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DC45でダイソンデビュー

  • 2013/10/25 14:49
  • カテゴリー:散財

 もう随分前の話になりますが,ブラック&デッカーのハンディクリーナーを買って便利に使っていました。しかし,もう充電池が寿命のようで,充電をしても満足な吸引力が得られません。

 共働きで掃除も行き届かず,そこへ子供が食べこぼすようになって,掃除機が手もとにないことで生活がすさみ始めたところで,これはやはり,手軽な掃除機を1つ買わねばなるまいと常々思っていました。

 ハンディクリーナーの買い換えですので,基本的にはコードレスです。しかし,どうも日本の掃除機メーカーというのは,コードレスのクリーナーにあまり熱心ではありません。いわく,吸引力至上主義で進化を遂げた「普通の」掃除機との性能差が大きく,コードレスの掃除機を「掃除機です」といって良いかどうか,悩むのだそうです。

 海外ではそういう話はあまりないようで,DysonにしてもElectroluxにしても,普段使いの掃除機としてコードレス掃除機を作っています。

 そうなんですよ,家電メーカーではなく電動工具メーカーから出ている,業務用のコードレス掃除機には,日本製でも強力なものもあるんです。だから,技術的に不可能という事ではなく,どちらかというと家電メーカーの掃除機に対する「思い込み」が最大の障害になっているんじゃないのかな,と思います。

 実のところ,モーターを高速で回転させる掃除機の充電池には,短時間で大電流を放電するのに適したNi-Cd電池が使われていました。リチウムイオン電池が充電池として理想的であることは誰の目にも明らかですが,そうした放電が求められる用途には,適さなかったのです。しかし,Ni-Cdにはエネルギー密度が小さいので,電池をたくさん搭載できません。ですから,ハンディクリーナーに使えば連続動作時間が短かったり,パワーが不足したりしました。

 しかし,ここ数年でリチウムイオン電池の電動工具への採用が急激に進みました。今やリチウムイオン電池を使わない電動工具を探す方が難しいくらいですが,これも電池メーカーが大電流放電に強い電動工具向けのリチウムイオン電池を開発してこの市場を開拓したからです。こうした高性能電池を使い,進化したDCモーターの制御技術をもってすれば,十分実用になるコードレス掃除機を作る事は,可能だと私は思います。

 重い掃除機を引っ張り出し,鬱陶しい電源ケーブルを引きずり出して,あちこちぶつけながらゴロゴロと引き摺って使う事になる従来型の掃除機に対しての不満は潜在的にあるだろうし,アイロンなどコードレスの製品が実用性を持つようになると,一気に普及するという前例をみると,日本のメーカーがコードレス掃除機に本腰を入れる日は,そんなに遠くないとも思います。

 前置きが長くなりましたが,従来のハンディクリーナーでは吸引力と言うより,吸い込み口が小さい事で掃除がしにくいことが問題で,これを改善で出来るようなコードレスクリーナーを探していました。

 ある時,かのDysonのDC45という機種が,案外値下がりしていることに気が付きました。私のイメージでは5万円だったのですが,これが36000円ほどになっています。

 いくらDysonといえど,コードレス掃除機が常用可能な主力機になるとは考えにくく,あくまでサブであることを考えると,5万円は庶民には出せません。しかし,36000円なら,ちょっと頑張って見ようかと思わせます。

 気が付いたら,自宅にDC45が届いていました。

 こういう衝動買いは慎むように心がけていたのですが,必要性と趣味性が交差すると,人の心というのはかくも脆いものなのかと愕然とします。

 ささ,ということで,軽くインプレッションです。


(1)まずコンセプト

 コードレス掃除機で,しかも本体と吸い込み口が一体化したハンディクリーナーの進化形です。長いパイプの先にタービンブラシを取り付ければ,スティック型の掃除機として使うことが出来ます。

 面白いのは,スティック型の掃除機であることがどちらかというと標準の扱いで,つまるところメイン掃除機としてどんどん使って下さい,と言うメッセージを発していることです。

 DC45という機種の売りは,連続稼働時間が20分という点にあります。5分そこそこではやはりサブでしか使えませんが,20分動けば,一部屋二部屋くらいは掃除することが可能でしょう。(30分以上の掃除は時間の無駄で,きっとやり方がまずいんです)

