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androidのWalkmanが気に入った

  • 2012/04/24 11:06
  • カテゴリー:散財

 NW-Z1060を買いました。

 この型名でぱっとWalkmanを思い浮かべる方はそんなに多くはないと思うのですが,,iPodと言えばnanoだろうがShuffleだろうがtouchだろうが,あああれね,となるのに,Walkmanは小難しい英数字でしか機種を特定できません。このあたりが日本企業の習慣なんだろうなあと思って,損をしているように感じます。

 テレビでもなんでもそうですが,日本の会社の製品は製品名が無味乾燥な英数字で,しかも一文字違いで全然違うものになります。WalkmanもZシリーズだXシリーズだAシリーズだと,興味のない人しかわからないような機種構成です。

 閑話休題。

 NW-Z1000シリーズはWalkmanで初めてAndroidベースのモデルです。音楽を聴くだけなら別にAndroidだろうがiOSだろうが,uitronだろうがなんでもいいのですが,動画にゲームにメールにチャットにTwitterにと,多機能化を求められるとOSの選択肢は狭まってきます。

 一方で,OSを動かすためだけに使われるハードウェアリソースも大きくて,Androidを動かすだけでもそれなりのCPUやメモリが必要です。OSがユーザーのやりたいことに直接関係しない存在であるなら,そこに無視できないコストがかかるリッチなOSは,開発者のエゴではないかと,そんな意見もあるわけです。

 本来,Walkmanというのは音楽を聴くための道具でした。これにAndroidを乗っけてくるんですから,音楽以外の事をやらないと説明がつきません。結果,4.3インチという大きなディスプレイを搭載したことと相まって,Walkmanとしては異彩を放つモデルになってしまいました。

 出るなり賛否両論巻き起こったこのZシリーズですが,私がiPhoneなどのiOS機器に今ひとつ興味がわかないことと,実は今適当な携帯音楽プレイヤーがないことにちょっと困っていて,そろそろ「おもちゃ」を買ってみるかなと考えたことが,購入の動機です。

 ちょっと大げさですが,この大きなディスプレイを使えば,例えばちょっとした動画を見たり,twitterやメールも案外まともに使えるだろうし,IDEOS経由になりますけども外出時にナビ代わりにすることだってできそうです。しかも,音質への評価は高く,本来の目的である音楽プレイヤーとしては,きっと期待を裏切らないでしょう。

 残念なのはカメラがないこと,SDカードがささらないことですが,SDカードは一度差し込んだらほとんど外して使うことがないものだけに,内蔵メモリが大きいものを選んでおけばかえって便利で安全かも知れませんし,カメラも使用頻度はそんなに高くないので,割り切ってしまえます。

 裏を返すと,最初の機種選定で,メモリサイズは慎重に選ばないといけないわけですが,そうはいっても5万円近くのお金を出すわけにもいきません。予算の都合もあって,32GBのNW-Z1060を買うことにしました。

 色は赤と黒があるのですが,外で目立つのもなんだしなと,黒にしました。しかし,赤の実物を見ると,これなかなか上品で,男女を問わず使えるいい色です。これにしておけば良かったかなあと思ったりします。

 聞けば,それなりに値段もこなれてきていて,回線契約をせずとも使える,日本メーカーのまともなandroid端末としての需要もあるそうです。もともと,アプリケーションを後から追加して機能を増やせるWalkmanとして誕生したZシリーズとしては,android端末がどこまでまともな音楽プレイヤーになり得るかに挑んだものであるはずで,私はそういうところにも惹かれていたりします。


・大きさ,質感

 大きい大きいと言われているZシリーズですが,手に取るとホントに大きいと感じます。私にとっては,ギリギリの大きさです。これ以上大きいと使うのに苦労すると思います。

 筐体の歪みもなく,質感も高い上,密度感もありますから,安物を手にしたというがっかり感はありません。ただし,縁の部分などはプラスチックで,私は早速手から滑り落として,この部分にへこみを作ってしまいました。


・android

 androidを搭載したWalkmanという独自の立ち位置をどう解釈すべきか,売り手も買い手も迷うところですが,私はこう考えました。

 多機能化したWalkmanではなく,音質にこだわったandroidマシンである。

 つまり,androidマシンとして十二分に楽しめる内容でありながら,真面目に音質に注力したモデルという事です。お金もかけただろうし,ノイズ発生源である高速CPUからオーディオ回路を守るために,電源を綺麗にしたり,基板のパターンを工夫したりと,様々な手段を講じたと思います。

 通常,androidのハードウェアに対し,そこまで手間をかけて音質を向上させる事はないと思います。androidはandroidが売りであり,音質が余程悪いものでなければ,特に問題とならないからです。

