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DRA-N5のレビュー

  • 2013/03/29 17:45
  • カテゴリー:散財

 昨日に続いて,早速届いたDRA-N5のレビューです。

 いやはや,DENONをデノンと呼ぶようになってから買った製品としては,カートリッジのDL-103についで2つ目です。アナログプレイヤーはDENONのものですが,新品で買ったわけではないので,まともに買ったものとしては生涯でも2つ目です。つくづくこのメーカーとは縁がないものです。

 どうも,音の傾向が自分の好みに合わないというのが気になっているのですが,高校生の時に耳にしたDCD-1400とKENWOODのDP-990SGとの音の傾向の差が今でも強く印象に残っていて,切れ味の悪い,曇ったような音の傾向がDENONの音だと個人的には思ってここまで来ました。よく言えばきめの細かい,丁寧な音といえるのでしょうが,どうやらこの傾向は現在でもあてはまるようですし,高級機種でも大なり小なり見られるようです。(DL-103だってそうですよね)

 ただ,音質以上に商品の企画が自分の求めている物から少しずれているという感じがあって,これまであまり気にかけてこなかった感じです。

 ですから,DRA-N5を買うと決めた時には期待と不安が入り混じっていました。これがPioneerとかONKYOなら,迷わず喜んで買ったんじゃないかと思います。

 前置きが長いですね。では早速レビューです。


(1)大きさ,重さ

 思った以上に軽く,思った以上に小さいです。梱包も小さいですが,中身も大変コンパクトです。オーディオ機器には軽いものは駄目という神話が生き続けていますが,デジタルアンプやスイッチング電源という新しい技術が使われるようになった昨今,そんなことを言ってる時代じゃないと思います。

 A4の紙くらいの設置面積で済むコンパクトさは素晴らしいと思いますし,配線も電源とスピーカーを繋げばすぐにフルスペックで使える簡便さは,大変望ましいです。


(2)デザイン,質感

 シンプルでクセのないデザインですが,私個人は今ひとつ気に入りません。角の丸みが大きすぎて,ファンシーな印象があります。これが本体色のブラックとあまりマッチしていないように思えます。光沢が深くないことも原因かも知れないですね。

 正面は大きな有機ELのディスプレイとUSBコネクタのみで,スイッチは天面にあります。大変シンプルなのですが,画面のサイズの比率が今ひとつで,安物のデジタル時計のように見えます。

 質感は想像以上に悪いです。なにせ全面プラスチックの筐体ですから,光沢も塗装を重ねた美しいピアノブラックと違って,そのままプラスチッキーな光沢ですから,安っぽいのです。それに,プラスチックだけに,静電気が凄いです。気が付いたらホコリが付着しています。黒の光沢だけに,ホコリが目立って困ったものです。


(3)操作系,UIデザイン

 スイッチやボタンは前述の通り天面にあります。操作はリモコンで行いますので,これらのボタンは緊急時に使う程度のものでしょうから,特に不便は感じません。

 しかし,操作系と一緒にインジケータも天面にあるのは良くないです。スタンバイにあるのか,動作中なのか,起動中なのか,電源ランプの色と点滅で示されるのですが,正面からは全く見えません。

 そして,天面にボタンがあると,この上に物を置けません。似たようなサイズのコンポを置くことも出来ませんし,布を被せることも出来ません。ボタンは置かずに,ランプだけ正面に欲しいところです。

 ディスプレイは大型で見やすい有機ELですが,単色でメリハリがなく,文字の形やアイコンのデザインも美しくありません。

 そして,今の家電には例外なく使われているメニューなどの「階層構造」ですが,これがまたわかりにくいです。

 基本的には「戻る」が←キーにアサインされているのですが,項目によっては←キーに別の機能がアサインされている場合があります。迂闊に←キーを押せば,1つ上の階層に上がったのか,機能選択によって表示が変わったのか,分からなくなってしまいます。これは駄目ですね。使いにくいことこの上なしです。


(4)対応する音源

 まずネットワークオーディオプレイヤーとしてですが,QNAPのNASと組み合わせ,DLNAでFLACをならすことには問題はありませんでした。96kHz/24bitのファイルも全く問題なしで,音質の違いも一聴すれば分かるくらいの再現性を持っています。

 

(5)音質の傾向

 全体的にそつなくまとまっていますが,悪く言えば丸く,奥行き感が不足気味です。立ち上がりのレスポンスは遅い印象で,聴き疲れしない代わりに,思わず耳をかたむけてしまうような,生々しい音でもありません。

 あと,案外ノイズが耳に付きますね。ほとんど無音であって欲しかったのですが,サーというか,ジャーというか,そういう音が無音の時にしたのは,やや残念でした。

 あと,プチ音が良く出ますね。こういうポップノイズというのは結構気になるものなのですが,電源を入れればプチ,ネットワークにつながればプチ,ソースを切り替えればプチ,トーンコントロールでソースダイレクトを選べばプチと,なにかとプチプチいいます。気に入りません。