 そうなると,過去のキャニスター型の掃除機を置き換えるだけのポテンシャルを持つ事になります。ただ,この20分という時間が,日本の家屋にとって実用になる性能と両立できるものなのかどうかが,今のところ当落線上にあるという感じなんじゃないでしょうか。


(2)吸引力

 さすがに今どきのキャニスター型の掃除機と比べるのは可愛そうですが,よくよく考えてみると,最近の掃除機は節電モードをを持っていて,床の状況を自分で判断してモーターの回転数を落としていますよね。

 だから,ピーク性能は高いですが,常用域としてはそんなに高い性能が必要ないシーンも多いはずです。そういう観点でDC45を使って見ると,これが実に絶妙で,全く問題がないのです。

 もちろん,強い吸引力は先端のブラシをラフに動かしても,それなりにゴミを吸い込んでくれます。DC45のようなギリギリの吸引力では,例えばタービンブラシを床から少し浮かせてしまうと,もうゴミを残してしまいます。

 だから,タービンブラシと床の間が小さくなるような設計にしてあるんでしょうね。これが最終的な使い勝手や,ゴミをどのくらい残すかという印象にきいてくると思いますが,少なくともフローリングでホコリを吸い取るという,最も頻繁な掃除についていえば,DC45で十分すぎるものがあります。

 もともと,こうした掃除に使いたいと思ったDC45でしたから,私の期待に対しては100%応えてくれそうです。

 吸い込み仕事率というスペックを見ると,通常モードで28W,強モードでも65W程度で,これは日本のAC電源の掃除機に比べて,1/10以下です。

 ただし,強い吸引力はそれだけ電力を食いますから,最終的に部屋が同じ時間で綺麗に出来るのであれば,吸い込み仕事率は小さい方がいいに決まっています。その点で言うと日本の掃除機は,強力な吸い込み力によって得られる爽快感も,メリットの1つになるのかも知れません。これは分かる気がします。


(3)重さと大きさ

 大きさは小学生の子供くらいの高さがあります。重さは本体のみ1.3kgで,フル装備だと2kg程になりそうです。

 この1.3kgという重さは,私は重いと思っています。重い重いと言われているデジタル一眼レフでも,実は1kg以下ですから,その持ちやすさ/持ちにくさから,特に重く感じます。

 また,長いパイプの先に重量物である大型のタービンブラシがある構造は,取り回しの悪さも助長します。床を掃除しているときは良くても,やはり持ち運ぶ時に楽だとは思えません。

 Dysonの掃除機は,高価なだけに,買った人のレビューや評価が「甘くなる」傾向があると私は思っています。実際に使ってみると,そこまでいいとは思えない事があって,こういう高級家電は好き嫌いもありますから,他人の意見は参考程度に考えて,実際に使って判断するしかないでしょう。

 別の所でも書きましたが,この大きさ,この重さにも関わらず,自立しません。頭部に電池とモーターという重量物があるため,非常に不安定で,倒れたときの危険度は非常に高いです。なのに,簡単に倒れてしまうことは私は重大な問題だと思います。

 特に小さい子供がいる家庭で,この掃除機はおすすめしません。


(4)音

 音は甲高く,かなり大きいです。少なくとも夜に使っていいものとは思えません。トリガ式のスイッチは便利なようで,ふいに触ってしまうことがあります。思わぬ形でモーターがきーんと回るので,驚くこともしばしばです。

 余談ですが,DC45を箱から出しているときに,興味津々だった娘は,てくてくと歩いてそばまでやってきました。しかし,私が本体を取り出すときに不用意にスイッチに触れてしまい,突如大きな音でモーターが回転したときにとても驚き,怖いという表情をして嫁さんの所に逃げてしまいました。子供が恐怖を感じるような音だということは,忘れないでいようと思います。


(5)使い勝手

 重心が高いスティックタイプの掃除機は,ただ立てかけてあるだけだと,転倒してしまいます。小さい子供がいると,なんだろうと触った拍子に倒れてきて,大きな事故につながる可能性があります。

 そこで固定する仕組みが必要なのですが,DC45の場合は,壁掛けが出来るフックのようなものが付属しています。固定するためのネジは付属していませんので,自分で用意しないといけないのですが,これがまず減点です。自分で最適なものを選んで使えと説明書にありましたが,外れてしまうと事故になるものだけに,せめてどんなものを選べば良いかを書いておく配慮は必要でしょう。

