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グラフィックイコライザを買いました

  • 2015/12/18 15:21
  • カテゴリー:散財

 劣化し低域が落ちてしまったテープ,あるいは当時の機材の問題から高域が上がりすぎたテープの補正のために,グラフィックイコライザを買いました。

 買ったのは,安いことで有名なベリンガーの15バンド,FBQ1502です。

 このモデル,実はすでに生産終了となっていて,現在は後継機種であるFBQ1502HDとかいうものに変わっているようです。価格についても,数年前は1万円以下で売られていたものが,現在は13000円くらいになっており,円安と物価の上昇を実感出来ます。

 腐っても1Uラックの15バンド2chのグライコが1万円以下というのは,確かに「安いなー」という印象がありますが,その感覚になれてしまうと現在の13000円は妙に高いと思ってしまうから不思議です。

 ご存じの方も多いですが,このベリンガーという会社はドイツのメーカーなのですが,製造を中国で行うことを前提にして,実用品をびっくり価格でと言う,100円ショップみたいなことをやっている会社です。

 楽器というよりも,マイクやミキサー,エフェクターなどのPA機器をやっているので,同じ範疇に入る電子楽器やギターアンプを作ったりはしていないようです。

 確かに,グラフィックイコライザのような枯れた電子機器が,なんでこんなに効果なのかと私も思った事がありました。数が出ないからとか,信頼性を重視しているからとか,いい部品を使っているからとか,そういう理由を勝手に考えて納得していましたが,ベリンガーさんはそこから,なら安く作ってみるか,と行動を起こしたところがすごいと思います。

 特に壊れやすいとか,そういう話が目立ちますが,音が悪いとか,使い勝手が悪いとか,そういう評判が案外少ないので,メーカーの意図通りという感じでしょうか。

 私の場合,そんなに頻繁に使うものでもなく,補正をしないといけない場合に出番があるという程度のものですから,高価なものは避けたいです。信頼性に関してもおおらかですし,音質についても,そもそも補正をかけるようなソースですから,余程ひどいものでなければOKです。

 そんな観点で行けば,もうベリンガーしかありませんわね。

 問題は機種選定です。まずステレオで補正しますので,2chは必須。面倒なので2ch分が同時に調整出来るとよいです。バンドはあまり荒いと調整出来ないから駄目ですが,かといって多すぎるのも面倒です。

 ということで,候補は9バンドステレオのものと,15バンド2chのものがのこりました。前者は9000円。数年前は5000円だったそうです。ハーフラックサイズでとてもチープで,5000円なら買うけど9000円はないなと,すでに心は離れていますし,9バンドというのもちょっと少ないです。

 ただこいつにも利点はあり,入出力がRCAピンジャックだということ,それとステレオなので2ch同時に調整がかかるので,手間がかかりません。

 しかし,やっぱりやめました。なぜなら,15バンド2chのFBQ1502が安く買えたからです。

 今この機種を買うと,13000円くらいします。2ヶ月ほど前までは1万円くらいで買えたようなのですが,時既に遅し。

 ですが,あるところにはあるんですね,送料込みで9800円というのがありました。再生品なので新品ではないですが,メーカーの保証もつきますし,動きさえすれば問題はないかと。すぐになくなると思われたので,迷わずポチリました。

 届いたFBQ1502は,箱も潰れておらず,中身も問題なし。傷も見当たらず,使われた形跡もなく,新品そのものです。ただ,ACケーブルやマニュアルの袋は開封されており,製造年も2014年1月とありましたので,やはり再生品なんだと思います。

 さくっと動かしてみましたが問題なしなので,早速改造です。保証のある品物を買った日に改造するなどしない私ですが,これは話が別です。コストダウンを受ける部品の代表が電解コンデンサ。しかし安い電解コンデンサは,音質の劣化もあるし,すぐに駄目になってしまうと言う,今どき価格と性能が密に創刊を持つという珍しい部品でもあります。

 本当は機構部品が一番高価なので,ボリュームのスライダーとかが問題になりそうですが,こういうものは交換出来ないですから,今回は特に信号系に入っている電解コンデンサを交換です。

