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サーキュレータのACモーターをDCモーターに換装

  • 2012/08/27 11:44
  • カテゴリー:make:

ファイル 588-1.jpg

 先日,PS3を壊してしまった(勝手に壊れたのだが修理不能にして廃棄したのは何を隠そうこの私)ことを書きましたが,その遺品である大型のファンを使って,今流行のDCモータによる扇風機を作ってみることにしました。

 とはいえ,ゼロからスクラッチするのは大変なので,使っていないサーキュレータを改造することにします。これは名著「プログラミング言語C」のANSI対応版に改版前のものに,UINXが移植できるマシンのメーカーとして印象深く登場するハネウェルのサーキュレータで,3段階の風量調整が出来る割には,最小のポジションでも強烈な風と音で,いかにもアメリカンV8な豪快なやつです。

 おかげで繊細な我々夫婦は,GreenFan2を買う羽目になり,このサーキュレータはお荷物となってしまったのでした。

 もう少し弱い風が出るように出来ないものかと思ったのですが,いわゆる隈取り式モータですので,速度調整には限界があります。それに消費電力も30W以上とやや大きく,やるならDCモータにしないと駄目だろうという結論になっていました。

 そこへPS3の遺品です。

 PS3のファンは140mmの遠心式のファンですので,このままは流用出来ません。しかも謎の3線式で,電源を繋いだだけでは回りませんでした。

 しかし,ここであきらめてしまう私ではありません。

1.どうやって羽根を取り付けるのか

 前述のように,PS3のファンは遠心式のファンですので,羽根の構造が全く違うため流用は出来ません。羽根の部分を外して,扇風機らしい軸流ファンにするには,プロペラの部分をなんとしても取り付けねばなりません。

 しかし,正確に中心が出るはずもなく,そこそこ高速で回転する可能性がある扇風機では大きな振動も避けられず,接着剤でくっつけるとか,弱いネジで取り付けるなどの柔な方法だと,使用中にプロペラが外れてしまうかも知れません。こわいですね。

 そのプロペラは元のサーキュレータから流用することにしたわけですが,問題はこれをどうやって取り付けるかです。

 まず考えたのは,DCモータのシャフトを中空にし,ここにネジを切ってプロペラをネジ止めすることです。シャフトの径は6mm,ここに2.5mmの穴を開け,3mmのタップでネジを切ります。

 古いドリルビットを1本折ってしまいましたが,なんとか15mmほどくりぬきました。ここにタップをねじ込んでいきますが,もともと2.5mmと穴が小さい上,かたい金属であることもあって,なかなか切り込んでいきません。

 騙し騙しすすめて,ようやく5mmほどネジを切ったところで,仮組をします。プロペラを長い3mmのビスでネジ止めしますが,プロペラの中央の穴径は大きいので,ネジを締め込む前に調整が出来て,中心が出しやすくなりました。

 おかげで,なかなかうまくにプロペラが取り付けられました。

 しかし,ビスの長さが30mm程あって,そこにバランス取りもされていない3枚羽根のプロペラをネジ止めするのですから,わずか5mmほどでは折れてしまいかねません。不安ですのでもう少しネジを切ることにします。

 すると,タップがポキッと折れてしまいました。

 覚悟はしていましたが,折れた先端をシャフトに残したままでは先に進めませんので,なんとか引っ張り出そうとしますが,かたくてとても抜けません。

 結局,この案は幻に終わりました・・・

 次に考えたのは,DCモータのシャフトを交換してしまうアイデアです。我ながらよく考えつくなあと感心するのですが,以前部品屋さんで,ボリュームの軸を延長するシャフトを買ってありました。6mmの径で,反対側には6mmの軸を差し込んで固定することが出来ます。