(6)ネットワークの信頼性

 今回は暫定設置という事で,無線LANを使いました。我が家は固定IPで運用していますので,DHCPを使わないで設定するのですが,設定情報を入力しても直ちにつながらず,リトライを繰り返し,何度かエラーを出した後,いつの間にかつながるようになっていました。よく分からないです。

 つながってしまえば切れたりしないのですが,ホントに大丈夫なのかという不安と一緒に操作するのは,楽しくないですね。


(7)インターネットラジオ

 インターネットラジオは案外良かったんですが,設定がちょっとややこしかったです。vTunerを使うのですが,denonradio.comにアクセスし,MACアドレスを登録する事が必要ということで,早速試みたのですが,登録出来ないとはねられます。

 よく読んでみると,最低1度,登録前にインターネットラジオで音を出しておかねばならないそうです。このMACアドレスの機器が「生きている」ことを確認しないといけないんでしょうね。

 認証が済めば,おきまりのNHKの登録を追加して,NHK-FMがなるようになりました。

 ところが,面倒な事に,この後本体リセットを行って初期化を行った際に,インターネットラジオでdenonradio.comが本体に表示されず,選局出来ない状態に陥りました。認証が済んでいたから慌てませんでしたが,認証のためにインターネットラジオをならす必要があるのに,ならすことが出来ないという袋小路にはまり込んだ可能性があるわけで,これは非常にバギーだなと思いました。

 結局この問題は,いつの間にやら直ってしまったので原因はわかりませんが,いずれにせよ,期待する動作が取説に書かれていないので,これで合っているのかと試行錯誤をしながら進める面倒臭さを強く感じました。


(8)AirPlay

 DRA-N5の目玉の1つがAirPlayです。簡単につながりましたし, 曲名などの表示もきちんと出ますので一見すると問題ないように見えるのですが,AirPlayで表示される機器名が,変更出来なかったのです。

 ネットワーク設定に,フレンドリーネームという設定項目があります。ここを変えればAirPlayの名前も変わると思っていたのですがさにあらず,デフォルトのCEOL Piccoloのままです。再起動しても,初期化を行ってもだめです。

 これ,もしこの機器を複数台もっていた時,どこから音が出るか分からないですよね。それで「どないすんねん」と思いながら一晩ねると,翌日にはどういう訳だか変更した名前に変わっていました。

 結論から言うと,変更出来ないのではなく,変更の反映が遅くなると言うことのようです。だから,名前が変わっていなくても気にせず放置,が正解です。そのうちちゃんと変わります。


(9)リモコン

 良くも悪くも普通のリモコンです。いかにも中国製というゴツゴツしか感じで,ボタンも硬く,深いです。押しづらいですね。

 すごいと思ったのは,走行系の割り切りです。REWとPLAY/PAUSE,FFの3つしかありません。まあこれで困ることはないと思いますが,音楽再生という機能についての考え方が垣間見えました。


(10)あれ?

 私の個体の問題かも知れないのですが,画面の明るさを変更しようと,リモコンのDIMMERボタンを押してみたところ,明るさが変わりません。もう一度押すとようやく1段階暗くなりました。さらに押すともう一段階,さらに押すと完全に消えました。

 ここからもう一度押すと明るく点灯しますが,もう一度押しても明るさが変わりません。

 取説によると,DIMMERボタンを押す度に,100% -> 75% -> 50% -> 25% -> OFFを繰り返すようなのですが,私の場合は,75% -> 75% -> 50% -> 25% -> OFFの繰り返しのような感じで,明るさは4段階,しかも最初の1段はキーが効かない状態です。

 ソフトのバグとは考えにくいですし,有機ELは明るいほど寿命が短くなりますから,私は50%の明るさを常用しようと思っていますので実害はないのですが,本体の故障だとすればちょっと面倒ですね。amazonの領収書を捨ててしまいましたし・・・

 この点だけは故障の疑いもあって心配なので,メーカーに問い合わせしたのですが,明るさの変化がわかりにくい場合もあるので,お店の展示品と比べてみてくれ,もし差があるようなら初期不良として交換してもらってくれ,差がないようなら仕様と思ってあきらめてくれ,という,なんとも手応えのないお返事でした。

 気になるようなら点検するのもあり,ということですが,持って行くのも送るのも面倒ですし,もうこれでいいです・・・ハズレをひきましたよ。

 表示で言えば,先にも書きましたが文字が美しくないし,大きさのバランスも不細工です。特に日本語の表示が最悪で,美しくない太めのゴシックが画面のど真ん中にでっかく表示されると,なぜだかとても恥ずかしくなります。