 本体から伸びるパイプは,アルミで出来ていて継ぎ目はありません。軽く丈夫ですが,短くしたり折りたたんだりすることは出来ません。

 ちょっと感心したのは,この長さでそれなりの吸引力を持っていることです。ハンディクリーナーは動かす空気の量が少なくなるように,ノズルからモーターまでの経路が短くなっています。また,ホースやパイプのような細いものは抵抗が大きいので,コードレスのような絶対的なパワーが不足しがちな掃除機には,厳しいものがあるはずです。

 しかもDC45はトリガ式のスイッチです。常時ONではなく,使う時だけONという仕組みですが,これは電池寿命を延ばすには有効でも,長い経路に存在する空気の慣性を考えると,すぐに吸引力が発生しないために,不利な面も無視できません。

 ところが実際に使ってみると,確かに吸引力の発生にはタイムラグがあるのですが,モーター自身の回転数が急激に上昇するため,かなり短いのです。AC電源のキャニスター式だと,モーターも大きくて,その慣性もかなり大きいので,空気の慣性以上に回転数が上がりきるまでのタイムラグが問題になります。

 ということで,頻繁なON/OFFという節電と使い勝手を目指した解決策が,モーターのレベルで考慮されていることに唸ってしまいました。

 よく言われるように重心の位置が良くて持ちやすいとか,そういう印象は私はあまりありません。重心の位置をいかに工夫しようと,重いものは重いし,握っていないと使えないからには,握力もそれなりに必要です。しかも,トリガ式のスイッチは,ONの状態に固定できないので,ずっと押していないといけません。

 加えて,タービンブラシが自走しません。日本の掃除機では,中級機以上なら自走式のタービンブラシがあるので,手で添えるだけで動いてくれますが,DC45ではそこまでの機能はありません。

 床との細い隙間で強い吸引力を作り,重量のある大きなゴミはタービンでかき込んで吸い上げるという仕組みですから,日本の掃除機とはちょっと違うと思います。

 日本の掃除機は,あくまでゴミを吸引することがメインで,タービンブラシは絨毯などに絡んだ込みをたたき出すための,補助に過ぎない扱いです。だからあれだけの吸引力が必要なのかもしれません。

 ルンバもそうなのですが,海外の掃除機の吸引力はそれ程強くありませんが,その代わりタービンブラシが主役扱いです。吸引力というのは,タービンブラシでかき集めたゴミを吸い込む為のものなんですね。

 この考え方の違いは,掃除機の使い方や得意不得意という個性として表面化しますが,ひいては小型に出来るか,コードレスに出来るか,という製品そのもののあり方にさえ,影響します。日本の掃除機の考え方では,確かにコードレスは作れないでしょう。


(6)まとめ

 10点満点で,3点です。DC45はレビューを見る限り評判も良いし,最近安くなったとは言え,登場時は6万円近い値段で販売されていた高級機ですから,実は私はもっと期待していました。

 もちろん,目的はきちんと果たしてくれそうですし,その点で損をしたとは思いませんが,もっと細かいところに配慮がるか,もっと基本性能に高いものをもっているか,そういう良い意味での裏切られ方を期待していたのだと,気が付きました。

 ただ,あの仰々し大げさなデザインは私は嫌いで,このマイナスポイントを補ってあまりあるDysonならではのメリットの存在が前提だっただけに,そのメリットがごく普通の掃除機レベルであることをしると,この外観が実に気の滅入るものになってしまいます。

 そんなわけで,DC45に限って言えば,実際に使って見る事をおすすめします。店頭でちょっと触っただけでは,きっと分からないものがあると思いますから,出来ればこれを使っている友人知人の家に押しかけて,実際に掃除をしてみて下さい。

 うまくすると,ルンバとの併用で,キャニスター型の掃除機は全廃出来るかも知れませんが,ルンバも使いこなしが難しく,ムラの大きな掃除機ですから,私の結論はルンバと同格の,サブ機です。

 個人的感想で言えば,3万円なら買いかなと思います。6万円ならもってのほか,とてもがっかりするんじゃないかと思います。付属品を減らして,実売で27800円てところではないでしょうか。

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