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安価なHDDの買い方と2TBの壁

  • 2014/01/08 13:33

 ここしばらく続いた円安傾向がすっかり定着し,円安を理由にした製品の値上げについても慣れてしまった今日この頃ですが,頻繁に買うものというより,ごくたまに必要に迫られて買うものの値段が,自分の覚えている価格に比べて違っているとき,その影響が身近なものであることを痛感する機会となります。

 昔から相場に敏感な商品に,パソコン関連の商品があります。コモディティ化が進んで海外製品がそのまま使えるようになったことで,激しい価格競争が始まりました。

 HDD,メモリ,マウスやキーボードなどの周辺小物などは顕著で,HDDやメモリに至っては投機的な意味合いを持ち始めた頃から大きく価格が乱高下し,それが在庫を持たない傾向に拍車をかけ,小売価格まで乱高下するという状況が,すっかり当たり前になりました。

 だから,メモリやHDDの価格変動を見ていると,まさに「経済の小宇宙」を俯瞰しているような気分になります。需要と供給という基本原則に始まり,災害や事故による影響,投機による価格の乱高下,新製品への世代交代,決算前の大放出,そして経済は人々のマインドを映すという現実など,なるほどこういうことなのか,というリアリティがそこにはあります。

 とまあ,大きく出ましたが,ここ2年ほどHDDを買い増ししていなかった私は,増え続けるデータに切迫感を感じ,場当たり的に複数のドライブに分割してデータを管理する事への危機感を募らせておりました。

 2014年も始まったところですし,ここは意を決して3TBのHDDを買って,一気にデータの整理をしましょう。うちは音楽CDはもちろん,CD-ROMやDVD-ROMもイメージデータでアーカイブしてあります。DVD-Videoについても,違法化される前にデータ化したものが大量にあり,これらはすでにオリジナルの光ディスクを処分してしまったので,きちんと管理しなければなりません。

 これまで,大きな容量のHDDに交換して出てきた小さい容量のHDDを,その有効活用にと,これら滅多に使わないデータを保存するものとして使って来ましたが,もはやドライブの数がゴロゴロ増えてしまい,どこに何があるのかわからなくなっています。これでは非常にまずいので,新品の大容量ドライブに集約しようというのが今回の主旨です。

 私の頭の中では,3TBは9000円くらいからあって,どこでも1万円を切る,と言うのが尺度としてあったので,それくらいの気分で探してみたのですが,いやはやとんでもない。12000円を超えるじゃありませんか。

 タイの洪水の時の価格高騰に比べればましですが,2TBでも1万円を切るかどうかという値段だったりしますので,かつて6000円台だったことを知っている私としては,今買うのはお得じゃないんだなあと思った次第です。

 とはいえ,せっかくやる気になった「お片付け」ですので,ここは安いものを探してみることにしました。目標は実質1万円で3TBを買うことです。

 年末からのセールでは1万円は出ていたし,今でも秋葉原の店頭では買えそうな気もしますが,足で探す時間もありません。通販のセールは年始には終わっているし,以後その値段を出してくれる店はぱっとみるとありません。

 こりゃ今は買わない方がいいかもなあとあきらめかけていたところ,amazonでWDの外付けHDDが目に付きました。

 WD Elements Desktop 3.0TBです。WDのリテールですので中身がWD以外ということは間違ってもないでしょう。これが10290円でした。

 ケース付きで10290円ですから,実質1万円切りです。無論,ケースはUSB2.0専用ですのでそれほど価値はありませんが,シンプルなケースは見た目にも悪いものではなく,他になにかと使えそうな気がします。

 3TBのバルクのドライブが12000円程度で推移していること,現在の円安傾向が当分続くことを考えると,この商品だっていつまでこの値段かわかりません・・・という勝手な理屈をこねて,ポチることにしました。

 届いたWD Elements Desktop 3.0TBですが,とりあえずさっと動作の確認をすべく,USBでMacBookProに繋いでみます。無事にマウントしましたが,初期化を行うところでなぜかエラーが出ます。

 そこで,GPTで初期化すると問題なく3TBでマウントしています。初期化直後で使用容量が146MBというのはちょっと大きい気もしましたが,まあいいでしょう。

 しかし,合計3TBを埋め尽くすデータをコピーするのは,大変な時間がかかります。僅かな転送速度の差が作業時間の大きな差になってくることを考えると,USB2.0なんかでチマチマとコピーをするのはうんざりです。

 仮にUSB2.0での実質的な転送レートが20MByte/secとすれば,実に35時間もかかります。時間がかかるだけでも大変なのに,その間に停電があったりしたら最悪です。これはさすがに非現実です。

 これをeSATAで繋ぐと,実質100MByte/secくらい出ますので,時間は7時間ほどの劇的に短縮されます。(実際にかかった時間もこのくらいでした)

