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1631Bの調整,VP-7201Aの修理,そして歪率計のとりあえずの完成

  • 2011/08/29 19:30
  • カテゴリー:make:

 この土日は,懸案事項がいくつか進みました。

(1)菊水1631Bの調整

 先日,400kHz-3mVという厳しい値で調整を行うのに失敗をしたという反省から,真面目に600Ω・40dBの減衰率のアッテネータを作る事にしました。

 600Ω・40dBのπ型アッテネータには,30kΩと612Ωの抵抗が必要ですが,手持ちの関係で15kΩの金皮を2本で30kΩ,612Ωは620Ωのカーボンと47kΩの金皮を使いました。標準電圧生成用のアッテネータですから,620Ωについては実測をして619Ωのものを2本選別しました。この際温度特性の悪さは目をつぶりましょう。

 こうして作った40dBのアッテネータですが,思いの外上手くできました。一応500kHzまではフラットなようです。また誤差も小さく,ちゃんと1/100の電圧になってくれています。(せっかくですので分解せずこのまま使う事にしましょう)

 土曜日の夜は涼しかったので調整を決行することにしました。室温はちょっと高くて27度ですが,まあ仕方がありません。

 この調整も何度目でしょうか。すっかり慣れてしまい,手際も随分良くなりました。アッテネータ無しで調整出来るところはさっさと済ませて,いよいよ400Hz-3mVと400kHz-3mVの調整です。

 まず,400Hzで300mVを用意します。この周波数ならマルチメータで測定できるので,300mVにあわせます。このとき負荷に600Ωをぶら下げたいので,1631Bに直結しておきます。

 そしてアッテネータをいれて,マルチメータで3mVになっていることを確認しつつ,オシロスコープでも電圧を読んでおきます。

 ここで1631BのVRを調整し,400Hzで3mVになるようにします。

 次にレンジを切り替え,400kHzにします。アッテネータ無しの状態にもどし,オシロスコープで400Hzの時と同じ電圧になるよう,発振器の出力を調整します。

 そしてアッテネータを入れます。この時,アッテネータの出力からは3mVの電圧が出ているはずです。これを直接測定する方法はありませんが,発振器の出力とアッテネータの減衰率が決まっていますので,その出力も3mVになるはずです。

 そして1631Bのトリマコンデンサを調整し,3mVになるようにします。400Hzと400kHzの調整を何度か行うと,綺麗にどちらの周波数でも3mVを示すようになります。

 いやー,気持ちのいいものです。すっきりです。

 最大の山場をクリアし,残りの調整もさくっと済ませて,予想以上に手早く終了。試しに発振器とつないでいろいろな周波数で測定してみましたが,大きなズレもなく,概ね良好な結果になっています。マルチメータの実効値にあわせてありますので,両者がほぼ一致してくれています。

 マルチメータでは300kHz以上の測定は出来ませんから,それ以上の周波数の電圧については「あってるはず」で使わねばなりません。このあたり,ちょっと自信がないのですが,基本的にはオーディオ帯域向けの電圧計と割り切って,まあ100kHzくらいまでで測定値を信用することにしたいと思います。

 ところで,発振器(VP-7201A)は,ステップ式のアッテネータがついています。VP-7201Aの0dBは1V,1631Bの0dBレンジもフルスケールは1Vですので,VP-7201Aの0dBが1Vになるよう,発振器も調整しました。これで3つの機械が一致したわけです。

 で,VP-7201Aのアッテネータを-20dBにして,1631Bも-20dBレンジにすると,100mVでフルスケールになります。これはほぼ正確です。-40dBでもほぼ一致です。

 しかし,VP-7201Aのアッテネータを-10dBに切り替えて,1631Bのレンジも-10dBにしても,メータがフルスケールである300mVを越えて,振り切ってしまうのです。うーん,1631Bが狂っているのか,それともVP-7201Aがあてにならないのか・・・

 賢明な皆さんならおわかりのように,300mVにしたいなら,アッテネータは-10dBではなく-10.46dBにしないといけません。-10dBにしただけだと3.16Vとなり,3Vを越えるため振り切って当然です。「デシベル」がわかってないなんて,情けなくてorzです。

 ということで,アッテネータを-10.46dBにすると,ほぼ0.3Vを示し,-10dBレンジでもフルスケールになりました。1631Bの場合,-10dBレンジで3.16Vを入れると0dBレンジ(1Vレンジ)のフルスケールを示すようになります。VP-7201Aも1631Bも,ちゃんと10dBを扱ってくれているんですね。安心安心。

(2)VP-7201Aの改良

 これは土曜日のうちにやったことなのですが,VP-7201Aのメインダイアルの改善をおこないました。

 というのも,私のVP-7201Aのメインダイアルは,ぽっきりと折れてしまい,全く動かなくなったことがあるからです。

 減速機構を持つメインダイアルはユニット交換ではないので,修理には壊れた部品を交換するしかありませんが,なにせ専用のメカ部品を使って作ってありますので,素人には修理は無理です。

 減速機構はなくなるけど,つまみでも付けとくか,と思っていたのですが,ダメモトでアキバでバーニアダイアルを買ってきて,無理矢理くっつけたのが,前回の修理でした。

 この時,シャフトの長さの関係で,ダイアルとボリューム軸を繋ぐジョイントを付けることが出来なかったのです。結果,ツマミを回してもすぐに周波数が変わらず,手を離しても周波数の変化が止まりません。ボディエフェクトもあるし,そもそも高価な2連ボリュームに応力がかかってしまっています。