 ですが,日本の一流メーカーが自社のブランドをかけて作った事と,そしてそのブランドに恥ずかしくないよう,音質に真面目に取り組んだというのは,非常に貴重なことです。音質にこだわる理由がないandroidマシンの世界で,音質を至上命題にできるのは,Walkmanだけであり,Walkmanを冠するからこそ音質に手間とお金をかけることが許されたのでしょう。

 だから,多機能化したWalkmanではないというのはとても大事なことで,androidでなかったり,androidであってもGoogle playにアクセス出来なかったり,機能に制限があったり,あるいはandroidとして振る舞わないような細工があったりすると,それは他のWalkmanと同じです。

 あくまで,androidとしての自由度をほぼ残し,どんどんアプリを増やしてカスタマイズできる楽しさをちゃんと持っていながら,しかも音質にこだわりがあるということはとても重要で,私はこの部分に本当に感心しました。Zシリーズ以外に,高音質androidを期待する事は出来ません。唯一無二の存在なのです。


・音楽プレイヤーとして

 Walkmanであることを主張するW.ボタンで,なにをやっているときでもこれで音楽再生画面に遷移する仕様は,とても好ましいと思います。音楽プレイヤーの完成度は低いわけではなく,大きな画面でジャケット写真(アルバムアート)が表示されるのは楽しいですし,そのジャケット写真を床にぱーっとひろげてアルバムを選ぶ機能などは,なかなか遊び心もあってよいと思います。

 私は聴きたい音楽にさっとアクセス出来ればそれでいいので,androidでは良く使われているPowerAmpのようなソフトは過剰で,ちょっと胃にもたれます。その意味では,歌詞と同期する機能や12音解析などは私には無関係な機能ですから興味もありません。

 128kbpsのAACで,そもそも携帯音楽プレイヤーに期待するものでもないので音質云々は大きな声では言えない私ですが,少なくとも私には好ましいものです。前述の通り,とても自然で,とても良い音がします。

 iPodなどは結局長時間聞いていると疲れてしまうのですが,このZシリーズはそんなことはありません。すっと頭の中に入ってくる音です。

 付属のヘッドフォンを使えばデジタルノイズキャンセル機能が利用出来ますが,外でこれを使うと怖いし,気配を感じなくなるのは不安ですので,私は使いません。使い慣れた他のヘッドフォンを使いますし,どうしてもノイズキャンセルが欲しい場面では,QC15を使います。

 残念なのは,ハードウェアが高音質を目指して作られているのに,対応コーデックに可逆圧縮のものがないことです。ALACに対応するのは大人の事情で無理としても,FLACに対応することはもう必須になってるとは考えないのでしょうか。ATRACのロスレスなんか誰も使わないです。

 結局私は,FLACに対応するためにandLessをインストールすることにしました。そして,高音質のCDについては,順次256kbpsに切り替えていくことにしました。それくらい,この音質は素晴らしいと思います。

 そして,24bit/96kHzへの対応がないことにがっかりしました。これでハイレゾ音源に対応していれば文句なしなのですが,これだけアナログ回路の音質が良ければ,きっとハイレゾ音源はすごい音で聞かせてくれそうな気がします。それだけに残念です。

 
・動画プレイヤーとして

 TEGRA2というCPUは,AVCやMPEG4のハードウェアデコーダを持っていますが,MPEG2は持っていません。今時MPEG2というのもないだろうと,そもそもMPEG2のデコードをサポートしないZシリーズですが,例えばTS抜きした地デジの動画はMPEG2-TSですし,これをAVCにするには必ず変換が必要になるわけで,その時間と手間は大変面倒です。

 また,AVCはBaselineProfileでしか1080pに対応しません。つまり,わざわざZシリーズ用にAVCにエンコードしないと存在しないことが多いフォーマットということになり,どうも変換作業から逃げられそうにありません。

 一応確かめてみたのですが,MainProfileの1280x720,2Mbpsくらいならなんどか再生できそうです。ですが,1440x1080のMPEG2などは動画ファイルとしてすら認識してくれません。

 そこで,定番の動画プレイヤーである,MX動画プレイヤーをインストールです。一応これで多くの動画フォーマットに対応するようになるのですが,MPEG2のようにソフトウェアでデコードするような場合,CPUパワー(あるいは転送レート)が足りず,実用にはなりません。


・DLNA

 うちにはN-30というネットワークプレイヤーがあり,DLNAでPogoplugからデータを受けて,非圧縮のPCMファイルをならしています。

 このWalkmanもDLNAに対応していますので,早速Pogoplugにアクセスしてみました。当たり前の事ですが,ちゃんと音が再生されます。さすがに非圧縮のPCMです。Walkmanの音質の良さを改めて認識させられます。

