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HC-20の修理その5?完結編

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 HC-20の修理に関する検討が,あっけなく終了しました。

 前回,SRAMのOEをGNDにして常にLowにしておくと動作せず,Eクロックの反転(正確にはEクロックの反転とSLEEPのAND)をつなぐと動作するので不可解だと書きました。

 不可解なまま終わらせても結果が良ければそれでよいという考え方もあり,疲れていた私としては逃げるように終わりにしようと考えたのですが,やはりここは白黒はっきりさせないといけないと考え,波形をきちんと取って,検証しようと考えました。

 疑問の根本は,OEが常にLowになっていることと,Eクロックの制御でLowになる,すなわちアクセス時にLowになるという動きとの間に,どんな差があるというのかという点です。

 前回書いたとおり,OEは常にLowで問題はないはずです。もちろん,アクセス時にLowになる事でも問題はないはずですから,今回の疑問は動くはずの回路でなぜ動かないのか,という点に尽きます。

 この話,先日ゆっくり風呂に入って検討の計画を練っているときに,解決の糸口が突然ひらめいたのです。

 とても単純な話ですが,OEをGNDに接続する際,もしかするとSRAMの一番左下のピンにハンダ付けをしたのではないのかと,ふと思い出したのです。

 普段面実装品ばかりを扱う関係で,ついついTopViewで考えてしまう癖がついていますが,今回のSRAMは面実装品を基板の裏面に取り付けましたので,裏返して取り付けています。ということはBottomViewで考えないといけない訳です。これをミスしていたのではないか,そんな疑惑が出てきたのです。

 そして疑惑は確信に変わりました。今日,意を決して本体をもう一度分解し,基板を確認したところ,本来の接続先である右下(つまりSRAMの15ピン)は,全くハンダ付けされた形跡がありません。

 なにも考えず,とにかくOEをGNDにつないで通電します。

 動きました!全く問題ありません。当たり前と言えば当たり前の話です。

 結果として,私が先日書いた通り,OEはGNDで問題なし,もちろんEクロックの反転でも問題なしです。SRAMにとっては,どちらも同じ意味です。

 消費電流ももう一度きちんと計り直しました。

 OEをEクロックで制御する場合も,GNDに落とした場合も,全く同じ電流となりました。動作時には22.7mA,スリープ時には12.1mA,そして電源OFF時には35.9uAです。この時の電圧は5.3Vです。

 電源ON時の平均消費電流は17.4mAとなり,前回よりもかなり小さな値です。エネループは1800mAですので,実に103時間。これはかなり良好な結果です。

 電源OFF時の電流は約36uAですから,実に50000時間!2083日,69ヶ月,5年以上も持ちます。まあさすがにこれは出来すぎですが,1年くらいは確実に大丈夫でしょうね。

 ということで,自分なりに納得のいく結果が得られました。特に消費電流にについては疑問も多く,こういう結果になったことは大変うれしいです。

 メモリは32kByteを実装しています。256kbitのSRAMを1つだけ使って,これを実現しています。証拠写真を載せておきます。STAT ALLと打ち込んだ結果です。

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 思えば,今回の修理も大変でした。基板が電解コンデンサの電解液で断線するという,当時の設計者があまり考えなかったようなことで故障したマシンを,手作業で修理することの面倒くささたるや,筆舌に尽くしがたいです。

 戦前,特にラジオが真空管を使い始めた頃の最先端技術として,電解コンデンサが登場しました。当時誰も見たことがなかった数十マイクロファラッドという巨大コンデンサが現実になったことで,電灯線から直流を得ることが可能になり,アンプの音質も改善したはずです。それがのちのち,経年変化として最悪の事態を招くとは,皮肉なものです。

 しかし,今回の修理は私にとって新しい地平を開いたも同然でした。私は80系の人で,68系のハードウェアは組んだことがありませんし,深くその動作を考えたこともありません。Eクロックに同期する同期バスというのも,言葉としては理解していても,実感を伴った,血や肉となる知識ではりません。

 それが今回の一件で,かなりバスのタイミングについて学ぶ機会を得たわけです。Eクロックに同期するとはどういうことか,バスサイクルとはどういうことか,6800や6809を使ったシステムを作ることを疑似体験させてもらいました。

 苦手意識はすでに去り,RAMでもROMでもI/Oでも,Z80も6800も気にせず遣い回すことが出来ます。この点は重要なことで,古いマシンを修理するのに,元の部品が手に入るとは限りませんから,手もとにあるものでうまく代用する必要があります。68系だから駄目というような贅沢は言ってられないのです。

 とてもいい勉強になったことと,その動作を丁寧に拾っていったことで,HC-20にはとても愛着がわきました。PC-8201でも,PC-2001でも,PC-1245でも,論理的な裏付けによって期待する動作が確定したときの充実感は,そのマシンへの愛着に帰着します。名機たるHC-20に愛着がわかないことに後ろめたさを感じていた過去とは,これで決別です。

 せっかくうまく動いた訳ですから,なにか実用的な利用法を考えたいところです。なんといってもフルスペックのBASICと,小型のプリンタを内蔵しているのです。うまく利用法を考えたいと思います。

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 しっかし,疲れた。

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