 精度も出てなくて,こんなもんが使えるのかと不安になりましたが,DCモータの軸受はボールベアリングです。ここにしっかり固定できれば,多少の問題はなんとかなります。

 DCモータのロータを,シャフトから抜きます。そしてシャフトをモータから抜いて,今回の新しいシャフトに交換します。

 ちょっとガタがありますが,まあなんとかなるレベルです。モータの後ろ側には,元のサーキュレータのモータについていた軸受をはめ込み,抜け防止にします。

 トライアンドエラーを繰り返して,何とかモータが組み上がりました。

 そして,先程まで使われていたDCモータのシャフトを,新しいシャフトの先端に取り付け,その先にプロペラをはめ込みます。お,なんとなくうまく取り付けられました。ちょっと(というかかなり)不安がありますが,なんとかなるでしょう。

 冷静に考えると,6mmの太さのアルミの棒があれば済んだ話なんですね。そういうものが手もとになく,買いに行くこともしなかったために,こういうおかしな話になってしまった訳ですが,これに気が付いたのがこれを書いている今というのも,間抜けな話です。


2.どうやって本体に取り付けるのか

 次にこのモータをどうやって本体に取り付けるかです。さすがに隈取り式モータとは形が全然違いますので,そのままは取り付けられません。

 とりあえずベースとなっている鉄板を切って,3本の手を出しました。これをクニクニと曲げて,うまく固定できそうな形にします。最後に1箇所だけネジ止めして,これでよしとしました。

 いやはや,いかにも頼りない,危険な代物になってきました・・・


3.どうやって回すのか

ファイル 588-2.jpg

 PCのファンと同じで,電源を入れればとりあえず回転し,速度調整は電源電圧を下げることで行うのだと思っていたのですが,回ってくれません。

 いろいろ調べた結果わかったのは,このモータは電源を繋いだだけでは駄目で,速度調整用のPWM信号を突っ込む必要があるということでした。周波数は任意のようで,パルスの幅で速度がかわるようです。

 PWMといえばマイコンの出番です。マイコンと言えば,私にとってはAVRのATtyny2313です。このマイコンはタイマを使ってPWMを発生させることがとても簡単です。

 そこで,速度を4段階に可変出来るものとし,スイッチは押しボタンがアップとダウンの2つ,電源は待機電流が大きいようなので1次側でバシッと別のスイッチで切るものとします。

 インジケータはLEDを4つ並べて,バーグラフのような表示にしましょう。

 クロックを内蔵の4MHzにし,GPIOのアサインをして基板を作り,さっとソフトを書いて,しょーもないバグを取り除けば,あっという間に15kHzのPWM信号生成回路が完成です。

 これを早速モータに繋いでみると,ありがたいことにちゃんと速度が可変しています。よかったよかった。

 しかし,LEDの電流制限抵抗をなぜか勘違いし,3kΩを3Ωの抵抗にしてしまい,LEDとAVR,そして抵抗が発熱したあげくに,長時間点灯したLEDは劣化して暗くなってしまったことは,ここだけの秘密にしたいと思います。


4.そして完成へ

 電源は手持ちのACアダプタを使います。12V1Aですが,このファンは最大で2A近くの電流を消費します。そこでソフトでリミットをかけ,最大風量でも1Aを越えないようにしました。それでもかなりの風が来ます。

 最初の2段階はそよ風のように弱い風が静かに出てくるようにし,後の2段階は少々うるさくてもしっかり風邪が出るようにパルス幅を最終調整し,ソフトは完成。

 次に基板を本体に取り付け,全体の配線をします。

 最終的なテストも問題なし。あのアメリカンV8が,シルキーシックスと評されたBMWの直列6気筒のように,静かにゆっくり風を作ります。

 一番弱いときで300mA程ですので,消費電力で言えば3.6Wです。改造前に比べれば1/10の消費電力ですし,最大でも12Wですから,これでも1/3です。やはりDCモータは偉大です。

 ただ,扇風機と違って低い位置に置くものですし,首振り機構がないことが案外困るという事実も発見しました。扇風機というのは枯れた商品で,使い勝手はよくよく練られたものなのですね。


 ということで,まともに買えば2万円ほどもするDCモータの扇風機を自作しました。ちゃんと風は来ますし,DCモータならではの微風も出ますから,一応成功としておきましょう。ただ,信頼性はいまいちですし,使っている内に分解してしまう怖さもあって,はたしてこれを家族に使わせて良いものかどうか,悩むところです。

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