなるのですが,そこは人間のやることだけに,ネジを緩く締めてしまったという製造上の問題の可能性だってなくはないでしょう。しかし,理由はともかくこれが原因でKindle3の信頼性が著しく低下していたことは間違いありません。というか,完全に初期不良ですね。

 初期不良があっても,交換すればそれでいいやと考えるものづくりもあります。完全に不良をゼロにすることは出来ませんし,ある数より不良を減らすには膨大な手間とお金がかかり,それは製品の単価と出荷数に影響を与えてしまいます。

 製造側の勝手な理屈ですが,不良が出ることを前提に交換を速やかに行う仕組みを用意した方が,トータルで安くなる事だってあり得るわけで,問題は現在の不良の数がどれくらいあって,それは不良を減らすように改善すべきところなのか,交換を速やかに行うべきところなのかを,正しく判断することです。

 お客としては,仮に100万個に1つの不良率でも,自分にその不良があたれば100%です。だから不良率はゼロであるべきだという話は,今さら説明の必要もない当然の事とは思いますが,前述のようにそれはあくまで理想であり,現実にはそれでは商売になりません。

 ですので,まあ私としては,割り切りました。むしろ,純正カバーの取り付け穴が変形していることの方が問題です。これ,なにか無理矢理つっこんだでしょ。

 Kindle3は,この事件の翌々日,嫁さんにキャリングポーチを作ってもらうことで,毎日持ち歩くことが出来るようになりました。早速今朝の通勤で取り出して使ってみましたが,ハードカバーの本をこんなに苦もなく読めることに,優越感すら感じました。

 それで,ついつい気になってKindleDXgも振ってみますと,なにやらこちらもカチャカチャと音がします。うーん,製造の時期も同じ頃ですから,やっぱりビスが外れているのかも,と考えて,こちらも分解をしてみます。

 結果,ビスは出てきませんでした。音の原因はボリュームのボタンだったようです。まあ,KindleDXgには全くトラブルがありませんので,当たり前だったかも知れません。

 この件,某巨大掲示板にちょこっと書いてみたのですが,案外食いつきが悪く,こんなトラブルはごく少数なのではないかと思いました。それでも私以外のもう一人の方も,ビスを締め直したと書かれていましたし,twitterで音がするとつぶやいていた人もいましたから,Kindle3のオーナーの方は,そんなもんだろうとか勝手に納得せず,少し気をつけておいた方がよいと思います。

 もし英語に不自由しないなら電話で,英語は不自由でも腕に覚えがあるなら自分で締め直すことを,おすすめします。(とはいえ私としては,少々腕に覚えがあっても,ちゃんと正規のサポートを受けることを強くおすすめしておきます。自分で締め直して失敗しても一切責任を負いません)

 うーん,またKindle3を普通の人にお勧め出来ない理由が増えてしまいました。

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