 普段はUSB2.0の方が汎用性がありますが,最初のコピーは分解してeSATAでやろうと決めて,早速分解して,中身を取り出します。

 中身はWDのGreenが入っていて,製造時期は2013年8月とありました。そんなに長期の在庫ではないようです。

 これをeSATAに繋いで見ますが,MacBookProの画面には即座に「初期化されていません」と出てきます。おかしいなと思って繋ぎ直しますが同じです。

 ディスクユーティリティを開いてみると,ちゃんと認識はしています。パーティションマップを見ても,確保したはずのパーティションが消えてなくなっています。

 ここで「ははーん」と思った人も多いと思いますが,そもそも3TBのHDDがWindowsXPで動くとうっている製品なのですから,今にしてみれば当たり前の話です。

 HDDに特殊なファームを書いてあって,USB-SATAブリッジと組み合わせて使わないと動かないプロテクトでもかかっていると面倒だと,この状態で再度フォーマットして3TBを確保して見たところ,これは問題ありません。

 次に,このHDDを再度ブリッジ基板経由でUSBで繋いでやると,今度も正しくマウントしません。ディスクユーティリティでパーティションを確認すると,今度は3TBだったはずの容量が,350MBと1/8程度になっていて,あとは空き容量になっています。

 はいはい,みなさん,ここで「ははーん」と言って下さい。

 USB-SATAのブリッジがなにかしているということは分かったのですが,このブリッジが壊れてしまった場合に,HDDのデータを取り出せなくなってしまうという悔しい事態は避けたいところです。そこで私は,HDDを取り出し,ブリッジを介さない形で運用することにしました。

 読み書きするのにいちいちケースに入れないといけなくなりますし,WindowsXPでは扱えなくなるわけですが,これはやむを得ません。

 夜のうちに仕掛けたコピーは,朝起きてくるとちゃんと終了していました。7時間ほどかかっていたので,ほぼ計算した理論値に合致しています。

 翌日,この状況をきちんと整理してみました。

 まず,スタートは「2TBの壁」です。WindowsXPまでで使用されていたマスターブートレコード(MBR)は,HDDのセクタアドレスを32bitで管理します。これまでの慣例でHDDは512Byteを1セクタとしますので,512byte x x2^32 = 2Tbyteとなります。(えと,Tなどの補助単位が1000ではなく1024であることを明示するためにTiBと記述することが多いですが,煩わしいので皆さんの頭の中で読み替えて下さい)

 3TBのHDDを認識するにはMBRではなく,別の管理方式を使う必要があります。GUIDパーティションテーブル(GPT)ではこの制限はなくなっていますが,WindowsではVistaからのサポートとなります。

 もう1つの方法は,1セクタの大きさを大きくすることです。HDDは大容量化の過程で,すでに内部では512Byte単位での管理はしておらず,4Kbyte単位で管理をしています。これをそのままセクタの大きさとすれば,32bitの管理能力でもざっと8倍の16TByteまでアクセス出来るようになりますね。

 とはいうものの,HDDも内部はともかく外に対してはセクタの大きさはこれまでずっと512Byteで来ていますし,チップセットやドライバも512Byte前提で動いていますのでなかなか難しく,とっととGPTに移行しろよ,となるわけです。

 ですが,もしもUSB-SATAのブリッジに細工をして,1セクタ512byteのHDDを4セクタまとめてアクセスし,これを1セクタ4KbyteのHDDだと見せかけることが出来れば,MBRでも2TBの壁を越えられそうです。

 調べてみると,WD Elements Desktopのブリッジには,この機能があるそうです。これですべてすっきりしますね。

 問題は,そうやって見せかける機能がブリッジにあることで,ブリッジが壊れてしまうともうそのHDDにアクセスする手立てがなくなります。WindowsXPを救済するという後ろ向きな対応の結果生まれた技術ですから,こんな機能を持つブリッジは早晩消えてなくなる事でしょう。

 ならばと,2TBのHDDをこのブリッジ経由で繋いでみたんですが,どうも4KByteに見せかける機能がONになってしまうようで,つまり容量にかかわらず,その機能の必要性にかかわらず,繋いだHDDはこのブリッジ専用になってしまうと考えてよさそうです。

 うむ,これはちょっと考えどころです。そもそもWindowsXPでアクセスすることがあるのかどうかという疑問もありますから,こんな変なブリッジは挟みたくないのですが,ケースは邪魔にならないシンプルなものなので,使いたいところです。

 なので,とりあえず雑多なデータを投げ込むHDDとして使う予定の2.5TBのHDDをこのケースに入れて,使えるようにしておこうと思います。ブリッジが壊れてしまったら・・・恐ろしいなと思いますが,滅多に使うものではありませんし,まあ大丈夫でしょう。


 ということで,4TBのHDDが当たり前になりつつあるなかで,お買い得感のある3TBにしておいたのですが,さすがに1TB以上の容量のHDDには使い道もあり,捨てるのが惜しいです。そうすると数ばかり増えて収拾がつかなくなってしまいますから,これはこれで問題です。

 最近物忘れがひどく,買ったものを見失い,買ってなかったことにしたり,捨てたことにするというご都合主義まで飛び出す始末ですが,こういうときこそ持ち物はシンプルにしないと行けないと,そんな風に思います。

 それにしても,世の中にはいろいろなものがあるんですね。ブリッジチップで無理矢理昔のOSを救済するとか,そんな話は遭遇しないと知らずに通り越してしまいます。面白いものです。

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