 これはいかんと,もともとついていたジョイントを探しますが,どうも捨てたらしく見当たりません。仕方がないので,タイトカップラをサトー電気に注文しました。

 タイトカップラは,絶縁性の高い磁器の円盤の両側にバネ性のある金属を取り付け,これにシャフトを繋いでやると,左と右のシャフトが電気的にも絶縁され,かつ機械的にも分離できるという優れものです。

 こんな部品,私は写真でしか見たことがなかったのですが,今回初めて買ってみました。このタイトカップラにあわせてボリュームの位置を調整し,上手く間に挟み込むことに成功しました。

 結果ですが,なかなか良い感じです。回転は相変わらずスムーズではありませんが,これはバーニアダイアルの素性なのでやむを得ませんが,ちょっと手で触ったくらいじゃ周波数は動きませんし,手で回せばさっと変化し,手を離せばぱっと変化が止まります。

 こういう問題が解決することはわかっていたのですから,どうしてもともと付いていたジョイントを使わなかったのかと理解に苦しむところですが,当時の私がVP-7201Aをなめていたというのは,事実でしょう。


(3)歪率計をとりあえず完成

 翌日の日曜日には,電源と発振器,そしてBEFだけ出来上がり,あとはアンプ基板と全体の配線を残すのみとなった(しかしこれが一番きつい)歪率計の組み立てをしました。

 おかげさまで,2時間ほどで完成,ややこしいロータリスイッチの周辺もなんとか乗り越えました。

 ただし,この日の室温は30度近くあり,ここで調整を行うのは無理ですので,前回エアコンで25度にしたときの調整をそのまま利用して,暫定的に測定をしてみることにします。

 どうも,時々フィルタが発振したり,ノイズが乗って値が狂ったり,10%レンジで調整不良があって10%レンジでの測定値が大きく狂ったりと,問題がないわけではありませんが,1%レンジでマルチメータを繋げば,歪み率が直読できます。

 VP-7201Aの1kHzを測定すると,0.0012%。0.1%レンジでも似たような値が出てきましたので,これはほぼ実力でしょう。なかなかいいんじゃないですか。100Hzも10kHzもなかなか良いのですが,10kHzについては歪率計の周波数特性が高域で落ちている可能性があり,もし落ちていたら低めに出ますので,これは確認してからにします。100Hzは1桁ほど悪いのですが,これも50Hzのハムが載っている可能性があるので,調べてからにしましょう。

 VP-7201Aがなかなかよかった事に気をよくして,自作の発振器の測定もやっています。ところが,100Hzは発振しない,10kHzは異常発振する,1kHzは結構歪みが大きいのです。

 1kHzを発振ギリギリに調整するとかなり歪みも小さくなりますが,この時10kHzが異常発振します。そこで収束時間の調整を行うとなんとか異常発振が収まりました。しかし相変わらす100Hzは発振せずです。

 100Hzが動作しないのはハンダくずによるショートか異常発振か,まあなんかだろうと思っていましたが,OP-AMPを指で触ってみると,あっちっちです。発振を疑ったのですが,オシロスコープには何も波形は出ていません。電源電圧は+15Vが1v近く下がっています。これはおかしい。

 ハンダくずのショートを確認するために,ネジを外して基板を裏返し,目視で確認しますが問題はありません。このまま通電すると,なんと100Hzが機嫌良く発振しているではありませんか。


 ますと,金属製のスペーサが100Hzの回路の一部に接触していて,ケースと繋がっていました。OP-AMPの出力がGNDに落ちてしまい,それで発振が止まってOP-AMPが発熱,電源電圧も下がってしまったんですね。

 こういうストレスがかかった部品を計測器に使うというのもどうかと思うのですが,気を取り直して再調整,そして測定です。

 100Hzと10kHzは前述の理由で後日計り直しますが,1KHzについては0.0063%でした。まあ,悪くない数字ですが,VP-7201Aに比べて6倍も悪い数字です。100Hzでの発振を無視するのなら,0.0002%くらいまで下げることが出来ることは確認したのですが,これでは1kHz専用になってしまいますからだめです。

 もう少し良い数字が欲しいですから,この発振器の改造も視野に入れて検討したいと思います。やるべき事は2つ。1つはOP-AMPをもっと低歪みなものに交換することです。現在のNJM4580Dもかなり良いOP-AMPですが,これを例えば同じく低歪みで知られるOPA2134(手持ちがあります)にするというのも手です。ただ,面実装品なので変換基板を作らないといかんですね。それに,オーディオ用と狙ったOPA2134は,案外こうした用途には弱かったりします。NE5532や実はTL072なんかの方が良かったりしますので,これはもうやってみるしかありません。

 もう1つは,AGCにJ-FETを使わず,フォトカプラを使う方法です。これはもう回路が違った物になるので,真面目に検討しないといけませんが,もし歪みが減ったらいいなと思います。

 実は,AGCのJ-FETは,同じ品種,同じランクのFETと差し替えても歪み率が変わるくらいのものなのだそうです。言ってみれば当てずっぽうという気もしますが,それがFETを使った回路の限界と言うことかも知れません。だから他のFETに交換するだけで結果が大きく変わる可能性もありますが,それならいっそのことフォトカプラに交換してもいいかな,と思っています。

 どちらにしても,歪率計がちゃんと信用出来るようにならなければいけません。まだまだやらねばならないことがありますが,これまで見えなかったデータが見えるようになるというのは,なんと面白いことかと思います。

 完成したら,いろいろやりたいんですよね。先日作ったHT82V739のアンプやら,先日メンテしたばかりのMOS-FETアンプ,300Bのシングル,6V6シングル,5998プッシュプルなど,作ったアンプの素性を調べたくて仕方がありません。

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