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DR-100mk2のライン入出力レベルについて

 前回,DR-100mk2のレベルダイヤグラムのことを書きましたが,実際に信号を入れて挙動を確かめたところ,間違っていましたので訂正を兼ねて,再度まとめてみようと思います。

 まず,最初に言い訳ですが,前回のレベルダイヤグラムは誰かが勝手に作ったものというのではなく,某所から手に入れたDR-100のサービスマニュアルに記載されていたものです。

 DR-100とDR-100mk2は入力系統に仕様の変更がありますかr,同じという前提で話をするのはまずいのですが,今回の話は録音と再生という基本機能そのものであることから,仕様の変更はないものと考えています。

 だから,DR-100のレベルダイヤグラムをDR-100mk2でも同じだと思っていたのですが,結論は誤りでした。DR-100とDR-100mk2とは同じ仕様で,サービスマニュアルが間違っているのか,DR-100とDR-100mk2が異なる仕様になっているのかは,DR-100を持っていないのでわかりませんが,とにかくレベルダイヤグラムは適用できないというのが答えです。

 なら,正しくはどうなのよ,ということになるのですが,残念ながらメーカーが出所となるレベルダイヤグラムは手に入りませんでした。ただ,DR-100mk2で追加されたXLRでのライン入力に関してはキーフィーチャーだったようで,レベルダイヤグラムがカタログに記載されていました。

 よって,この数字をアンバランスのライン入力(LINE2)にあわせて,実機の動きと矛盾しないように書き換えるというのが,今回の話になります。


(1)ライン入力の仕様について

 DR-100mk2のライン入力は,前述のようにバランス入力とアンバランス入力の2系統があります。前者であるLINE1入力はプロスペックを満たすために,基準レベル+4dBu,最大レベル+24dBuとなっています。ヘッドマージンは20dBです。

 もう1つのLINE2入力は民生機器への接続用で,基準レベル-10dBV,最大レベル+6dBVです。ヘッドマージンは16dBとなっています。1dBVは1.0Vrmsですので,-10dBVは0.3Vrms,+6dBVは2.0Vrmsです。


(2)ライン出力の仕様について

 DR-100とDR-100mk2はライン出力を独立した端子で持っており,仕様は両機で共通です。民生機器接続用のアンバランスで,基準レベル-10dBV,最大レベルが+6dBVです。


(3)コーデックの入出力レベル

 コーデック(ADコンバータとDAコンバータ)の入出力レベルについては,フルスケールを0dBとおいて,dBFSで表記します。

 カタログに記載されたDR-100mk2のレベルダイヤグラムによると,ライン出力のレベルは,0dBFSで+4dBVです。従って,基準レベルである-10dBVでは-16dBFSです。これはカタログのレベルダイヤグラムに書いてあるとおりですし,実機での計測でも同じ結果が得られました。

 また,同じレベルダイヤグラムに記載があるLINE1の入力レベルを見ていくと,基準入力レベルである+4dBuが-20dBFS,最大入力レベルである+24dBuが0dBFSと書かれています。


(4)レベルメーターについて

 DR-100およびDR-100mk2のレベルメーターには数字が入っていませんが,逆三角形の印がついているところが-16dBであり,ここを下回らないように入力レベルを調整せよと取説に記載があることから,この印がコーデックの-16dBFSであると考える事ができます。


(5)アッテネータについて

 アッテネータといっていいか分かりませんが,入力レベルの調整用のボリュームは,最大で-31dBの減衰を行う事が可能となっています。サービスマニュアル記載のDR-100のレベルダイヤグラムでは-31dBから0dBとありますが,DR-100mkのカタログ記載のレベルダイヤグラムでは,-15.5dBから+15.5dBまでと記載があります。

 この場合,0dBはボリュームの真ん中になると考えていいと思いますが,減衰量と回転角がリニアであるとはどこにも書かれていませんので,違うかも知れません。

 減衰しか出来ないボリュームで+15.5dBというのはおかしいので,前段に15.5dB以上のゲインを持つアンプがあるのが前提ということになります。

 果たして実機がそうなっているかどうかを確かめてみると,ツマミが10(最大)で-10dBVを入れると,レベルメーターはちょうど0dBを示しました。

 また,ツマミを0(最小)にして,+6dBVを入れると-25dBを示しました。まあ難しい事は考えずに,普通に-31dBから0dBの減衰という理解が,一番しっくりくると思います。


(5)LINE2入力の仕様を推測する

 と,ここまで書き連ねてきた事実と考察から,問題のLINE2入力の仕様を推測します。

 まず,LINE1の基準入力レベルが,ヘッドマージンを割り引いたレベルとなっていますので,これをLINE2に当てはめてみると,基準レベルである-10dBVは-16dBFSとなります。

 そして,それぞれの数字にヘッドマージンの16dBを加えてみると,入力レベルが+6dBVで0dBFSとなります。ということは,DR-100mk2のLINE2入力の電圧とレベルメーターとの関係は,0.3Vrmsで-16dB,2.0Vrmsで0dBということになるわけです。


(6)短くまとめると

 入力→ 0.3Vrms = -10dBV = -16dBFS = -10dBV = 0.3Vrms 出力→
 入力→ 2.0Vrms = +6dBV = DdBFS = +6dBV = 2.0Vrms 出力→


(7)それで?

