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サンマが焼けて,燻製が出来て

 サンマの美味しい季節になりました。

 私は子供の頃は生臭い魚が嫌いでしたし,大きくなってもおいしいと思ったことはなかったのですが,20歳の頃に定食屋さんで食べた日替わり定食のさんまの塩焼きに「世の中にこんなにうまいものがあったのか」と驚愕して以来,魚が好きになりました。

 後でつくづくわかったのですが,要するに私の母親は料理が下手で(自分でもそう言っていた),魚だけではなくいかなるものも,おいしくなかったようなのです。

 外で食べるようになると美味しいものに出会うことが増えるわけですが,私はそれを長年,大阪という街が美味しいものにあふれているからだと思っていましたが,それ以外にも,普段から美味しいものを食べていなかったことも理由だったということでしょう。

 母の名誉のために書き添えますが,すべての料理がまずかったわけではなく,田舎育ちの母らしく,田舎料理は絶品でした。
 
 また,ちょうど私が外で美味しいものを食べるようになり,母の料理にあれこれを口を出すようになってから,母の料理は非常に美味しくなりました。これは,子育てが終わりに近づいたことで生まれたゆとりもあると思いますし,批評家がいることで改善への意欲が出来た事と,持ち前の「賢さ」による学習能力の高さがなし得たのだと思います。

 そんな母のレシピをいくつか,私も引き継ぎました。

 話が脱線しました。サンマです,サンマ。

 サンマの塩焼きは,この季節にはありがたい食べ物で,脂がのって丸々とした大きなサンマを,塩を振ってしっかり焼いて,頂きます。昨今,漁獲高の減少で値段が高めになっていて,体感的には10年前の2倍になった感じもあり,もはや庶民の味とはいえなくなっているなと思いますが,正直なところ毎日食べるものでもないですから,安いことがそれほど重要ではないように思います。

 大事な事は,美味しく焼くことです。これが難しい。

 かつては家で焼くのはあきらめていました。煙は出るし,その割にはうまく焼けないし,片付けも大変だし,こういうものは,外で食べるか,さもなくば焼いてあるのを買って来るのが一番だと思っていました。

 しかし,やっぱり焼きたてが食べたいものです。2009年に引っ越しをしたときに買ったガスコンロに,オートメニューで両面焼きのグリルが搭載されていた事を機に,サンマを家で焼くようになりました。

 とはいえ,煙もすごいし,後片付けは他の魚に比べても大変でした。しかもサンマの大きさによっては中に火が通らないこともあったり,はらわたがポンと破裂して掃除がさらに大変になったりと,苦手意識はついて回っていました。

 今の家に移ってからは,備え付けのガスコンロのグリルにオートメニューがないこともあって,付きっ切りの手動で魚を焼くことになりましたが,やっぱりサンマは難しく,焦げないように,ふっくら美味しく焼き上げたことは,残念ながらありません。

 今年もチャレンジしたのですが,明らかに換気扇の処理能力を超えるものすごい煙が家中に立ちこめ,グリル内では油が飛び散り,真っ黒になっています。あげく,油に引火して炎を上げていました。

 片付けも大変でしたが,それでも決して美味しいとはいえない焼き上がりに,私はとてもがっかりしたのです。

 焼き魚という料理には,大なり小なりこうした問題があり,毎日夕食を担当する私のレパートリーを狭めていました。焼き魚は調理は楽なんですが,料理中の煙と臭いや,グリルのそばを離れられないことと,片付けが大変なことで,どうしても躊躇してしまいます。

 そんなおり,10年ほど前に検討した調理家電のことを,ある記事を見て思い出しました。焼き魚用のロースターです。当時の私は,自宅にグリルがなく,魚を家で焼くことができませんでした。でもサンマは食べたい,そこでサンマを丸々焼くことが出来るロースターを検討したのです。

 しかし,結局置き場所の関係もあり,サンマを焼くだけならバカバカしいという事で,購入をやめたのです。

 その記事によると,随分進化しているようで,なになに,14層の触媒フィルタ(交換不要)で煙と臭いを90%カット?フッ素コートとオートクリーンでお手入れラクラク?姿焼きだけではなく切り身や干物,あげく焼き鳥も焼き芋も出来るオートメニュー搭載?しかも燻製まで出来るだと?

