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今年の修理は今年のうちに

ファイル 74-1.jpg

 続きです。

・ペンタックスMEsuper

 FA43mmを手に入れてしまったせいで,どうしても自分が修理できる範囲のカメラをもう一代確保したくなりました。

 LXは最高のカメラですが,自分で修理できるという条件から外れてしまうので,SuperAかProgramA,はたまたMEsuperあたりを探していたところ,ミラーが上がったままのジャンク品を3700円ほどで見つけました。28mmレンズ付きです。

 相当使い込まれた感じで,素人さんの分解痕も派手にあります。ビスもなくしたらしく,適当なものが取り付けられていました。嫌な予感がします。

 MEsuperには,持病があります。ダンパーの劣化による,チャージ不良です。シャッターが落ちない,ミラーが降りないという問題もこれが原因だと言われています。

 サービスマニュアルや分解手順などを揃えて,早速分解開始です。

(1)ミラーボックス

 ミラーが上がったままですので,どうしたってミラーボックスまでは分解しないといけません。それにダンパーの交換だけは絶対にしないとだめですし。

 ミラーボックスを外して私は唖然としたのですが,こってりグリスが盛られており,不用意にさされたオイルも一緒に固着して,レバーが堅くて動こうとしません。どういう機構になっているのかを調べてみるのですが,動かないのでは話になりません。

 仕方がないので,ベンジンでグリスを落として行き,少しずつ動かしていきます。素人さんがむやみに注油した恐ろしさを見ました。

 ようやく動きを取り戻したところで,ダンパーを三カ所交換します。外形4ミリ,内径2ミリのチューブを輪切りにして使うのがよいのですが,私の場合適当なものがなかったので,ミノムシクリップの絶縁ゴムの,端っこを切って使いました。

 さらにさらに分解してベンジンで洗浄を繰り返します。エアダンパーも分解して清掃,幸い内部のダンパーは再利用できそうです。

 こうしてミラーボックスは問題なく復活しました。エアダンパーの「しゅぽ」という音,たまらないものがあります。


(2)シャッター

 シャッターはぱっと見たところ問題はなさそうでしたが,かなり使い込まれていますし,この部分のダンパーの劣化もトラブルの原因として知られていますので,一応分解掃除をした方が良さそうです。

 縦走りのシャッターは分解するとパズルのようで,元に戻せないことが怖くて,私は実はばらした事はありませんでしたが,ここまできたらチャレンジです。

 慎重にばらして,順番を覚えて行きます。ばらしたらベンジンで清掃をすると,結構汚れが落ちます。ダンパーも不必要なものは外してしまいました。安心出来るという点でも,やっぱり分解して良かったと思います。

 組み立ての順番を少し間違えてしまいましたが,おかしな記憶だけに頼るのではなく,原理的な所も考えながら組み立てるべきで,その結果ようやく正常な動作をするようになりました。


(3)組み立て

 そのほか,固着している部分を清掃し,場所によっては綺麗なグリスを塗って,逆の順番で組み立てていきます。

 ところが,失敗がいくつか。配線が劣化しており,作業中に切れてしまうことがありました。自分で外した配線はメモを取ってありますが,勝手に外れた部分はメモなど取っていません。

 切れた部分が複数でないうちに,切れた部分を探し出してハンダ付けしていきます。これでなんとか元通りにできました。結局2本の配線を切ってしまいました。

 露出計のLEDも位置決めがなかなかシビアで,調整が難しかった所です。これも根気よく繰り返して,納得できるレベルにしました。

 電気回路は幸いなことに全く問題はなく,修理の必要はありませんでした。

 あと,モード切替ダイアルがかなり渋かったので,ここも分解して清掃です。かなり良くなりましたが,ちょっと操作がしづらいのは,このカメラの欠点だと思います。


(4)調整

 いつものようにグレーカードで露出計の確認と調整をします。ちょっとアンダーなようですので,調整をします。続けてオートシャッター速度を確認しますが,これがまた無茶苦茶。

 おかしいなあといろいろいじって見ましたが,半固定抵抗の初期位置から随分ずれてしまいます。

 正しくはまずオートシャッター速度から調整するべきなので,そういう風にしてみたところ,一応あわせるとができました。ただ,どうも半固定抵抗の位置が怪しい。

 気を取り直し,マニュアルシャッター速度を測ってみると,これもまた無茶苦茶。ここは調整箇所が見あたらないので焦ったのですが,もしやと思い電池電圧を測って見ると,1.2Vまで低下していました。これでは調整もおかしくなるはずです。

 1.4Vあたりの電池を入れてみたところ,マニュアルシャッター速度はかなり改善されました。ただ,シャッターボタンから指を離さないと後幕が閉じないので,おかしいなあと思いつつ調整をやり直します。

 再調整の結果,かなり半固定抵抗の初期位置に近いところに落ち着いたわけですが,そのうちマニュアルシャッター速度がかなり狂い始めました。

 電池電圧を測ると1.3Vまで落ちています。

 それにしても,これほど電池電圧に依存するとは,困ったものです。もしかしたら,電源回路に問題があったりするのかも知れません。

 これはたまらんと,新品の酸化銀電池をおごることにしました。

 結果,半固定抵抗の初期位置のかなり近いところで調整が終わりました。マニュアルシャッター速度も一応きちんと出ています。

 最後に全速確認し,問題がないことを確かめて,調整は終了。セルフタイマーのレバーを残して,全部組み立ててしまいます。


(4)外装

 張り皮がひどい状態だったので,この際張り替えることにしました。気になったのは裏蓋の張り皮で,メモホルダーをどうやって外すかが問題でした。

 結果,ホルダーは裏蓋の裏側でダボを溶かして取り付けられていました。ダボを出来るだけ温存しつつ,削って外します。そして張り皮を張り直して,元通りに組み立てます。

 張り皮はオリジナルとは違って,手持ちの関係でライカっぽいものになってしまったのですが,これはこれでまあよいとしましょう。

 ペイントの剥げもかなりひどく,プライマーのあと丁寧にタッチアップします。シルバーはプラスチックの部分ですので,プライマーは使いません。

 モルトプレーンも張り直し,セルフタイマーのレバーも組み付けて,完成です。


 てな感じですが,まだ試写はしていません。1/2000秒もきちんと出ているようなので,あまり心配はしていません。

 MEsuperと言えば,部員でもない私が写真部の部室に入り浸っているときに,先輩の持ち物だったのが記憶に残っており,勝手に空シャッターを切りまくっては,使いにくいマニュアルシャッター速度のボタンやモード切り替えダイアルに閉口した覚えがあります。

 それでもあの小ささや,1/2000秒まで持つ基本性能高さは,ちょっと憧れていました。今回それをジャンクとはいえ手に入れてみて,実際に分解してみると,特徴がよく分かります。

 プラ部品はほとんど使われておらず,金属の部品はしっかり作られており,このカメラのメンテナンスを楽しむ人が多いのも頷けます。

 ただ,操作が大変なこと,電池が結構早く減ること,それとミラーショックがかなり大きいことを考えると,このサイズはそれなりに無理をしているんだなあという印象です。

 年明けにも試写をして,様子を見たいなと思います。

 ここまでいくつかのカメラをレストアしてみて,なんとなく傾向がつかめてきました。時代ごとにやり方はちょっとずつ違いますが,勝手が分かるというか,どこをどう見ればよいかが分かってくるので,この手のカメラならもう迷わないで済むような気もします。

 さて次は,一緒に手に入れた28mmレンズのレストアです。かなり汚いのと,ヘリコイドグリスがスカスカになっています。これももう年明けですね。

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