 入力側に220uF,出力側に470uFがシリーズに入っていますので,これを在庫してあったMUSEとFineGoldにします。耐圧を高いものにしたので外形が大きくなってしまい,やむなく基板の裏側に取り付けました。

 本当は,電源に入っている1000uFが心許なかったので,105℃品の2200uFにしかったのですが,これは大きさが問題で,どうしても良い場所に配置できずに,断念しました。熱源である3端子レギュレータの真上に来てしまうと,さすがにまずいです。

 スライダーがついている基板は,分解するのが面倒なのでそのままにしましたが,どうもここにも電解コンデンサがついている様子です。中途半端なのもいやなので,これもそのうち改造しましょう。

 このFBQシリーズは,熱を持つことで有名で,ラックにしまい込むと特に熱が籠もってしまい,動作が不安定になったり壊れてしまうことが知られていますし,電解コンデンサの容量抜けでハムが出やすくなることも報告されています。

 だから,電解コンデンサを交換すること,熱対策をすることは,この機種では定番化した改造のようななのですが,私の場合そこまでしなくてもよかったかなあと思ったりしています。

 さて,少しいじってみたのですが,さすがに15バンドあると楽に調整が出来ます。足りないなと思う帯域を協調したり,ベースラインをはっきり聞きたい時にさっと調整出来たりと,なかななのものです。スライダーの感触はオモチャみたいで良くありませんが,これはまあ仕方がありません。

 安いとは言え,オペアンプは性能に定評ある4580が全面的に採用されていて,歪みもノイズも少なく,音質も大変立派なものだと思います。

 グラフィックイコライザのせいではないのですが,当たり前の話として,高域が落ちた昔のテープの補正を行うと,それはもうひどくノイズも大きくなってしまうんですね。これにはもう閉口しました。

 4kHzや6.3kHzをあげると盛大にノイズが盛られますし,10kHzや16kHzでも耳障りなノイズが乗ってきます。

 かといってノイズを気にすると,補正が弱すぎて面白くないですし,困ったものです。

 そこで,一種のノイズゲートである,ダイナミックのいずリダクションを試しに入れて見ました。中学生の時にLM1894Nを使って作ったものですが,押し入れに残っていたので引っ張り出してきたのですが,これが思いの外よいのです。

 当時は,ノイズが出たり引っ込んだりが不自然に感じて使わなくなり,再生時だけにかけるノイズリダクショの限界を感じたわけですが,上手に調整すると劇的にノイズを減らせるので,真面目に使ってみようかなと画策中です。

 どんどんハイファイから遠ざかってしまいますが,もともとのテープの状態から考えると,まあこのくらいは仕方がないかと思うところです。

 これと,あとは高域が上がりすぎたテープの補正です。再生イコライザの調整不良で起こった問題ですので,グラフィックイコライザがよく効くでしょう。

 もともと,わかりやすい機能として,ヘッドホンステレオやラジカセ,ミニコンポなどにこぞってグラフィックイコライザが盛んに搭載されたことがありました。

 この時は,5バンドくらいでそんなに積極的に音をいじれるわけでもなく,またノイズも増えてしまい,音質そのものを損なう場合が多かったことで,ネガティブな印象が定着して,次第に廃れてしまいました。

 とはいえ,デジタルオーディオプレイヤーやスマートフォンの音楽再生アプリでは搭載されていて当然の機能の1つになっているので,廃れたと言うよりも当たり前になったというのが正しい表現かもしれません。

 それでも,今回のように15バンドもあるグラフィックイコライザは,一部のオーディオマニアが積極的に音場補正に使うことがあるくらいで,今のDSPを使えばいいものがいくらでも作れるんじゃないかと思いますが,相変わらず高級オーディオ界の日本人のグライコアレルギーは結構根深いものがあるようです。

 今回,音の補正にグラフィックイコライザを使ってみたわけですが,非常に使えるという印象です。以前と違って音質の劣化も少なく,もっと使ってみようと思わせるものがありました。

 足りなかったものがぴたっと収まった感じがします。こんなことなら,もっと昔から手に入れておけば良かったなと思います。

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