 なにを当たり前の事をごちゃごちゃ書いているのかと,大多数の方は思ってらっしゃることでしょう。結論はとても簡単で,例えば基準レベルが-16dBFSだと知っていれば,こんな考察など必要なく取説を読むだけでこのくらいの情報は得られます。

 私は民生品のオーディオ機器しか扱ってこなかったので,レベルダイヤグラムなどあまり意識してきませんでしたし,レベルを合わせるなどと言う注意もしてきませんでした。

 胸を張って言えるようなこととは違うのですが,これですっきりしたのは,録音時には-16dBから0dBの間で,メーターがウロウロするようにすればよいという取説の記述の根拠です。

 確かに,仮にDolby-Cで20dB改善されたカセットでも,ダイナミックレンジは70dBほどですから,最大レベルを仮に-16dBとしても,ダイナミックレンジは理論上80dB確保出来ることになるので,十分カバー出来ると考える事ができます。

 まあ,小さいレベルの時には,量子化雑音が占める割合が大きくなってしまうので,やっぱりレベルはギリギリを狙っていくのがいいと思いますが,ピークレベルメーターですべてのオーバーを拾えているという保証もないですから,取説に従っていこうと思います。

 だけど,ヘッドマージンとして用意された16dBってのが,デジタル録音では一番おいしいところだったりするんですよね。ここを使わず,いざというときのために撮っておくというくらいの意味で残しておくのは,旧世代の私としては,ちょっと悔しい気もします。

 そうそう,もう1つ実験したことがあります。

 入力レベルを調整するつまみですが,DR-100mk2は2重になっていて,左右独立でレベル調整が出来るようになっています。

 ですが,少なくとも私のモデルでは,内側と外側のツマミの数字が回しきったところで揃いません。0にしても10にしても,ちょっとずれるんです。

 このズレが,実際の音量の差になっているなら問題ですが,単にツマミのガタで怒っているなら,無視しても良いでしょう。

 そこで,ツマミをまず両方とも10に回しきって揃えた後に,外側のツマミを回して両方とも0にします。ここで左右の音量を測定し,そこからさらに内側だけさらに回します。

 これを,0で揃えて10まで回しきった後にも同様に行います。そしてレベルが変われば問題,変わらなければ問題なし,と判断します。

 
 結果ですが,ツマミのガタでした。どちらのケースでも,さらに回したところで値は変わりません。

 案外,このボリュームはよいものを使っているような感じで,ボリュームそのものにガタはないですし,左右の変化のずれも少ないようです。

 昨日思い出したのですが,昔使っていたA-450という古いカセットデッキは,どうもアジマスが狂っていたのと,ディスクリートで構成されたDolby回路の調整がずれており,左右の音量差が出ているテープが多く,しかも周波数と絵ベルで定位が変わってくるという非常に面倒なものになっています。

 周波数や音量で定位が変わることはもう仕方がないとして,明らかにずれているものは左右独立のボリュームの利点を生かして,左右の音量バランスが同じになるように調整をすることが出来ました。

 こうして録音した音楽を,録音後に再生してみると,回転部分などどこにもないのにちょっとした感激があるから,録音という作業は楽しくてやめられません。

 ただ,楽しいのは結構なのですが,安いテープで30年を経過したようなものは経年変化で高域の減衰が目立って来ているものがありますし,そうでないものも転写がおきていたり,磁性体が剥がれてしまうという劣化も出てきています。

 このため,左chだけ音がこもってしまうのが10秒だけ続くいったような,それまでの作業をパーにしてしまうような事故もおきやすくなっています。

 20年以上経過し,ひどいものは30年にもなるようなテープが,今でも再生出来ることがそもそも大したものなのかも知れませんが,ここはさすがに音が出なくなるデジタルと違い,ダメになってもダメなりに音が出るアナログは,頼もしいなあと思います。

 何度か録音をやってみて,大体作業の流れや注意点も見えてきました。あとは単純作業の繰り返しになりますが,なにせカセットもDATも数があるので,短期的に時間を作って処理しても追いつきません。死ぬまでにコツコツをやっていくという長期的な覚悟で,取り組んでいく必要があると思っています。

 とはいえ,ちょっと無視できないなと思っているのが,当時の機材の問題(調整不良)による高域が異常に出ているテープと,経年変化や劣化による高域が落ちてしまっているテープです。

 一度デジタルで取り込んだ後に,ソフトで補正をかけようかと思ったのですが,時間もかかるし,アナログの段階で補正が出来る方がいいと考えて,グラフィックイコライザを買うことにしました。

 オーディオ用途のものはもう絶滅しているんですが,業務用にはたくさんの品種があります。随分安くなっていることに気が付いたのですが,今回は価格破壊者として知られる,ベリンガーのものを手配しました。

 積極的に音をいじることを良しとしなかった私は,グラフィックイコライザーを使いこなせる自信がありません。試行錯誤でいじっても,結局うまくいかなかった経験もあるので,15バンドで左右独立という自由度の高い機器を目の前にして,果たしてきちんと目的を果たせるのかどうか・・・

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