 時計の表示仕様も残念です。せっかくNTPサーバで同期するのに,時計の表示はリモコンのCLOCKボタンを押したときだけしか表示されないんですね。電源OFF(スリープ中)でもCLOCKボタンを押せば時計が表示されるのですが,いちいちボタンを押して時計を見るかといえば,そんなことはしないでしょう。

 おそらく,アラーム機能を中心に考えての時計なのでしょうが,ただでさえネットワークオーディオはトラブルが多いのに,こんなものをアラームにしてしまったら,音が出ないまま寝過ごすなんてことが起きてしまうでしょう。私はこんな機能は恐ろしくて使えません。

 あと,INFOボタンも今ひとつです。押せばアーティスト,アルバム,コーデックと一番上の行の表示が切り替わりますが,この切り替わった状態を覚えていてくれないのです。デフォルトはアーティストですが,私としてはアルバムを表示したいんですね。

 アーティストなんてのは,聞けばわかります。


(11)WEBからの設定

 本体のIPアドレスを直接叩けば,WEBブラウザから設定が出来るとあります。ほー,httpサーバを実装してあるんだな,これは便利だなと思ったのですが,その期待は簡単に打ち砕かれました。

 出来る設定は,ネットワーク設定とファームのアップデートのみ。他の設定は相変わらずリモコンからしか出来ません。

 そもそも,WEBブラウザで設定が出来る状態ということは,ネットワーク設定が済んでいると言うことでしょう。なんじゃこの無駄な仕様は?

 ファームのアップデートについては,本体のみではネットワークからのダウンロードしか対応しないので,ファイルからアップデート出来るこの機能は必要だろうと思いますが,それならファームアップデート機能専用と割り切って,もっとシンプルに作っても良かったんじゃないでしょうか。

 というか,USBメモリにファイルを入れて前面のUSBコネクタに突っ込めばそれで済む話ですよね。なんか,せっかくのhttpサーバが死んでしまっています。


(12)未確認事項

 まず,光デジタル入力のサンプリング周波数やビット数を確かめなければなりません。昨日書いたように,改造したBDP-150を繋ぐ予定ですが,88.2kHz/24bitを受けてくれないとこの改造も無意味になります。

 また,デジタル入力時のサンプリング周波数やビット数が表示されるのかどうかも気になります。

 最終的には有線LANで繋ぐ予定ですが,これも現時点では確かめていません。無線でつながっているのですが,多分大丈夫でしょう。

 iPodドックも使っていませんが,多分一生使う事はないでしょう。ここが壊れていても別にいいです。

 オートスタンバイも気になります。取説によると,操作しないで30分放置するとスタンバイに入るそうですが,これってアルバム1枚をじっくり聞けないということですかね。まさかそんなことはないと思うのですが,それならインターネットラジオを聞いているときはどうなんだとか,いろいろ疑問がわきます。

 もし,音が出てようと出てなかろうと30分でスタンバイに入るなら,これほど使えない機能もないんじゃないでしょうか。


(13)iOSから操作する

 iOSで動くリモコン「DENON Remote App」をiPad2に入れて見ました。そんなに期待もしなかったのですが,期待以上のひどさでした。

 電源を入れる,ファンクションを切り替える,インターネットラジオを聞くなどは出来ますが,肝心要のミュージックサーバーから音楽を鳴らすことが出来ません。

 NASが見つかり,iPad2の画面に表示されますが,これを選択すると「接続が拒否されました」と先に進めません。これでもうおしまいです。

 あまりのひどさに開いた口がふさがらず,iOSとの連携機能は最初からなかったことにしました。こうなるとandroidでどうなんだろうとか,試す気も起きないです。


(14)まとめ

 見た目も今ひとつ,音質もそこそこ,機能は豊富だがUIが良くない,細かいところで残念な仕様になっているなど,どうも鈍くさい感じです。

 所有欲を満たす質感もなく,音も特別よいわけではないので,65W+65Wのアンプとネットワークオーディオプレイヤーが小さい筐体に収まったということをメリットに,それこそ存在を意識しないような使い方をすることになるんじゃないかと思います。

 なんか,ボロカス書いてしまいましたが,正直なところ,期待が大きかっただけに,実物の残念さが目立ってしまい,悔しいのです。もっとスピード感のある,もっと切れ味のいい音を期待していましたし,浮かび上がるようなボーカルを再現出来るスピーカーを繋いでも,その能力を発揮出来ていないような気がします。

 デザインも質感も操作感もいまいち,ただし機能は豊富でシンプルに機材をまとめる事が出来るという便利さは特筆すべき所です。果たして買って得をするかどうかは,この多機能の恩恵をどれくらい受けることが出来るかにかかってくるように思います。

 値段が24000円と安かったのでお買い得感はありますが,これが4万円ならちょっと買わないなあというのが,私の今の結論ですね。

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