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XEのテスト完了と道具としてのカメラ

ファイル 70-1.jpg

 週末に修理の終わったXEに,フィルムを通すことにしました。一応正常動作の確認は済ませてあったのですが,やっぱりフィルムを入れるときはドキドキするものです。

 テストにちょうど良いという理由で24枚撮りを入れたXEは,F1.7という明るいレンズのおかげもあって,結構室内でも撮れてしまいます。

 土曜日は幸い晴れてくれたので,いつものテストを行います。

 まずオートモードで1/1000秒から1/30秒まで撮影します。夕方になってから1/15秒も追加します。

 同じ条件でマニュアルシャッター速度でも撮影をして,コマ間の露出のバラツキを見ていきます。

 加えてストロボを装着し,X接点が正しく動作しているかを撮影したら,余ったコマで好きなものを適当に撮影します。

 XEというカメラは,ぱっと見てわかるほど大きいカメラです。また重い。デザインもあか抜けているとは言えなくて,非常に無骨な印象があります。申し訳ないですが,1974年生まれといわれれば「そうかもなあ」と納得してしまいます。

 一方で,巻き上げレバーのなめらかさや回転角の浅さは言うに及ばず,シャッターボタンの感触も良く,音も素晴らしいです。道具としての操作感にこだわったという当時のミノルタのコメントは,伊達ではないことがわかります。

 びっくりしたのは,フィルムを入れても巻き上げのなめらかさに変化がなかったことです。私の持っているF3も巻き上げはなめらかで,そのなめらかさに変化は少ないのですが,こちらはやや巻き上げレバーの回転角が深いために,操作感という点ではXEは素晴らしいと言わざるを得ないでしょう。

 しかもXEのシャッターは縦走りのユニットシャッターです。横走りと違って,巻き上げレバーの回転を最終的には上下運動に変換してチャージしないといけないわけで,この点でもF3なんかとは随分と不利だったはずです。

 それと,フォルムインジーケータがこんなに安心感を得られるものとは思いませんでした。結局この機構はミノルタでもこの機種だけだった(しかもXEbでは省略される)のですが,とてももったいないなあと感じました。

 現像してみると,期待通りの結果です。コマ間のバラツキはほとんどありません。オートとマニュアルの差についてもほとんどなく,これほど確実にAEが動作するとは期待以上といってもいいかもしれません。

ファイル 70-2.jpg
 これはオートで1/1000秒です。絞りはF2.8とF4の間です。

ファイル 70-3.jpg
 これはオートで1/30秒です。絞りはF16ですが,見ての通り,両者は背景のボケ具合以外に違いはありません。良くできています。

 あと,現像して感心したのですが,1/8秒とか1/4秒でも,ほとんど手ぶれがないのです。50mmのレンズで1/15秒くらいなら手ぶれをしない私ですが,明らかにシャッターが開いてることを意識できる1/8秒や1/4秒では,どうやってもぶれてしまいます。

 それがこのXEでは,ほとんどぶれていません。

 大きくて重く,デザインも無骨なカメラですが,撮影していて意外にホールド感があり,どっしりとした安定感があることに気が付いていましたが,感触だけではなく実際の効果として見せつけられると,うーんとうなってしまいます。

 ミラーショックが小さいこと,シャッターの振動が小さいこともあるのかもしれません。音が軽やかなカメラは,やはり無駄なエネルギーが小さく出来ているのでしょう。コンピュータによる解析がそれ程進んでいなかったこの時代に,これだけの最適化を行えるというのは,当時のミノルタの技術レベルの高さを感じます。(でも内部はごちゃごちゃとややこしく,機能的に整理されていないように思われるので,もし狙って動作のなめらかさと機構の複雑さを両立させたなら,まさに職人技といえるでしょう)

 レンズが50mm/F1.7の1本しかなく,買い足そうにもMC/MDロッコールは結構市場でも高値安定のようで,さすがにこの時代になってはもう球数も揃っていません。

 気を遣ってこのカメラを下さった方は,ケンコーのカメラマウント(口径42mmピッチ1mmのスクリューマウントをSRマウントに着けることが出来る)もつけて下さったのですが,このマウントアダプターはフランジバックが全然狂っており,例えばタクマーレンズを取り付けても,無限遠が出ないだけではなく,ピントの合う範囲が極めて小さいため,はっきりいって使い物にはなりません。

 そこで今日,とりあえず1500円でトキナの35-70mmという安いズームレンズを買ってきました。80年代の標準ズームですから全く期待していませんが,一応XEの守備範囲を広げるものになってくれるでしょう。

 ミノルタのロッコールレンズは,色がこってりとしているそうです。どれほどのものかと思いましたが,50mm/F1.7ではそれを実感できる程のものはないようで,正直特別な魅力を感じることはありませんでした。

 これが28mmとか,あるいは135mmくらいだと,はっきり分かるのかもしれませんね。

 いずれにせよ,非常に良い感じで修理が出来ました。耐久性は未確認ですが,感触としておそらく大丈夫でしょう。

 コダクロームの販売中止,フジフィックス,スーパーフジフィックス,フジドールの販売中止,コニカミノルタのフィルムの市場からの枯渇,長尺フィルムの販売停止,100円ショップでフィルムを扱わない店が増えたことなど,とかく銀塩フィルムに吹く逆風は日増しに強くなる感じがあります。

 そんな中で,縁あって私の手元にやってきたカメラ達に,後どれほど本来の仕事をお願いできるものなのか,不安なものがあります。

 それに,フィルムを通すことが目的になってしまってはいけません。あくまで残しておきたい画像を残すという目的でなければならないとすると,ますます敷居が高くなってしまいます。

 逆に言えば,今しかありません。今楽しむために,今できることをしたいと思います。

 最後に,このXEの修理の機会を与えてくださった方に,心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

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