 ちょうど,某ドイツの自動車メーカーが触媒をキャンセルするズルをして大気を汚して世界中から怒られていた時期でしたので,この高機能には「とうとうやったな,パナソニック」と思ったわけですが,あきらかにサンマが丸ごと焼けるような巨大なロースターはいわば季節商品ですから,あまり迷っている暇はありません。

 ということで,パナソニックのロースター「NF-RT1000」を買いました。

 買って1週間ほど経過し,一通り使ってみたので,簡単なレビューです。

・大きさ,重さなど

 大きさは横幅45cmということで,フルサイズのコンポやビデオデッキなんかに比べても大きいです。奥行きも35cm以上あり,置き場所は選ぶと思います。多機能で高価なものですが,5000円のトースターと質感はあまり変わらず,その点を期待するとがっかりします。

 重さは5.4kgと,高いところに収納するにはちょっと厳しい重さです。しかし,あまり軽いとコードで足を引っかけたりしたときに危ないですし,私個人はもう少し重たくて,一人で動かす事をあきらめてしまうくらいであると,割り切れたかなと思います。

 使用中はかなり熱くなります。使用後もしばらく熱くて,外側にうかつにふれるとやけどをしますので,気をつけて下さい。


・魚を焼いてみる

 焼いた魚は,まずはサンマです。煙で家の中が白く煙ってしまうサンマの塩焼きですが,このロースターの最大の売りは,どのくらいの効果があるのでしょう。

 網に並べて,姿焼きのメニューを選んでスタートするだけ。14分で焼き上がります。

 その間,派手に煙が出ているのがわかりますが,その側にはほとんど出てきません。煙が出ないと言うのは,本当です。臭いもかなり抑えられています。これはすごいです。

 出来上がって取り出して見ると,しっかり焼けていますが,縮んでおらず,フカフカです。期待して食べると,なんと美味しいことか。中までしっかり火が通っていますが,ふっくらしっとり,実においしく,食べ応えがあります。しかも皮がぱりぱりといい具合に焼けており,背骨とひれを残して,あっという間に全部食べてしまいました。

 後片付けですが,フッ素加工の網は水を付ければ大体汚れが落ちます。フッ素加工のメリットは片付けはもちろん,焼いた魚を取り出すときに魚を傷つけないということにも意味があって,なんでこれがガスコンロにもつかないのかと,本当に首をかしげていました。中部地方のガス器具メーカーには,改善しようという貪欲さが足りないのでしょうか。

 こびりついた網の汚れは,本当はやってはいけないのですが,食洗機で洗います。数百度の高温にさらされる網ですから,食洗機くらいはなんてことないはずです。

 失敗したのは,オートクリーンを洗う前に運転したことです。というのは,焼き上がった直後に電源を切ると,ファンが止まってしまい,煙が隙間から出てきてしまったからで,ファンを回すために,何か手がないかと考えた結果が,クリーンモードの運転でした。

 この結果,トレイに落ちた油が真っ黒に焦げてしまい,洗うのがとても大変になりました。先に洗ってから,クリーンモードの運転をしないといけません。

 そのトレイと,フロントの硝子窓は分解して取り外すことことが出来るのですが,トレイ側にはハンドルなどの隙間があり,ここに水が入り込んで抜けてくれません。錆びてしまうかも知れませんので,ここは改善の余地があります。

 オートクリーンモードというのは,ある温度になると汚れを分解して焼き切ってしまうものなのですが,これはそのための塗料を塗っている場所に限られます。ですから,中が完全に綺麗になるわけではありませんが,まあそれは仕方がないと思います。

 それでもまあ,掃除の手間は大幅に削減され,これなら毎日使っても大丈夫だと思いました。日々の夕食に幅が出てきそうな感じで,買って正解です。

 そうそう,煙と臭いに関してですが,実は臭いはそれなりに出ます。ただ,煙が出ないので目立たないだけです。換気扇は最強でぶん回さないといけませんが,それでも家の中に臭いが残ります。

 煙たくないので気付きにくいのがさらに良くないのですが,気が付いたら喉が痛い,気が付いたら着るものがくさい,と言うことがおきます。煙が出ないと言うだけで,そこはやはり魚を焼くわけですから,それなりの覚悟は必要という事でしょう,これは,後述する燻製にも当てはまります。


・茄子を焼いてみる

 秋と言えば茄子。茄子と言えば焼き茄子です。

 ですが,焼き茄子もなかなか難しい料理です。説明書に焼き茄子が書かれていたので,試して見ます。

 焼き茄子はオートでは焼けず,手動で焼く必要があります。270度で15分です。

 ただ,説明書には温度と時間だけしか書かれておらず,どうやって切るか,どうやって並べるかなど,肝心な情報が書かれていません。縦に半分にして焼いて見ましたが,結果から言うと失敗です。