 家の中であれば,もうWalkmanはローカルのストレージに音楽を入れて置く必要はありません。N-30のポータブル版と考えると,ちょっと感動的ですらあります。

 WalkmanのコンテンツをDLNAで外に送信する機能もあるようですが,これはまだ私は試していません。どういう状況で使えるのか迷ったのですが,N-30に送信できるのであれば,AirPlayのようなものだと思えばいいのでしょうね。


・その他のアプリ

 まずATOKです。IDEOSに入れているので,これにも入れます。当たり前の事ですが,1GHzのCPUに大画面によって,ATOKはとても快適になります。twitterもGoogleTalkのクライアントも,メールも十分実用になります。

 WEBブラウザもなかなか良く出来ています。これならちょっとした記事の閲覧に使えることでしょう。

 もう1つ,pogoplugへの対応です。androidですのでpogoplugのアプリがインストール出来ます。そうすると画像や音楽,動画だってpogoplugのデータを引っ張り出して使うことが出来るようになります。ネットワークに繋がっていれば,もう内蔵ストレージに残しておく必要はありません。

 Skypeも念のため入れておきますが,使う事はほとんどないと思います。またせっかくのBluetoothヘッドセットも,HFP/HSPに対応しないので,SKypeにはなんの役にも立ってくれません。

 基本的に,あれもこれもとインストールする気はありませんし,ましてrootがどうのとか,そういうことには今回は手を出さないことに決めてますので,あれこれ欲張らずに使っていこうと思います。


・バッテリー

 1200mAhの電池だそうですが,充電がWMポートからしか出来ないため,出先での充電は専用ケーブルを忘れた段階で,あきらめないといけません。

 androidだけにあっという間に電池がなくなるかと思いきや,1時間くらい動画を見ても15%くらい減るだけです。音楽を聴いているだけならもっと持つはずですし,上手に使えば実用性は確保出来るでしょう。

 でも,できればMicroUSBを装備しておいて欲しかったなあと思います。

 
・まとめ

 この画面サイズだと,電子書籍には使えそうにないですから,あくまで音楽と動画の再生マシンとして考えないといけないわけですが,特に音楽プレイヤーとしてはFLACへの対応がないこと,24bit/96kHzに未対応という点以外に不満はありません。

 良く出来た音楽プレイヤーとして3万円という価格とこの大きさをどう考えるかは人それぞれで難しい所で,動画やアプリ追加を魅力に感じないなら,無理にZシリーズを買うことはないでしょう。最初に書いたように,高音質のandroidマシンと考えて評価すべきです。

 それに,回線契約をしないでも買えるまともなandroidは,ZシリーズとSony Tabletくらいでしょう。どちらも3万円くらいで買えるものですが,方やiPod,方やiPadの対抗機ですから,競合はしませんし,Zシリーズの音質の良さは他にないものです。

 実は,「日本メーカーのまともな」androidに,今それ程値打ちがあるのかなあと疑問に思っていました。秋葉原あたりで1万円そこそこで売られる中国製の怪しいものも,昔と違ってそれなりのクオリティになっているなか,この価格差を日本のメーカーというだけで埋められるとは,簡単に言えないでしょう。

 ところが,androidの魅力を殺さず,Walkmanに恥じない高音質を誇るZシリーズは,もうこれしかないという存在感を放っています。後継機が出るのかどうかは知りませんが,もし後継機が出ないなら,もし出てもandroidの自由度が制限されるなら,このZシリーズを買っておかないといけないと思います。

 実は先日,カラヤン指揮による,ベートーベンの交響曲のSACDボックスを買ったのですが,評判通りの素晴らしい演奏,素晴らしい音質で,鳥肌が立ちました。

 また,嫁さんが購入したSteelyDanのGauchoのSACDも素晴らしい演奏,素晴らしい音質で度肝を抜かれ,先日のTheSuperPremiumBandの24bit/96kHz音源と合わせると,この1ヶ月ほど,名演奏と高音質という音楽とオーディオの本質を,改めて見直す時間を過ごしています。

 音楽制作コストは下がり,圧縮音源ばかりを耳にする昨今ではありますが,音楽とオーディオはまだまだやれると,そんな風に考え直した訳ですが,高音質のWalkmanによってそれまで疎遠だった音楽との距離が少し戻ったような気になるのは,高音質という不変の価値が持つ力故なのでしょう。

 今,音楽と聴くという行為にどれほどの投資が出来るかを考えると,なかなか難しいのが現実です。量販店では音質が二の次の製品しかなく,かといって高音質なものは100万円を越えてしかも売られている場所が限られています。

 10万円ちょっとくらいの製品で,数が出るから価格以上の音質が手に入るお買い得感があり,複数のメーカーによる製品の個性が豊かで,展示品がどこにでもあって気軽に試せて,ぱっと買って帰る事が出来るような機器が市場から消えて久しく,同時にそうしたもに対する憧れもなくなりました。

 ですが,音楽とオーディオは,まだまだやれます。

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