 水分が完全に抜けて縮んでしまい,まるで乾いたスポンジのようになっています。焦げ目もほとんどなく,味もほとんどしません。これはダメですね。


・あじの干物を焼いて見る

 あじの干物はそんなに難しいものではないのですが,どちらかというと大きさが問題で,普通のグリルでは,3枚の干物を焼くのはなかなか難しいものです。このロースターでは,なんとか3枚の干物を焼くことが出来るので,これは大きな優位点です。

 オートメニューで干物を選んで,スタートするだけ。出来上がった干物は,干物と思えないほどふっくら,ジューシーでとても美味しく頂きました。


・燻製にチャレンジ

 さて,いよいよ燻製です。私は燻製をそんなに好まないのですが,それでもスモークチーズなんてのは,たまりません。

 ただ,燻製というのは,アウトドアが大好きな人が屋外で煙に巻かれながらやるもんだと思っていて,家の中にいるのが大好きな私には,一生縁のない世界だと思っていました。それが,今や室内で,しかもボタン1つで出来てしまうとは。

 燻製に必要なチップは,無難にサクラを選びました。1回で10から15g使うのだそうですが,私は加減が分からず,500gの袋を買って,その大きさにびっくりしました。

 このチップを付属の燻製用のトレイに入れ,燻製用の網をおきます。この網はあらかじめアルミホイルで包んでありますが,具材をこの網において,最後にトレイをアルミホイルで封止します。

 準備はこれでOKで,あとは燻製メニューを選んでスイッチを押すだけです。

 私は,鶏のむね肉と6Pチーズを燻製してみました。

 まずむね肉ですが,塩をたくさん目にふり,あまり分厚くならないように薄切りにして並べました。ですが,案外網が小さいので,大きい食材だと乗り切らないかも知れません。

 出来上がってみると,確かに燻製ですし,美味しいのは美味しいのですが,むね肉の弱点である油のなさ,水分のなさが協調されてしまい,とてもくしゃくしゃとして食べにくく,うまみも出てきません。

 これなら,他の料理にした方が美味しく食べられそうです。

 次,6Pチーズです。6Pチーズと言ってもいろいろあり,おそらくはトラディショナルな雪印の青い箱に入っているものが対象なのでしょうが,へそ曲がりな私はクラフトのカマンベールを選びました。

 結果は,溶けてしまって,潰れていました。

 ですが,冷えるとアルミホイルから綺麗に剥がれますし,燻製独特のうまみと香りが香ばしく,実に美味しく食べました。

 さて,気が付いたことですが,調理中の煙は確かにほとんど出ません。本当に燻製が出来るのかと不安になるほどです。しかし,出ないのは煙であって,臭いは出ます。目に見えないので気が付くのが遅れますが,さすがに燻製の臭いですので,喉に刺激となり,私も娘も咳をゴホゴホしてしまいました。

 調理中の煙は出ませんが,調理が終わってから取り出すまでに,あたりまえですが煙が出ます。これが結構バカにならないので,気をつけないといけません。

 洗い物は楽なのですが,なにせ高温になっているものばかりですから,やけどに注意が必要です。


 ということで,ロースターは,「焼く」という調理方法を日常に組み込むために,非常に大きな貢献をしてくれそうです。手間がかからず,その上美味しく焼けるというこの機械は,魚という食材を上手に料理するための1つとして,重宝すること間違いなしです。

 焼き鳥も焼けるそうですので,今度試して見たいと思います。

 ただし,目に見える煙はでないけども,目に見えない臭いは出ていることを意識して,しっかり換気をすることは忘れないようにしましょう。

 一方で,燻製にはあまり過度な期待をしない方がいいと思います。そんなに美味しく出来るわけではないし,チーズの燻製などは,買って来れば済む事です。

 一度に作れる燻製の量が少ないですし,同時に複数の食材を燻製出来ませんから,「燻製が出来ますよ」というデモンストレーションのようなもので,実用度は低いと言わざるを得ません。

 電気を熱に変えるという,非常に原始的な機械にしては2万円を超えるという高額商品ですから,上手に使う必要はあるとおもいます。私の場合,フィリップスのエアフライヤーが必需品になっているように,このロースターも必需品になることでしょう。

 そうなると,コンセントの増設ですね。うーん,なにかうまい方法を考えないと・・・

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